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4月19日にメルマガ私たち現生人類は「鉄の種族」であることから思う生き方を発行させていただきました。

2023年からの世界 ディストピアへようこそ 人類の未来 人類の覚醒と真実 悪魔の輪郭

「みんな同じなクローン社会に生きる」

投稿日:2023年4月2日 更新日:

インスタグラムへの「異なる人たちによる」それぞれ別の投稿




クローン世界へようこそ

今回ご紹介する記事は大変に長いものですので、すぐに翻訳に入りたいと思うのですが、最初のエピソードを読んで、とても興味を持ちまして、そのまま全部読んでしまったというものです。

その最初のエピソードとは、ロシア人のふたりのアーティストが、

「国も文化も異なる人々たちの風景画の好みの傾向」

を調査し、それぞれの調査結果を反映した作品を描こうとする、画期的な取り組みのアート作品の構想の話から始まります。

調査は正式に調査企業に依頼し、11カ国の 1万1,000人を対象に「好みの絵画の風景の傾向を調査する」という大規模なものでした。

このふたりのアーティストは、「どれほど異なる、そして自由な絵画作品ができるのだろう」と期待して、このアート・プロジェクトを始めたのです。

ところが、「みんな同じ」だったのです。詳しくは本文にありますが、以下が実際に完成した「 11カ国の異なる文化を持つ国の人たちの好みの調査を反映した作品」です。

ヴィタリー・コマール氏とアレクサンダー・メラミド氏によるその作品

 

ほぼ完全に同じ……。

好みの背景の色も、風景画に「そこに映ってほしい人数」も、木の本数や背景などの構成そのものもほとんど同じだったのです。

「どれだけ異なる作品になるのだろう」と期待していたアーティストたちは、この結果に、以下のように述べました。

 

「私たちは人々の自由を求めて、この調査をした。そこで見つけたのは奴隷制だった」

 

この「世界の均質化」について、私は 21世紀に入ってからの娯楽や映画や音楽、ここ数年では「若い人たちのルックス」などについて、

「全部クローンになってきている」

と感じていました。

それだけにこの記事はおもしろいものでした。

このことについては、いろいろと書きたいこともあるのですが、とにかくご紹介する記事が長いですので、本文に入ります。

なお、これだけでも結構長いのですが、実際には、これでも3分の1くらいは割愛しています。自動車デザインの均質化のこととかも長くあるのですが、私はよくわからないですので。

ともかく、「やっぱり世界は全体として均質化しているのだ」と知った次第でありますが、良い悪いでいえば、これは「悪いこと」です

2020年からの 3年間などでも思考と行動の均質化が見られ、従順な人たちが、場合によっては命を落としてきました(あるいはこれからも)。

均質化や従順化は善ではない、という私の主張だけを書かせていただきまして、本文に入らせていただきます。

それにしても、ふと、前回の記事に書きました、ユヴァル・ノア・ハラリさんの以下の言葉を思い出します。

「人間は今やハッキング可能な単なる獣だ。人間に「魂」または「精神」があるという考えは終わった。人間が自由意志を持っているという考えはすべて終わった」





均質化された時代へようこそ

Welcome to the age of average
Alex Murrell 2023/03/20

序章

1990年代初頭、ヴィタリー・コマールとアレクサンダー・メラミドという 2人のロシア人アーティストが、市場調査会社を雇うという異例の一歩を踏み出した。彼らの概要は単純だった。アメリカ人たちが芸術作品に最も求めているものは何かを理解することだった。

マルティラ&キレー社の研究者たちが 11日間にわたり、1,001人のアメリカ市民に一連の調査質問を行った。

内容は、以下のようなことだった。

あなたの好きな色は何ですか? 鋭角と柔らかな曲線のどちらを好みますか? 滑らかなキャンバスが好きですか、それとも太いブラシストロークが好きですか? 裸のフィギュアと着衣のフィギュアのどちらが好きですか? 彼らは遊びや労働を絵の中でしているべきですか? 屋内の風景が好きですか、それとも屋外ですか? どんな風景が好きですか?

