2021年1月2日には太陽が近日点(地球と最も近くなる位置)に
thetimes.co.uk
海の終焉がパンデミックでますます加速化
や、どもッ(元気かよ)。
いやまあ何だかんだと今日で 2020年も終わりですね。
今年は何だか平凡な年で、特別な事象を思い出すことができませんが、そのような穏やかな年でした(別の世界に住んでるのかよ)。
さて。
こういう若年性的な話はここまでにしまして、今日はプラスチックの話となりそうなんですけれど、冒頭に何となく太陽の写真を載せさせていただきましたが、明後日すなわち 2021年1月2日は、「1年の中で最も太陽と地球が近い日」の近日点といわれる日になるそうです。
近いといっても、10kmくらいまで近くに来るとかそういうことではなく(地球が消えるわ)、遠い時より 3%くらい近いという程度なんですが、地球の太陽に対する軌道は正確な円ではなく、楕円ですので、こういう日があるようです。
近日点は毎年あるものですので、それが地球に影響を与えるということはないと思うのですが(何らかの影響はいつもあるであろうにしても)今年 2020年の近日点が 1月5日だったことを思いますと、
「何となく感慨深い時期だったな」
と思い出します。
2020年の出来事を振り返りますと、中国武漢で集団発生していたとされる「謎の肺炎」が、新しいタイプのコロナウイルスによるものだと判明、あるいは「発表」されたのは、近日点の 2日後の 1月7日でした。
中国において新型コロナウイルスでの「初めての死者」が出たのが、その発表の 2日後の 1月9日。そして日本で公式に最初の感染者が確認されたのが、その 1週間後の 1月16日でした。 1月の終わりまでには、アジアのほぼ全域と、ロシアからヨーロッパの多くの国で感染が確認され、1月31日に THE WHO は(THEは要らない)…… WHOは「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言します。
「これからどうなるのだろうな」
と多くの人たちが思い始めた頃でもありますけれど、その後どうなったかというと「今でしょ」ということになります。
このパンデミックを象徴する物質のひとつに、
「マスク」
があります。
使い捨てなどのマスクのほぼすべては、ポリプロピレンとかポリエチレンなど、つまりプラスチックですが、数カ月にわたる世界各地のマスク着用生活の中での「結果のひとつ」が以下のものです。海洋保護団体のオーシャンアジア(OceansAsia)が最近発表したものです。
OceansAsiaウェブサイトより
oceansasia.org
使い捨てられた 15億個以上のマスクが海中に流入したと同団体は推定しており、その量は一枚の使い捨てマスクの重量から推定して、最大 6240トンとなり、
「この量のプラスチックが分解されるには 450年かかる」
のだそうです。
なお、15億個のマスクというと大変な量に聞こえますけれど、報告書では、2020年に製造されたマスクの世界生産量は「 520億枚」と推定されるそう。
作りも作ったり、使うに使ったりという感じですが、これらのほとんどのプラスチック製マスクは、成分上の問題、あるいは衛生上の問題からリサイクルには向かず、ほぼすべてが廃棄されています。
さらに、このパンデミック下で世界的に使われている言葉が「ステイホーム」などの、つまり、外食などを控えて、なるべく自宅で過ごそうという概念です。
その中で起きていることについて、オーシャンアジアは以下のように述べていました。
衛生面での懸念や持ち帰り食品への依存度の高まりから、プラスチック包装の使用が劇的に増加した。
つまり、このパンデミック下で、海洋のプラスチック汚染がさらに劇的に増加していると報告されたのです。
先ほど、2020年の太陽の近日点が 1月5日だったと書きましたけれど、その 4日前の 2020年1月1日には、フランスで、世界で初めて「使い捨てのプラスチック製カップや皿を禁止する法律が施行」されると報じられましたが、パンデミックのロックダウンの中で、当然のように「法律はなかったこと」になっていると思われます。
日本でも、スーパーやコンビニでの無料のレジ袋が廃止され、店内の放送などでは「環境のために」と連呼していますが、パンデミック以降、持ち帰りなどの増加により、プラスチックの消費は日本でも劇的に増加していることは間違いありません。
これは別に、何かこうエラソーなことを書こうとしているつもりではなく、私自身にしても、何か食品を購入するたびに、それはほとんどすべてプラスチックに入っているわけですから、自分自身も膨大な量のプラスチックを廃棄している生活をしていることになります。
豆腐を買っても、タマゴを買っても、タマコを買っても(何だよタマコって)、竹輪でも刺身でもシイタケでも海苔でもピーナツでもシラタキでもサバの切り身でもジュンサイなんてものまでも、何もかもすべてプラスチックに入って売られているわけですから、このような消費スタイルの生活の中で廃棄プラスチックが増えていくのは仕方ないことだとも言えます。
世界が終焉しない限り、もう止まらないと思われます。
