2017年9月26日夜 ロシア西部の広範囲で目撃された光
昨晩(9月26日)、ヨーロッパ方面のロシア地域を中心とした広い範囲で上のような光が展開する光景が目撃され、SNS に数多くの画像が投稿されました。
そして最近の「こういう光」の流れから、これもまた「死の象徴の光」であることにすぐに気づく次第です。
今回は、ロシアのこの光と、アメリカのニューヨークで見られた印象的な光景をご紹介したいと思います。共に今の時代を思わせる光景だと言えます。
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「鳥だ! 飛行機だ! いや、スーパーICBMだ!」
冒頭の光が相当の数の人々に目撃された後に、ネット上では「あの光は何だ!」という騒ぎになったのですが、ロシア軍監視サイトの報告により、すぐに「あれは大陸間弾道ミサイルです」と判明しました。
9月26日のロシア軍監視サイト「ロシア・ミリタリー・ウォッチ」より
このロシア・ミリタリー・ウォッチの報告を見ていますと、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射をまたいで、昨日から今日まで、ロシア軍による多くの演習やいろいろな動きが報告されていまして、何かと慌ただしい時期なのかもしれません。
ともあれ、このロシアの光は「 ICBM の光」だったということで間違いないようです。
ICBMの光の特徴は「刻々と光の様相が変化していく」ところにありますが、このロシアのミサイルも、撮影された場所により、ずいぶんといろいろな形の光となっていたようです。
他のロシアの地域で撮影された昨晩の光
てるてる坊主っぽい形の光とか、干したイカっぽい形のもあったということで、とても変幻自在であります。
この「 RT-2PM2 トーポリ」というロシア軍のミサイルは、迎撃対策として核爆発への対応が取り入れられ、放射線や電磁パルスに対するシールドを有していまして、あらゆる状況や攻撃の中で飛行と攻撃を続けられる強力なミサイルのようです。
現在、ロシアには 70基近くが配備されていてるようです(RT-2PM2)。
最近は北朝鮮のミサイル発射が国際的に非難されている渦中ですが、基本的にロシアやアメリカなどの大国はやりたい放題で、わりと頻繁に ICBM の試射をおこなっています。
そして、衛星の打ち上げロケットなどもそうですが、多くの場合、とても美しい光を描き出します。
以前の記事、
・狂乱と饗宴が続く世界の空:大陸間弾道ミサイルが作り出す光景、激増する「美しき緑の火球」の爆発、そして、空から降り続ける人工物たち
2015/11/09
で、さまざまな大陸間弾道ミサイルや、打ち上げロケットの光をご紹介したことがありますが、どれも印象的でしかも美しいです。
2015年11月7日 米国カリフォルニア上空のICBM「トライデントII」の光
・Mystery light over ocean was missile test
2010年6月 ロシアのロケット「ゼニット」の光
・Launch as Seen from the Windows in Russia
こういうのを見ていますと、かつて「謎の光の渦」として話題となった光の多く、あるいは一部も「軍事的なもの」なのかもしれないとも思います。
代表的なものとしては、2009年12月にノルウェーに出現して騒動となった「渦を巻く光」や、2014年3月にメキシコに出現して、やはり大きく報じられた光など、いろいろとあります。
ノルウェーとメキシコの光はそれぞれ下のようなものでした。
2014年3月 メキシコ・オアハカ州で目撃された光の渦
2009年12月 ノルウェー北部上空に出現した光の渦
どちらも今に至るまで正体や原因はわかっていません。
ICBM の光になぜ惹かれるのかというと、感覚的に相反している部分があるというところにありそうで、つまり、どこまできれい事を言っても、ICBMは最終的には、「とてもたくさんの人を殺すことができる道具」として使われることを前提として設計されているものです。
なので、まあ、そんなことにはならないとしても、仮に戦争でも何でも、世界中で多くの ICBM が同時に発射された場合、
「おびただしい数の人たちが死亡している時、その空は美しい光に満ち溢れる」
ということになりそうで、燃料を含めて「因果な開発だよなあ」と、これらの ICBM の光を見ていつも思う次第でした。
今回は、もうひとつ印象的な光景をご紹介しておきたいと思います。
ロシアが話題に出た次は、やはりアメリカです。
真っ赤な釜に真っ二つに切断された自由の女神
9月24日、アメリカのニューヨークの光景を撮影し続けている写真家のゲイリー・ハーショーン(Gary Hershorn)さんという方が、自由の女神の背景を「真っ赤な月が通過していく」という光景を投稿していました。
何枚かありますが、下のような美しい写真です。
2017年9月24日 ニューヨーク
美しいのですが、この後、この「真っ赤な三日月」は、自由の女神の「胴体」を通過していくのでした。
これを見て、私は、
「自由の女神が血に染まった刃物で真っ二つにされた感じだなあ」
と笑っていましたが(笑うところかよ)、美しくもあり示唆的でもあるというあたりは純粋芸術的な写真群ともいえます、
これは写真を1枚にまとめて動かしてみると、下のようになります。
自由の女神像の下半身のあたりが切られている感じですかね。
日本語の表現に、「釜のごとく澄んだ三日月」というものがあり、この表現の場合は、おそらく白い月だったのでしょうが、このアメリカの月の場合は、
「血で汚れたカマのごとく濁った色の三日月」
というような感じかもしれません。
いずれにしても、「自由」という名前のついた象徴存在が月に破壊されるイメージというのは、今の時代にとても印象的です。
なお、今年2月のドイツの雑誌の表紙を覚えてらっしゃる方がいらっしゃいますでしょうか。トランプ大統領が就任した後に、ヨーロッパで最も販売数の多いドイツのシュピーゲルという雑誌が下の表紙の号を発行したのでした。今回のことで、このことも思い出しました。
ドイツ「シュピーゲル」の2017年2月4日号の表紙
このことに関しましては、過去記事、
・太陽はきっと見ている……のか、あるいはトランプ米大統領が太陽を見ているかわからない中、世界は黒点ゼロ時代の特徴である「統治」と「独裁」に向かう?
2017/02/06
というものでご紹介したことがありますが、この時はトランプ大統領とおぼしき人物が自由の女神の「首」を包丁で切り取り、今度は、そのトランプ大統領のお膝元のニューヨークで、「赤い月」がカマとなり自由の女神の下半身を切断した……と。
流れとしては納得できるような感じがする今の時代の状況でもあります。
ちなみに、リンクしましたこの時の過去記事で書きましたことは、太陽活動の縮小期という点から過去のデータと合わせて見れば、今後数年の社会は全体的な傾向として、
・独裁や専制の強化
・少数エリートによる統治の強化
が強く出てくる可能性が強いと思われます。
つまり、おそらく「自由は、ますます消えていく」方向に進むと考えるほうが妥当かと思います。
それにしても、示唆的な光景がずいぶんと続きます。