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2019年からの世界 これからの太陽活動 人類の未来

2019年、黒点が出現しない日の比率が太陽観測史上で最大を記録し、ついに太陽は歴史的な極小期に突入。この状態はこれから何年続くのか

投稿日:

2019年10月26日の太陽黒点の状況(黒点数0は222日目に)

NASA




 

2019年は太陽観測史上で最も活動が弱い年に

10月26日、NASA は、

「 2019年に太陽黒点が出なかった日数が 10月26日の時点で 222日を超えた」

と発表したことが、スペースウェザーのニュースで伝えられています。

この「 222日」という数字に何の意味があるのかといいますと、実は、この数字は、

「 2019年は、過去の太陽観測の歴史の中で、年間で太陽黒点が最も出なかった年となった」

ことが 10月26日にほぼ確定したことを示すものなのです。

少しわかりにくい表現ですので、もう少し書きますと、宇宙時代、つまり観測衛星などにより正確な太陽観測が始まって以来、これまで「 1年間に最も黒点がでなかった年」は、2008年だったのです。

その 2008年は、1年間の 365日のうちで、黒点が出現しなかった日が 268日ありました。これが、今までの太陽観測史の中で、最も多い数で、つまり「 2008年という年は、観測史上で最も太陽黒点が出ない年だった」のです。

この 2008年の状況を割合を含めて書きますと以下のようになります。

2008年 黒点が出現しない日は 268日 (73パーセント)だった

そして、今年 2019年は、まだ 10月であり、丸々2ヵ月を残した時点で、以下のようになったのです。

2019年 黒点が出現しない日は10月26日の時点で 222日 (74パーセント)となった

このように、宇宙時代で最も黒点が出なかった 2008年の「黒点が出現しない日が 全体の 73パーセントだった」という数値を、今年は 10月の時点ですでに超えたのです。

この 2008年の 73パーセントというのが、宇宙時代で「最も黒点が出現しない年だった」ということになっていますので、2019年は、まだ 2ヵ月あるので、絶対とはいえないですが、ほぼ確実に、

「今年 2019年は、宇宙時代が始まって以来、最も太陽に黒点が出なかった年」

ということになるようです。

ちなみに、過去14年間の「太陽に黒点が出なかった日数の割合」は、以下のようになっています。

2006年-2019年までの太陽黒点が出なかった日数の割合

・2019年 太陽黒点が出なかった日数は全体の 74% (現時点で222日)
・2018年 太陽黒点が出なかった日数は全体の 61%
・2017年 太陽黒点が出なかった日数は全体の 28%
・2016年 太陽黒点が出なかった日数は全体の 9%
・2015年 太陽黒点が出なかった日数は全体の 0%
・2014年 太陽黒点が出なかった日数は全体の 1%未満
・2013年 太陽黒点が出なかった日数は全体の 0%
・2012年 太陽黒点が出なかった日数は全体の 0%
・2011年 太陽黒点が出なかった日数は全体の 1%未満
・2010年 太陽黒点が出なかった日数は全体の 14%
・2009年 太陽黒点が出なかった日数は全体の 71% (260日)
・2008年 太陽黒点が出なかった日数は全体の 73% (268日)
・2007年 太陽黒点が出なかった日数は全体の 42%
・2006年 太陽黒点が出なかった日数は全体の 19%

「 0%」というのは、「黒点が出ない日はなかった年」で、つまり、2012年から 2015年頃は、毎日太陽に黒点が出ていたことになります。

そして、2018年から段階的に太陽黒点が出現しなくなっていき、ついに、この 10月26日に新しい記録が生まれました。

昨日までの時点で、黒点が出現しなかった日数が 222日となっていますので、今年の12月31日までに、仮に「 1日も黒点が出なかった場合」には、今年 2019年に黒点の出現しなかった日が、

「 287 日」

となり、2008年を大きく超えて、記録的に太陽黒点活動の弱かった年ということになる可能性があります。

実際には、数日程度は黒点が出る可能性のほうが強いですが、それでも、365日のうち、280日前後は黒点が出現しなかった日という数字に収まりそうで、「本当に太陽活動が弱いサイクルだったのだなあ」と改めて認識させられます。

そしてですね。

次の太陽活動は、「これよりさらに弱くなる」という予測を NASA が発表したことを以下の記事で取りあげたことがあり、状況がさらに「深化」していく可能性が強いのです。

米NASAが次の太陽活動周期サイクル25は「過去200年間で最も弱くなる」という予測を公式に発表。2032年頃まで続くその環境の中の地球はどうなる?

次の太陽活動周期が始まる来年からしばらくは、今と同じような、あるいはもっと強力に「極めて弱い太陽活動が続く」という可能性が高くなっています。

以下は、NASA が発表した、これまでの太陽活動(黒点数)の推移と、今後の予測です。

西暦1750年から2030年までの太陽活動の推移(2019年からは予測)

NASA

この予測では、これから始まるサイクル25は、これまで続いたサイクル24の半分ほどしか黒点が出ない予測となっています。

予測通りになるとすれば、これほど黒点が少なくなるのは、1800年代初頭に約 40年間続いたダルトン極小期と呼ばれる太陽黒点の少ない時代まで遡るほどのものとなりそうです。

このダルトン極小期は、世界中で気温が低下した状態が 40年間近く続きましたが、次の太陽活動の際にそのようなことになるのかどうかまでは今はわかりません。

なお、「記録的な黒点の少なさ」だった、先ほどもご紹介した 2008年から 2010年くらいには、その時にも、太陽黒点の少なさについて非常に多く報じられていました。

