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「非ステロイド性抗炎症薬」の功罪がまたひとつ : 鎮痛薬イブプロフェンで「急性の心停止」のリスクが極めて高くなることが大規模な医学的調査で判明

投稿日:2018年2月14日 更新日:

どこにでも売られていて、最も気楽に飲む薬のひとつと「死」の関係

 

欧州心臓病学会のNSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)と心停止の関係についてのプレスリリース


ESC

パッと思いつくままに挙げてみたNSAIDs




 

鎮痛薬の副次的作用は「急死」とも直結していた

昨年末から今年にかけて「鎮痛薬」についての記事をふたつほど書きました。

ひとつは、

「鎮痛薬イブプロフェンで男性の不妊が起きる」なんてことを、今さら告知されてどうする……と、過去にイブプロフェン配合の薬を十数年ヘビー常習していた私は……
 In Deep 2018/01/09

という記事で、市販薬を含めて広く使われている鎮痛薬イブプロフェンが、男性の不妊と関係しているということをご紹介しました。

イブプロフェン配合の鎮痛薬はあまりにも普通で、どこにでも売られているものです。

そして、昨年 12月の記事、

単なる市販のかぜ薬や頭痛薬の服用がADHDの子どもたちを作り出しているかもしれない : 相次ぐ「アセトアミノフェンと胎児の脳損傷」に関しての医学論文
 In Deep 2017/12/27

では、鎮痛薬アセトアミノフェンが配合されている製品を「妊娠中の女性」が使用した場合、「数年後、あるいは 10年を超えた年月の後に、その子どもが ADHD (注意欠陥・多動性障害)と診断されるリスクがとても高くなることが判明した」ということをご紹介したことがあります。

イブプロフェンもアセトアミノフェンも、医学的には NSAIDs という英語表記がなされるものですが、これは日本語では「非ステロイド性抗炎症薬」とされます。

非ステロイド性抗炎症薬とはどんなものかというと、専門家ではない私が最も的確に表現すると以下のようになります。

「市販されている痛み止めのすべて。そして病院で処方される痛み止めのほぼすべて」

となります。

薬局で頭痛薬などの鎮痛剤を購入すれば、それはほぼすべて「非ステロイド性抗炎症薬」で、何かの症状で病院に行って、熱や痛みに対して薬が処方された場合も、ほとんどはは、「非ステロイド性抗炎症薬」となります。「ほとんど」というのは便宜的に入れているもので、実際には「すべて非ステロイド性抗炎症薬」と書いてもさほど問題ないと思います。

西洋医学で、非ステロイド性抗炎症薬「以外」の痛み止めとなりますと、鎮痛剤 - Wikipedia を見ます限り、完全に違う系統のものとしては、おおむね、「モルヒネやヘロインなどを含むオピオイド」ということになります。

まあしかし、このオピオイドは今、アメリカで大変に問題となっているもので、昨年も何度か記事にさせていただきましたが、1年ほど前の記事、

2015年から加速しているアメリカの「ヘロイン / オピオイド地獄」が人ごとではないと思うのは、私たち日本人もまたあまりにも無知にさせられているから
 In Deep 2017/02/14

では、「地獄」と呼んでも構わないであろう現在のアメリカのオピオイド状況にふれています。

アメリカでのオピオイドの死者数はまさに急増という表現そのもので、特に、ヘロインとフェンタニルというものでの死者数は、2倍3倍の増え方では済みません。

下は、アメリカ国立衛生研究所の資料からのものです。ちなみに、2016年から 2017年にかけては「さらに急激に」増えています。


Overdose Death Rates / NIH

話がやや横に逸れましたが、非ステロイド性抗炎症薬を使用したくないとなれば、こちらのオピオイドくらいしかないのが今の医学の現状です。

そして今回ご紹介するものは、

「非ステロイド性抗炎症薬が、急性心停止の増加のリスクと大きく関係していた」

という内容のものです。

これは、ヨーロッパでの心臓血管系医学団体「欧州心臓学会」が発表したものです。ちなみに発表したのは最近ではなく、昨年でしたが、最近になってメディアで取りあげられるようになりました。