コマール氏とメラミド氏は、そのアメリカでの調査の結果を反映した作品を描き始めた。

ふたりは、この同じプロセス (どんなものが好きかという調査)をロシア、中国、フランス、ケニアを含む多くの国で繰り返した。

「ピープルズ・チョイス (People's Choice)」と題されたシリーズの、コマール氏とメラミド氏のこのプロジェクトは、もともとは、異なる国や文化を持つ人々で(国や文化により好みは異なるだろうという最初の思惑から)それぞれ独自のコラボレーションを意図していた。

しかし、それはなかなか計画通りにはいかなかった。

アーティストのグレイソン・ペリー氏は、彼の著書で、この2人のロシア人の作品について説明し、次のように述べている。

「ほぼすべての国で、人々が望んでいたのは、周りに数人の人物がいて、動物が前景にあり、主に青が主体である風景画だった」

 

その結果、11ヶ国の異なる地域で 11,000人以上の意見を求めた、その作品は以下のようになった。どの絵もほぼ同じに見える。

 

それぞれの国の人々の好みの傾向を絵画化したもの

コマール氏とメラミド氏による「ピープルズ・チョイス」

 

この作業を完了した後、コマール氏は次のように述べた。

「私たちはさまざまな国を旅し、世論調査会社の代表者との交渉に従事し、さらなる世論調査のために資金を調達した結果として、私たちは結局、多かれ少なかれ同じ青い風景を描くことになりました。私たちは自由を求めて、この仕事に取り組んだのですが、そこで見つけたのは奴隷制でした」

 

このアートプロジェクトは、この結果としての絵画そのものではなく、彼らのこのコメントにすべてが現れている。

私たちは自分たちを「個人」だと思いたがるが、それ以上に私たちは「平均化している」ことを認めたいと思う。

ピープルズ・チョイスから 30年が経ち、コマール氏とメラミド氏が描いた風景が、私たちの住む風景になったようだ。

この記事では、映画からファッション、建築から広告に至るまで、創造的といわれる分野は「慣習と決まり文句によって支配され、定義されるようになっている」と主張している。

個性は死んでいる。

どのようなジャンルを見ても、すべてが同じに見えることがわかる。

平均化された世界へようこそ。

そこに飛び込みましょう。

 

インテリアはどれも同じに見える

2011年、ローレル・シュワルスト氏が、ニューヨークのアパートの模様替えを計画したときに、インターネットでインテリア・デザインのインスピレーションを探し始めた。

ほどなくして、シュワルスト氏は完璧な調査ツールである AirBnB に出くわした。このアプリは彼女に何千人もの人々の家の風景を与えた。 彼女はこのアプリで世界中を旅し、画面上で何百もの部屋を見ることができた。

デザイナーであるシュワルスト氏は、ブログ「モダンライフ・スペース」で画像を共有し始めた。

このブログは、インテリア・デザインのインスピレーションの拡大を続けるギャラリーになった。しかし、何かおかしかった。

ローレル・シュウルスト氏は以下のように記している。

「アプリ Airbnb での体験は、実際に生活している人たちと、その信憑性に関するものであるべきです。ところが、ブルックリン、大阪、リオデジャネイロ、ソウル、サンティアゴのどこにいても、非常に多くの人たちの生活が似ていたのです」

 

シュウルスト氏は、AirBnB のデザイン美学が有機的に出現し、プラットフォームのプロパティ全体に急速に広がっていることを特定した。それは、白い壁、原木、ネスプレッソマシン、イームズチェア、むき出しのレンガ、オープンシェルフ、エジソン電球などだ。

このスタイルは、荒削りな産業主義とミッドセンチュリー・デザインのエレガントなミニマリズムを組み合わせたものだ。

以下がアプリで見るそれぞれの異なる国でのインテリアの光景だ。

 

しかし、この傾向を特定したのはシュウルスト氏だけではなかった。アプリ Airbnb の環境担当エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターであるアーロン・タイラー・ハーベイ氏も、似たようなものを見つけた。

ハーベイ氏は以下のように述べた。

「私はこのスタイルを「AirSpace」と名付けました。再生された木材、エジソン電球、改装された工業用照明など、簡単に認識できるシンボルの組み合わせでマークされており、「本物の」場所を訪れているような気分になるために、裕福なモバイルエリートたちに親しみやすく快適な環境を提供することを目的としています。彼らは(アプリで)旅行中ですが、実際には、もっと素朴なインテリアやサンセリフのロゴ、敷物や壁の決まり文句のアクセントカラーのしぶきなど、多くの人たちが同じものを切望しています」

 

おそらく、これは避けられないように思われる。世界中の旅行者グループに自社の宿泊施設を紹介しようとするホストのグローバルグループが、1つの最適な、魅力的でありながら攻撃的でないスタイルに収束することは明らかではないだろうか。