以下のような 2008年-2011年の報道のタイトルでもおわかりかと思います。

太陽の黒点が約100年ぶりにゼロに、地球の気候に大影響か (2008年9月4日 GIGAZINE)

太陽黒点がやっと出現:異例の「太陽活動低下」は今後どうなる? (2009年9月28日 WIRED)

太陽の黒点が消えた2年間の理由 (アストロアーツ 2011年3月4日)

2011年になってからは、太陽の「磁場」に異変が起きていることを、JAXA の太陽観測衛星「ひので」などが観測したことが報じられました。


hinode.nao.ac.jp

以下は、2011年9月2日の読売新聞の報道からの抜粋です。

地球環境に変動?太陽北極域で異例の磁場反転

読売新聞 2011年09月02日

宇宙航空研究開発機構の太陽観測衛星「ひので」が、太陽の北極域で磁場が反転し始めた様子を観測することに成功した。

太陽の北極、南極の磁場は約11年周期で反転することが知られているが、今回は予想時期より2年も早いうえ、南極域では反転が見られないなど異例の様相を呈している。地球の環境変動につながる恐れもあるという。

磁場の反転と、太陽の黒点数増減の周期は、通常約11年で一致していたが、2009年初頭まで続いた黒点の周期は12・6年に延びた。

活動周期が延びる時期は、地球が寒冷化することが知られている。

研究チームの国立天文台 常田佐久教授は「観測されたことのない事態だ。地球環境との関係を調べるため、太陽活動を継続的に監視していく必要がある」と話す。

そして、翌年の 2012年には、異変が極まってきた感があり、日本の国立天文台が、

「太陽の極が 2つから 4つになった」

と発表するに至ります。

つまり、太陽は、以下のようなことになっちゃったのです。

国立天文台が発表した2012年の太陽の変化

国立天文台

太陽も地球と同じように、北に磁極としての北極があり、南に磁極としての南極があるのですが、それが「 4つになってしまった」のでした。

以下は、そのことを報じた 2012年の読売新聞の報道です。

太陽磁場、来月に4極化か

読売新聞 2012.04.20

国立天文台などは(2012年4月)19日、 5月にも太陽の磁場が反転し、北極と南極にN極(プラス磁場)、赤道付近に二つのS極(マイナス磁場)が出現する「 4重極構造」に変化するとの予想を発表した。

同天文台の常田佐久教授(太陽物理学)らは、太陽観測衛星「ひので」を使い、磁場データを分析。2011年 7月以降、北極の磁場がS極からN極に反転し始めたことを確認した。

一方、ほぼ同時に反転するはずの南極はN極のままで変化せず、 4重極構造が確実視される状況となった。

私が、In Deep を書き始めたのは 2009年頃ですが、その頃、これらの太陽の異変についての数多くの報道を見ているうちに、「太陽を中心とする何か大きな変化」と感じまして、太陽について何も知らなかった私が、少しだけ勉強したりし始めたのも、この「太陽の異常」を知ることになってからでした。

しかし、その後のこの地球の約 10年間の「異常」の中心は、太陽だけの問題ではなく、もはや書くまでもないような「自然の変化」が激しく、そして、日本は今もその自然災害や気温や気候の影響を最も強く受け続けている場所のひとつです。

太陽活動と気象や天候が非常に密接に関連していることは、このブログでもよく取り上げさせていただいていますが、特に、歴史的には、

太陽活動は、「気温」と「降雨量」に強く関係する

ことが今では科学的に明らかとなっています。

ただし、「太陽活動がこうなると、このように変化する」という単純な図式を書くことはできず、地域や季節によって異なるものですので、「これからの日本の気候はこうなる」というような単純なことは書けません。

しかし現時点で、日本の気象は、降雨量だけ見てみても、もう過去とはちがったものとなっていることがはっきりしていまして、そして、

「このような異変は今後も拡大する」

と言えると思われます。

それが、単に雨量が増えることだというようには言いません。

しかし、これまでの常識とはちがう自然の状態が、今後さらに進むと思われる「太陽の異変」の中で、進行していくのではないかと思われます。

 

ところで、太陽活動がこのように弱いのですから、太陽からの磁気嵐も非常に少ないと思われるかもしれないですが、実際には「太陽からの磁気嵐は恒常的になっている」というのが現実です。

10月26日にかけても、地球は G2クラスという下から 2番目の規模にあたる磁気嵐に見舞われていました。

この理由は、やはり何度も取りあげたことがありますが、

「太陽表面に、コロナホールという領域が日常的に発生するようになったから」

だと思われるのです。

以下の写真は、今日( 10月27日)の太陽の様子です。黒い部分は、すべてコロナホールです。

2019年10月27日の太陽

NASA SDO

この黒い領域からは、磁気が噴出し続けており、それが地球にもたらされます。そのために、地球はかなり日常的に何らかの磁気嵐に見舞われ続けているというようなことになっているのです。

このコロナホールというものは、二年ほど前までは「太陽の両極周辺(北極と南極のあたり)」にしか出現しないものだったのですが、今は上の写真のように、どこにでもコロナホールが出現するようになりました。

これについて初めて記事にしたのは、以下の 2018年12月の記事ですから、太陽がこのようにコロナホールだらけになったのは、つい最近のことだと言えそうです。

「半分、黒い。」 : 磁気を噴出するコロナホールが太陽の大部分を占める異常な状態が「定着」し、人類が太陽からどんな影響を受けるのかがもはや分からない

 

このように、太陽は過去 10年間ほど、「ずっと異常な状態」でした。

そして今、過去最も太陽黒点の出現が少ない年という記録を作り、来年以降、記録はさらに伸びていく可能性もある中、地球の状態はどのようになっていきますでしょうかね。





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