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ラニーニャ現象が終わらない : アメリカをはじめ世界の穀倉地帯の干ばつと異常気象がさらに厳しく継続する可能性。その先には「もはや食糧は存在しない」世界が

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州の95%が極度の干ばつに見舞われている米テキサス州 Beaumont Enterprise




 

太陽活動の22年周期と共に訪れる長く強いラニーニャに、終わる気配がない

エルニーニョ現象という言葉と共に、「ラニーニャ現象」というものがあります。 どちらも、赤道付近での海水温が通常とは異なることにより天候の異変などが起こりやすいものですが、ラニーニャの場合は、赤道付近で海水温が低下する現象によって起きます。

今現在、ラニーニャ現象が続いているのですが、アメリカの穀物関係のメディアで、

「 6月までラニーニャが終わらない可能性が出てきた」

とする専門機関の報告を引用した記事が出されていました。

しかも現在すでに記録的な長期間に渡るラニーニャとなっているのだそうです。

これは、かなり明白に気象や気温の異常と結びつくものですが、最近は「食糧」のことを書くことが多いですけれど、それと直結する話です。

日本の気象庁は 1ヵ月ほど前に以下のように報じていました。

ラニーニャ、春まで継続か 日照に影響も、2月監視速報

気象庁は10日、昨年秋から継続中の「ラニーニャ現象」が2月も続いたとみられるとの監視速報を発表した。春の間も継続する可能性が高く、夏には平常に戻る見通し。春も続いた場合、日照時間が西日本で長くなり、北日本の太平洋側では短くなる傾向がある。

気象庁によると、ラニーニャは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて、海面水温が低い状態が続く現象。世界的な異常気象を引き起こすとされる。

2月の海面水温は基準値より1.1度低かった。今後は、春の前半は低い状態が継続し、春後半から次第に平常に近づいて、夏ごろには暖かい海水が流入するとみている。 共同 2022/03/10)

もう少し詳しいところですと、気象庁のサイトには以下のようにあります。

 

> ラニーニャ現象が続いているとみられる。

> 今後、春の間にラニーニャ現象が終息し、平常の状態になる可能性もある(40%)が、ラニーニャ現象が続く可能性の方がより高い(60%)。

> その後、夏は平常の状態になる可能性が高い(70%)。 気象庁

 

これで心配されるのは、日本での低温とか高温とかの気温の問題もあるのですけれど、

「北米の極端な干ばつ」

です。

以下の記事などで取りあげましたけれど、すでにアメリカの相当な地域が、記録的な干ばつ状況にあります。

 

[記事] 米海洋大気庁が、アメリカ西部から中部の全土の60%近くが「7月まで雨がほぼ降らない極端な干ばつ」と予測
 地球の記録 2022年3月20日

 

実際、すでにアメリカの一部地域での冬小麦(秋に蒔いて春に収獲する)の収穫量が、「過去最低レベル」になる見通しが立てられています。

NOAA (アメリカ海洋大気庁)の以前の予測では、今年のアメリカの夏までの干ばつ状況は以下のようになると予測されていました。茶色の部分が「干ばつが持続する、あるいは悪化する」と予測されている地域です。

2022年春のアメリカの干ばつ予測

NOAA

しかし、これはまだ時期的に、「ラニーニャの継続を折り込んでいないもの」だと見られます。

ラニーニャが長引く場合、アメリカの干ばつが、さらに厳しいものとなっていく可能性が出ているということになるのかもしれません。

まあ……「ラニーニャだとこうなる」という法則などはないのですが、傾向として、やや異常な気象に傾くことが多いことも事実です。

小麦の価格と、それどころか供給そのものが世界的に混乱している中で、アメリカなどからの小麦輸入量が多い日本は、アメリカが過度な干ばつの影響を受けた場合は、秋以降かなり厳しい状況となる可能性があります。

まずは、そのラニーニャについて報じていた国際的な穀物情報メディアの記事をご紹介します。4月4日の記事です。

この記事で、初めて、ラニーニャ現象が太陽活動のサイクルと連動していることを知りました。




 


永続的なラニーニャが 6月まで続く可能性があり、アメリカの干ばつが促進される可能性がある

Persistent La Niña only needs to last until June to promote drought
world-grain.com 2022/04/04

カナダ南西部の大草原から米国の西部半分の全体に干ばつが蔓延し続けている。

今年 1月と2月の天候により、干ばつは東に向かって米国西部のコーンベルトに拡大した。冬は通常なら干ばつが拡大するのではなく、干ばつが減少する時期であるにも関わらず、そのようになっているのは悪い兆候といえる。