ただし、AirSpace は住宅のインテリアだけに限定されているわけではない。同じ陳腐な光景が、私たちが住んでいる多くの空間を超えて広がっており、私たちが仕事をしたり、食べたり、飲んだり、リラックスしたりする空間を乗っ取っている。

カイル・チャイカ氏は、英国ガーディアンでの詳細な調査で、AirSpace スタイルのインテリアがどのようにしてコーヒー・ショップの主要なデザイン スタイルになったかを記録している。

「ロンドンの流行に敏感な地区の真ん中にあるラウンドアバウトの近くにあるショーディッチ・グラインドに行ってほしい。ざらざらした木のテーブル、広い窓から差し込む陽光、落ち着いたペンダント照明が特徴の喫茶店だ。その後、マンチェスターのタックに向かってほしい。大きなガラス張りの店先、再生木材の家具、吊り下げられたエジソン電球を備えたコーヒー・ショップだ。この 2店を比較してほしい。自分が別の空間にいることさえわからないほど同じだ」

「これらの場所が似ているのは偶然ではない。彼らはそれぞれがチェーンの一部でもなく、それぞれが単一の企業の大君主によってインテリアデザインを指示されているわけでもない。しかし、これらのコーヒーショップには、同じ陳腐なスタイルを模倣する方向がある。歴史上の表面的な感覚と、かつて彼らが引き継いだ近所を占めていた産業機械の残骸に取りつかれている流行への敏感さへの還元だ」

 

これは英国のコーヒー文化だけに見られる傾向ではない。バンコクから北京、ソウルからサンフランシスコまでの都市でも同様の傾向が確認されている。

このインテリア・デザイン・スタイルが世界のコーヒーショップで主流になると、これは、ホスピタリティ業界全体に広まり始めた。

たとえば、作家のアン・キートウ氏は、流行に敏感なイメージチェンジが、北米のレストランにどのように浸透したかについて書いている。

「レストランは流行に敏感に変身している。ダラスのディッキーズ・バーベキューのような伝統的なレストラン、トロントのチャイナタウンの飲食店、さらには創業 47年のロードサイド・ダイナー・チェーンのクラッカーバレルでさえ、黒板メニューと再生木材の外観を採用して、デザインに精通したミレニアル世代の富裕層を引き付けている」

 

このように、私たちの家、コーヒーショップ、レストランのインテリアは、すべて 1つのスタイルに収束し始めている。

 

建築はどれも同じに見える

人類学者のマルク・オージェ氏は、一時性と匿名性によって定義される構築された環境を表すために、「ノン・プレース (non-place)」という用語を作り出した。空港、ガソリンスタンド、ホテルなどのノン・プレースは、功利主義的な不毛に向かう傾向がある。

彼らは、人間の表現や社会的つながりの、より柔らかい感覚よりも、機能と効率を優先する。

1995年、ハーバード大学の建築と都市デザインの教授であるレム・コールハース博士は、ジェネリック・シティ (The Generic City / 総括的都市) というタイトルのエッセイを発表した。

「現代の都市は現代の空港のようなものなのだろうか。「すべて同じ」なのだろうか。この均一化への収束を理論化することは可能なのだろうか。もしそうなら、それはどのような究極の構成を目指しているのだろうか。収束は、アイデンティティを脱ぎ捨てるという代償を払ってのみ可能だ。それは損失として見られる。しかし、それが発生する規模では、それは何かを意味するに違いない。アイデンティティの欠如とは何であるのか」

「 逆に、無味乾燥の利点は何だろうか? この一見偶然のように見える均質化が意図的なプロセスであるとしたら、違いのあるものから、類似性へ向かうという意識的な動きなのであろうか」

 

冒頭の質問は、「無菌状態のノン・プレース」というオージェ氏の考えを取り入れ、今はそれが都市全体に適用されている。実際、コールハース博士は、魂のない無機質な外観がすべての都市建築のデフォルトの設計方向になりつつあると主張している。

 

ジェネリックシティ

 

ジェネリック・シティの出版からほぼ 30年が経過した今、コールハース博士の懸念が十分に根拠のあるものであったことは明らかだと思われる。無機質な均質性に向けた建築の行進は、アメリカ中に急速に普及している迅速な建設、低コストの集合住宅でおそらく最も明白だ。

