世界各地で地震の懸念続きの中で海底がどうもおかしな様相を示す現状
2018年1月3日のエクアドルの報道より
「海の水が消えた」エクアドルのサンタロサ(サンタローザ)の場所
・Google Map
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「聖書という名の町」での出来事のあとに
つい最近の記事、
・奇妙な光がつなぐ2017年から2018年。そして、コロンビアの異常現象多発地帯の中心が浮かび上がってきたような
In Deep 2018/01/02
の中で、昨年あたりからの「南米」での一種不可解な現象の連続について記しました。
その南米に関しての記事を書いたのは 1月2日でしたが、その翌日の 1月3日に、これは不可解というわけではないですが、南米エクアドルの町が異常な「雹(ひょう)嵐」に見舞われたことを以下の記事に書きました。
・赤道直下の南米エクアドルの町を氷で覆い尽くした「聖書的」な雹嵐
地球の記録 2018/01/06
それは、エクアドルのビブリアンという町が下のような「聖書の記述にあるような雹」に覆われたことをご紹介したものでした。
2018年1月3日 雹嵐の後のエクアドル・ビブリアンの様子
実は、この雹嵐の降った町について、地球の記録の記事には書かなかったことがあるのです。それは、この「ビブリアン (Biblián)」という「町の名前そのもの」についてのことでした。
エクアドルは他の多くの国と同様にスペイン語の国ですが、この「ビブリアン」という言葉。
これがどういう意味かといいいますと、語源としてのラテン語系一般の意味として、辞書からそのまま抜粋しますと下のようになると思われます。
つまり、このエクアドルのビブリアンという町は「聖書」という名の町であるということになると思われるのです。
その町で起きた雹嵐に対して、海外の報道メディアが「まるで聖書の記述のような雹嵐が」という形容詞をつけていたのは、こういうような語源に関しての意味もあったのかもしれません。
さて、それはともかく、このように 1月3日にエクアドルの「聖書という名の町」で印象的な雹の嵐が吹き荒れたのと「同じ日」に、そのエクアドルの別の場所において、冒頭のように、
「海岸線が突如として原因不明の後退を起こした」
ことが報じられていたのです。
報道では「海が消えた」ともありましたが、つまりは突然、海岸線が大きく後退したのです。エクアドルの報道メディアによりますと、海岸線の後退の距離は 100メートルに及んだそう。冒頭の報道の写真にもありますように、漁船が陸地に置かれてあるような状態となっていますが、これはふだん船が停泊している海でした。
海岸線が後退する「前後の光景」がどういうものかといいますと、下は、ふだんのサンタ・ロサの海岸で、ふだんはこのような状態で小さな漁船が数多く停泊している港のようです。
「海が消える前」のサンタ・ロサの海岸
この海岸が、1月3日に突如として下のようになってしまったのでした。
2018年1月3日 海が消えた後のサンタ・ロサの海岸
報道では、発生したのは現地時間の 1月3日とありますが、一番下の写真には「 2018-01-04 (1月4日)」のクレジットがありますので、翌日まで影響が続いたということなのかもしれませんが、そのあたりの正確なところはわかりません。
報道では「原因はわかっていない」とのことですが、そもそもこういうこと自体が発生するメカニズムというものが存在しているのかどうかがよくわかりません。
海の水が急に大量に消えるということは、その水は「どこかに行っている」と思われるのですが、どこへ……?
