2016年7月5日に太陽に出現した長さ70万キロメートルのコロナホール
太陽はどんどん沈黙の時期に向かっていて、太陽黒点は 6月23日からずっと「0」のままでした。
・NICT
そんな活動極小期に向かう太陽に、7月5日、上のような非常に巨大なコロナホールが出現しました。
これはもうこの世の終わりで・・・というのはウソで、これはたびたび太陽に出現する通常の現象です。
ただ、太陽活動がとても低い中で、このような巨大なコロナホールが現れるものなのだなと感心はしました。今年見た中で1番巨大なのではないでしょうか。
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コロナホールによる磁気嵐と地震発生の関係を検証してみると
コロナホールとは、現在の天文学で完全に理解されているというものではないでしょうが、太陽の物質がほとんど含まれない低密度の領域で、そのため黒く見えるとするのが現在の科学上の見解です。しかし、わかっていない部分が多いはずです。
なお、アメリカ海洋大気庁(NOAA)の宇宙天気予報官によれば、地球で、このコロナホールによる弱い磁気嵐が発生する可能性があるとのことです。
磁気嵐は G5(最も強い)から G1(最も弱い)に区分されていますが、仮に磁気嵐が起きたとしても、G1クラスのものだそうですので、通信など以外では、ほとんど影響はないと思われます。
磁気嵐の到達は、日本時間の 7月8日頃です。
ところで、「磁気嵐が吹き荒れると、地球で地震が起きやすくなる」という話を聞いたことがあるような気がします。
ただでさえ地震の多い今年でもあり、7月5日には、中規模以上の地震がほとんどない韓国で、マグニチュード5の地震が発生したことが伝えられたりもしていました。
・韓国で観測史上36年ぶりの規模となるマグニチュード5の地震が発生。その前日には鹿児島県のトカラ列島で謎の群発地震
地球の記録 2016/07/06
世界でこれ以上、地震が増えるのも厄介な感じもしますので、最近で、地球の磁気などに変化が現れた日の翌日くらいまでに、中規模以上の地震が増えているかどうか調べてみました。増えているのなら、7月8日から9日くらいは、やや用心して生活したほうがいいということになるかもしれないですし。
データは、NICT の太陽周期に合わせたデータプロットというものの中から、「静止軌道電子」というものの変化から見てみました。
これが何かは正確にはよくわからないのですが、太陽活動での変化をあらわすものであると同時に、過去記事の、
・3月11日の地震の前に観測された日本上空の赤外線と電子量の急激な変化
2011/05/20
というものや、
・ネパール大地震での上層大気圏に変化から見る「地震の原因は宇宙にある」こと…
2015/05/03
などで記しましたように、「大地震に限れば」という前提がつきますが、大地震が起きる際には、高層大気の電子数に変化が見られることが、最近、確定されつつあります。
そのこともあり、電子数の変化のあった日とその翌日に地震が増えていたかどうかを確かめてみたいと思いました。
ここから、そのデータを掲載します。
今はとにかく地震の多い時で、結構な量になってしまいましたが、データは、アメリカ地質調査所(USGS)のものを山椒させていただいています(山椒でどうする)……参照させていだいています。
この1カ月で、少なくとも半日以上程度のあいだ、電子数に著しい変化が現れた日は4回ありました。
それでは、ここからです
電子数が乱れた日 / 2016年6月5日から6日
その日から翌日までに発生したマグニチュード4.5以上の地震
6月6日 M4.9 インドネシア
6月6日 M4.5 メキシコ
6月6日 M5.5 チリ
6月6日 M5.4 チリ
6月6日 M4.6 南極
6月6日 M4.5 日本(父島)
6月6日 M4.6 パナマ
6月6日 M4.5 エクアドル
6月6日 M4.5 ニュージーランド
6月7日 M4.9 インドネシア
6月7日 M5.5 ニュージーランド
6月7日 M5.1 色丹半島(北方領土)
6月7日 M5.4 フィジー
6月7日 M4.6 チリ
6月7日 M4.9 フィジー
6月7日 M6.2 メキシコ
6月7日 M5.5 メキシコ
6月7日 M4.6 メキシコ
6月7日 M4.8 フィリピン
6月7日 M4.8 パプアニューギニア
6月7日 M6.3 インドネシア
6月7日 M4.7 インドネシア
電子数が乱れた日 / 2016年6月11日その日から翌日までに発生したマグニチュード4.5以上の地震
6月11日 M4.5 フィジー
6月11日 M4.6 フィリピン
6月11日 M4.8 フィジー
