・米コロラド州で発生している同州の歴史での最悪の山火事。 wildfiretoday.com
今が終わりの始まりであることは、見た目からも実体からも
メルマガの読者の方々の中には、海外在住の方々もわりといらっしゃいまして、国はさまざまですが、最近については「あまりにも急激に国が変わってしまっている」ことに対しての戸惑いを感じてらっしゃる方も多いように思われます。
もちろん、変化に戸惑っているのは日本も同じですが、しかし、欧米を含むいくつかの国では、国民に対しての強権的な示威的指示が強くなっているようで、
「急に警察国家のようになってしまった」
というような雰囲気を感じられている国や地域も多いようです。
先日、以下のようなタイトルの記事を書きましたが、これらの国だけということではなく、急激に国の雰囲気が変わってしまったと感じられることが各地で見られているのかもしれません。
アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド…。各国の当局が「新型コロナウイルスのワクチン接種は強制的なものになり、投獄や強制収容もあり得る」と発言…
投稿日:2020年8月22日
それらの国の中でも、今の時点で「さまざまな面で現実として非常に大変なことになっている」国として、アメリカがあります。
アメリカの東部などは、カリフォルニア州とコロラド州を含めて、過去最悪の山火事が続いており、カリフォルニア州では、「東京都の2倍に相当する面積が数日で消失してしまった」と伝えられています。鎮火の目処は立っていません。
アメリカ南西部のルイジアナ州などでは、今現在、同地域に上陸したものとしては「史上最強のハリケーン」とされる「ローラ」と命名されたハリケーンが今まさに上陸しているところだと思われます。 8月27日時点で、上陸時の中心気圧が 938ペクトパスカルという超強力なもので、これはアメリカでは、カテゴリー4という上から2番目の強さのものですが、瞬間最大風速は、2005年のハリケーン・カトリーナを超えています。
8月27日 ルイジアナ州に上陸直前のハリケーン「ローラ」
・NOAA, Weather Authority
ルイジアナ州ということではなくとも、カテゴリー4の勢力を維持したままアメリカ本土にハリケーンが上陸することは稀だと思います。
このハリケーンに対して、アメリカの気象当局は、その危険度について、
「生存不可能な高潮が発生する」
という警告を発していまして、「こんな気象警告は聞いたことがないな」と思っていましたら、気象予想士の森さやかさんも、サイトで、
> 「生存不可能な高潮」という、聞いたことのないような形容詞を用いてその怖さを警告しています。
と書かれていらっしゃいましたので、アメリカの気象警報としては、史上初めて使われた表現なのかもしれません。
場合によっては、海岸から 50キロを越えるような面積がすべて浸水する可能性さえあるとのことで、現在、沿岸部を中心に数十万人の住民に対して「強制退避」が指示されています。
どれほどの被害が出るか今は想像もできないもののようです。
このアメリカ南部は、2017年にも、テキサス州などがハリケーン「ハービー」で壊滅的な被害を受けていて、この際には、テキサス州の上院議員が「 500年に 1度の洪水に直面している」と述べていましたが、今回はそれを上回る可能性が高そうです。
このハリケーン・ハービーについては、こちらの記事で取り上げています。
2017年8月28日 ハリケーン・ハービー通過後のヒューストンの状況
・In Deep
ただ、この大雨や洪水については、アメリカ云々の話ではなく、現在、世界中でムチャクチャな状況となっていまして、以前でしたら、ブログ地球の記録などでご紹介していたのですが、大きな洪水の発生数が世界中で多すぎて、最近はご紹介を諦めつつあるお手上げの状態です。そのうち、ある程度まとめてご紹介できたらとは思っています。
本当に世界の自然災害はすごい状況です。
アメリカに話を戻しますと、自然災害以外でも困難は続いていまして、ウィスコンシン州にあるケノーシャという街では、数日前から「暴動」が続いています。
日本の報道では、以前のポートランドの時などと同じく、抗議デモという言葉が使われていますが、状況は、すでに暴動か「内戦の続き」です。
8目月24-26日 米ウィスコンシン州ケノーシャ
翌日の朝
・Jorge Ventura Media
8月27日には、トランプ大統領が「ケノーシャに米軍を派兵する」と述べたと報じられています。
自然災害も暴動も時代の中でいつでも起きてきたことですが、史上最悪の複数の山火事と、観測史上最大のハリケーンの上陸、そしてアメリカ兵が投入される暴動が重なったことは、アメリカの歴史でもあまりなかったでしょうし、そして、
「それが、人類の歴史上初めてのパンデミック対策の中で起きている」
ということが最も印象深いです。
