7月24日 米国オレゴン州ポートランド。デモ隊を威嚇する治安部隊
・USA Today
思ったほど沈静化していかない太陽活動の中で
先週末(7月24日から26日頃)アメリカで抗議デモとされる運動が始まって以来の比較的暴力的なデモが各地で発生したことが報じられています。
日本語の報道だけでも以下のようなものが伝えられています。
・シアトルで最大規模の抗議デモ 45人拘束、警官も負傷 米 (時事通信)
・米 各地で抗議デモ、死傷者も (TBS News)
・ロシア極東で大規模デモ、知事逮捕に抗議 「プーチン氏辞任を」 (ロイター)
デモは、アメリカだけではなく、わりと世界各地で発生していたのですが、先々週あたりからの「太陽の動き」を見ていて、そういうこともあり得るのかなとは少し感じていました。
このブログで、
「人間社会の暴力的な動きは、太陽活動とリンクしている」
ことに初めてふれたのが正確にいつなのかはわからないですが、そのことを、わりとハッキリと記事にしたのは、2014年の以下の記事かとも思います。
太陽と暴動。そして、太陽と戦争
In Deep 2014/03/04
私はもともと、10年以上前から、ロシアの科学者であったアレクサンドル・チジェフスキー(1897 - 1964年)という方の研究が好きでした。チジェフスキー博士は、歴史上の暴力的な活動、すなわち、「戦争、暴動、革命」などが太陽の黒点数とリンクしていることを 1910年代に見出し、1922年に論文として発表しています。
以下は、その論文に示されたグラフで、上の点線は「戦争、暴動、革命が発生した件数」で、下の太い実線は「太陽黒点数」です。
疑うこともなく、「完全なリンク」があることが見てとることができます。
チジェフスキー博士の1922年の論文より
・Physical Factors of the Historical Process
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 景気循環研究所長である嶋中雄二さんの名著『太陽活動と景気』 には、チジェフスキー博士の研究について、以下のように述べられています。
嶋中雄二著『太陽活動と景気』 第6章より
チジェフスキーによれば、太陽の影響力は、個体から集団、群生に至る生物系のすべての組織レベルに及んでいるとされた。
チジェフスキーは、地球上のあらゆる生物の発達は、太陽宇宙因子の直接的影響下に進んだものであり、人類もその例外ではないと考えた。
彼は、戦争や革命など人間の不穏状態に関する徴候、あるいは「大衆の興奮も太陽の周期に従っている」とした。
なお、以前も書かせていただいたことがありますが、嶋中雄二さんの『太陽活動と景気』は、書かれたのは 1987年とずいぶん以前のものなのですけれど、今でも、これを超える「太陽と人間社会の科学の総合的研究」に関する本は(世界全体でも)存在しないと思います。
太陽の研究本としては、世界最高のものだと思いますので、太陽に興味のある方は、ぜひ一家に一冊置いていただきたいというように思っています。
なお、このチジェフスキー博士の太陽の研究は、当時のソ連の統治者だったスターリンに大変「嫌われて」しまい、チジェフスキー博士は、シベリアの収容所に送られてしまいます。
要するに、チジェフスキー博士の研究結果に従えば、
「国家も人間も、それを動かしているのは太陽」
ということになってしまい、革命も戦争も、それを起こしている人間も、太陽に行動を支配されているに過ぎない、ということになってしまうからです。
「ソ連の偉大な社会主義革命」も、背後から太陽に刺激されていたに過ぎない、というようなことになってしまい、これは支配者から嫌われても仕方ないです。
同じような理由で、アメリカでもヨーロッパなどでも、この「太陽と人間社会の関係性についての科学」は、時の権力者たちから嫌われたのか、ほとんど発展することなく消えていきました。
しかし、先ほどのチジェフスキー博士の研究だけではなく、その後の多くの科学者たちの研究から、
「社会の暴力性と太陽黒点活動には完全なリンクがある」
ことは疑いの余地がないものとなっています。
以下は、ポーランドのヤギェウォ大学のアダム・ミハレック教授が論文で発表したもので、それを日本語に置き換えたものです。
近代現代の世界を変革させた革命や戦争や暴動などの暴力的社会事象が、すべてといっていいほど「太陽黒点が最も多い時に起きた」ことがわかります。
革命や暴動は「青」で示し、戦争は「赤」で示しています。
・Solar Activity and Human History
