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10月4日にメルマガ太陽の50年ぶりの目覚めの中でを発行させていただきました。

2022年からの世界 アメリカの憂鬱 人類の未来 日本の未来 資本主義の終焉

「西側の制裁によりロシアが儲ける金額」はブルームバーグのアナリストの試算では日本円で約40兆円…。西側が一丸となってロシアの経済を強化する理由は何?

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ヒステリーから次のヒステリーへ

何だかもう異様に不思議な世論の中で生きている感じですが、ロシアとウクライナの問題は、どちらが良いとか悪いとか、そんなことは単なる一日本人の私にわかるわけがないし、考えることもないですが、異常に思うのは、

「多くの国民や世論が対ロシア制裁を支持していること」

です。

ロシアを非難するほうの話ではなく、「制裁を支持している」ほうの話です。それが異様というか異常だと。

最近、以下のふたつの記事で書いていますけれど、「制裁でやられているのは一方的に、西側諸国」なわけです。私たちの側です。

 

[記事] 西側諸国のすべての指導者たちが「自国民の大量死」を望んでいるのなら…それに対抗しようじゃねえか…と思うのはある意味では当然かもしれません
 In Deep 2022年4月4日

[記事] 誰を崩壊させるための対ロシア制裁なのか。目指すのは西の自死? それともこれもいわゆるグレートリセットへの道?
 In Deep 2022年4月2日

 

ロシアがどうなろうとウクライナがどうあろうと、あるいは、以前犬と遊んでいて骨折した恍惚の人の国がどうなろうと、そんなのは何でも構わないのです。

単に、

「自分の国が強烈に衰退して、人々が死に始める道程に入るのは耐えられない」

ということです。

 

制裁に関していえば、たったひとつの事実は、

 

「今回の対ロシア制裁で、ロシアはものすごく裕福になった」

 

ということだけです。

最近、ロイターの報道で、ロシアが石油価格の高騰で、それだけで 4月(だけで)日本円で 1兆円規模の増収になることが報じられていました。

(報道) ロシア、4月は96億ドルの追加収入を予想 石油価格上昇で (2022/04/06)

 

これでも結構な数字ですが、「ロシアの濡れ手で粟の利益はこんなものではない」ということを最近知りました。

最近の米ブルームバーグによれば、ロシア政府は、今回の対ロシア制裁により、

 

「日本円で 38兆円にものぼる利益を手にする」

 

と試算されていることを知りました。

以下にあります。

 

Putin May Collect $321 Billion Windfall If Oil and Gas Keep Flowing
石油とガスが供給され続ける場合、プーチンは 3,210億ドルの棚ぼた利益を集める可能性がある
bloomberg.com 2022/04/01

 

約 40兆円です。

アメリカや日本の GDP 規模なら、40兆円は、ものすごくどうこうというものではないかもしれないですが、GDP 世界第 11位のロシアにとっての 40兆円は、相当なものです。

プーチンさんも今頃、「参っちゃったなあ。どんどん国力がアップしていくよ。何もしていないのに」と照れているかもしれないですが、さすがに最近の EU、アメリカ、そしてそれに追随する日本などの発言などを見ていますと、

「みんなパラダイスになっちゃったのか?」

と思ったりしますが(よくわかんない表現だな)、それにしても、こうなってくると、私はちょっと疑ってますけどね。

プーチンさんも含めて「お前ら今でも世界経済フォーラムのダチ同士じゃねえだろうな」と思わざるを得ないほど、「効果的にロシアの国力を上昇させている」のです。

こんなに急ピッチで(たった1ヵ月)、一方の国(ロシア)が豊かになり、一方の諸国(EUとアメリカ、日本、韓国、台湾)が急激に国力を落としているというのは驚くべきことでもあります。

そのブルームバーグの記事に、さまざまな注釈とデータと加えて解説していたメディアの短い記事がありますので、ご紹介します。




 

