遠い宇宙で「太陽の 5700億倍の明るさを持つ」という物体が観測されていたことを、最近知りました。5700倍ではなく「億」がつきます。
これが科学誌サイエンスに掲載されたのは、今年1月のことでしたが、宇宙系メディアの最近の記事で知ったわけですが、この物体は、
「天の川銀河すべての星の光を合わせたより 50倍明るい」
のだそうで、太陽の 5700億倍も復命、その明るさがよくわかりませんが、何だかものすごいもので、しかも、さらにすごいと思ったのは、この発光物体で最も明るい中心部にある物体の大きさは、「わずか 16キロメートル」なのだそうです。
そういう小さなものを中心にしている物体の輝きが太陽の 5700億倍。
少しニュースなどを検索してみましたら、これを、大質量の恒星が一生を終えるときに起こす大規模な爆発現象の「超新星」として扱っているものが多いのですが、超新星の概念から見ても明るすぎることもあり、現実としては、天文学者たちは、この物体とその発光メカニズムへの理解について「お手上げ」のようです。
冒頭のデイリーギャラクシーの記事の概要をご紹介します。
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Mystery Object Outshines Entire Milky Way Galaxy by 50 Times --"We Don't Know What the Power Source Could Be"
Daily Galaxy 2016/06/09
天の川銀河すべての星を合わせた光より50倍明るく輝く輝く謎の物体。天文学者たちは「その発光のエネルギー源が何かわからない」と述べる
天文学者たちには、それが何であるかまったくわからなかった。
それが超新星爆発の結果であると仮定するならば、これは今までの中で最も強力な超新星爆発となる。
天文学者たちは、地球から 38億光年という遠い宇宙でこの高温のガスボールを発見した。
それは太陽の数千億倍のエネルギーを放射していた。
この天体は、超新星全天自動観測プロジェクト(ASAS-SN / アサシン)によってもたらされ、「アサシン-15lh (ASASSN-15lh)」と名付けられた。
アサシン・プロジェクトによって、2014年以降、約 250個の超新星が発見されているが、今回のものは、それらのプロジェクトの中で発見された中で最大というより、人類史上で宇宙で観測されたものの中で最も明るい物体だ。
そして、その中心部にある小さいながらも力強い謎の物体は極端な輝きを見せていた。
中心部にある、その謎の物体は大きさが 16キロメートルほどのものなのだ。
アサシン-15lh の明るさは、私たちの天の川銀河すべての星の光を合わせたよりも 50倍も明るく、太陽よりも 5700億倍明るい。これは、平均的な超新星の 200倍以上の明るさなのだ。
いったい何がこのアサシン-15lh にエネルギーを供給しているかについては、天文学者たちにも、まったく見当がついていない。
アサシン・プロジェクトのメンバーである米国オハイオ州立大学のクシシュトフ・スタネック(Krzysztof Stanek)教授は、
「なぜ、このようなことがあり得るのかと私たちは疑問を感じないわけにはいかないのです」
と述べる。
北京大学で宇宙物理学を教える天文学者のスドー・ドン(Subo Dong / 東蘇勃)教授は以下のように述べる。
「これだけの明るさを持って輝くためには非常に多くのエネルギーが必要ですが、そのエネルギーがどこから来るのか。正直なところ、私たちには、アサシン-15lh の輝きのエネルギー源が何であるかわからないのです」
というわけで、天文学者の方々が「何だかわからない」とおっしゃっているわけですので、私たちに何であるかわかるわけもないのですが、これが超新星「ではなかった」とすれば、面白いものではあります。
何しろ、直径 16キロメートルほどのもとを発光源として、太陽の 5700億倍の光を放っている物体なんてものがあれば、それは「宇宙の光の支配者」的な、昼飲みからウイスキーのロックを飲むような(なんだよその例えは)、そういう輝かしい存在が遠い宇宙にあるのかもしれないということにるのかもしれないですし。
ただこれ、遠いところにあるからいいものの、もう少し地球に近いところで起きていたものなら、あるいは、これが近づいてくるなどのような非現実的なことが起きるのなら、
「地球が明るすぎて、実質的に何も存在しなくなる」
というようなことになるのも面白いような、そうでもないような。
「明るいほうが良い」という概念がある一方で、実は光も闇もどちらも「どちらかだけだとこの世は見えなくなる」というのは事実でありまして、ブラックアウトに対してのホワイトアウトのような、「光だけでも闇だけでもこの世には何もなくなる」というのが、現実社会の現実です。
ですので、太陽の5700億倍もある輝きの近隣というのは、実は「現実が存在しない世界」だというような気がします。
そういう意味でも、地球にある「光と闇の割合」というのは、完璧といえるものでして、これ以上の完璧を作り出すことは無理だとさえ思えます。
最近、宇宙では、いろいろなものが見つかってまして、6月17日のアメリカの GIZMODO には、宇宙空間で、「完璧な数学的パターンで形成されている結晶」が生成されていることを、カリフォルニア工科大学の研究チームが見つけたことが記されています。
・These Mysterious Ultra-Rare Crystals Probably Formed In Outer Space
上の図はイメージですが、こういうようなことらしいです。
「完璧な存在」が、わりと宇宙にはそこらに偏在しているようです(全部なのかもしれないですが)。
今回の超明るい光の存在の発見が、良い示唆なのか、そうでもないのかはわかりませんが、ちょっと驚いた出来事でしたので、ご紹介させていだたきました。
ちなみに、全然関係ないことですが、6月24日のイギリスの EU 離脱騒動で、この1日だけで、全世界で「 200兆円」が市場から消えたそうです。
6月24日の米国CNBCより
・Over $2.1 trillion in value lost in stocks globally
そして、日本に関しては、このまま日経平均が 12000円まで下がった場合、株式などで運用されている年金が「 30兆円吹き飛ぶ」というようなことを述べる方もいらっしゃいました。
これらのことがどうだこうだということではなく、太陽の 5700「億」倍の光とか、1日で、200「兆」円吹き飛ぶとか、いろいろなことの単位が次第に大きくなっていることに、一種の感慨を覚えるのでした。
この夏はさらにいろいろと変動も大きそうですが、どんな毎日の流れの中でも平静に生きたいものだとは思います。