[皆様へのお願い]現在、In Deep の多くの記事が Googleさんの検索で表示されないことが多いため、直接ブックマークしていただければ幸いです。キーワードでの検索は、以下で行うことができます。

2020年からの世界 人類の未来 健康の真実

中国の上海市政府が「ビタミンCの大量投与」を新型コロナウイルスの標準治療に正式に採用。そして思う「ビタミンDは感染症予防に有効だけれど、ビタミンCには治療以前の予防効果はある?」

投稿日:2020年3月8日 更新日:


・大手製薬企業DSMが新型ウイルス治療のために武漢に「50トン」のビタミンCを出荷。DMS




 

上海医師会が新型コロナウイルスの標準治療にビタミンC大量投与を採用

中国での実際の新規の患者発生数自体はよくわからなくなっていますが、公表値としては「回復して退院している人の数」も、このところ急激に増加しています。

治療の詳細はともかく、中国の新型コロナウイルスに対しての治療が他の国と違う点があるとすれば、中国伝統医療を取り入れたことと、「大量のビタミン C」を使用していることかもしれません。

冒頭の写真は、世界最大規模のビタミンCの生産量で知られる DMS という企業が、武漢に 50トンという大量のビタミンCを出荷したことを報告した SNS からのものです。

このことを私が知ったのは最近ですが、 SNS には 2月4日の日付が書かれてありますので、少なくとも、武漢などでは過去1ヵ月くらい、ビタミンCを治療に使用していたと思われます。

上海市医師会が 3月1日に発行した「新型コロナウイルス治療に関する包括的なコンセンサス」には、「新型コロナウイルスに対しての大量のビタミンC投与療法」が公式な治療法のひとつとして掲載されていました。

それを読みますと、ビタミンCは「サイトカインストームの予防」に有効であるようで、つまりこれは、重症者の致死率を下げる効果があると考えられます。

上海医師会「新型コロナウイルス治療に関するコンセンサス」より

上海医師会

上の「未分画ヘパリン」というのは、血栓治療などに使うもののようですので、新型コロナウイルスの重症例では、血栓が起きる場合もあるのかもしれません。

もちろん、ビタミンCだけが治療のわけではなく、上に「6」とありますように、数多くの治療手段の中のひとつのようです。書かれてある治療法は、以下のようになります。

上海医師会の新型ウイルス患者に対する治療計画の概要

・抗ウイルス薬(ヒドロキシクロロキン硫酸塩、インターフェロンなど)

・プロバイオティクスの投与(腸内の微生物環境を改善する)

・ビタミンCの大量投与

・経鼻等での栄養補給

・マスク酸素療法

・免疫調節薬

・中国伝統医学の活用(漢方、ハーブ等)

「プロバイオティクスの投与」という部分を見まして、「へえ、新型ウイルスの治療で腸内環境の改善も行うのだなあ」と何となく感心いたしましたが、西洋医学的な処方と、そうではないものが拮抗している感じです。

このコンセンサスは中国全体の医師会の総意ではないですが、少なくとも、上海医師会の過去の治療経験からは、現時点ではこれが最善だということに行き着いたようです。

なお、「腸内細菌とウイルス感染」ということについては、新型コロナウイルスがどうのこうのということではなく、腸内環境が良いほど(本来の状態であるほど)感染症にかかりにくいということは、以下の記事などでも取り上げています。この頃は、まだ新型ウイルスが世界にほとんど拡散していなかったときでした。

人から人へ感染することが確定した新型ウイルスがパンデミック化するかどうかの瀬戸際に立つ世界…
 In Deep 2020/01/21

この記事に、その 1月21日時点での世界での新型ウイルスの感染確認数と地域の分布が載せられているのですけれど、1月21日というと、ほんの 1ヵ月半くらい前ですが、何と激しい 1ヵ月半だったかということがわかります。

2020年1月21日時点の新型ウイルス感染確認者数(222人)

news.yahoo.co.jp

それから 1ヵ月半後の 3月6日は以下のようになっております。


Coronavirus

こうなってしまったものは仕方ないですが、各国で検査できる数の上限などを考えますと、検査から実際の感染者が把握されている国はないと思われ、上の数字の何倍あるいは何十倍の感染者がいると考えられます。