プーチンは制裁のおかげで部分的に3,210億ドル (38兆円)の棚ぼた利益を集めるだろう

Putin Will Collect a $321 Billion Windfall Partially Thanks to Sanctions
mishtalk.com 2022/04/05

米国とEUによる中途半端な制裁は、石油と天然ガスのコストを押し上げるのに役立つ。その受益者は、ロシアを含む石油生産国だ

 

濡れ手に粟

ブルームバーグは、石油とガスが供給され続ける場合、プーチンは、3,210億ドルの利益を集める可能性があるとして以下のように報告している。

ブルームバーグ・エコノミクスは、アメリカ国内の消費者が直面したすべての困難と海外からの政府の財政的苦境に対して、ロシアが今年のエネルギー輸出から約 3,210億ドルを稼ぎ、2021年から 3分の1以上増加すると予測している。

国際金融研究所によると、ロシアの経常黒字は 2400億ドルという記録的な規模に達する可能性がある。

ロビン・ブルックス氏率いる IIF エコノミストは、「ロシアの経常黒字の最大の要因は引き続き堅調に見える」と述べた。「現在、制裁措置が実施されているにも関わらず、ロシアへの決済通貨の大幅な流入は続くと思われます」

ただし、エネルギー販売が禁止される場合は、微積分が完全に変わる可能性がある。そして、それがなくても、ロシアの石油輸出と生産量はすでに減少しており、国際エネルギー機関は今月の原油生産のほぼ 4分の 1を失う可能性があると予測している。

 

米国、EUが新たな制裁措置でロシアの投資に打撃を与える

制裁が機能しないという事実にもかかわらず、米国とEUは試み続けている。

制裁の新ラウンドでは、以下の報道によれば、 米国はロシアへの投資を禁止し、EU は船、トラック、石炭の禁止を提案している。

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、EU は、ほとんどのロシアの船とトラック、およびロシアの石炭輸入を禁止することを提案していると述べた。

EUはまた、ロシアの石油を標的にすることについての議論を進めるだろう、と彼女は言った。これは、多くのヨーロッパの国がロシアの燃料輸入に依存しているヨーロッパでのセンシティブな問題だ。

 

微積分は変わらない

この提案は実際にはどこにも向かわないので(※ 実現しないので)、微積分は変わらない。

EU 27か国すべてが、ロシアからのエネルギーの流れを削減することに同意する必要がある。 そして、それは明らかな理由で起こらない。

EUのエネルギーコストは急騰している。

 

ヨーロッパのエネルギー価格の高騰は、この地域が現在、GDP のほぼ 10分の1をエネルギーに費やしていることを意味し、1981年以来の最高のシェアだ。ヨーロッパはエネルギーショックに最もさらされており、スタグフレーションのリスクがあると考える。Elga Bartsch


Elga Bartsch

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は以下のように述べる。

 

ロシアは、ウクライナの民間人に対しても、残酷で冷酷な戦争を繰り広げています。この臨界点で最大限の圧力を維持する必要があります。

そこで本日、制裁の 5番目のパッケージを提案します。

1 – ロシアからの石炭の輸入禁止。年間 40億ユーロに相当するロシアのもう 1つの重要な収入源を削減します。

2 – ロシアで2番目に大きい銀行である VTB を含む、4つの主要なロシアの銀行に対する完全な取引禁止。Ursula von der Leyen

 

ここで、ロシアのエネルギー供給業者と、その銀行であるガスプロムとガスプロム銀行を制裁する提案が出ていないことに注意してほしい。

ベルギーの元首相で、現在、欧州議会議員をつとめるガイ・フェルホフスタット氏は、以下のように述べている。

 

EU委員会が提案しているように石炭を禁止することは、それは、ガスや石油と比較するとピーナッツのようなものです…それによりプーチンの戦争犯罪を確実に止めることはできません… Guy Verhofstadt


Guy Verhofstadt

 

ロシアからのエネルギー輸入停止は、EU を瞬時に経済不況に追い込む。

ドイツはエネルギー輸入を停止することに同意しないだろう。ハンガリーはルーブルで支払うことに同意した (参考報道)。他の EU 諸国が実際にどうするかはわからない。

