バビロニア帝国が滅亡した際にも7年間隔で日食が
今からほぼ 1ヵ月後の 4月8日に、アメリカ合衆国上を「皆既日食」が通過していきます。前回、アメリカを皆既日食が通過したのは、今から 7年前の 2017年8月21日のことでした。
この 2017年の皆既日食は、非常に印象深いもので、その理由は、
「アメリカ本土で皆既日食が観測されたのは、99年ぶりだったから」
です。
日本でも報じられていました。
そして、この 2017年の皆既日食は、「世界の中でアメリカでだけで観測された」ものでした。観測できる地点は以下のようになっていました。
2017年8月21日に皆既日食が観測されたライン
indeep.jp
この際には、この皆既日食が、アメリカの北緯33度線上にある「チャーストン」という街を通過していくこともあり、こちらなどで記事にしました。
この 33度線のことにふれると、いろいろ話が脱線していきますので、今回はふれないですが、ともかく、その印象的な 2017年8月の皆既日食から約 7年目に、またもアメリカ本土を皆既日食が通過していくことになります。
しかし、皆既日食などは、それほど珍しいことではないと思われるかもしれないですが、西暦 2001年から 2050年までの間で、アメリカ本土を横断していく皆既日食は「たった 3つ」なんです。
・2017年8月21日
・2024年4月8日
・2045年8月12日
の 3つだけです。
そういう意味では、なかなか稀少な天体イベントではあるのです。
最近、海外の記事を読んでいましたら、「バビロンが崩壊したときも、7年離れて2回の日食があった」というタイトルの記事がありまして、読みますと、こういうことだったそうです。
新バビロニア帝国の滅亡と日食の時間軸
・新バビロニア帝国は、紀元前 626年から紀元前 539年まで続いた。
・紀元前 539年に、ペルシャのキュロス王によって征服された。
・キュロス王が新バビロニア帝国を征服する 7年前の紀元前 546年10月23日にバビロン市で部分日食が起こった。
・7年後の紀元前 539年12月3日、バビロン市で再度部分日食が起きた。
・元のバビロニア帝国の崩壊時にも同様のパターンがあったことが判明した (論文)。
新バビロニア帝国というものが滅亡した年と、その 7年前に、日食が観測されていたということで、現在のアメリカの状況と似ているのではないかというような内容の記事でした。
ただ、バビロニア帝国ではどちらの日食も部分日食でしたが、今回のアメリカ帝国の場合、「皆既日食」ですから、何だか迫力が違います。
この紀元前のバビロニアと現在のアメリカを照らし合わせるのは、このあたりまでとしまして、ここでは、
「 7という数字」
に支配されていることをご記憶されていただき、次に行きます。
今回の記事のタイトルあります「米国の 7つのイスラエル」という、何だかよくわからない話につながります。「7」の話です。
アメリカの7つのエルサレム
最近知ったことですが、
「アメリカには、エルサレムを意味する名称の街が7つある」
ということがひとつあります。
そして、 2017年8月21日の皆既日食は、
「そのエルサレムの7つの街すべてを通過した」
ということなんですね。
たくさんあるうちの 7つではなく、「 7つあるうちの 7つ」すなわちアメリカの「すべてのエルサレムの上」を通過したんです。
その街の名称は「サレム(Salem)」といいます。「セーラム」という呼び方でも大丈夫そうですが(米国の煙草に同じ英語の綴りで日本名がセーラムというのがあります)、ここではサレムにします。
なぜ、サレム (Salem)が、エルサレム(Jerusalem)なのか。
これは旧約聖書の「詩篇 76篇2節」に記されていることが根拠となっているようです。
「エルサレムの名前」より
サレムという名前がエルサレムを指すことは、詩篇 76:2 で「サレム」がエルサレムの城塞「シオン」の対比として使用されていることから証明されている。
サレムはカナン人の夕暮れ、日没、そして一日の終わりの神であり、シャリムとも綴られる。
聖書ですと、以下の下りです。
詩篇/ 076篇 002節
その幕屋はサレムにあり、/そのすまいはシオンにある。
そして、この「サレム」という名の街がアメリカに 7つある。
以下です。
アメリカの7つのサレム
1. オレゴン州サレム
2. アイダホ州サレム
3. ワイオミング州サレム(正確には地名ではなく、サレムという名の墓地)
4. ネブラスカ州サレム
5. ミズーリ州サレム
6. ケンタッキー州サレム
7. サウスカロライナ州サレム
これらの街の上を 2017年8月21日の皆既日食は通過していきました。
以下は、正確ではないかもしれないですが、Google Map で調べて、それぞれのサレムの場所に★を置いたものです。
2017年8月21日の皆既日食のルートと 7つのサレム
NASA
これも「7」の数字と関係したものです。
そして、今年 4月8日の皆既日食。
こちらは、「アメリカの 7つのニネベという街を通っていく」のです。
ニネベ(ニネヴェ)とは、紀元前に現在のイラクの位置にあった都市だそうで、以下のようなものです。一時は、世界最大の都市だったのが、時間の経過と共に衰退して消えていった都市のようです。
ニネヴェは、古代メソポタミア北部にあったアッシリアの都市で、現在のイラク北部の都市モスルに位置する。…新アッシリア帝国の首都にして最大の都市であり、紀元前612年までの約50年間において、世界最大の都市でもあった。
…紀元前7世紀後半の新アッシリア帝国における激しい内戦の後、ニネヴェはバビロニア人、メディア人、ペルシア人、スキタイ人、キンメリア人を含むかつての従属国の連合軍によって占領・略奪された。…中世にはモスルの方に重心が移って衰退していき、西暦13世紀の頃までには、ほぼ放棄された。
2017年には、先ほどのように「アメリカの 7つのエルサレム」の上を皆既日食が通過していったのですが、今度の 4月8日の皆既日食では、「 7つのニネベ」の上を通過していきます。
ちなみに、アメリカにあるニネベも、サレムと同様「 7つだけ」です。その 7つの全部の上を通過していきます。
以下は、2017年と 2024年の皆既日食のルートです。
見事なクロスを描いていて、私にとっては、非常に印象的な日食の様相が描かれています。
アメリカがバビロニアやニネベのように衰退してしまうのかどうかはともかく、この今年 4月のあたりは、天体の座位などを含めて、社会的な混乱を示す興味深い示唆が多いです。
何年かぶりに、日食のことについて書かせていただきました。
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