つまり、日本も含めて、いまだにアメリカの各地でも続けられている営業自粛や、準ロックダウン、そして移動と行動の制限という、近現代史で見られたことのない「人類の管理」の中で起きているということが、
「いかにも今の時代だな」
と思います。
なお本来は今回は、記事のタイトルにある「事態はどんどんひどいことになってきている」という部分に関して、経済や企業活動についてのことを書こうと思っていたのですが、前振りが長くなりました。
2020目年の春から始まった「自粛と制限」が、どのように作用しているか。
それを、今回は、アメリカの事例を箇条書きでご紹介します。
以前、以下の記事で「ゴーストタウン化したニューヨーク・マンハッタン」のことを取り上げましたが、そのようなことが各地で起きています。
完全にゴーストタウン化したアメリカのニューヨーク5番街を見て思うことは、「少し先の日本も同じでは?」という「地獄の夏」的な懸念
投稿日:2020年8月16日
なお、ここでアメリカの事例をご紹介するのは、あくまで、アメリカが最も各種の数値が詳細に出されているからであり、アメリカが特に悪いという意味ではないです。
規模の差はあっても、同じような「自粛と制限」をおこなった国では、どこでも同じような状況だと思われ、そして、そのような国ではどこでもこれからさらに悪化すると思われます。
なぜなら、まったく状況に改善も進展も見られないからです。
「改善も進展も見られない」というのは、新型コロナウイルスの感染状況の話ではなく、それに対しての「考え方」に進展がないために、いつまでもいつまでもこの状況が続いてしまうという可能性があるからです。「何もしない政策」で、すでに最近はもうずっと日々死亡者ゼロに近い状態が続くスウェーデンのような考え方をまったく振り向かないからです。
多くは、ニュースなどの見出しなどを箇条書きしたもので、そこに簡単に説明を加えさせていただいています。時期は、7月から 8月までランダムです。
アメリカ 2020年の夏
・サンフランシスコの店舗の半分以上が経営低迷の激化で「閉鎖」
CBS ニュースより
サンフランシスコ商工会議所の調査によると、新型コロナウイルスの影響により、サンフランシスコの全店舗の半分以上が営業を停止している。
調査では、パンデミックの開始時に営業していたサンフランシスコの店舗で営業しているのは 46%のみであることがわかった。
・ラスベガスでは25万人が9月までに立ち退かなければならない
APより
パンデミックによって引き起こされた景気低迷の中で、住民たちが家賃の支払いに苦労しているため、ラスベガスは潜在的な立ち退きの危機に直面している。
ラスベガスの研究グループは、クラーク郡では、249,700人が立ち退きの危険にさらされていると推定している。
・アメリカの美術館と博物館の3分の1は「来年まで存続させる自信がない」と述べる
米国NPRより
アメリカの美術館と博物館に対しての調査によると、この分野が歴史的な財政難を記録していることがわかった。回答者の 3分の 1( 33%)は、今後 16ヶ月を乗り切ることができるとは考えていないとした。そして、全体の16%は、彼らの美術館と博物館が「永久的な閉鎖」のリスクが著しく高いと述べた。
・米国のホテルが「前例のない差し押さえの波」に向かっている
American Hotel&Lodging Associationによる
現在、アメリカのホテルの不動産のすべてのローンの、ほぼ 4分の 1の支払いが、少なくとも 30日間滞納されており、差し押さえの兆候が迫っていることを示している。
・7月の家賃を支払うことができなかったニューヨークのレストランは83%にのぼる
NYCホスピタリティアライアンスによる
ニューヨーク市内のレストラン、バー、ナイトクラブなどの施設の約 500人の所有者と運営者を対象とした調査では、家賃を払えない企業が増えていることがわかった。レストランとバーの 83%は支払いができなかった。37%はまったく家賃を支払っていない。
今なお屋内の飲食店が一時閉店しているため、この数字は上昇を続けている。
以下は、見出しのみです。
・サウスカロライナ州ではすべての住人の52%が立ち退きの危機にさらされている
NBCニュースより
・アメリカの高級リゾート地が崩壊しつつある
USAトゥディより
・4月からのアメリカの失業者数は公式数値で「5700万人」
米CNBCより
このあたりまでとしておきますが、ここまで影響が大きいですと、「経済というのは人々全体で作られるもの」という前提で考えましても、今後さらに影響はさまざまな分野に広がっていくものと見られます。
アメリカの場合、数値や割合が大きなものとなっていますが、しかし、他の多くの国で似たようなことになっていると思われ、世界全体として、それらの影響は「波状」にさらに大きくなっていきそうです。
あらかじめ予測されている食糧難も含めて、2年後くらいまでには相当覚悟を決めなければならない世の中が出現するかもしれません。
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