基本的には、多くの人たちの症状が軽い病気ですので、今後おかしな変異さえしなければ、過度に気にしていても仕方ない気もいたします。

ただ、下の記事で取りあげましたけれど、このウイルスは「すでに大きく変異している」こともわかっていて、現状では、毒性の高いほうが比率が多いようです。

変異か新種か。コロナウイルスが「毒性と感染性の強い株に進化した」ことが北京大学の研究で見出される。さらに新型ウイルスは「ウイルス性脳炎を発症させる」ことも判明

本日なども、日本で 20代の方が新型ウイルスにより髄膜炎を起こして重症化したことが報じられていますが、上の記事にありますように、上気道などだけではない部分にも影響が広がる可能性が出てきているようです。

この新型ウイルスの変異については、専門家たちは、「自然の範囲内での変異」だとしていますが、しかしそうだとするならば、これは、この新型コロナウイルスの、

「ものすごいスピードで違うものへと変異していく性質」

が示されているわけで、いくら RNA ウイルスが変異しやすいとはいっても、こんなに急速に構造を変えていくのでは、ワクチンの開発などは夢のまた夢でしょうし、何より、「また近いうちに違う姿に変化するかもしれない」という懸念もないでもないかもしれません。

 

あまり関係ない話ですが、記録などを見ていまして、私はこの新型コロナウイルスの最も困った部分が、多くの人が「発症の最初の時点ではあまり高熱を発熱しない」という点だと考えています。

たとえば、インフルエンザなどでは多くの場合、発症してすぐに発熱して、そしてやはり多くの場合、かなりの高熱を示します。

ウイルスはどんなものでも熱に弱く、特に 39℃以上などの高熱の前では次々と死滅しますので、つまり、高熱になった途端、「ウイルスはもう増殖できない」

熱さえ出てしまえば、あとは、熱の中でウイルスは次々に死滅していき、そして、体からウイルスが排出されていき、インフルエンザが「治る」のです。インフルエンザは、「熱が治す」といっても過言ではないです(ノロウイルスは下痢と嘔吐でウイルスが排出されて治ります)。

インフルエンザでは、この期間が 1週間とかそういうことになっているわけで、少なくともそれ以上は長引くことは少ないです。逆に「発熱しない風邪やインフルエンザ」は長引きやすいですが、それはウイルスが熱によって死滅しないからです。風邪の引きはじめに風邪薬を飲んで熱を下げると風邪が長引きやすいのも同じ理屈です。

新型コロナウイルスも、人によって、発症の最初はあまり高熱になることがないようで、ということは、「体内でウイルスが増殖できる環境が長く続く」のです。しかも、下痢も嘔吐もあまりないようで、ウイルスの排出もない。

ウイルスが死滅しない上に排出されないのでは、時間が経つにつれて、体内のウイルスは増えるばかりだと思われます。

そのせいか、中国の例ですと、入院したり重症化したりする人のたちの発症の期間がとても長いのですね。  1ヵ月以上の人も多いです。

こういう「体内でウイルスが増殖するまで高熱や下痢などの症状を示さない」性質を持つタチの悪いウイルスが変異して毒性が上がるのは、それはイヤだなと思います。

 

そういうようなこともありまして、現状の新型ウイルスは風邪程度の感染症ですけれど、変異のことが念頭にありますので、以下のようなことは思います。

「できれば感染したくない」

「感染しても体内でのウイルスの増殖を緩やかにしたい」

「発症した場合の良い治療法を知りたい」

ここまで感染力の強いウイルスですと、マスクだとか手洗いだとかが、それほど役に立つとは思えず、あるいは、石鹸や多くの消毒液は、バクテリアだけ洗い流しますので、洗いすぎは体にとってはむしろ「害になる」はずです。

基本的には、自分の免疫だとか、そういう方向で考えるしかないのかもしれないですが、そこでたとえば、冒頭のほうでご紹介しましたように「中国では重症患者にビタミンCが使われている」ということを知り、「ふだんの生活でのビタミンC摂取には意味があるのだろうか」と考えた次第です。

 

 

ビタミンDはガチにしても、ビタミンCはどうなのか


cancer.ie

なお、ビタミンCはともかくとして、これは新型ウイルスに対してどうこうということではなく、感染症全般に対して、

「ビタミンDは感染症の流行時には完全に有効」

だと思います。

メディアで、「新型コロナウイルスにビタミンDが効くというのはデマ」みたいな報道を見かけたことがありましたけれど、別に非難するようなつもりはまったくないですが、「うーん」とは思います。

