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3月15日にメルマガニネベの年に起きること。そしてガンと寄生虫の関係を発行させていただきました。

2018年からの世界 人類の未来 健康の真実

おそらく、これまでで最も実用化に近い「抗生物質を使わずに耐性菌を治療する方法」が国際合同研究チームにより見出された。それは「分子」を使う

投稿日:

アメリカの医学メディア「メディカルプレス」の報道より


medicalxpress.com




 

本日 11月9日、メルマガ第12号を配信させていただきました。今回のタイトルは『最新の言語学調査から思う「日本人は他の誰も見えない世界を見ている」こと』です。

これは「サピア=ウォーフの仮説」という百数十年前からある言語学上の仮説があるのですが、「言語が現実世界の見え方や感じ方を支配している」というものなのですが、最近の言語学の研究で、それが証明されたかもしれないということをご紹介しつつ、「日本語というもの」について書いています。

まあ、私は「日本語の狂信的なファン」でして、最近はそれほど日本そのものは愛していないかもしれないですが、日本語へのラブは相変わらずものすごいものでして、そういう部分も含めて書かせていただきました。

「言語」というものが、価値観だけではなく、「見えるもの」と「見えないもの」をものすごく支配していることがわかります。まぐまぐさんは、こちらからご登録できます。

ここから今回の本題です。

 

「抗生物質は人類の敵」という状況にまでなる中で

「抗生物質が完全に効かなくなる日」については、これまで、わりと多くの記事で取りあげています。

これは「抗生物質に打ち勝ってしまう能力を持つ耐性菌が次々出現している」ということと関係している話です。

このことに関して、3年くらい前までの In Deep では、この問題は単に「病気に対して効果のある抗生物質がどんどん減っている」という西洋医療の崩壊という問題に関して書くものばかりでした。

たとえば、以下のような記事は 2015年のものです。

バクテリアが人類に勝利した日:「最終救済薬コリスチン」を含めた「すべての抗生物質が無効」のウルトラ耐性菌が猛スピードで全世界に拡大している
 In Deep 2015年12月7日

しかし、昨年頃から、私は、抗生物質に対して、もっと進んだ考え方に変わってきています。

すなわち、

「抗生物質は《人類社会最大の公害》であり、この世から消えるべきだ」

と考えるようになりました。

これは昨年頃から、「人間の身体と精神を支配しているのは《大腸の細菌群》だということを具体的に知り始めた頃と一致しています。

抗生物質での治療は、治療目的の対象となる疾患の原因の細菌も殺すでしょうけれど、同時に「腸内の多くの有益な細菌のコロニーを破壊してしまう」ことが今は明らかとなっています。

今年の 7月の記事では、アメリカの大学の研究で、自閉症の子どもが生まれる原因のうちの大きなものについて、「母親の腸内環境の問題」だと決定されたことを、以下の記事でご紹介しました。

自閉症の子どもが生まれる決定的な要因が米バージニア大学の研究者により特定される。それは「母親の腸内細菌環境」。その予防法も初期段階ながら提起される

また、つい最近、英マンチェスター大学の研究チームが、

「腸の疾患の多くは、抗生物質による腸内環境の変化に原因がある」

と発表しました。

以下の記事は、それが掲載された医学メディアの記事ですが、タイトルが、「腸の疾患は、抗生物質を避けることで回避できる」という内容なのです。


Antibiotics are 'avoidable trigger' for bowel disease

もちろん、腸の疾患の原因としてはいろいろなものが挙げられていて、さまざまな要因が関係するのでしょうが、「その根本のところは腸内環境の崩壊による」と
考えられ、その原因の大きなものとして、抗生物質があるというのです。

こうなってきますと、現在考えられているよのり、さらにさまざまな病気(身体も精神も共に)の原因に「抗生物質」による腸内環境の崩壊が関係している可能性があります。

そして、これとは別に、先ほど書きましたように、

「耐性菌の出現で、抗生物質に頼ってきた西洋医療が崩壊しそうになっている」

ということも事実であり、これは医学界にとって大きな問題です。

そのために今、さまざまな研究者たちが、「抗生物質の代替」を探し続けていて、過去に、いくつかそのような研究をご紹介しましたけれど、今回ご紹介するものは、

「おそらく、抗生物質の強い代替となり得る」

ものだと思われます。

とりあえず、冒頭のその記事をご紹介します。

記事の中には、「抗生物質と併用して使う」というような下りもあるのですが、この効果を見ている限りは、もう少し開発が進めば、「抗生物質は不要」の治療が可能となる日が来るかもしれません。

これが製品化された時には、いろいろな「予測できない副次的な作用」が出てくるのかもしれないですが、現実として、もうすぐそこまで迫っている「抗生物質の崩壊」の時代に入っていく中での、実用的な細菌への対処となる可能性があるのではないでしょうか。

ここから記事です。


Researchers cure drug-resistant infections without antibiotics
medicalxpress.com 2018/10/17

研究者たちは、抗生物質を使わず薬剤耐性菌の感染症を治療した

生化学者、微生物学者、創薬専門家、そして感染症専門の医師たちが、マウスの敗血症を治癒するためには必ずしも抗生物質が必要というわけではないという新たな研究で協力している。

研究者たちは、抗生物質で原因菌を殺すという方法ではなく、感染マウスに細菌の毒素形成を阻止する分子を投与するという方法をとった。

結果として治療を受けた敗血症のすべてのマウスは生き残った。

科学誌サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)に掲載されたこの画期的な研究は、ヒトの感染症が同じように、抗生物質を使わずに治癒できる可能性があることを示唆している。