今回はそれを紹介していた記事をご紹介しようと思います。

ちなみに、本文中にもありますが、ここでの「急性心停止」の「心停止」は、いわゆる「心臓発作」とは違います。

医学的に正確な説明ではないかもしれないですが、わかりやすく書きますと、

・心臓発作 → 心臓への血液供給が停止することで起きる

・急性心停止 → 心臓自体の問題で心臓が止まる

ということのようです。

今回の場合は、後者となりまして、「心臓自体の問題で止まる」というほうです。

それを「非ステロイド性抗炎症薬」が招くと。

欧州心臓学会のプレスリリースでは、急性心停止の場合は「ほとんど蘇生されない」のだそうです。10人のうち助かるのは 1人とのこと。

さすがにそれを聞くと、なかなか鎮痛剤も慎重に飲まざるを得ないと感じますが、まずはその本文をご紹介します。


IBUPROFEN CAN STOP YOUR HEART (31% INCREASE IN CARDIAC ARREST RISK)
collective-evolution.com 2018/02/12

鎮痛薬イブプロフェンは心臓を停止させる可能性がある(急性心停止のリスクが31%増加する)

アメリカの「急性心停止財団(Sudden Cardiac Arrest Foundation)」によると、突然心臓が停止する急性心停止(SCA)は、アメリカあるいは他の国々での 40歳以上の成人の主要な死因であり、アメリカだけで年間 326,200人が病院外での急性心停止を経験している。

財団の資料によれば、急性心停止になった 10人のうち 9人が死亡している。

しかし、驚くべきことに、いまだに急性心停止の原因は依然としてわかっていないと考えられている。原因がはっきりとしていない中、医師たちは、家族の病歴、以前に心臓の問題をかかえていたかどうか、あるいは LDL コレステロール(心臓病に関して関係があると言われつつ実は陳腐化しているマーカーのひとつ)など漠然とした危険因子の指摘に終始している。

しかし、医学データの中に、急性心停止に関してのかなり明白な因果関係が示されているものがあり、そして、これが予防につながるとしたらどうだろう。

それは、NSAIDs (非ステロイド性抗炎症薬 / ※ 市販を含め、ほとんどの鎮痛薬)との関係だ。

 

NSAIDの心臓停止の副作用を明らかにする新しい研究

欧州心臓病学会(ESC)が発表した「《無害な》鎮痛剤が、急性心停止の増加と関係している(‘Harmless’ painkillers associated with increased risk of cardiac arrest)」と題された報告では、一般的に無害であると考えられている多くの鎮痛剤が、急性心停止のリスクの増大と有意に関係していると警告している。

この報告は、欧州心臓病学会の学会機関誌に掲載されたもので、非ステロイド系抗炎症薬の使用が「病院外での急性心停止」の有意な増加と関連しているという大規模な研究に基づいている。

研究者の 1人であるガンナー・H・ギサルソン(Gunnar H. Gisalson)教授はインタビューで以下のように述べている。

「これらの非ステロイド性抗炎症薬は、処方箋なしで購入できる上に、その際に、専門家からの助言もなしに、あるいは制限なしに服用することができますが、これでは、まるで、これらの薬が安全であると公的に語っているかのようなものです」

「しかし、研究では、非ステロイド性抗炎症薬は、心血管リスクの増加に関連していることがわかっています。そのために、私たちは、非ステロイド性抗炎症薬が広く使用されていることを懸念しているのです」

 

研究では、10年間にわたってデンマークでの病院外での急性心停止を経験した合計28,947人の患者を調べた。すると、これらの人々のうち 3,376人が、急性心停止を起こす 30日前までに非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を服用していた。

使用されていた最も一般的な非ステロイド性抗炎症薬は、イブプロフェン( 51%)および、ジクロフェナク( 22%)であった。(※ 訳者注 ジクロフェナクは、日本ではボルタレンとして知られます)

なお、心臓発作と急性心停止は違うものだ。心臓発作は、血液供給が停止した時のもの(通常は循環障害による)で、心停止は「心臓自体の損傷」で停止する。

研究結果は、非ステロイド性抗炎症薬の使用が、心停止のリスクを増加させることを明らかにした。具体的には、イブプロフェンで 31パーセント、ジクロフェナク(ボルタレン)では 51パーセントの増加となった。

非ステロイド性抗炎症薬でも、ナプロキセン、セレコキシブ(セレコックス)およびロフェコキシブは、心停止の増加と関連していなかった。

 

