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海面上昇は「地球の気温と関係なく」本格化していく : 南極で最も氷の融解が進むパインアイランド氷河の下で火山が「現在活動している」ことが判明。そして、その熱源が氷を溶かしている

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watchers.news

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ミニ氷河期と海面上昇が同時にやってくる可能性さえ

「海面上昇」ということについては、これまで何度も報道などでも取りあげられてきたのですが、その原因となると、いろいろと曖昧な部分が多いのが現実でした。

最も言われてきたのが、南極や北極での極地での氷の融解によるものというもので、そして、その理由が「地球が温暖化しているから」という、あまりにも曖昧な上にも、事実関係がほとんど含まれない説がゴリ押しされ続けてきました。

私自身はもうずーっと、人為的な原因での地球温暖化説というのは、信じることができなくて、生まれる前から信じていませんでした(ウソつけ)。まあ、地球温暖化のウソに比べればカワイイものですが、しかし、南極では、「地球温暖化による氷の崩壊」ということで、象徴的に取りあげられる場所がたまに出てきます。

その中でも、南極のパインアイランド氷床という場所は、氷の融解が非常に速く進んでいるということで、よく取りあげられることがある場所です。

たとえば、下は 2014年1月の報道の冒頭の部分ですが、このような感じで、さまざまなメディアで取りあげられる場所でした。

南極巨大氷河の融解進む、20年で1センチの海面上昇も 研究

AFP 2014/01/13

世界の海面上昇の最大要因の1つ、南極のパインアイランド氷河の融解が取り返しがつかないほど進行しており、今後20年以内に海面が今より最大1センチ上昇する恐れがあるとの研究報告が、英科学誌「ネイチャー・クライメート・チェンジ」に掲載された。

この研究報告で、仏ジョセフ・フーリエ大学のガエル・デュラン氏は、パインアイランド氷河は「自律的後退の段階に突入しており、今後も氷河の縮小が取り返しがつかないほど続くだろう」と指摘している。

ここに、

> パインアイランド氷河は、自律的後退の段階に突入しており

とありますが、今回ご紹介するのは、

「どうやら、それは自律的ではなかった」

ということがわかったというものです。

つまり、パインアイランド氷河の下に火山活動が見つかり、「その熱源が氷を溶かしている」ということがわかったのです。

これは、アメリカのロードアイランド大学の研究者を含めた国際チームでの大規模調査によるもので、2014年からの研究をまとめたものです。

米ロードアイランド大学のニュースリリースより


URI today 2018/06/22

ちなみに、もともと南極の氷床の下の火山活動については、いろいろと議論があり、たとえば、下のような記事でもご紹介したことがありました。

ノア級の洪水の原因…? : 「南極の氷床がイエローストーン級巨大火山の熱によって内側から溶かされている」とNASAが発表。なお、南極の氷が全部溶けた場合、世界の海水面は今より60メートル上昇

しかし、一般的には、「南極の氷床の下の火山活動は 2200年以上前から活動していない」というのが科学的な定説となっていました。

その中で、今回の発表は、

「現在、南極の下で火山活動が起きていて、南極の氷を溶かす熱源が存在する」

ということが発見された衝撃はなかなかのものだと思います。

まあ最近、南極で「地球の観測史上で最も低い気温」が記録されたというようなことを下の記事で取りあげましたが、このようなことが多く、気温などの要因で氷が溶けるというのは難しい状況になっていました。少なくとも、氷床が溶けるような温暖化は南極では起きていないからです。

地球での「観測史上の最低気温」が南極において更新される。その気温は何と「マイナス97.8℃」。これは深呼吸をすれば死に至るレベル

しかし「下に熱源がある」というのなら、話は別です。

どれだけ気温が低くなろうが、南極の氷床はどんどん溶けていくはずです。

仮に、地球が寒冷化の時代に入ったとしても、それは変わらないわけで、つまりは、場合によっては「ミニ氷河期と海面上昇が同時にやってくる」という可能性があることにもなるのかもしれません。

南極の火山活動がどのくらいの年数をかけて海面上昇に本格的な影響を与えるのかはわからないですが、今後、世界中の火山活動が活溌化していく中で、南極の下の火山も次々と活動していく可能性もあるのかもしれません。

ちなみに、「地球で最大の重力異常の場を持ち、地球で最も火山が密集する地帯であることがわかった南極…(In Deep 2017/11/02)」という過去記事で取りあげたことがありますけれど、

南極はで地球上で最も火山が密集している場所

です。

2017年に衛星によ葉発見された南極の火山(全部で138)


Guardian

これらが一斉に活動を始めて、南極の氷を融解させ始めたら、一気に数メートルとか数十メートル海面が上昇してもおかしくないですからね。

ちなみに、「南極の氷が全部溶けた場合、地球の海面は 60メートル上昇」すると計算されています。

そこまで考えるのは極端な話ですが、遠い未来に「類似した未来」が訪れないとは誰にも丹下左膳……じゃない、断言できないはずです。

というわけで、今回の米ロードアイランド大学による論文を取りあげていた記事をご紹介したいと思います。

ちなみに、論文を書いた教授は非常にこの影響を控え目に語っていて、「火山の熱源が南極の氷の溶ける主要な原因ではないでしょう」と述べていますが、おそらく、それは「本心ではない」と思われます