ジャスティン・フォックス氏はブルームバーグに次のように書いている。

「安物のスティックフレームは、ブロック状で忘れられやすいミッドライズの急増につながった。 …これらの建物は、米国のほぼすべての都市にある。高さは 3階建てから 7階建てで、何ブロックにもわたり伸びている。それらは通常、賃貸アパートだが、大学の寮、コンドミニアム、ホテル、または介護施設を収容することもできる。市の中心部に近く、ブロック状で、しばしばカラフルなモダニズムに向かう傾向がある。郊外にあるそれらの建築は、とがった屋根と歴史的なモチーフを特徴とする可能性が高い。外壁は繊維セメント、金属、スタッコ、またはレンガで覆われている」

 

箱型のフォルムと説得力のないクラッディングが特徴のこの建築様式は、ファスト・カジュアル・アーキテクチャやマックアーバニズムなどの名称で知られている。

ジャスティン・フォックス氏がアメリカ中を車で横断したとき、彼はそれが特定の都市や州に限定されたものではないことに気付いた。それらはいたるところにあった。そして、それらは増殖していた。

しかし、アメリカの大規模な建物の大半が同じスタイルに屈するのはなぜなのか?

コビー・レフノイッツ氏は、エッセイ「なぜどこでも同じに見えるのか」で 4つの理由を挙げている。

第 1に、20世紀初頭とは異なり、開発者たちは建築基準法によってますます制約を受けるようになっている。第二に、土地の価格が急速に上昇しているため、開発者たちはすべての用地にできるだけ多くの物件を詰め込む必要がある。第三に、参入障壁の高まりが業界の統合を引き起こした。第 4に、開発者たちは複数の場所で同じプランを再利用することでコストを削減しようとしている。

以下のように書いている。

「アメリカのように本来は物理的に美しい国が、その光景に値しない建造物で満たされるのは、十分に残念なことだ。 このように、興味深く意味のある素晴らしい場所に住むことを私たちから奪うのは、まったく恥ずべきことでもある」

「代わりに、私たちは社会を最も無邪気で、最も退屈で、最も陳腐なものからコピーして貼り付けている。私たちは皆それらを見てきた。繊維セメント、スタッコ、およびレンガまたはレンガ状の材料で覆われている。それらは周囲に無関心でアメリカ全土に現れた。今では外来種のように広がっている」

 

そして、それは私たちの住宅の設計だけでなく、私たちの専門的な建物の設計でもある。

グリスト誌の記事の中で、ヘザー・スミス氏は、母親の職場に向かう途中で通るオフィスパークの均質性と、現在のシリコンバレーがどのように似ているかについて、以下のように説明している。

「母のオフィスに向かう途中のオフィスや工場はすべて、同じものを小さくしたものだった。道路から奥まったところにあり、なだらかな緑の芝生の深い長方形の後ろにあり、歩道はなかった。時には、ベゴニアの房がアクセントマークを追加したり、球形や四角形に剪定された小さな茂みが管理したりされていた」

 

スミス氏は次のように続ける。

「最近、シリコンバレーを車で通り抜けたとき、自分が育った地域と似ていることに驚いたので、これについて考えた。正確なレプリカではないが、しかし、建築は同じだった。同じ低層の建物が駐車場によって通りから奥まった場所にあり、それぞれの複合施設が独自の自己完結型であり、道路から並木で隔てられていた」

 

そのため、私たちが生活し、働く場所は 1 つのスタイルに収束し始めているが、それらの間を移動する方法にも同じ傾向が見られる。

 

車はどれも同じに見える

2015年、BBH ロンドンの元会長であるジム・キャロル氏は、 32年前のことを思い出す。自動車への風洞試験の導入によってすべての車が同じように見えるようになったとして、以下のように述べた。

「 1983年、目を覚ますと車がすべて同じに見えることに気づいた日のことを覚えている人もいるでしょう。明らかに燃費が良くなったことに頷きながらも、ため息ばかりが出ました。現代の生活はゴミです」

 

キャロル元会長の意見では、すべての車両が同じ風洞試験を受けたため、メーカーは独自にフォーム、プロポーション、および寸法の同じ最適なセットに収束していった。その結果、車のデザインの均質性が高まった。

キャロル会長が気付いていなかったのは、事態がさら​​に悪化しようとしているということだ。 (この項目、以下略)

 

人もまたみんな同じに見える

2019年 12月、ジャーナリストのジア・トレンティーノ氏は、厄介な傾向の調査に着手した。その結果、多くの有名人とインフルエンサーたちがお互いに似始めていた。以下のように書いている。