ガンナー教授は、以下のように言う。

「この研究により、非ステロイド性抗炎症薬は無害ではないということを痛感しています。広く一般的に使用されている薬物であるイブプロフェンとジクロフェナクは、その使用により急性心停止のリスクが有意に増加していました。 非ステロイド性抗炎症薬は慎重かつ有効な適応のために使用すべきです。また、心臓血管疾患や心血管系の危険因子が多い患者への使用は避けなければならないでしょう」

非ステロイド性抗炎症薬の心臓への影響は以前からも指摘されることがあったが、今回の研究では、確証された形となった。

教授はインタビューを次のように締めた。

「現在、非ステロイド性抗炎症薬について一般に認識され広く知らされている内容(※ これらが気軽で安全な薬という認識)は間違っています。何しろ、これらの非ステロイド性抗炎症薬は、コンビニエンス・ストアで購入することができるのです。そのような薬なら、誰しも、『これは安全な薬に違いない』と思うでしょう。しかし、私たちの研究は、非ステロイド性抗炎症薬の心臓血管に対しての有害な影響を確認しているのです」

「私たちはこの事実を真剣に受け止めるべきだと思います。非ステロイド性抗炎症薬は、医療専門家に相談した後にのみ使用するべきです」

アスピリンやアセトアミノフェンなどの他の一般的な鎮痛薬も、一般に報告されてはいない壊滅的な副作用を有することにも留意してほしい。


 

ここまでです。

なお、文中にありますが、非ステロイド性抗炎症薬のすべてが心停止と関係しているのではありません。今回の研究でわかったのは、

・イブプロフェン
・ボルタレン

のふたつです。

このうちの「ボルタレン」というのは、私個人とても思い出がありまして、十数年前に、首の炎症で病院に行った際に、このボルタレンを「胃薬なしで」処方されたことがあります。

すぐに私は胃潰瘍となり(胃に4カ所穴が開いていたことが手術で判明)、ある日、水芸のように口から吐血し緊急搬送されたことがありました。

その際に死にかけたのですが、その時に初めて「 NSAIDs (非ステロイド性抗炎症薬)」というものの威力を知った次第です。そういうことを知らしめてくれたという意味では、ボルタレンさんに感謝しています。

しかし、その時は「胃の損傷」だったのですけれど、今回の研究を読む限り、「心臓が止まっていた」という副作用があっても不思議ではなかったのかもしれないと思いますと、感慨深いものがあります。

 

いずれにしましても、冒頭のほうの過去記事の内容を含めますと、最近に非ステロイド性抗炎症薬の鎮痛剤についてわかってきたこととしては、

鎮痛剤の一部(主にイブプロフェン)は男性の生殖機能を弱め不妊にする可能性

・鎮痛剤の一部(主にアセトアミノフェン)は妊婦さんの体内の子どもの将来の成長に強く影響を与える可能性

・鎮痛剤の一部(主にイブプロフェンとボルタレン)は心停止を増加させる可能性

というようなものが出てています。鎮痛剤と書きましたが、すべて非ステロイド性抗炎症薬です。

 

・・・・それにしても、どうしたらいいものか。

何しろ、この非ステロイド性抗炎症薬はあまりにも現代の日常生活の中に根付いています。

それを簡単に排除することができるとも思いませんし、すぐに代替のものが出現するとも思いません。

確かに「痛み」というものはつらいものです。私自身が人生ではずいぶんと痛みを伴う病気をしていたので、ある程度はわかります。

原因のない、あるいはわからない痛みがわりと常にあり続けた人で、実は今も続いている原因のわからない痛みがあります。

そういうこともあり、若い時から鎮痛剤は人より服用していたと思います。

しかし、3年くらい前に思うところがありまして(自分で書いた記事がキッカケでした)、その頃から基本的には鎮痛剤を含む西洋薬は飲まないようになりました。

とはいえ、痛みに対しては「できるだけ」以上は難しいことでもあります。

何しろ今の医学では、日常生活に支障をきたすような痛みを止めるには、非ステロイド性抗炎症薬か、それに準じるものしかないのですから、多くの人々がそれに頼らざるを得ないというのが現実でもあります。

ですから、せめて飲む時には「自分はさまざまなリスクを背負いながらそれを飲んでいる」という自覚が必要な時代なのかもしれません。

たかが薬のことで大げさに聞こえるでしょうか。

私は今回の研究論文の記事を読んで、そして、自分自身が非ステロイド性抗炎症薬で死にかけた経験があることも含めまして、大げさには思えないのです。

 

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Oka In Deep

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