フェルホフスタット氏のような政治家は、プーチンがしたことをどれも容認していないことを熱く語る。プーチンは戦争犯罪者だが、イラク、リビア、ベトナムなどでの米国の違法で不当な行動を見ると、米国にも戦争犯罪はいくらでもある。

バイデンはカナダからのより多くの石油をサポートしているが、それを入手するための現実的なオプションはない。誰もがウクライナ、エネルギー価格、インフレに対する簡単な解決策を望んでいるが、簡単な解決法など何もない。

ロシア制裁はその確かに助けにならなかったことがわかっただけだ。


 

ここまでです。

あるいは、制裁の初期段階で、西側諸国は、国際決済システムの SWIFT というものからロシアを排除しましたが、これがまたロシアを強くすることにつながってしまっています。

ロシアの国際決済システムからの排除が向かう方向は、

「ドルの崩壊」

です。

このことについては、最近、国際通貨基金(IMF)の副専務長官が、そのことについて公式に述べていたことが紹介されていました。以下に報道の翻訳があります。

(報道) IMFは、ロシアに対する制裁がドルの支配を弱める恐れがあると警告した (Epoch Times 2022/03/31)

 

ロシアの国際金融からの排除が、どのようにドルを衰退させていくかということについては以下の記事でご紹介しています。

 

[記事] 金融と覇者交代の大地震が近い…のかも
 In Deep 2022年3月23日

 

また、ロシアと中国は、決済で「ドルを排除する」姿勢を明確にしています。

以下は、BRICS (ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の情報ポータルに出ていた記事の前半の部分です。


制裁にもかかわらずロシアへの外国のキャッシュフローは記録的となった

Foreign cash flow into Russia to hit record despite sanctions
BRICS 2022/04/05

国際金融協会は、ロシアの経常黒字は今年 2,000〜 2,400億ドル (24兆円〜29兆円)に達する可能性が高いと考えている。

専門家たちは、ロシアの国際収支は歴史的にエネルギー資源、原材料の輸出と商品の輸入によって決定されてきたと述べている。特に石油の価格水準から、3月の石油販売によるロシアの収益は歴史的な高値に達した。

これは、西側がモスクワとの経済戦争を開始したときには予想されていなかったことだ。それにもかかわらず、ロシアと西側の間のこの危機の間、中国の通貨である人民元が最大の勝者になると思われる。

銀行は現在、中国の通貨で口座を開設するよう顧客に求めており、この傾向はロシアだけでなく世界中で見られている。

早くも 2019年に、ロシアと中国は、お互いの取引でドルを徐々に放棄するという決定を採用した。しかし、当時、これらは単なる意図であり、最初のステップでしかなかった。全体として、中国の銀行は依然として多額の米ドルを保有している。

現在、中国の外務省は、ロシアとの支払いをルーブルまたは人民元に切り替えるというトピックを提起した。エネルギー商品の国の通貨での支払いの転送についての議論はすでに進行中だ。

中国は、東南アジアとアラブ諸国との取引において同様の戦略を推進している。たとえば、サウジアラビアはアメリカの政策に不満を持っており、ドルをブラックホールと呼んでいる。その結果、サウジアラビアと中国は石油の支払い通貨をドルから人民元に変更する可能性がある。

10年前、中国は人民元の使用を国際的に推進し始めたが、それは限られた成功しか収めていない。アメリカ連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長は、ウクライナでの出来事が中国の財政軌道を変える可能性があり、中国はこの状況を利用して人民元を拡大し始めることが可能となるかもしれないと述べたことが思い出される。

国際通貨基金(IMF)によると、人民元は世界で 5番目に大きい準備通貨であり、中央銀行は約 3,190億ドル相当の準備通貨を保有している。

世界経済の中では、この数字はそれほど大きくはない。人民元は中央銀行の総準備金の約 2.5%しか占めていない。比較すると、ドルは準備金の 50%以上を占め、ユーロは 19%を占めている。

