2018年1月6日 アメリカのワシントン山が「世界で2番目に寒い場所」となったことを報告する観測所のツイート
かつてないような異常な熱波に見舞われているオーストラリアについての報道
今日は別の記事を書こうと思っていたのですが、ニュースをふと見ると、世界の気候がさらにえらいことになっていまして、最近の記事への追記的な意味も含めて、短く書かせていただこうと思います。
Sponsored Link
冒頭に貼りましたのは「アメリカが世界で2番目に低い気温を記録した日」についてのことで、その下は「オーストラリアがとんでもない暑さに見舞われていて、各地でアスファルトが溶けている」というニュースです。「寒さ」も「暑さ」も両極端ということになっているわけで、どちらも少しずつ「史上最高値」を塗り替えつつあります。
最近は気候の記事が多いのですが、それでも毎日毎日、なお報道を見るたびに「これは行き過ぎだろ」というようなものが次々と出てきています。
アメリカが「寒い」ということについては、先日の、
・「2018・アメリカ大寒波」に思い浮かべるミニ氷河期下の私たちの文明
In Deep 2018/01/05
など、何度か記事にしていて、最近は報道でも取りあげられることが多いですが、上の記事を書いた「後」に、またさらに激しい寒波がアメリカの中部から東部などを中心に見舞っておりまして、そういう中で、冒頭のように、アメリカのニューハンプシャー州にあるワシントン山という山で 1月6日、-38℃を記録し、この日に関しては、
「アメリカの地域が世界で 2番目に寒い場所になった」
ということが、ワシントン山観測所から伝えられていました。
ワシントン山は下の位置です。
高所とはいえ、アメリカ本土の一部が、北極圏のユリーカとか、世界で最も気温が低くなる場所のひとつであるロシアのヤクーツクなどと並んだということになります。
そのワシントン山があるニューハンプシャー州のすぐ下にあるマサチューセッツ州のケープコッドという海岸では、その同じ日に、下のように、「海の波が凍る」という非常に珍しくも印象的な光景が出現して話題となりました。
2018年1月6日 波が凍結したマサチューセッツ州のケープコッド海岸
マサチューセッツ州の大都市ボストンでは、寒波の中、旅客機が発着する際に氷が巻き上げられるという何となく芸術的な様相が繰り広げられていますす。
米国ボストン / 氷のような白い大気を噴き上げながら着陸する旅客機 1月8日
そして、今が夏の南半球では、逆に、「度を越した夏の気温」に見舞われている。
ごく簡単なところでは、下のようなニュースがわかりやすいと思います。
豪猛暑、シドニーで47度超 史上2番目、屋外で火の使用禁止
中日新聞 2018/01/08
真夏を迎えている南半球のオーストラリアが 7日、猛暑に見舞われ、最大都市シドニー西郊で観測史上 2番目に高い 47.3度を記録した。
シドニーがあるニューサウスウェールズ州当局は同日、山火事などへの懸念から屋外での火の使用を禁止した。
この日はシドニー各地で 40度を超える暑さとなり、開催中のテニス大会「シドニー国際」が中断された。気象当局によると、シドニーの最高気温は 1939年に記録された 47.8度。
少し間違うと「 50℃」に達しそうな勢いとなっているわけですが、オーストラリアの夏の気温が最も高くなるのはこれからですので(1月中旬から2月)、観測史上最高気温を表示する日が来る可能性はあります。
そして、さりげなく異常めいているのは、今、モロッコとかアルジェリアなど、アフリカ北部のサハラ砂漠に近いところでも頻繁に雪が降っていることです。
下は、モロッコにあるイフレン国立公園という場所での 1月8日の様子です。1月8日は今日ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=AlLexTn-ZNw
その南部に広がるサハラ砂漠のアルジェリア領域でも雪が積もっていることが、最近 NASA の衛星でわかったのだそう。下は昨日のサハラ砂漠の雪の様子です。
2018年1月7日 珍しいサハラ砂漠の雪
南アジアも大変に冷え込んでいるようで、つい先ほど、バングラデシュで「観測史上最も低い気温」にまでなっていることが以下のように報じられていました。
バングラデシュ、観測史上最低の気温2.6度を記録
AFP 2018/01/08
熱帯地域に位置するバングラデシュで8日、観測史上最も低い気温2.6度を記録し、当局は防寒対策として貧困層に約7万枚の毛布を配布した。
1億6000万人の人口を抱えるバングラデシュの冬は温暖だが、8日は国内の数か所で、2.6度まで冷え込んだ。AFPの取材に応じたバングラデシュ気象局のトップ、シャムスディン・アフメド局長によると、観測を開始した1948年以降で最も低い気温だったという。
地元メディアの報道によると、寒さにより少なくとも9人が死亡。うち6人は、史上最低レベルの気温に見舞われた地域の一つである、同国北部のクリグラム県で亡くなったという。
こういうような一種珍しい天候状況は、決して今年に入ってから初めて始まったというようなことではなく、同じような気象がここ数年にはありましたけれど、なんというか、今は世界各地で「どこかで何かの異常気象が絶え間なく起きている」感じで、そのあたりがすごいと思います。「異常ではない地域のほうが少ない」といってもいいのではないでしょうか。
そういう意味から考えれば、今の日本は地域的にはいろいろとある場所もあるでしょうけれど、全体としては比較的穏やかだと思います。
そういえば今日、富士山の近くに印象的な形のレンズ雲が飛翔している様子が SNS に投稿されていました。
2018年1月8日 富士山の近くに出現したレンズ雲
富士山に向かって飛んでいくかのような感じの躍動感のある雲です。
今年は、新年から富士山の周辺に印象的な雲がとても頻繁に出現しています。
いずれにしましても、世界の相当広範囲が荒れてきている今は今として、その現実がありますけれど、今後はどうなるのかとは思います。
日本も明日あたりから地域的にはやや荒れるような気圧配置になっていますので、お気をつけいただければと思います。
何となくいろいろな事象を羅列しただけとなってしまいましたが、日々驚きの気候と現象が出現し続ける今の地球に興味津々である部分も私の中にはあります。