これを見ますと、第一次アメリカ内戦(南北戦争)もまた、太陽活動が最も高い時に起きていたことがわかります。
このグラフやその論文に関しては、以下の記事にあります。
太陽活動と人類の革命と戦争の歴史
In Deep 2018/03/16
そして、「今は太陽活動の点から見れば、どんなときなのか」というと、
「過去数百年で最も太陽活動が弱い」
のです。つまり、本来なら「大規模な暴力など起きないとき」なのです。
昨年 10月には、黒点が「出現しない日数」が、太陽活動の観測が始まって以来、最大を記録して、過去 200年で最も太陽活動が「弱い」時代となっていました。
これは、以下の記事などでも取りあげていました。
2019年、黒点が出現しない日の比率が太陽観測史上で最大を記録し、ついに太陽は歴史的な極小期に突入。この状態はこれから何年続くのか
In Deep 2019/10/27
昨年のその時点では、NASA なども「次の太陽活動は、過去 200年で最も弱くなると予測される」としていました。
昨年の 10月頃は実際に、すでにほとんど黒点が出る日がなく、そして、「その後はさらに弱い方向に推移していくだろう」というのが、大方の予測で、私もそのように思っていました。
しかし。
最近になって、太陽は「やや活動を活発化させている状態」が続いているのです。
7月27日現在も、太陽には 11個の黒点が地球側に向いていますが、これから地球のほうに回り込んでくる領域にも「さらに大きな活動領域」が存在している可能性があることがわかりました。
なぜかというと、7月27日に、「太陽の裏側で爆発(おそらく巨大な太陽フレア)が起きていた」ことが NASA の観測衛星によって撮影されていたのです。
7月27日 太陽の裏側に立ち昇る巨大なプラズマ
・spaceweather.com
この領域が今後、地球の方向に向いてきますので、おそらくは、今後数日のうちに、太陽黒点などの活動領域は、さらに増えていくのではないかと思います。
まあ、それでも、黒点数の「絶対値」が非常に低いですので、社会に暴力性を与えるほどの影響はないとは思います。
しかし、今回のアメリカ各地でのデモの発端となったのは、1週間ほど前から始まったオレゴン州ポートランドでの暴動が発端となっているようで、それ以来、アメリカの各地にデモが広がっているのですが、それが始まった時期は、
「ちょうど太陽に黒点が復活してきたとき」
でした。
それでも、このような黒点数は少ないレベルではあり、どうこう言うようなものではないのかもしれないですが、しかし、現在のアメリカ、あるいは世界の多くの国や地域で、
「人々の不安や不満が最大レベルになっている」
ということがあります。
精神的にもものすごく不安定な人たちが多くなっていると思いますし、荒れやすい要素はあるのかもしれないな、と思います。
ただ、私自身は、この「太陽と暴力の関係性」は、そう簡単には崩壊しないと思っていますので、世界的に本格的な暴力が拡大するのは、やはり「今ではない」と思っています。
現状で不安なのは、むしろ、気象やサプライチェーンの不安定などによる食糧供給のことだったり、何より、
「多くの人々が自粛と消毒生活で不健康になっている」
ことのほうが心配です。
こういう不健全な環境の中で、起き得ることは何かというと、
「本当のパンデミック」
です。
今後最もコワイのは本当のパンデミック
今もパンデミックではないかと言われるかもしれないですが、前回の以下の記事などでも少しふれましたけれど、今起きていることは「本当の意味でのパンデミックではない」ことが少しずつ明らかになりつつあります。
電磁波はウイルスを生成あるいは複製できる?:ノーベル賞学者リュック・ モンタニエ博士の研究と「水は記憶を持つ」という論文を見ているうちに湧く疑念
In Deep 2020/07/26
しかし、人々の過度な不安とストレス、生活の中の笑いの欠如(これは免疫力を大幅に落とします)、太陽光不足、過度な消毒生活、恒常的な酸素不足(マスク等)などにより、おそらく
「今の私たちは、人類史上、病原体に対して、もっとも脆弱な状態になっている」
と思うのです。
ですので、ちょっとした病原体の流行でも、以前より深刻になる可能性はあると思います。
どうして、太陽と暴力の話の中にこのようなことを書いたかといいますと、
「太陽活動と感染症の流行にも相関がある」
ことがわかっているのです。
ただし、これは「太陽活動が高いと感染症が流行しやすい」とか「しにくい」とか、そういう単純なものではないのですが、それでも多くの感染症に太陽活動による地磁気活動と感染の流行の関係が認められているのです。
