・Dominant form of virus ‘10 times’ more infectious than original strain
新たな感染確認数が「今になって過去最大」となっている世界で
ロックダウンや緊急事態宣言下などでの新型コロナウイルスへの「対策」の数々の名目のひとつには、「感染拡大の速度を抑える」というようなものがあったと思われます。
そのような感染拡大の抑制が、ロックダウンやソーシャルディスタンスの励行によってなされるのかどうかは疑わしいものでもありますけれど、仮に、そういう対策に感染拡大の「速度」を遅らせることのできる効果があるとした場合、しかし、同時に、そこには、
「大きなひとつの問題が伴ってくる」
ことがわかります。
それは何かといいますと、
流行の時期が長引くほど、ウイルスの突然変異のスピードが感染抑制効果を凌駕していく。
ということです。
つまり、新たな株による新たな感染拡大の増加のほうが、それ以前の株の感染拡大の抑制を上回る可能性が「どこかの時点で」出てくるというような意味です。
現在の世界の新たな感染確認数は「収拾がつかなくなっている」状態ですが、たとえば、6月21日までの新型コロナウイルスの「1日あたりの新たな感染者数」の増加ぶりは、すでに抑制が効かない状態になっていまして、以下のように、6月18日には、1日の新たな幹線確認数が、「 18万件」を超え、パンデミックが始まって以来、最大の数となっています。
世界の各国がロックダウンや行動制限の対策を始めた 3月下旬から感染拡大数は増加する一方でしたが、5月下旬頃からは「ほぼ毎日、10万人超え」という状態となり、現在はついに、1日あたりの新たな感染者数が 20万人にも近い状態となってしまっています。
これこそが、3ヶ月以上に及ぶロックダウンの功罪ということになるのかもしれないですが、まあしかし、今回はそのことはともかくとして、ひとつの予測として、
「この新たな増加傾向は止まらないかもしれない」
ということについて、いくつかの海外の報道をご紹介したいと思います。
どんな報道かといいますと、「さまざまな国や地域で、次々と新型コロナウイルスの新しい株が出現している」ということについての報道です。
新型コロナウイルスは、 RNA ウイルスというものなのですけれど、RNA ウイルスが持つ特徴のひとつには、「とても変異しやすい」ということがあります。
そして、その変異は、当然ながら「感染者が増加すればするほど、変異の種類と速度も指数関数的に拡大する」ということになるわけで、これほどまでに感染事例数が拡大してしまっていますと、
「今後もかなりの勢いで新しい株の新型コロナウイルスが日々、登場し続ける」
と考えるのが妥当かと思います。
ちなみに、国立感染症研究所の「病原体ゲノム解析研究センター」による解析では、新型コロナウイルスの変異速度について、
「 1年間で、25.9カ所の変異が見られる」
と「新型コロナウイルス SARS-CoV-2 のゲノム分⼦疫学調査」という資料に記されています。
1年間で 25.9カ所の塩基の変異が起きるということは、単純に計算して、365 ÷ 25.9 = 14.09 ということになり、つまり、
「新型コロナウイルスは、約 14日に 1回の割合で変異を起こす」
ものだということがわかります。
このウイルスが、中国やイタリアに登場してから、すでに 半年以上が経過している上に、当時とは比較にならないほどの患者数が世界中にいるわけで、そのような中で、「全世界で同時に突然変異が進行し続けている」ということになります。
これまでの総感染確認数は、約 890万にのぼっていますが、それらの事例でのウイルスが、約 14日に 1回の割合で変異を起こし続けてきたといえるのかもしれないのです。
このようなものを「対策」で抑えきれると思われますでしょうか?
まあ、いずれにしましても、今、世界中でどのようになってきているかについて、いくつかの報道をご紹介させていただきます。
まずはイスラエルの報道から、現在の新型コロナウイルスの感染力が「発生当初の 10倍になっている可能性」がアメリカの研究で判明したという記事です。
現在の新型コロナウイルスの優性型は、元の株より「10倍」感染力が高いことが研究により判明
Study: Dominant form of virus ‘10 times’ more infectious than original strain
Times of Israel 2020/06/13
新しい研究によれば、世界の多くで優勢なタイプとなっている新型コロナウイルスは、ヒトの宿主細胞にうまく受容できるように「突然変異」したことにより、感染しやすくなった可能性がある。
アメリカを拠点とするスクリップス・リサーチによる研究で実施した実験室でのテストでは、最近の新型コロナウイルスの分離株は、中国の武漢で感染が始まった時のものより、はるかに高い感染力をもつことが示された。
現在、世界中で増殖している新型コロナウイルスは「 D614G 変異種」と呼ばれる株だが、この D614G は、武漢で流行していたコロナウイルスの系統よりも、スパイク・タンパク質(ヒトの細胞に感染するためのウイルスの突起)が、より頑丈になっていると研究者たちは述べている。
したがって、これらの変異を含むコロナウイルス粒子は、機能できるスパイクの数が 4〜 5倍になる傾向があり、ヒトの細胞への結合がより容易になる。
実験では、具体的には、この D614G のヒトの細胞への感染力は、武漢タイプの約 10倍高かったことが示された。
D614G 変異は、アメリカやカナダ、そしてヨーロッパで最も広く観察されている株だ。5月までにデータベースにアップロードされたサンプルのうちの 70%にこの変異株が存在するという。
