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2022年からの世界 人類の未来 日本の未来 軍事的カオス

大量死の時代に、アメリカのふたつの大学の「核戦争後のシミュレーション」を見直してみる

投稿日:


princeton.edu




 

さまざまな側面からの「大量死」の側面

あらゆる面から、こんなに世界が大量死の間際にいるという現実が何だか信じられないようでもあり、信じられるようでもあります。

大量死というと、最近はすぐにコロナワクチンを考えますが(これが最終的には、ものすごい被害になると思っているにしても)、しかし、この冬、最大の懸念は、特にヨーロッパでは「エネルギー不足」があります。

先週くらいでしたか、ドイツ・ヘッセン州にあるラインガウ - タウヌス地区という地方自治体が、

「この冬、停電になった場合のシミュレーション」

発表していまして、この自治体は、人口 19万人という、さほど大きな人口の地区ではないのですが、

「停電の最初の 96時間で 400人が死亡する」

と算出されたと報じられています。

それを報じていたメディア記事の冒頭は以下のようなものです。

 

 

(ドイツの地方自治体のシミュレートに関する報道より)

> ヘッセン州のラインガウ - タウヌス地区は、ドイツの 401 の地区と都市地区の中で初めて、ベルリンの専門会社が停電の際に何が脅威になるかを調査し、シミュレートをおこなった。

> これによると、96時間以内に400人の死亡が予想されるとした。

> 24 時間後、家畜は死亡し、変電所は故障し、水タンクは枯渇する。その後、おびただしい略奪、火災、経済的損害が発生すると見られる。ラインガウ - タウヌス地区の消防検査官クリスチャン・ロッセル氏は現在、停電のリスクはガス不足よりもはるかに可能性が高いと考えている。

freewestmedia.com

 

19万人の人口の地区で、「 4日で 400人亡くなる」というのは、ちょっと大げさかなと思いもしますが、しかし、寒さの厳しい国や地域では、そういうことも考えられなくもないのかなとも思います。

たとえば、私は北海道出身ですが、

「北海道で、真冬に完全に暖房が途絶えたら?」

と考えますと、あながち誇張ともいえないようにも思います。

1日、2日くらいは凌ぐことができても、3日目あたりからはどうにもならなくなりそうです。

50年くらい前の北海道では、少なくとも私の住んでいるあたりの主流は、石炭ストーブで、それらには「薪」も利用できましたので、当時は、まだ薪というものも普通に庭に積まれていた家もありましたが、今の家では薪も石炭もその使用は無理で、石油や電気がなければ暖房は成立しません。

この状況は、ヨーロッパでもある程度は同じだと思われ、ヨーロッパは天然ガスが主流なのかもしれないですが、それがなくなりつつある状況ですと、代替があるのかどうなのか。

ヨーロッパのこの冬のエネルギー不足はほぼ決定的で、天然ガスだけではなく、「石油供給ショックが差し迫っている可能性」というような記事 (oilprice.com)もあり、非常に先行きが不透明になっています。

そのような中、ロシアの天然ガスパイプラインである「ノルドストリームの1も2も両方に異常が起きている」ことを AFP やロイターが伝えています。

もともとロシアからヨーロッパへの天然ガス供給は止められているとはいえ、仮にこのパイプラインに深刻な損傷が見つかったりした場合は、「戦争や制裁の行方と関係なく、ヨーロッパへのガスは恒久的に流れない」ことになります。

しかも、ヨーロッパは「猛暑から「突然の寒波」に移行しつつあるようでして、9月末から、特に西ヨーロッパと英国などで気温が急激に低くなるようです。

気温が低くなると、平年でもそうなのですが、死亡率が上昇します。

 

そして、今のヨーロッパは、以下の記事など何度か取りあげさせていただいていますように、ただでさえ「過剰死がすごい」のです。

 

[記事] ヨーロッパ全体での「謎の過剰死の急増」に困惑する専門家と科学者たち。欧州最大の超過死亡率を記録したスペイン政府は正式な調査…
 In Deep 2022年9月16日

 

それで、その後のヨーロッパの超過死亡率を見てみましたら、「さらに上がっている」のです。

今日の以下の記事でグラフやデータをご紹介しています。

 

[記事] ヨーロッパの過剰死が止まらない。EUの公式統計サイトも「異常」と述べる
 地球の記録 2022年9月27日

 

平年との比較で、「超過死亡率が 15%を超えた」国が以下のように拡大しています。

2022年7月のヨーロッパの超過死亡率の平年比。茶色が 15%以上増加した国

ec.europa.eu

これは、7月、つまり今年の夏のデータですので、冬にどうなるかは想像もでききないほどですが、複合的に、

・寒さ
・感染症(コロナやインフルエンザや単なる風邪)
・抗体依存性増強 (ADE)

が組み合わさったら、どうなるのだろうとは思います。

あと、話は少しそれるかもしれないですが、感染症に対して、最も重要なファクターは「適切な栄養」だと、最近、つくづく思いました。

つまり「食料危機は感染症の状況を必ず悪化させる」と思ったのです。

 

 