ラニーニャ現象は 2020年以降続いており、この持続は主に雨不足と関係する可能性がある。最近、現在のラニーニャ現象の期間について議論している予報官たちもいるが、ワールド・ウェザー社 (World Weather Inc.)は、6月になれば、ラニーニャは収まるだろうと述べている。

ラニーニャ現象は、北半球と南半球の両方の中緯度から水分を取り除く。

過去 20か月間、ラニーニャが続いているが、それだけで、この現象によって大気から顕著な量の水分が除去された。昨年の夏にカナダと米国中部で作物生産に影響を与えた雨不足と干ばつは、太平洋十年規模振動(※ 太平洋各地で海水温や気圧の平均的状態が、10年を単位とした周期で変動する現象)の負の段階の助けを借りたラニーニャに起因していた可能性がある。

ロシア東部のニューランドとカザフスタンでの昨年の夏の干ばつも、ラニーニャに関連している可能性がある。

ほとんどのラニーニャ現象は、一般的には 8〜 14か月しか持続しないが、今回のラニーニャ現象はこれほど長く続いているので、ラニーニャはもはや世界の天気にあまり影響を与えていないと考え始めた予報官たちもいるほどだ。

これほどの長期にわたるラニーニャ現象が発生したのは、最新では 2010 -12年で、23か月続き、これは、米国の 2012年の顕著な干ばつにつながった。

その出来事の前に、米国で以前の重要な干ばつは 1988年に発生した。また、北米大陸の一部とカナダは 2000年から 2004年までの干ばつの影響を受け、米国中部の一部が最も影響を受けた。

同様に、1950年代と 1930年代に複数年にわたる干ばつが発生し、それぞれが長いラニーニャ現象に関連していた。

カナダの大草原地帯は 2021年に最大の農業生産損失を被り、翌年の干ばつは、カナダ南東部から米国に移った。

長期にわたるラニーニャのそれぞれの事象は、常に太陽黒点の太陽極小期の直後に発生している。したがって、長期にわたるラニーニャ現象と太陽極小期後の数年間には大きな関連があるようだ。

通常、より長いラニーニャ現象は、1年おきの太陽周期で発生する。

もっと簡単に言えば、ラニーニャの発生は 22年ごとに最も日常的に発生するようだ。2010年から 2012年のラニャーニャはそのパターンではなかったが、他のほとんどの重要なラニーニャ現象は、現在と同じ 22年の太陽周期に結びつく傾向があった。

次の数週間は、米国中部の平原から中西部の上部に雨がより頻繁に、より顕著に降る機会を提供すると見られる。今後数ヶ月間で雨天に最も適した時期となるだろう。

雨の頻度と強度が十分に高くなれば、平野とコーンベルト西部で干ばつを減らすことができ、それは土壌水分が良好である間に春の植え付けが行われるのに必要な時間の改善された機会を提供する。

ただし、今後数週間の大雨に天候パターンがあまり適応しない場合は、気温が高く乾燥しているため、干ばつがやわらぐ可能性が低くなるだろう。

ラニーニャ現象は、今後数週間の北米の中心部における降水量の分布について多くのことを語ると思われる。最新の海面水温データは、ラニーニャが 2月下旬と 3月上旬に弱まった後、再び強まっていることを示唆している。

重要なことは、このラニーニャ現象がどれだけ長く続くのかということだ。

ほんの数週間前、多くの予報官たちはラニーニャ現象が春には消滅することを示唆していたが、ラニーニャは消えておらず、今後の予想もされていない。過去の統計からは、今回のラニーニャがより長く優勢になることを示唆している。

すべての指標は、このラニーニャが春全体を通して存在することを示唆しており、今では夏まで続くことを示唆する予報官たちもいる。

ワールドウェザー社は、6月以降にラニーニャ現象が持続するかどうかは問題ではないと考えている。

この理由は多面的だ。

まず、ラニーニャが 6月に消滅した場合でも、大気中には長引く足跡が残り、おそらく 2、3か月は長引くだろう。

第二に、このラニーニャ現象は、過去に起こったものほど長くは続いていない。太陽極小期の後に発生し、太平洋十年規模振動の負の段階を伴う以前の拡張ラニーニャ現象のほとんどが、23〜 36か月続いたのだ。