そしてですね、南米はやはりどうも何だかすごいと思うのですけれど、このエクアドルの「海が消える」出来事が起きてから2日後の 1月5日、
「南米のまったく違う場所の海岸で原因不明のミニ津波が起きた」
のです。
それが起きたのは、コロンビアのエル・ロダデロという海岸で、ここは観光客にとても人気がある場所だそうで、そのためか大きく報じられていました。
1月7日のコロンビアの報道より
突然、津波のような現象が発生したということのようなのですが、原因はまったく不明です。
報道では「低気圧のせいではないか」というようなことも記されていましたが(高波などのような意味だと思います)、その日、この海岸ではたくさんの観光客たちが海で泳いだりしていた穏やかな日だったことを考えると「低気圧説」には素直に納得できない部分があります。
いずれにしても、南米エクアドルで海が後退して、コロンビアでは「原因不明の津波が起きた」。
何となく「どこかで辻褄が合いそうな話」にも聞こえるのですが、しかし、後で地図を載せようと思いますが、同じ南米とはいえ、場所的にエクアドルは太平洋に面していて、コロンビアの海岸はカリブ海に面していますので、かなり遠い場所で、地理的にはまったく関係があり得ないのです。
実は、この南米の海の異変は、昨年 2017年も起きていました。
2017年8月、南米ウルグアイで、やはり「海岸が突然後退した」ということが報じられていました。
2017年8月 「海岸の原因不明の後退」を報じるウルグアイのメディア
この時にはご紹介しようかどうか迷っているうちに、時間がどんどん経ってしまっていました。
しかし、2018年になり、今回のようにまた同じことが「別の国」で起きたということで、いよいよ「南米近辺の海で何が起きている?」ということを思いまして、今回、一気にご紹介させていただいています。
実際は、現実として、いくら個人的に考えてみても「海で何が起こっているか」などということがわかるわけはないですので、起きている出来事をご紹介するというだけのことになるのですが、それにしても南米というのは……。
特に南米の北部がものすごい状態となっているように見えます。
先ほどリンクしました先日の記事「奇妙な光がつなぐ2017年から2018年…」では、2017年から 2018年までに「コロンビア中心で起きていたこと」を地図にまとめたものをアップしました。
下の図です。
2017年から2018年に南米コロンビア周辺で起きたこと
そして今回の記事に出てきた場所を地図上に示しますと以下のようになります。
今回の記事に出てきた南米の場所
ご存じの通り、南米大陸はとても広大であり、海で起きた異変の場所であるエクアドル、コロンビア、ウルグアイに地理的な関係を求めるのは難しいです。
その場合、「考え方」として、以下のふたつがあります。
・これはそれぞれの場所での地域的な出来事である
・海底の全域が何かおかしい
これらについては推測する手段はないですが、ただ、こういう短い時間軸の話ではないですけれど、「海の水はいつか消える」という世界の海水の減少モデルについての研究が、昨年、広島大学大学院などにより発表されていたことを思い出します。
広島大と静岡大、岩盤含水モデル構築 海水、年23億トン減少
日刊工業新聞 2017/10/25
広島大学大学院理学研究科の畠山航平大学院生や片山郁夫教授らは、海洋プレート(岩盤)が海水を多く取り込み、世界の海水が減少傾向にあることを示す新しいモデルを提唱した。
従来モデルに比べ、新モデルでは海水の年間減少量が23億トンと倍増。6億年後に海がなくなる可能性を示した。
地球内部に運び込まれる水の量が分かれば、地球で海が存在できる理由や存続できる期間などについて知見が得られるという。
ということで、この研究では、
> 6億年後に海がなくなる可能性
ということを示したわけですけれど、私が注目したのは、この「年数」ではなく、「内部に大量の水が運び込まれるシステムが地球にはある」ということでした。
そういうメカニズムが地球にある限り、仮にそういうシステムが「極端化」した場合、唐突に大量に海の水が地球内部に消えていくというような事象もあり得ないことではないのだな、と、このニュースを知った昨年 10月には漠然とそう思ったのでした。
もちろん、この地球のメカニズムと今回の南米の海の消滅とは関係のないことだと思いますが、地球には「海を消滅させる」というメカニズムもあるということも含めて、今後、海がどのようになっていくか見ていきたいところです。
なお、海のような巨大なものではなく、川や湖でしたら、近年頻繁に「消えて」いまして、それは過去記事でも数多くご紹介してきました。
下は一例です。
河や水が消えた事例を取りあげた過去記事
・世界中で「湖や川の水が突如として大規模に消える事例」が続出している理由。そして、この地質活動の異変は太陽黒点ゼロ時代にさらに拡大するか
In Deep 2016/06/27・南米チリで広大な湖の水が一晩で消滅! 南米の地底で、あるいは環太平洋火山帯の地底で何が起きているのか
In Deep 2016/06/01・世界一とも言われる美しさを誇るメキシコの「アグア・アスルの川と滝」が一晩で消滅。原因は不明
地球の記録 2017/11/19
ちなみに、今年 2018年は「世界中で地震が増える」と考えられていまして、その最大の理由は、過去記事の、
・「地球の回転が《謎の速度低下》を起こしている」 :アメリカ地質学会の衝撃的な発表…
In Deep 2017/11/21
で取りあげましたように、現在、地球の回転が遅くなっていることと、それは過去のデータでは、大地震の増加と完全にリンクしているということからです。
そのため 2018年は大きな地震が多くなるという予測を科学者たちは立てていますが、地震については最近いろいろなことが出てきていますので、また別の記事で取りあげたいと思います。
2018年は地質的な意味でいろいろと興味深い出来事が続く可能性が強そうですが、それがどのような形で現れるのかは今なおわかりません。