新型コロナウイルスも「ウイルス感染症」である限り、他の気道感染症でのメカニズムから大きく外れるものではないと思われるからです。

これまで「ビタミンDがウイルス感染症に有効」であるという医学論文は数多く出されていまして、特に「気道感染」には大きな役割を果たすことがわかっていて、そのメカニズムを考えますと、「摂取して無駄」ということはないのではないかと考えます。

ビタミンDと感染症の関係についてはずいぶんと以前から研究されていることのようで、たとえば、以下の 2010年の医学論文では、ビタミンDが抗ウイルス作用、サイトカインのリスク低減、感染の重症度を低めることなどについて書かれてあります。

Vitamin D decreases respiratory syncytial virus induction of NF-kappaB-linked chemokines and cytokines in airway epithelium while maintaining the antiviral
(ビタミンDは抗ウイルス状態を維持しながら気道上皮におけるNF-κB結合ケモカインおよびサイトカインのRSウイルス誘発を減少させる)

内容を簡単に書きますと、

・ビタミンDは抗ウイルス状態を維持させる

・ビタミンDは気道上皮でサイトカインを誘発するウイルスを減少させる

・ビタミンDの摂取が低いと感染症の重症度が高まる可能性

などで、ビタミンDは、「気道のウイルス感染に対する炎症反応を減少させる」ことがわかっているため、新型コロナウイルス対策ということではなく、風邪やインフルエンザなどの感染症の予防や重症化を防ぐにも、ビタミンDは摂取したほうがいいようです。

また、2018年3月の「ヒト免疫不全ウイルス感染症とビタミンD」という医学論文では、HIVに感染している人は、ビタミンDが低下している傾向が示されたことがわかり、ビタミンDの欠乏が、免疫障害や感染症などを含む多数の病態と関係していることが示されています。

実は私自身、これらのことは新型ウイルスのことについて調べていく中で知ったことでして、ビタミンDの重要性を今回初めて知りました。ビタミンDの重要性を知ることができたことについては、新型コロナウイルスに感謝したいところです。

そんなわけで、新型コロナウイルスに対してということではなく、日頃の健康保全のひとつとして、「ビタミンD」というものは大事なようです。

そして、ビタミンDが有効ならば、ビタミンCはどうなのかなと。

もともと、ビタミンCの摂取は「風邪などの予防になる」というようなことを、ずいぶんと若い頃から聞かされていまして、私自身、若い時は本当に風邪を引きやすかったですので、ビタミンCのドリンクなんかをよく飲みましたけれど、

「ぜんぜん風邪予防に結びついている実感がない」

という感じでした。まあ、若い頃の私は体の免疫そのものが崩壊していたとも思われますが、それはともかくとしても、実際のところどうなのか。

この「ビタミンCの摂取が良い」とされたのは、いつ頃からのことなのかと調べてみますと、最初に提唱した人は、アメリカのライナス・ポーリングさんという化学者で、この人は、1954年にノーベル化学賞、1962年にはノーベル平和賞と、異なるジャンルで 2度ノーベル賞を受賞している方らしいですが、20世紀における最も重要な化学者の一人なのだそうです。

Wikipedia には、「臨床医学におけるビタミン治療の研究」という項目があり、それによれば、ライナス・ポーリングさんが提唱した 1960年代から今にいたるまで、ビタミンCの予防効果は「完全には実証できていない」ようです。

ビタミンCと感染症に関しての研究は、その後も現在に至るまでさまざまに続けられていて、現在までに見出されている簡単な結論としては、「一般的な摂取量では感染症の予防に多少は効果があるかもしれない」程度かもしれません。

米ハーバード大学医学部のエッセイ「ビタミンCで風邪を予防できるか」には以下のようにあります。

ビタミンCの風邪への影響

これまでで最も説得力のあるエビデンスは、2013年におこなわれた 11,000人以上の被験者による 29の無作為化試験の結果だ。

研究者たちは、マラソンランナー、スキーヤー、激しい運動をしている軍人など非常に活動的な人々では、毎日少なくとも 200mgのビタミンCを摂取することで、風邪を起こすリスクを半分に抑えられるように見えることを発見した。