今年の初め、ブルームバーグは、人民元が世界で 4番目に人気のある支払い手段になったと報告した。

現在、人民元は約 75カ国で準備通貨として使用されている。中国は経済が堅調で、単純な商品からハイテク兵器まであらゆるものを生産しているため、人民元が新しい国際通貨になる可能性がある。

事実上、ロシアが東との貿易を拡大するように導いたのは西側の政策によるものだ。たとえば、インドとロシアは、ルーブルとルピーでの支払いメカニズムの作成について話し合っている。

いずれにせよ、ロシアと中国の二国間貿易は、現在の状況下で急速に成長するだろう。

中国はルーブルの最大の準備金の 1つを持っており、ロシアの通貨はその外貨準備の 13.8%を占めている。さらに、中国はロシアの主要な貿易相手国であり、昨年の両国間の貿易額は 1,480億ドル (約 18兆円)を超えた。


 

ここまでです。

中国は、人民元を国際的な通貨にしたいとかねてより考えていたのですが、なかなかうまくはいっていなかったのです。

それが、「今回の対ロシア制裁」で一気に流れが変わったようです。

ロシアがドルの決済から排除されたことにより、

「突然、人民元とルーブルの立場が巨大になった」

ことになります。

 

制裁なんてしていなければ、こんな急速にはこれらは起きなかった。

ドルが衰退すれば、円もユーロも衰退します。

 

……どうですかね……。 このすさまじい西側の自己破壊ぶり。

 

そして、そこに「食料危機」がやってきます。

少し長いスパンで考えれば、食料危機を回避することは不可能だと思われます。

以下の記事で、ラニーニャ現象のことについて書きました。太陽活動周期の 22年サイクルと平行して起きるラニーニャが、過去に最も気象に大きな影響を与えました。それが今です。

 

[記事] ラニーニャ現象が終わらない : アメリカをはじめ世界の穀倉地帯の干ばつと異常気象がさらに厳しく継続する可能性。その先には「もはや食糧は存在しない」世界が
 In Deep 2022年4月5日

 

実際、日本の穀物などの輸入先としてメジャーなアメリカやヨーロッパの今年の農作状況も、現時点ですでに悲観的な面もあります。

以下のような記事で最近のことを取りあげています。

 

[記事] ヨーロッパが記録的な4月の寒波に見舞われ、農作物と果樹園に壊滅的な影響が出ている模様。大きな影響が出た原因は「冬が暖かかったから」
 地球の記録 2022年4月7日

[記事] アメリカの中部から東部に、信じられないほどの寒気が流入する予測。農作物に凍結のおそれ
 地球の記録 2022年4月6日

 

これらの根幹の問題のひとつであるエネルギー価格にしても、備蓄放出だなんだかんだといろいろなことをしても、一瞬反応して価格が下がっても、またすぐ上がる。上の欧米の寒波のせいもあるのでしょうが、天然ガス価格などは上がりっぱなしとなっています。

さらに、「アメリカの戦略備蓄の原油在庫が過去20年で最低」とロイターが報じていました。

 

「何も考えてないのかよ」とも思いましたが……そうではないんでしょうね

全部考えられている。

 

目的はわからずとも、西側を人類史上なかったようなカオスに陥れようとしている。西側自らの手で。

コロナとワクチンから続いているメディアを介しての「認知戦」の手法は今後も続くと思われます。

多くの人が「メディアは正しい」と思い込んでいるうちに気づくとカオスが社会を包んでいる。

 

しかし、ここまできたら「もはや慈悲なし」という聖書の言葉(どこにあるのかわからないですが)に従うだけで、淡々と数字を分析して、淡々と現実を見つめるだけの悪魔的・合理的・機械的思考で進むしかないような気もします。

偶然にも西側の一員として生まれたのですから、西側の一員として死んでいくしかないです。

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  • この記事を書いた人

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