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4月12日にメルマガ夢見と古代ギリシャと「痛みとの個人的歴史」が混沌とを発行させていただきました。

人類の覚醒と真実 悪魔の輪郭 日本の未来

日本人科学者たちが《ヒトの血液から卵子をつくり出した》ことに成功した報道の、海外と日本の報道に見る違和感の先にあるものは

投稿日:2018年9月26日 更新日:

9月22日のアメリカの報道より


Motherboard




そして台風の直撃は既定路線に

昨日、記事にさせていただいた台風24号 / チャーミーは、その後、日本の報道でも、「日本列島直撃、あるいは縦断」という予測が伝えられていまして、世界全体の気象当局の総意としても、「強大な台風が日本を直撃」という路線が避けられない状況となってきているようです。

ただ、この後、台風の勢力は 50代に差し掛かった男性のアチラ系のように急激に衰えますので(変な比喩はやめれ)、スーパー台風として直撃することはなさそうです。

今後、台風がどのようなコースを辿るかに関しては、昨日の記事でもご紹介した earth という「地球の大気の流れ」を示してくれるサイトを見ていても、ある程度はわかるのかもしれません。

これを見ますと、日本列島の西側にある「急速に曲がる気流」の位置や速度が、日々動き、そして中心線が位置を変えています。

9月25日から26日の気流の変化


earth

これが「突然、激しく変化」したりした場合は、今後も台風の進路もずいぶんと変わってくるのかもしれないです。

2016年の夏などは、「三つの台風が日本列島の上で、それぞれ別の方向に進む」という異様な光景もありましたし、何があっても不思議ではないですが。

2016年8月 台風9号、10号、11号が日本の領域に同時に停滞した時

最近は、専門家の方々の台風の予想進路もなかなかズバリとはいかないようですが、こんな 2016年のようなものは予測しようもないわけで、地球の気流が不安定だといろいろなことがあるのかもしれないですね。

というわけで、今日は、ここまで書いたような気象とは全然関係のない話ですが、ちょっと気になったことについてお伝えしたいと思っています。

ご紹介しますのは、冒頭のアメリカの記事で、タイトルは、

「科学者たちがヒトの血液からヒトの卵細胞を初めて作った」

というものです。

「人間の血液から、卵子を作る」という響きは、ややショッキングに響くかもしれないですが、同じことについての日本での報道の冒頭は以下のものです。

ヒトiPSから卵子「手前」の細胞 不妊症の解明へ道

朝日新聞デジタル 2018/09/21

ヒトのiPS細胞から、卵子になる手前の段階にある「卵原細胞」の作製に成功したと、京都大の斎藤通紀教授(細胞生物学)らのチームが発表した。この細胞から、卵子をつくれるようになれば、不妊症の原因解明など、生殖医療に役立つ可能性がある。米科学誌サイエンス電子版に掲載される。

そして、冒頭のアメリカのマザーボードの報道を次に翻訳して載せたいと思いますが、この「卵子を作った」ということ自体のことより、海外の報道との「差異」が興味深かったのです。海外の多くの報道では、日本の報道と以下のような違いがあります。

・海外の報道には「iPS細胞」という言葉が出てこない(ほぼ100%の海外の報道で)

・海外の報道は「不妊症の解明へ道」というような「最初に大義名分を掲げる」ことをしない

・多くが「実験室で赤ちゃんを作ることができる可能性」という問題から入っている

 

ちなみに、iPS細胞というのは、日本語で人工多能性幹細胞というのだそうで、英語では「 induced pluripotent stem cell 」だそうですが、これを Google等の英語ニュース検索で調べても、この言葉自体ほとんど出てきません。

省略した iPS細胞という言葉自体が、少なくとも海外の一般の報道ではどうも存在しないようで、こんなにこの言葉が普及しているのは日本だけのような印象を持ちます。

結局、iPS細胞という言葉も、エアコンやカステラとかのような「和製英語」という範疇で終わるのかもしれないですが、iPS細胞という名前のこの良いところは、

「多くの日本の人たちには意味がよくわからない上に、英語なので、なんかエライような雰囲気がある」

ということろです。

人工多能性幹細胞よりはカッコイイ感がある。

そのカッコよさに惹かれたのか、よくわからないまま、iPS 細胞だ ES 細胞だと、日本の報道は連呼するわけですが、この実相は冒頭の海外の報道にあるような、

「ヒトの血液から人間の器官やヒトそのものを作り出すこと」

だというように言えば、少し違った感じにうつるのではないでしょうか。

私は「人の複製や、出生される赤ちゃんへの人為的な改変」などに基本的に否定的ですが、それは倫理という話からではないです。

それを書くと長くなりますので、とりあえず、冒頭の記事をご紹介します。


Scientists Just Made Human Egg Cells from Human Blood for the First Time
Motherboard 2018/09/22

科学者たちがヒトの血液からヒトの卵細胞を初めて作った

これは、他人の体の組織や血液を使って「卵子を大量生産」できるようにするための第一歩だ

科学誌サイエンスに発表された新しい研究によると、日本の科学者たちが、ヒトの血液を使って、未成熟のヒトの卵細胞を初めて実験室で作り出した。

この研究は幹細胞研究の大きな進歩であり、体内の組織や血縁者の血液を使って、「実験室で赤ちゃんを作ることができる」ことにつながる可能性がある。

この先駆的研究に貢献した京都大学の生物学者である斎藤通紀氏は、2012年にマウスの幹細胞から卵子と精子を作り出し、健康な仔マウスを繁殖させるためにそれを使用した。卵子が胚性幹細胞(embryonic stem cells)から作られたのは、これが初めてのことだった。