6月11日 M4.5 フィジー
6月11日 M4.5 ニカラグア
6月11日 M4.6 インドネシア
6月11日 M4.5 フィリピン
6月11日 M4.6 千島列島
6月11日 M4.8 インドネシア
6月11日 M4.6 インド
6月11日 M4.7 アフガニスタン
6月11日 M5.0 日本(茨城沖)
6月12日 M4.5 インドネシア
6月12日 M4.7 インドネシア
6月12日 M4.7 ソロモン諸島
6月12日 M4.6 トンガ
6月12日 M4.7 千島列島
6月12日 M4.5 日本(熊本)
6月12日 M4.6 太平洋中央海嶺
6月12日 M5.3 色丹半島(北方領土)
6月12日 M4.6 米国オレゴン州
6月12日 M4.6 フィリピン
電子数が乱れた日 / 2016年6月15日
その日から翌日までに発生したマグニチュード4.5以上の地震
6月15日 M4.7 インドネシア
6月15日 M4.6 コロンビア
6月15日 M5.6 南極海
6月15日 M5.0 アフガニスタン
6月15日 M5.2 バヌアツ
6月15日 M5.7 グアテマラ
6月15日 M4.5 パナマ
6月15日 M4.8 パプアニューギニア
6月16日 M5.1 フィジー
6月16日 M4.8 チリ
6月16日 M5.2 日本(北海道)
6月16日 M4.5 インドネシア
6月16日 M5.2 バヌアツ
6月16日 M5.1 ニューカレドニア
6月16日 M4.8 南極
6月16日 M5.1 日本(北海道)
6月16日 M4.8 太平洋南極海嶺
6月16日 M4.5 インドネシア
電子数が乱れた日 / 2016年6月23日から24日
その日から翌日までに発生したマグニチュード4.5以上の地震
6月23日 M4.8 レイキャネス海嶺(アイスランド)
6月23日 M4.5 レイキャネス海嶺(アイスランド)
6月23日 M5.5 スコシア海(南極)
6月23日 M4.8 インドネシア
6月23日 M5.1 ニュージーランド
6月23日 M4.9 南極
6月23日 M5.4 アフガニスタン
6月23日 M4.6 レイキャネス海嶺(アイスランド)
6月23日 M5.2 ニュージーランド
6月23日 M4.8 レイキャネス海嶺(アイスランド)
6月23日 M4.8 南極
6月23日 M5.9 日本(沖縄)
6月24日 M4.7 インドネシア
6月24日 M4.7 インドネシア
6月24日 M4.7 ニューカレドニア
6月24日 M5.0 太平洋南極海嶺
6月24日 M4.9 アラスカ
6月24日 M4.6 ニュージーランド
6月24日 M4.6 日本(北海道)
6月24日 M5.5 チリ
6月24日 M4.5 日本(北海道)
6月24日 M4.5 アラスカ
6月24日 M4.9 レイキャネス海嶺(アイスランド)
6月24日 M4.6 チリ
6月24日 M4.7 ポルトガル
ここまでです。
最初はこのデータをまとめていて、
「なんかすごい多い」
と思っていたのですが、しかし、ふと、アメリカ地質調査所のこの期間のマグニチュード 4.5以上のすべての地震の数を見てみますと、
世界の過去30日間のM4.5以上の地震の数 399
とありまして、399を 30で割りますと、13.3となり、
「過去 30日は、1日平均 13.3回のマグニチュード 4.5以上の地震が起きていた」
ということになります。
この「 13.3」という数字から、もう一度見てみますと、以下のようになります。
・06月06日 9回
・06月07日 13回
・06月11日 11回
・06月12日 10回
・06月15日 8回
・06月16日 10回
・06月23日 12回
・06月24日 13日
平均値「 13.3」を上回る日がないことに気づきます。
むしろ、平均よりかなり低い日も多くあります。
これが示すところは、小さな量のデータとはいえ、磁気や電子数の状態が地震の発生と関係あるかどうかということに関しては、この短い期間のデータだけを見る限りは、あまり関係なそさうということが言えるのかもしれません。
もっとも、磁気がどうであれ、これだけ中規模以上の地震と火山噴火が絶え間なく世界中で起きているわけですから、結局、「地震はいつどこで起きるかわからない」という、いつもと同じ話に帰結していきそうです。
ちなみに、この1カ月で起きたマグニチュード 4.5以上の地震は、その多くが環太平洋火山帯で発生していますが、大西洋上や、南極のプレート境界上でも頻繁に起きていて、プレートと何の関係もない韓国でまで起きているというようなこともありまして、予想外の場所で地震が発生する状態は続きそうです。