研究者たちが用いたこの分子は、「AgrA」と呼ばれるグラム陽性細菌種に見られる毒素を産生するタンパク質に固着し、その毒素産生を無効にするものだ。

この治療用の分子で、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に感染したマウスを治療すると、マウスは効果的に治癒されていった。

MRSA は最も強力な抗生物質さえ効かない耐性菌として有名だ。MRSA の抗生物質への耐性能力は広範にわたり、感染症を治療するための選択肢を制限している。

黄色ブドウ球菌によって敗血症となったマウスでは、分子単独での治療では 100%の生存をもたらしたが、未治療のマウスは 70%が死亡した。

この分子は、黄色ブドウ球菌感染を治療するために現在使用されている抗生物質と同様に、生存率の促進に有効だった。

この分子は、抗生物質の作用を増強するようにも見える。

分子と抗生物質の組み合わせで治療された敗血症のマウスは、抗生物質単独で治療されたマウスより血流中の細菌が 10倍少なかった。

論文の著者であり、英ケンブリッジ大学医学部の生化学准教授であるメナケム・ショハム(Menachem Shoham)氏は以下のように述べる。

「 MRSA 感染症を患っている中で、比較的健康な患者たちには、これらの分子は感染を治療するのに十分かもしれません。また、免疫に対して無防備状態となっている患者たちにとっては、分子と低用量の抗生物質との併用療法が順調に効果がある可能性があります」

「私たちの用いたこの分子は、ペニシリンなど従来の抗生物質の活性を増強するため、分子の支援により、すでに使われなくなった抗生物質が病院で再び使うことができるようになる可能性があります」

そして、ショハム准教授は、「これは、抗生物質の耐性菌の世界的な脅威への部分的な解決策を提供する可能性があります」と語った。

抗生物質は、有効に作用する場合ならほとんどの細菌を殺すが、自然耐性を有する少数の細菌は生き残る。

そして、時間が経つにつれて、抗生物質に耐性を持つ細菌が増殖し拡大する。

アメリカ疾病管理予防センター(CDC)の推定では、毎年、少なくとも 200万人のアメリカ人が抗生物質耐性菌の感染症を発症している。

耐性菌による感染症の一部では、有効な抗生物質がもはやなくなっている。

また、今回の研究のような、症状を引き起こす細菌の「毒素」を無力化することは、抗生物質の使用を減少させる有望な代替物となり得る。

抗生物質の代わりに、分子によって毒素が排除されることで、細菌の病原体を排除する免疫システムが解放されるとショハム准教授は述べている。

「毒素がなければ、細菌は無害になり、生き残るためには毒素が必要ないので、抵抗力を発揮する耐性能力はそれほどなくなるのです」

この分子は複数の細菌種に対して作用する。また、この新しい研究には、この分子は、 他の 3種類の細菌種が免疫細胞を殺すことを防ぐ予備実験が含まれている。

「これらの結果、この分子は、グラム陽性病原体に対する広域スペクトルの有効性を示している」と論文には記されている。

ショハム准教授は、「 MRSA だけでなく、肺塞栓症、溶連菌感染症(扁桃炎など)、肺炎レンサ球菌などの病原体の原因となる細菌についても有効性が証明されています」と述べる。

研究者たちは、マウスモデルにおいて抗生物質の効力を増強する 2つの分子 F12および F19を開発している。そして、現在、両方を商品化するように進めている。

アメリカのケース・ウェスタン・リザーブ大学は、イスラエルのバイオ医薬品企業 Q2ファーマ社において追加の前臨床試験を実施して、臨床試験のために F12および F19を開発するライセンスを発行した。

その最初の前臨床試験は、全身性の多剤耐性感染症に罹患している患者に焦点を当て行われる。


 

ここまでです。

こにある「前臨床試験」とは、一般的には、新薬開発の段階で人を対象とする臨床試験の前に行う試験で、動物でおこなわれますが、ここでは「全身性の多剤耐性感染症に罹患している患者」とあり、人のようなニュアンスもあるのですが、どうなのですかね。

それにしても、「分子を用いる」というのは、いかにも、最先端医療的な響きで、当初は治療費的には大変なことになりそうな気配はありますけれど、しかし、いずれにしても、現実として、

「そのうち抗生物質はほぼすべて効かなくなる日が来る」

のです。

その上で、私が考えているように、抗生物質はこの地球にとって大変に悪い影響を与えているものです。

それは、要するに、

「人間の排泄から地球全体の水循環システムに大量の抗生物質が流出している」

からです。

この詳細については、2017年の下の記事をご参照いただければ幸いです。

完全絶滅プロトコル : 魚たちが次々と「男性から女性へと変化」しているその原因が判明。そこから気づいた「人間から水循環システムの中へ排出されている薬たちによる皆殺し」

言うまでもないことですが、「この地球の環境というのは、細菌たちによって作られている」わけです。

その細菌たちを水体系から殺し続けていて、地球の良い状態のバランスが保たれるわけがないです。

どこにいっても、地球の「主」であるべき細菌たちの居場所がどんどんとなくなっています。

 

そして、人間の身体と精神を支配している腸内細菌も抗生物質で殺され続けています。

私たち人間は、外からも内からも本来の細菌たちの営みを抗生物質によって消そうとしているわけなんですよ。

今回ご紹介したものは、細菌そものを殺すものではなく、「その毒素産生の作用を封じ込める」ものですので、少なくとも、細菌たちは死にません。

これがいいのかどうかという判断は医学の素人である私には正確にはできないですが、「抗生物質はこの世からなくならなければならない」と考えている私には、要するに、登場するものは、抗生物質でなければ何でもいいのです。

もし、この世から抗生物質が消えて、そして、それでも「感染症を治療できる」ということになるのなら、それは素晴らしいことだと思います。





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Oka In Deep

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