しかし、一般の人々(上のように激しい活動をしていない人々)にとって、毎日ビタミンCを摂取しても風邪をひくリスクは減らなかった。

ただ、一般の人々の場合、1日あたり少なくとも 200mgのビタミンCを摂取すると、風邪の症状の持続時間が成人で平均 8%、子供で 14%減少し、発症している日数が 1日減ることがわかった。

このような結果を示すためには、ビタミンCを風邪の症状が始まったときだけに摂取するのでなく、毎日摂取する必要がある。

また、「大量のビタミンCが風邪の予防に役立つ」という主張があるが、それについては、いくつかの研究では、予防に役立つ可能性を示唆してはいるが、それらの研究では、予防のためには 1日あたり 8,000mgの用量を必要とした。

ビタミンCは 1日 400mg以上の用量では尿中に排泄されるが、1日 2,000mg以上を摂取すると、吐き気、下痢、腹痛を引き起こす可能性がある。

Harvard Health Publishing

激しい運動をしている人には予防効果が多少あるようですが、一般の人が感染症予防のために摂取するには、毒素となるほどの大量のビタミンCを必要とするようで、現実的ではないようです。

ビタミンCとビタミンDについて書かせていただきましたが、いろいろと初めて知ることも多く、新型コロナウイルスの登場以来、ウイルスの感染のメカニズムの勉強などから始まり、いろいろな勉強をさせていたただいていまして、実際、ウイルスへの感謝の気持ちもあります。

>> In Deep メルマガのご案内
In Deepではメルマガも発行しています。ブログではあまりふれにくいことなどを含めて、毎週金曜日に配信させていたただいています。お試し月は無料で、その期間中におやめになることもできますので、お試し下されば幸いです。こちらをクリックされるか以下のバナーからご登録できます。
Photo





  • この記事を書いた人
Oka In Deep

Oka In Deep

世界で起き続ける様々なことをお伝えさせていただいています。

人気の記事

1

・2020年2月中旬 ケニア aljazeera.com 旧約聖書 出エジプト記 10章 04-06節 もしもあなたが私の民を去らせることを拒むのなら、私は明日、あなたの領土にばったを送り込む。ばった ...

2

2019年4月23日の徳島新聞より ・100年に1度の珍現象 小松島で竹の開花   平成が終わるその年に開花し続ける神秘の植物「竹」 最近、やけに「竹の花」のニュースを目にするようになりまし ...

3

「武漢-400」という名称の生物兵器が出てくる小説『闇の眼』英語版より ・The Eyes of Darkness   米人気作家が創り出した創造上の武漢ウイルス 数日前に、海外のメディアや ...

4

現行の進化論が現実的な崩壊に直面している大ニュースなのに、日本ではまったく報道されないという事実も 科学メディア Phys.org の5月28日の記事より ・Sweeping gene survey ...

5

・ケニアを飛びまわるイナゴ(サバクトビバッタ)。AFP   イナゴの大群は中国の手前に。10万羽のアヒル部隊は無念の撤退 新型コロナウイルスの感染拡大は、次第に無制御の様相を呈するようになっ ...

6

・esquireme.com   大災厄につながる危機となる可能性が 先日、「絶滅へと進む私たち…」という記事で、中国の習近平国家主席が、3月11日に中国の武漢を初めて訪れたことにふれました ...

7

・初めて公開された新型コロナウイルスCOVID-19の画像。NIAID-RML なぜ100年前の日本人は新型インフルエンザであまり死亡しなかったのか 1918年から流行が始まった新型インフルエンザのパ ...

8

・3月22日に「4日間連続で新たな感染者ゼロ」と発表された武漢。写真は、患者の減少により武漢を去る貴州省の医療従事者たちを送る祝典より。 GULF NEWS   「理由は不明」 世界中のメデ ...

9

・NTD 武漢作戦(1938年) - Wikipedia 武漢作戦は、日中戦争で行なわれた戦いの一つ。武漢三鎮攻略戦、武漢攻略戦とも呼称される。日中戦争の一つの節目とされる戦いである。武漢まで戦線を広 ...

10

2019年3月の国際基準による世界148カ国のIQ値より ・World IQ 82 Becker update V1.3.2   IQと幸福度がリンクしていれば問題はないのでしょうけれど… ...

-2020年からの世界, 人類の未来, 健康の真実
-, , , , , ,

Copyright© In Deep , 2020 All Rights Reserved.