食料と胸腺

何の話かといいますと、最近、日本で「梅毒患者が急増している」というように報じられることが多いではないですか。

それで、日本の過去の梅毒患者数の推移を見てみますと、「ほぼ栄養の問題」だということがわかるのです。

日本の梅毒に関しての資料を見ますと、感染状況は以下のようになっています。

1948年 -2014年の日本の梅毒の感染数の推移

eiken.co.jp

 

戦後から 1948年くらいまでが突出して多かったわけですが、「この時期だけ、そんなに原因となる行為が突出していたわけでもあるまい」とは思います。

この時期は、日本の栄養状態が大きく改善していった時期でもありまして、1948年頃から 1960年代までの下がり方は、単純に「栄養状況の改善なんだろうな」と思わざるを得ない面があります。

他の要因もいくつかはあるでしょうけれど、若い人たちの人口は、この 1948年などからドドドッと増えていきますので、単純に「行為の数の推移」からは、この状況は説明できないです。

結局、「胸腺」の問題だと思われます。

梅毒に関する論文を読んでいた時、以下の記述に突きあたりました。

 

(2017年の論文より)

> T 細胞、NK 細胞、および IL-2 は、一次および二次梅毒疾患の発症および病原メカニズムに関与しており、これらの細胞は疾患の治療に影響を与える。 whitesscience.com

 

胸腺というのは、このうちの T細胞等の重要な免疫細胞が作られる「人の免疫において最重要な器官」ですが、この胸腺の働きというのは、「栄養、特にタンパク質」に大きく依存していることが、1960年度のノーベル生理学・医学賞を受賞したフランク・マクファーレン・バーネット博士という方によって語られています。

以下は、今年 8月のメルマガで、[栄養と胸腺の萎縮の関係から見る「西暦530年代のような暗黒の時代」の再来の可能性]という物騒なタイトルのものですが、そこからの抜粋です。

2022年8月5日の In Deep メルマガより

(『悪魔の遺伝子操作』より)

> 劣悪な生活条件によっても、免疫防御力は弱まる。アフリカでは、タンパク質含量の低い食事内容がとくに問題であろう。

> マクファーレン(免疫の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞したウイルス学者)は、栄養不良で最初に損傷を受ける器官は胸腺であることを強調している。

> 胸腺は、体内のT細胞(重要な免疫細胞)の供給源である。免疫防御力の弱まるあらゆるものによって、致死的な臨床的エイズの始まりが促進される。

 

……そして、このマクファーレン博士や、あるいは他の科学者たちの、

「胸腺と栄養失調に関する論文」

を探しましたら、多く残っていました。

古いものは、概要しか読めないですが、非常に簡単にいえば、「栄養不足が、免疫の衰退につながる」ことはほぼ間違いないようなのです。

以下はマクファーレン博士の論文のひとつです。1973年のものです。

> 「栄養失調における細胞性免疫応答」

> ヒツジ赤血球 に対する一次および二次免疫応答は、脾臓、胸腺、および骨髄における直接プラーク (PFC) およびロゼット (RFC) 形成細胞の顕著な減少によって決定されるように、栄養失調のラットでは著しく抑制されていた。
 https://bit.ly/3JuQKPP

 

以下は胸腺に関する論文ではないですが、2014年の比較的新しい論文(レビュー)です。

> 「栄養失調の子供の免疫システム」

> 栄養失調の子供は死亡リスクが高く、ほとんどの死亡原因は感染症だ。この背後にあるメカニズムの1つは、免疫機能の障害である可能性がある。ただし、この栄養失調による免疫不全は、以前に体系的にレビューされていない。
 https://bit.ly/3vIIGp3

 

「胸腺の萎縮」は、「ストレスと栄養失調が二大原因」だと理解できます。

私などは、それまで、

「そりゃ栄養失調だと、病気になりやすくなるだろうなあ」

というように曖昧に考えていたのですが、栄養失調には、

「胸腺の萎縮が免疫抑制をもたらすという厳密なメカニズムがある」

ようなのです。

 

ここまでです。

現在のご時世ですと、

「ワクチンによる免疫抑制」

という問題が、ここに加わり、結構エライことなのかなあとか。

 

胸腺というのは、若い人の免疫システムとして重要なもので、安保徹さんなどが発見しましたように、高齢になると「胸腺以外の免疫システムが機能し始める」ということがあり、つまり、

「年をとるにつれて、栄養と免疫機能の関係は、さほどなくなる」

ということも言えそうです、まあ、年をとったら「食べても食べなくとも免疫にはあまり関係ない」と(書き方が乱暴ですが)。

しかし、若い人は違います。

若い人たちには、ある程度の年齢になるまで、適切な栄養が必要です。

そのあたりから考えますと、いつかやってくる「かも」しれない「食料危機」というのは、同時に病気の時代の幕開けでもあるわけです。

西暦 530年代に、気候異常(太陽が出ない冷夏)による食料危機が全世界に蔓延したのですが、その後に地球を襲ったのが、「全世界的な病気の蔓延」でした。

このようなことが゜繰り返される可能性は相当あると思います。

 