では、どうしてそう言わなければならないかというと、「地球温暖化による海面上昇という概念を否定すること」は、今の世の中では、科学者としてのキャリアに致命的なダメージを与える可能性があるので、そのあたりは斟酌していただきたいと思います。

みんなこの世の中で生きるために必死なのです。


Active volcano heat source discovered under fastest-moving and melting glacier in Antarctica
watchers.news 2018/06/22

南極で最も動きが激しく最も融解が早い巨大氷河の下に活発な火山の「熱源」があることが発見される

米ロードアイランド大学の海洋学研究科(GSO)の研究者たちと他の 5人の科学者たちは、南極のパインアイランド氷河の下に活発な火山の熱源があることを発見した。

パインアイランド氷河は、南極大陸で最も早く氷の融解が進んでいる場所として知られるが、その氷河の下に活動している火山の熱源があるというこの驚くべき発見についての論文は科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表された。この発見は、パインアイランド氷河の動きと氷の融解についての新しい洞察を提供することになりそうだ。

研究者たちは 2007年にこの場所に火山活動が存在する可能性を最初に指摘しており、2014年に再びその存在を確認した。

ロードアイランド大学・海洋学研究科の化学海洋学者であり、論文の主任著者でもあるブライス・ルース(Brice Loose)教授は、この論文は、英国の科学者が率いる南極大陸の 2014年の大規模探検中に行われた研究に基づいていると述べた。

「私たちは、南極の氷棚を溶かす海洋の役割を、よりよく理解することを目指して研究を始めました。南極の海洋水からヘリウムとキセノンを含む 5種類の希ガスをサンプリングする作業から始められたものです」

「しかし、当初、私たちは火山活動を探しているわけではなかかったですので、これらのガスを使って他の活動を追跡していたのです。 そして、最初の調査の中で、高濃度のヘリウム- 3 が検出され始めたとき、私たちは何か疑わしいデータが集まっていると考えていました」

南極の西側にある氷床は、南極大陸の氷床の下にある主要な火山群の裂け目の上に位置している。しかし、それらの火山群に、現在マグマ活動が存在している証拠はなかったと研究者たちは述べる。

それまでの調査では、南極の氷床の下の火山が最後に活動したのは 2200年前だったと考えられていたとルース教授は述べる。

しかし、今回、科学者たちが、パインアイランド氷河で見出したものは、過去の火山活動ではなく、「新しい火山活動の証拠」だった。

南極において、熱や煙のような火山活動の通常の指標を直接測定することはできない。なぜなら、南極の火山の裂け目は数キロメートル下にあるからだ。

しかし、研究を進めていった結果、チームは、水中から大量のヘリウム同位体を発見したのだ。これはほとんどがマントルで専有されているものだという。つまり、これが火山が活動している証拠となるものだ。

「ヘリウム-3は、火山活動の指標のようなものですが、それが、パインアイランド氷河の氷床の海水に豊富に含まれていたのです」と教授は言う。

現在、パインアイランド氷河から海に滑り込んでいる氷の量は、ギガトン単位または数十億トン単位と測定されている。

今回の発見で、その氷の融解が火山活動によるものではないかと考えられる可能性が出ているようにも思えるが、ルース教授は、「そういうわけではないと思われます」と言う。

教授は、今回発見された火山活動がパインアイランドの氷の大量損失の主要な原因であることを意味するものではないと強く警告する。

「海流からの熱がパインアイランド氷河の状態を不安定にしていることを証明する過去数十年の研究があります。つまり、パインアイランド氷河の氷の融解は、あくまで南極周辺の気候変動と関連しているといえるのだと思われます」

「今回発見された火山活動の証拠は、氷床を監視する際に考慮すべき新しい要素ではありますが、氷の融解の主要な要素ではありません」

科学者たちは、発見された火山と熱水噴出口から放出されている熱エネルギーは、パインアイランド氷河の下の個々の休眠中の火山からの熱流束の約 25倍であることを示唆している。

とはいえ、研究者たちは、南極の火山の熱が氷床の底に沿ってどのように分布しているのかをまだ知らないために、今後、新たに発見された活動が氷河にどのように影響していくかは不明だ。

しかし、研究者たちは、この火山からの熱により氷床の下の部分が融解していることを見出している。

その融解した水は、氷棚が海洋と接する地上線を横切って噴出しているという。

南極の氷床に対する火山の熱の影響の研究はこれまでも議論されていたが、今回の研究は、過去ではなく、現在の南極で火山の熱源が発生しているという地球化学的証拠を提供した最初の研究となる。

これはまた、今後、南極の氷床損失のメカニズムに関する科学者たちの認識を変えていく可能性があるものともいえる。


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