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これからの太陽活動 人類の未来 未来の地球

太陽が暗くなってきている

投稿日:2017年12月17日 更新日:

NASA

思えば、あと2週間ほどで今年も終わるということに今日気づきまして、何というあっという間の1年だったのだろうと驚きます。

今回の記事は、今にして初めて知ったことについて簡単にご紹介させていただきたいと思います。

それは簡単に書けば、「今、太陽はどんどん暗くなっている」という話です。




 

今の地球は、他のすべての自然エネルギーの総計を上回る数十兆ワット規模のエネルギーの減少の渦中に

現在、太陽にはすでに黒点が出ない日が多くなっていまして、そして、これからはさらに太陽活動が低下していき、来年すら再来年あたりには太陽活動の最小期となり、黒点の出ない状態が長く続く時期が始まります。

太陽活動が地球にいろいろと影響を与えることについては今までもいろいろと書いたりしてきましたのですけれど、これまで、その光、つまり「太陽の放射」そのものについて考えたことがありませんでした。

この太陽の光は、NASA などによれば、11年周期の太陽サイクルの中で、その放射は「増えたり減ったり」しているのだそうです。

その割合はとても小さいながら、太陽の地球へのエネルギー供給量があまりに巨大なために、絶対量としてはものすごい量の「エネルギーの減少」ということになるようです。スペースウェザーに掲載されていたその記事をご紹介します。原文では、科学的な名称などに説明がなされておらず、わかりにくいですので、そのあたりをなるべくわかりやすくにしています。

また、記事の後に、その「サイクルの中での増減」とは違う個人的に気になっていることにふれたいと思います。


THE SUN IS DIMMING
Spaceweather 2017/12/15

太陽が薄暗い

12月15日、フロリダ州ケープ・カナベラルにあるケネディ宇宙センターにおいて、スペースX社は、国際宇宙ステーションに「 TSIS-1 」という新しいセンサーを導入した。

このセンサーは、太陽光の明るさを測定するというミッションを帯びている。

現在、太陽は黒点が少なくなり、その 11年の活動周期の最小期に近づいており、それにつれて NASA の衛星は、太陽からの全放射照度(TSI / 太陽からの面積あたりの放射エネルギーを表す量)の低下を追跡している。

そして現在、太陽からのすべての電磁スペクトル(波長)において、その出力は、2012年から 2014年までの太陽活動最大期と比較して、0.1%近く低下した。

太陽からの放射照度は 1978年から歴代の 9基の人工衛星による観測がなされており、下がその全データだ。

 

0.1%の変化と書くと、それほどの変化に聞こえないかもしれないが、太陽は、地球表面に 1平方メートルあたり約 1,361ワットのエネルギーを蓄える。

ここから地球全体へのエネルギー供給を合計すると、太陽からの放射照度の 0.1%の変動は、地球の他の自然エネルギー源をすべて合わせたものを超えるのだ。この他のエネルギー源には、地球中心部からの自然放射線も含まれている。

太陽の光度が上昇する、あるいは下降するということについては、これは太陽サイクルの自然な現象だ。

全米研究評議会(NRC)が発行した 2013年の報告書「地球の気候変動に太陽変動が及ぼす影響」は、太陽からの全放射照度の周期的な変化が地球の大気の化学的な組成に影響を及ぼし、さまざまな地域、特に太平洋地域で気候パターンを変える可能性について述べている。

長期の気候変動の観測や気象予測の強化などのために NASA が運用している人工衛星『ソース( SORCE )』は、主要ミッション期間を越えており、今後、太陽光の観測は、衛星 SORCE から TSIS-1 に引き継がれ、そこに搭載されている機器による前例のない精度での記録を続けることになるだろう。

TSIS-1 のミッション期間は 5年で、その間には 2019年から 2020年にかけて到来すると予測される太陽活動極小期の観測とも重なることになるだろう。

したがって、TSIS-1は今後、太陽の光度が継続的に低下していくのを観測し、次の太陽サイクルが始まる時にふたたび光度が上昇していく様子を観測していくことになる。

TSIS-1 の運用の準備とデータのチェックには時間がかかり、最初のデータ取得は来年 2月となることが予定されている。


 

ここまでです。

 

圧倒的な太陽の活動の低下が数十年間続いている

記事には、「 0.1%という小さな割合でも、それは、地球の他の自然エネルギーの総和より大きい」とありますが、その「その他のエネルギー量がどのくらいあるか」ということを含めて、後で記しますが、ここにある約 11年間ごとの太陽活動周期(太陽サイクル)の中での増減は自然な現象であり、それはそれでいいのですが、それと共に、記事の中のグラフを見てますと、