・この画像は、実験室で増殖させた人工卵巣の7日目から77日目の卵細胞の成長を示している。

 

斉藤氏たちの研究グループがマウスでの人工卵細胞を初めて生産したとき、これらの卵子は胎児のマウスの組織から構築されたマウスの模擬の卵巣内で成熟するまでに成長した。

しかし、この組織は人間から入手することは不可能であるため、ヒトで人工の卵巣を作り出す別の方法を見つけなければならなかった。

未成熟のヒト卵子を産生するために、斎藤氏たちはヒトの血液細胞を用いて多能性幹細胞を作成した。

次いで、これらの細胞を、マウス由来の胚細胞を用いて実験室で増殖させた小さな人工卵巣に注入した。

斉藤氏たちが生産した卵は未熟なために受精することはできないし、人間の子どもへと成長す可能性は非常に低い。それでも、彼らの研究は、たとえば、親戚の遺伝物質から赤ちゃんを作るための方法となり得る可能性を持つものだ。

あるいは、不妊の人たちや同性のパートナーが自分の DNA から作られた子どもを産む方法を提供する可能性も残している。

研究者たちによると、次のステップは、ヒト精子の生産に同様のプロセスを適用し、受精されるのに十分成熟した卵細胞を作り出すことだ。

これはもっと多くの研究を必要とするだけでない。

実験室で生存可能なヒトの卵子を作ることには、確かに議論の余地があるだろう。

たとえば、同意を得ていない人々を「複製する」ということを行うことへの可能性も示しているのだ。

米ダートマス大学の生命倫理学者ロナルド・グリーン(Ronald Green)教授は、以下のように言う。

「たとえば、ジョージ・クルーニーの赤ちゃんを育てたいと思う女性たちがいるとします。ジョージ・クルーニーの髪を切っている理容師は、彼の髪をオンラインで販売できるかもしれない。そうすると、ジョージ・クルーニー本人が知らないうちに、彼の子孫が次々と生まれてくることになります」

(※ 訳者注 / 髪の毛から細胞を抽出して卵子や精子を作り出すというようなことを言っているのだと思います)

さらに、実際には、科学者たちは、ヒトの生殖過程を完全に理解していないということがあり、実験室で育った卵細胞が非常に重篤な遺伝病を持つ乳児の誕生につながる可能性があることを懸念している。

ここ数十年の間に倫理上の懸念からアメリカや他の多くの国の幹細胞研究は膠着状態にあり、この技術がより洗練されていくにつれ、先ほどのグリーン教授が言及するような問題が解決されていかなければならない。


 

ここまでです。

血液から、あるいは「毛髪からでも」次々と、ある人の遺伝子を持つ子どもを「実際の妊娠で複製することができる」という可能性があるということです。

実際には、現在のレベルの卵子から子どもが生まれるようになることは、基本的になさそうですが、それでも、「可能性」というだけなら本当の意味での「赤ちゃん生産工場」が将来的に可能となったということでもあるのかもしれません。

今、「赤ちゃん工場」なんて言葉を書いてしまいましたけれど、少し前のアルジャジーラに、そのような言葉が出てくる報道があったこと思い出したのです。

下の記事がそうです。

 

赤ちゃん工場」という言葉が出てくる9月13日のアルジャジーラの報道


Ukraine's 'baby factories': The human cost of surrogacy

これは「代理母」の話ですが、インドやネパールやタイなどの政府が、代理母についての禁止措置を打ち出した後に、そのような規制がないウクライナに、需要が殺到しているのだそうです。

毎年、ウクライナでは 2000人から 2500人の子どもが代理母を通じて生まれるのだそうですが、「代理母になった女性たちは、工場での製品のような粗雑な扱いを受けている」というような報道内容でした。

今回の話との関連はありませんが、「赤ちゃんの需要」というものは、世界的に増える一方だということを思い出した次第です。

 

話が逸れましたが、別にこういう科学の進展が悪いということではなく、

「人間というものは物質である」という考え方がこれ以上進むのはイヤだな

と。

全然関係ないかもしないですけれど、今、「キリスト教の終焉」というようなことをメルマガ記事としてちょっと書いていまして、そこにひとつの例としてですが、

「キリスト教の本質」

を語っているものとして、ロシア人のスヴェトラーナ・セミョーノヴァという人の『ロシア宇宙精神』という著作からの抜粋をまとめていたのですけれど、そこに書かれてあることをご紹介して今回は締めたいと思います。

セミューノヴァ『ロシアの宇宙精神』序論より

キリスト教の神秘主義的伝統においては、将来の神化のためには魂や知だけではなく、肉体をも変容させ、肉体に光を与えることが必要とされる。

重要なことは、意識を肉体から引き離し、意識によって人間の肉体のすべての器官と力を霊化し、統御することなのである。

人類は低次元の自由にひたりきって自己満足しているが、この自由とは、右往左往し、もがき回る自由である。

そのままでは決して最良の選択として精神圏という理想を選び取るような、高度の自由を手に入れることはできない。

そのために人類は、現在の自分の肉体の自然そのものを変革する活動をはじめて、自然の肉体が少しずつこの精神圏というキリスト教的な高度の理想を実現することができるようにしていかなければならない。

人間の道徳的完成を安定したものにするためには、その前に、それと並行して、人間の肉体を変革し、他の生物を食べ、押し退け、殺し、そして自分でも死ぬという自然的な性質から人間を解放しなければならない。





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Oka In Deep

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