ヤゴディンスキー博士の1971年の論文データより
・前田担著『生物は磁気を感じるか』
先ほど述べましたチジェフスキー博士も「太陽活動の病気の流行」の関係に着目しまして、それについては、『太陽活動と景気』 に以下のように書かれています。
嶋中雄二『太陽活動と景気』より
チジェフスキーは、1764年から1900年に至るペテンブルグ、1800年から1900年にかけてのロシアの総死亡率を分析し、それらが太陽黒点周期と一致していることを見いだした。
また彼は、ペストをはじめ、コレラ、インフルエンザ、回帰熱、脳脊髄膜炎、ジフテリアその他の伝染病、それに病害虫といったものが、いずれも太陽活動と驚くほど対応していることを発見した。
チジェフスキーは、ペストの流行は6世紀以来、太陽黒点が最小のときに比べて最多のときには、約二倍も多く生じていると主張し、この原因を太陽からの有害な放射線(たとえば紫外線)の増減に求めた。
太陽の影響力は、彼によれば、個体から集団、群生に至る生物系のすべての組織レベルにおよんでいるとされた。
そして彼は、動物の血液、リンパ液、原形物質等のコロイド電気変化が、太陽活動の変化やバクテリアの成長と平行関係にあることを突きとめた。
こうした研究の延長線上で、後に、太陽活動の最盛期の年には、ジフテリア菌の毒性が減少し、あたかも無害なバクテリアのようになってしまうことも発見された。
ここにあります、
> 太陽活動の最盛期の年には、ジフテリア菌の毒性が減少し、あたかも無害なバクテリアのようになってしまう
という記述が本当なら、太陽からの影響は「バクテリア、場合によってはウイルスの性質そのものを変化させる可能性」があるということなのかもしれません。
そのメカニズムについては、明確にはなっていないとはいえ、たとえぱ、上に、
> リンパ液、原形物質等のコロイド電気変化
というようにありますが、前回の記事で少しふれましたが、生物の DNA からは電磁波が放出されていまして、そして、太陽からの黒点活動は、磁気、磁力を地球に与えます。
つまり、
・地球の生物は人間を含めて、電磁波を放出している
・太陽はその地球の生物に対して磁気を放っている
・そして、地球のほとんどの生物の構成の基本は「液体(コロイド)」である
というあたりが、つまり、分子液体で全身が作られているということにおいて、「すべての地球の生物は、全身全霊で太陽からの影響を受ける」という構造があるのかなあ・・・とは思ったりします。
あと、「人間自身が磁場を持っている」ことは 1960年代に判明していまして、これは、京都大学名誉教授だった前田坦(ひろし)さんが書かれた『生物は磁気を感じるか』という 1985年の本などに詳しく説明されています。これも名著です。
私は『太陽活動と景気』も『生物は磁気を感じるか』も、紛失した時のために、それぞれ2冊持っているほどです。
以下のイラストはその『生物は磁気を感じるか』にあるもので、1968年にコーエン博士という方が発見した「人間の頭部の磁場」です。
この『生物は磁気を感じるか』には、他にも、
・地磁気で DNA の核酸の向きが変わる
・地磁気がヒトのたんぱく質を変化させる
・地磁気が細胞そのものに影響する
ことなどが書かれていて、太陽からの磁気の影響が、人間に非常に大きな影響を与えることをこの本で知りました。
ただし、この「生物磁気学」というのも、前田坦名誉教授が京都大学での研究を終えられた後は、あまり発展しなかったようです。
これに関しても、
「人間はそのものが磁場である」
というような発想があまり受け入れられなかったのかもしれません。
このことについては、ずいぶん以前の記事ですが、2014年の以下の記事に記しています。
人類のボスは誰ですか?
In Deep 2014/03/26
そんなわけで、最近の抗議デモや暴動などを見ていまして、ふと「最近の太陽」のことを思い、そして「太陽と病気」あるいは、「太陽と人間は直接的に影響し合っている」ことなどを以前はよく考えていたよなあと思い出しました。この半年ほどはコロナ騒動で、そういう「人間と太陽の本当の関係」を忘れがちになってしまっていたのかもしれません。
太陽は決して人類の敵ではないですが、常に「地球と人類を適切な方向に動かそうとする」性質を持っていると歴史を見ていると思います。
どんな方向にいくでしょうかね。
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