「 11年周期のサイクルとは別に、この約 40年間、一貫して太陽のエネルギーが低下し続けている」

ことがわかってしまいます。

まず「黒点」。

これは、活動最大期も、最小期も、先ほどのグラフに直線を引きますと、「どちらもなだらかに下がり続けている」ことがわかります。

1978年からの39年間の黒点数の推移

太陽活動の次の最小期を 2019年から2020年頃と NASA は予測していまして、このグラフを見ている限り、その頃には過去数十年よりさら低い時期が続くことになっても不思議ではないです。

そして、「太陽からの放射エネルギー量」。

これは黒点ほどの減少は示さないですが、やはり「過去 40年間で、なだらかに低下している」ように見えます。

1978年からの39年間の「太陽からの放射エネルギー量」の推移

 

特に、2012年前後の太陽活動の「最大期」の放射エネルギーは、活動最大期としては、この約 40年間で最も低かったことがわかります。

「このくらいの差はどうってことないじゃん」と私も最初は思っていたのですが、それが結局、先ほどのスペースウェザーの記事の、

太陽からの放射照度の 0.1%の変動は、地球の他のエネルギー源をすべて合わせたものを超えるのだ。この他のエネルギー源には、地球の中心部の自然放射線も含まれている。

から、「結構大変な数値なのでは」と思うようになった次第です。

というのも、ここには「地球の中心部の自然放射線も含めて、それより巨大」とあるのですが、その具体的な数値に関しまして、このスペースウェザーの記事にはありませんが、以前 In Deep の記事でそのことにふれたことがあるのです。

[地球の内なる太陽] Vol.2 - 地球からのニュートリノと地球内部からの膨大な熱の源は何か
 In Deep 2011/08/27

という6年前の記事で、エコノミックタイムズという報道メディアの記事を翻訳したのですが、その冒頭部分は以下のようなものでした。

地球の内部からは常に約 44兆ワットものも莫大な熱が宇宙に向けて放射されている。この熱はいったいどこから来るものなのだろうか?

 

単位は間違いではなく「 44兆ワット」です。

どうして地球の内部からこのような熱が出ているのかは明確にはわかっていませんが、この熱の「半分」は、地球内部での核分裂反応などでの放射性崩壊によるものだと考えられているようです。しかし、あとの半分はまったくわかっていません

いずれにしても、太陽放射エネルギーの「 0.1%」だけでも、この「 44兆ワット」というような途方もないエネルギーを含めた「すべての地球の自然エネルギーを上回る」というのです。

つまり、単純な書き方をすれば、

「太陽からの光の放射が 0.1%減ると数十兆ワット規模のエネルギーが地球から失われる」

ということになるのかもしれません。そう考えますと、先ほどのグラフで示した「微細な変動」も実は結構な影響を地球に与えている可能性があります。

そして、まあ・・・これは一種の大げさな話ですが、たとえば、この 40年間くらい一貫して減少し続けている黒点が、同じペースで減少していったとすれば、たとえば、「 40年後」はどうなっているか

あるいは、「太陽からの光のエネルギー」が、直近のような「弱い状態」がさらに進んでいった場合、どんな影響が未来の地球と人間に出るのか

太陽の放射量と地球上のすべての生き物に「関係がない」とは、さすがにいえないはずです。それが、1%以下の小さな変動であっても。

 

そんなわけで、今回はじめて「太陽からの影響が現実に変化している」ということを知ったような気がします。

なお、スペースウェザーの記事の中に、全米研究評議会(NRC)が発行した 2013年の報告書「地球の気候変動に太陽変動が及ぼす影響」というものが出てきますが、これもなかなか興味深いもので、これについて NASA が解説をしている文書がありますので、機会がありましたら、近いうちにご紹介したいと思います。

この「地球の気候変動に太陽変動が及ぼす影響」というタイトルが示しますように、太陽の変動は地球の気候のかなりの影響を及ぼすことがわかっています。これは人為的な気候変動というようなオカルトではなく、実際に多くの科学者たちが肘用にたくさんの研究結果を出している分野です。

そして、これらは、今後の「太陽が暗い時代」に地球と私たちがどうなっていくのかを示すものでもありそうです。

これらのことは、「地球は太陽と共に変化していく」という当然のことを明確に示しているということなのかもしれません。

 

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