まあ、しかし、現状では、性感染症が拡大している理由は、「免疫抑制」だと思われます。なぜなら、アメリカでも性感染症が拡大しているからです。

[記事] アメリカの「性感染症」の増加が制御不能に。梅毒患者数は過去70年で最大
 地球の記録 2022年9月24日

 

性感染症はともかくとしても、今後の…何年後かはわからないですが、厳しい食料の問題が仮にやってくるとした場合、それは単に空腹の拡大というだけではなく、

「子どもや若い人たちにおける感染症の拡大を伴う」

ことになりそうです。

 

あー……ん? なんか、もともと何を書こうと思っていたのかわからなくなってきました。

……ああ、プランAです。

 

 

プリンストンとラトガース大学のシミュレーションを合わせると人口の3分の2が消える

最初、「大量死」というようなキーワードで書き始めて、冬のエネルギー問題、そして食料と胸腺の関係を書いているうちに、こんなことになってしまいました。

アメリカにプリンストン大学というのがあります。2人のアメリカ大統領、68人のノーベル賞受賞者を出している超名門ですが、ここに「科学とグローバルセキュリティに関するプログラム (SGS) 」という研究組織があり、この SGS が、2019年だと思いますが、

「プランA」

という、

「アメリカとロシアが核戦争になった場合のシミュレーション」

発表しています。

これは当時から高い評価を得ていたものですが、2019年頃は、まさか今のような状況にまで事態がどうこうなるとは思うことはありませんでしたので、忘れていたのですが、最近思い出しました。

これは、アメリカとロシアの核戦争が始まった場合の、「攻撃」がシミュレートされていまして、動画で公開されていますが、最終的には、以下のような攻撃シミュレーションが示されます。

白い部分が核で攻撃される場所です。

プランAより

sgs.princeton.edu

ほぼヨーロッパとアメリカ、ロシアのモスクワ周辺に集中していますが、これが、あっという間に拡大して、

「最初の数時間で 9100万人が死亡する」

としたシミュレーションが導かれました。


sgs.princeton.edu

 

しかも、これは、核爆発そのものによる死亡だけシミュレートされているとして、以下のように書かれています。

> すべての死亡率の見積もりは、核爆発による急性死亡に限定されており、核降下物やその他の長期的な影響による死亡によって大幅に増加する可能性があります。 PLAN A

 

それで、最近のメルマガ(2022年9月23日)で、やはりアメリカの名門ラトガース大学が発表した、

「アメリカとロシアの全面核戦争の後、50億人が《餓死》する」

というネイチャーに掲載された論文をご紹介したことがあります。全面核戦争にになった後、時間の経過の中で起きるこの餓死のほうが脅威ではあるのですが、まあ、このように、ずいぶんと並外れた感じの大量死がもたらされるのが「現代の核戦争」のようです。

大量死、というキーワードでこのような話となってしまいましたが、そのラトガース大学のニュースリリースの一部を抜粋して締めさせていただきます。

論文そのもののほうは、かなり詳細な数値とデータが示されますが、ニュースリリースは概要について書かれているものです。




 


核戦争は世界的な飢饉を引き起こし、数十億人を殺すだろう

Nuclear War Would Cause a Global Famine and Kill Billions, Rutgers-Led Study Finds
rutgers.edu 2022/08/15

紛争後の作物生産を推定するラトガースの気候科学者が率いる世界的な研究によると、米国とロシアの間の全面的な核戦争の後、50億人以上が餓死すると予測された。

過去の研究に基づいて、ラトガースの研究者たちは、核兵器の爆発から、どのくらいの「すす(煤)」が大気中に入るかを計算した。

研究者たちは、各国の核兵器の規模に基づいて、6つの戦争シナリオ(小規模なインドとパキスタンの戦争から、大規模な米ロ戦争まで)での、すすの飛散を計算した。

その後、このデータが、国立大気研究センターの気候予測ツールに入力された。このコンピュータ・モデルにより、主要作物(トウモロコシ、コメ、小麦、大豆)の生産性を国別に推定することが可能となった。研究者たちはまた、家畜の牧草地と世界の海洋漁業の予測される変化を調べた。

その結果、インドとパキスタンの局地的な戦争という最小の核シナリオでさえ、世界の平均カロリー生産量は紛争から 5年以内に 7%減少した。

最大の戦争シナリオである全面的な米ロ核戦争では、世界の平均カロリー生産量は戦闘後 3 ~ 4 年で約 90% 減少した。

作物の減少は、ロシアや米国などの主要な輸出国を含む中高緯度諸国で最も深刻であり、輸出制限を引き起こし、アフリカや中東の輸入依存国に深刻な混乱を引き起こす可能性がある。

これらの変化は、世界の食品市場に壊滅的な混乱を引き起こすだろうと研究者たちは結論付けている。

世界の作物収量が 7%減少したとしても、1961年に食糧農業機関の観測が開始されて以来記録された最大の異常を超える。

どんな規模の核戦争でも地球規模の食糧システムが破壊され、数十億人が死亡することを知るのに十分な情報を研究者はすでに持っていると著者たちは述べた。

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