「昨年の夏、急速に終わりを迎えようとしている私たちの 10年間の最も奇妙な遺産の 1つである可能性が高いものを調査しようと、ロサンゼルス行きの航空券を予約した。プロとして美しい女性たちの間で、単一のサイボーグのような顔が徐々に出現していたからだ。毛穴のない肌とふっくらとした頬骨の高い顔。猫のような目と長い漫画のようなまつげ。小さくてすっきりとした鼻と、ふっくらとしたみずみずしい唇。みんな同じ顔なのだ」

 

トレンティーノ氏が説明している外観は、少なくとも 3つの共謀した傾向の結果だ。注射治療の成長市場は、身体強化の傾向を後押ししている。

FaceTune などのアプリの台頭により、デジタルによる(顔などの外見の)強化の傾向が強まっている。また「ストロビング」や「コントゥアリング」などのメイクアップテクニックは、化粧品を強化するトレンドを推進している。過去 10年間で、これらの傾向は並行して発展し、それぞれが互いに影響し合い、刺激し合ってきた。

トレンティーノ氏は、ボトックスやフィラーなどの美容トリートメントのアクセシビリティの向上について上から順に説明している。

「 20年前のアメリカでは、整形手術はかなり劇的な介入だった。費用がかかり、侵襲的で、永続的で、しばしば危険だ。しかし、2002年にアメリカ食品医薬品局は、シワの予防にボトックスを使用することを承認した。数年後、同局は、ヒアルロン酸充填剤を承認した。これらは最初は小じわやしわを埋めていたが、今では顎のライン、鼻、頬の再構築に使用されている。これらの処置は 6か月から 1年続き、手術ほど高価ではない。時間もさほどかからない」

 

今では「インスタグラムの顔」として知られるようになったこの外観を実現するためのコストは、想像以上に安価だ。フィラーの注射器あたりの平均価格は 683ドル (約 9万円)だが、ソーシャル・シェアリングはアプリを使用して同様の結果を達成できるようになった。

 

インスタグラムでの別の投稿の「それぞれ別人の」顔

 

これらの物理的およびデジタルでの外見の強化は、他の、まったくディストピア的ではないトレンドによっても補完される。メイクアップと、YouTube チュートリアルのほぼ無限の供給を使用して、認識されている顔の骨格構造を変更できるのだ。

ハフィントン・ポストのジュリア・ブックリエリ氏は以下のように言う。

「最近のソーシャルメディアのインフルエンサーたちは、ビューティ・クローンのように見え始めている。その外観は皆さんもご存じだろう:完全なふくれっ面、完全にアーチ型の眉毛、いくつかの専門的に適用されたアイライナー、頬の輪郭を整える施術で締めくくられる。いくつかのメイクブラシ、コンターパレット、マットなリップカラーを使用すると、その全員が、同じように見えるようになる」

 

これらすべてはどこから始まったのだろうか。

メイクアップアーティストのコルビー・スミス氏によると、キム・カーダシアンが「インスタグラム・フェイス」の最初の人物だという。最終的に、すべてのソーシャル・メディアのスターたちの目標は、全員が彼女のように見えるようになることだとコルビー・スミス氏は言う。

同じメイクアップアーティストであるキャサリーン・ホウ氏は、同様に挑発的な意見を述べている。

「インスタグラムの美容モデルたちは、みんな同じ女性のように見える傾向があり、その最初の女性はキム・カーダシアンです。 何百もの「希望のルックスを獲得せよ」チュートリアルのおかげで、スターのルックスの複製に自分自身をストロボ撮影して輪郭を描くことが、これまでになく簡単になりました。 だから、クローン効果があるのも不思議ではありません」

 

首から上が似ているだけではない。

カウンターカルチャーのパンクシーンをキャットウォークに持ち込んだことで最もよく知られている元ファッション・デザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッド氏は、衣服が平均化し始めたことについて次のようにコメントしている。

「誰もがクローンのように見え、違いに気付くのは年齢だけです。見栄えがよくない限り、私は人々の違いに気付くことができません。そこには 70歳などの人たちもいます。私たちは非常に順応的で、誰もほとんど考えていません」

「私たちは皆、物を吸い込んでいるだけです。私たちは消費者になるように訓練されており、消費しすぎています。私はファッション・デザイナーですが、人々は、今の私が何を言っているのかわからないかもしれません。 私はこの使い捨てガラクタについて話しているのです」

 

私たちの見た目と服装は 1つのスタイルに収束し始めている。 しかし、私たちが消費するコンテンツを見ると、ストーリーはそれほど良くはない。

 