今月は 2020年以来 20回連続のラニーニャ月であり、それはより長く続く可能性がある。

第三に、太平洋の赤道域全体の海面下の海温の異常を見ると、しばらくの間、少し強度が増す可能性のある、わずかに組織化されたラニーニャに対する強いサポートがある。

北米の中央部と西部では、干ばつがすでに発生しているため、春の中期と後半に米国のグレートプレーンズ(※アメリカ中西部の大平原)上に高気圧の尾根が発達する可能性がすでにある。それは、ラニーニャが春まで続いた場合、夏の暑さが来る前に、高気圧の夏の尾根がこの地域全体に強く構築し始めるのに十分な長さだ。

米国中部での通常よりも早い時期の高気圧の発達は、降雨事象を抑制し、高温化を引き起こし、それはさらに乾燥を悪化させるだろう。明確に定義された高気圧が米国平原上に発達した場合、それは降雨に関しての気象システムが西からこの地域に流入するのを防ぐ。

本質的に、ラニーニャ現象が春まで続いた場合(夏で終わったとしても)、干ばつが悪化し、拡大し、激化するのを可能にするのに十分な乾燥を農業地域に残し、それはより深刻な干ばつにつながる可能性がある。

6月にラニーニャがなくなったとしても、夏の終わりまたは秋に気温の低い季節が到来するまで、天候パターンを変更する十分な時間がない。その結果、何が起きても、高気圧の尾根がより持続し、干ばつが激しくなると見られる。


 

ここまでです。

穀物情報サイトって最近見始めたのですが、すごいですね。太陽活動周期にまで言及している。

 

> ほとんどの重要なラニーニャ現象は、現在と同じ 22年の太陽周期に結びつく傾向があった。

 

などの説明を読みますと、太陽マニアの私などはゾクゾクしますが、しかし、

「現在その 22年周期の中にある」

のです。

ラニーニャが非常に長く持続する可能性がある。

といいいますか、この記事にもあります通り、

「 6月でラニーニャが終わったとしても、干ばつへの影響は避けられない」

ということになるようです。

しかも、過去の歴史的な干ばつに匹敵するようなものとなる可能性さえあるというように読めます。

 

「秋から世界の穀物どうなるんだよ……」

 

と本当に思います。

特に世界的な問題となるのは小麦ですね。

 

しかしですね。

アメリカの小麦を心配する以前に、「ラニーニャが発生している時は、日本の農作も大きな影響を受ける傾向が強い」のです。

先ほども書きましたけれど、ラニーニャが起きたからこうなる、という定理は一切ないですけれど、ただ、気温が高い低い、あるいは雨が多い少ないということを別にして、「通常とは異なる」という気象にはなりやすいようです。

なお、先ほどの記事では、「太陽活動の 22年周期」という言葉が出てきますが、22年前の西暦 2000年もラニーニャでした。1998年から続いた長いラニーニャでした。

Wikipedia には以下のように書かれています。

 

1998年夏 - 2000年春  1999年の東日本〜北日本で猛暑と暖秋、中国で旱魃、インドネシアで大雨、欧州で寒波 Wikipedia

 

1993年に「平成の米騒動」と呼ばれた歴史的な日本でのコメ不足の年がありましたが、それはラニーニャではなく、エルニーニョ現象による冷夏によってもたらされましたが、今年はどうなりますかね。

 

すでに世界中のいろいろな国で農作状況があまり良くないのです。

 

[記事] アメリカで小麦生産量が最も多いカンザス州やテキサス州の冬小麦収穫が、雨不足により過去最低レベルになる見通し。しかもカナダからの肥料の流入も停止中
 地球の記録 2022年3月22日

[記事] オーストラリアのニューサウスウェールズ州で、大洪水のために農作物全体に記録的な損失
 地球の記録 2022年3月19日

[記事] 大豆生産量世界第6位の南米パラグアイが、記録的な大豆の不作により「同国史上初の輸入」をせざるを得ないという異常な状況に
 地球の記録 2022年3月25日

 

そして、ロシアとウクライナの戦争が徹底的に長期化する可能性を指摘する人たちが増えていて、今日の米ブルームバーグの意見記事では、

「今は、第二次世界大戦前の 1939年と酷似している」

と表現されていました。

第三次世界大戦というような言葉が、ブルームバーグのようなメジャー報道でも出されてきています。

以下の記事です。

 

ウクライナの戦争からの7つの最悪のシナリオ
Seven Worst-Case Scenarios From the War in Ukraine

 

戦争が拡大すれば、物流そのものが停止に近い状態にならざるを得ない状況も出てくるかもしれない中で、ラニーニャの持続により、世界の食糧大生産国の「極端な不作」の可能性が高まっています。

早ければ、秋までには現実が表面化するはずです。

食べ物が世界に存在しないという現実が。

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