しかし、より高い感染力を持つ可能性はあっても、この変異ウイルスが他の株よりも症状を重くするといった証拠はない。
ここまでです。
次に、世界各地に出現する「新しいタイプの新型コロナウイルス」の例について、アメリカのシカゴと、中国の北京の事例をご紹介します。実際には、世界中の各地で同じような「新種」が誕生していると思われます。
まずは、シカゴの例です。
シカゴで発見された独自のコロナウイルス株
アメリカ北西部の医師たちによると、シカゴはさまざまな種類のコロナウイルスの「るつぼ」となっているという。
米ノースウェスタン大学の研究者たちは、シカゴで、中国での初期の発生から直接関連していると思われる独自の COVID-19 新型コロナウイルス株があることを発見したとニュースリリースで述べた。
また、シカゴの新型コロナウイルス患者からは、別の亜種が発見されており、これは世界中で優勢な亜種であり、アメリカではニューヨークに集中している株だ。この株は、シカゴで多いものよりも上気道でより多くのウイルスを生成する。
研究者たちは、遺伝子変異がこのような機能の違いにつながっているかどうかを研究している。
シカゴはアメリカの交通の中心地のひとつであるため、この都市には、さまざまな亜種のウイルスが集まってきているという。 (NBC News 2020/06/18)
そして、中国の北京です。
北京では、最近それまで中国で見られたことのない亜種が発見されています。
中国で循環しているタイプとは異なる新型コロナウイルス株が北京で発生した
中国疾病対策予防センター(中国 CDC )の疫学者によると、新型コロナウイルスとの戦いにおいて、北京で重要なテストが行われており、今回の北京での流行が処理されなければ第 2波が発生するだろうと述べた。
中国 CDC の疫学者ツェン・グァン (Zeng Guang)氏は以下のように言う。
「他の国と同様に、北京のほとんどの人は、新型コロナウイルス感染しやすいのです。幸いなことに、北京では、早期に発見されてからの行動は迅速でした」
しかし、このアウトブレイクが第2波をもたらす可能性を否定しない。
現在、北京で行われているテストは、中国全体での新型コロナウイルスの流行が収まってからの最大のものだ。
ツェン博士は、ウイルスの遺伝子解析の予備的な結果から、今回の北京のウイルス株は、中国内で広く流行しているタイプとは異なるウイルスであることが明らかになったと述べる。
米イェール大学の公衆衛生学の准教授であるチェン・シー (Chen Xi)氏は、北京で検出されたウイルスが、中国に空輸されたサケの原産国からのものかどうかを判断するために、さまざまな国のウイルス遺伝子配列のタイプを比較することも提案している。
この新しい株の新型コロナウイルスは、中国に輸入されたサケの販売者が使用していた市場の「まな板」から検出された。
中国は主にチリ、ノルウェー、フェロー諸島、オーストラリア、カナダから毎年約 8万トンの冷蔵および冷凍サーモンを輸入している。 (Global Times 2020/06/14)
このように、北京で新たな株の新型コロナウイルスの感染が確認された翌日、北京では、「大々的な街頭の消毒剤の噴霧」が再度行われています (WHO は、それをやっちゃだめだって言っていて…)。
6月19日 鉄道の北京駅を徹底的に消毒する作業員たち
・FT
中国は、また消毒ライフへ逆戻りですね。
本当に体に悪いことは何なのかということがわからなくなっている全世界ですが、いずれにしましても、このように、
「変異によると思われる新しい株の新型コロナウイルスは日々増えている」
ということが言えそうで、抗体の関係性がどのようになっているのかということは今のところわかっていないのですが、場合によっては、今後、「複数回感染する」ということもあり得ないことではないのかもしれません。
現在の急速な「感染者数の再度の増加ぶり」を見ていますと、もしかすると、すでにそういうことが起きているのかもしれません。
なお、どんな状況でも、感染症を予防する方策は以下が最低限のことだと思います。
感染症予防の最低限の基本ルール
・太陽光をたくさん浴びる
・たくさんの酸素を口から取り入れ、免疫細胞を活性化させる。口腔を防ぐような行為はなるべく避ける
・体表へのウイルスの付着を防ぐ球菌などの常在菌を「殺さない」
・口腔内や気道の健全な状態を保つために、消毒剤などの気道への吸入を防ぐ
・腸内細菌環境等の状態を良好に保つために、消毒剤などの循環器への吸入を防ぐ
だと思われます。
他には「笑うこと」、「ストレスを防ぐこと」、「適度な栄養」、「適度な睡眠」などがあり、そして最も大事なことは、「人との直接的なコミュニケーション」です。
もしかすると、先ほどのグラフが示しますように、最近になって世界中で著しく感染者数が増加しているのは、こういう根本的な感染症対策の「逆の行為」をされている方々が世界中で多いためなのかもしれません。
しかし、世の生活習慣の流れが今のようになっている以上は、突然それが変わるとも思いづらい部分もあり、残念ながら、増加傾向が抑制されるのは難しそうです。
なお、最近になって、21世紀のパンデミックの「本元」が見えてきていまして、それはメルマガにも書きましたが、危険性では、コロナウイルスなど目ではないものです。
2019年の中国の武漢ウイルス研究所での「ウイルスの機能獲得」研究で、最も力を入れようとしていたウイルスの正体が最近わかってきているのです。
機会がありましたらご紹介することもあるかもしれないですが、基本的に物騒な話ですので、公開は難しいのかもしれません。
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