メディアはすべて同じに見える

2010年代初頭、フランスのブロガーであるクリストフ・クルトワ氏は、驚くほど似通った公式に準拠した映画ポスターの共有を開始した。

ラブ・コメディー映画のポスターでは、白い背景に対して背中合わせに立っている男性と女性の光景がよく使われていた。ホラー映画は「目のクローズアップ」が特徴だった。アクション映画では、黒い服を着てカメラに背を向けた孤独なキャラクターが選ばれた。

クルトワ氏の示したものは、21世紀の映画のすべてのジャンルが、プロモーターからの指示等がなくとも、「平均化に従う」比較的狭い一連の決まり文句、コード、慣習に固執する様子を完璧に示した。

しかし、ハリウッドのこのような均質化は新しい現象なのだろうか。

アダム・マストロヤンニ氏は、 1977年以降の毎年の興行収入トップ 20の映画を分析し、それぞれが「多重性」(つまり、続編、前編、リメイク、スピンオフ、リブートなど)の一部であるかどうかをコード化した。

彼が発見したことは驚くべきものだった。

「 2000年までは、興行収入上位の映画の約 25%が、続編、前編、リメイク、スピンオフ、リブート等だった。ところが、2010年以降、この率は、毎年 50%を超えている。ここ数年はほぼ 100%が、続編、前編、リメイク、スピンオフ、リブート等だ」

「 2021年には、興行収入トップ 10の映画 のうち、オリジナルは 1つだけだった。2020年のトップ 10には、オリジナルが 2つしかなく、2019 年には、オリジナルはまったくなかった」

 

この調査のさらなる発見は、2015年まで、トップ 20の映画によって生み出された収入が、トップ 200によって生み出された収入の約 40%であったということだった。

要するに、トップ20の映画はより大きく、より類似したものになっている。

しかし、これは映画だけで起こっているわけではない。

ポップカルチャーの隅々で、少数の「ブロックバスター」が市場でより大きなシェアを占めている。かつて創造力を発揮していた場所は、同じ製品を作り出すだけの工場になった。

 

結論

私たちの住む家、コーヒーショップ、レストランのインテリアはすべて同じに見える。私たちが暮らし、働く建物は、どれも同じように見える。

私たちが運転する車は、色もロゴもすべて同じに見える。ファッションも着こなしもみんな同じ。

私たちが観る映画、読む本、あるいは、ビデオゲームはすべて同じように見える。そして、私たちが購入するブランド、その広告、アイデンティティ、キャッチフレーズはすべて同じに見える。

しかし、それだけではない。

平均的な年齢では、ネット上のほぼ無数の場所で均質性が見られる。

投稿されたインスタグラムの写真、よく読むツイート、よく見るテレビ番組、クリックするアプリのアイコン、よくアクセスする Web サイト、それらに写し出される状況はすべて同じに見える。

このリストはどんどん増えている。

 

インスタグラムの「異なる人たちによる」投稿

 

このようなことが起こった理由はたくさんあるだろう。

おそらく時代が激動のとき、人々は使い慣れたものの安全を求める。

おそらくそれは、定量化と最適化に対する私たちの強迫観念だ。あるいは、インスピレーションがグローバル化した必然的な結果なのかもしれない。

このようなことになった理由はどうあれ、ロシアの芸術家であるコマール氏とメラミド氏が芸術において試みた「人々の選択の結果」 (※ 冒頭の好みの絵画の話です)を生み出したように、現代の企業は創造性のほぼすべてのカテゴリーにおいて、人々の均質化された選択を生み出しているようだ。

しかし、悪いニュースばかりではない。

平均化はチャンスの部分もあるのかもしれない。

すべてのスーパーマーケットの通路が同じものの海のように見えるとき、すべてのカテゴリーが同じ規則に従っているとき、何もかもが同じに見えるとき……そういう時にこそ、大胆なブランドと勇敢な企業たちは異なるコースを描くチャンスがある。

平均化とは違り、独特で破壊的であるものを生み出す。

だから、この記事は、あなたがたの戦闘への呼びかけでもある。映画でもファッションでも、メディアでもマーケティングでも建築でも自動車でも広告でも種類は関係ない。

私たちの視覚文化は衰退し続けており、その唯一の治療法は創造性だ。

順応を捨てる時が来た。

見分けがつかない同じものを拒否する時が来た。

何年もの間、世界は同じスタイルの方向に進んできた、

しかし今、オリジナリティを再導入する時が来たのだと思う。

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  • この記事を書いた人

Oka In Deep

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