そこに「大量のマスクというプラスチックが加わっただけ」なのかもしれません。
マスクを含めたこれらのプラスチックは、海洋中においては、ゆっくりとマイクロプラスチックに変化していきます。
このマイクロプラスチック(マイクロファイバー)が、海洋生物にどのような影響を与えているのかは、以下の記事で取りあげたことがあります。
「マイクロファイバーがプランクトンを殺しながら食物循環に入る様子」が初めて撮影される。そして、魚、微生物、クジラ、海鳥などあらゆる海の生物たちがプラスチック大好きな状況から想像する「海の終焉の日」
投稿日:2017年3月13日
下の写真は、稚魚がマイクロファイバーをエサと思い取り込み、そのまま消化されずに体内に詰まった状態の写真です。こういう状態で稚魚は死んでいきます。
マイクロファイバーを摂取して体内で詰まった状態のプランクトン
BBC
先ほどの記事では、スウェーデンの大学の専門家たちによる「稚魚とマイクロプラスチックの関係」についての研究にもふれていますが、研究者たちは、
「稚魚たちが、生きているプランクトンよりも、むしろ微細なプラスチックを好んで食べることに気づいた」
と英デイリーメールの記事にはあり、世界中で日々、相当の稚魚たちがプラスチックを食べて死亡し続けていると思われます。
とはいえ、先ほども書きましたけれど、あまりにも現代人の食生活の包装の「基本」として定着してしまったプラスチックを個人の力で排除することは無理でしょうし、マスク社会もまだまだ長く続きそうであり、結局、正義の話ではなく、
「こうやって海もさらに死んでいく」
ということを認識しながら生きるしかないのかもしれません。
実際、具体例はともかくとして、最近の漁獲高の減少の報道には壊滅的なものが多く、そのうちの、たとえほんのわずかな部分であっても、プラスチックは関係していると思われます。
それは今後拡大していくはずです。
というような話でしたが、暗い話で1年を終えるのもどうかと思いますので、寒い日々が続くかもしれない冬の「着るもの」の話などで、今年を締めさせていただこうかと思います。
これもプラスチックと関係するものです。
今の私たちはプラスチックを着て生きている
少し前となるのですけれど、古本を見ていましたら「冷えとり」という言葉が出てくる以下のタイトルの本を何となく手にしたのです。
奥付を見ますと、初版は 1988年と、30年以上前に出されたもので、私が手にしたものは、その後に新版として発行された古本で、その出版社名が、「農山漁村文化協会」という物々しいあたりも気に入りまして、購入いたしました。
大阪のお医者様が書かれた本で、内容の全体はともかく、
「あ、そういや、そうか」
というひとつに気づいたのでした。
これから書かせていただくようなことは、すでに多くの方々がご存じのことだとも思いまして、単に私があまりにも無自覚で生きていたということでしかないのですけれど、この本の中に書いてある中のひとつに、
「身体にふれる部分に化学繊維を着用しないこと」
という部分があるのです。
化学繊維は基本的に身体を冷やすのだそうなんです。
実は、私自身、ずいぶん以前からひとつのことが気になっていまして、それは、
「服や下着がプラスチックばかりになっている」
ということでした。
たとえば、特に冬用の「あったかインナー」とか「裏起毛」とか「フワモコ」とか、そういうものは、ほとんどすべてが、ポリエステルとかポリウレタンとか、ものは何であれ、100%プラスチックのものが多いのです。
化学繊維というより、
「プラスチックを着ている」
と言っても過言ではないのですけれど、その後、自分が冬用の「あっかた用」として持っている、そのような肌着やインナー、あるいは部屋着やパジャマなど、すべてを見てみましたら、「ほとんどすべてがポリエステルとかポリウレタンなどのプラスチック」でした。
「いくらあったかインナーを着ても暖かくならないわけだ」
と実感しながら、今度は、近所のスーパーや衣料店などを回って、安価に売られているインナーや部屋着から靴下や下着、手袋などまで子細に成分を見て回ると、
「ほとんどがプラスチック」
なのでした。
これを読まれている方の場合などでも、現在部屋などで着用されている、あるいは部屋にあるそのような衣類や肌着やパジャマなどをチェックしてみて下さるとわかりますが、今現在の私たちの衣服生活もまた食生活同様に驚くほどプラスチックに満ちていることがおわかりになると思います。
先ほどの『万病を治す冷えとり健康法』を読んだ後、これは少なくとも、インナーとか下着くらいは天然素材にしないとなあと思い、それから、少しずつ購入したりしているのですが、天然素材といっても、結局、代表的なのは、
・木綿
・絹(シルク)
ということになると思われますが、先ほどの本では、最も冷え取りにいいのは「絹」だとあり、科学的な根拠はともかく、絹には「排毒作用」もあると書かれてあります。
ただし、本に書かれてありますとおり、
「絹は高い」
のですね。
しかし、考えてみれば、私は人生で「シルク製品」というものを自分で持ったことがないなあと思い、ネットで探しますと、高いことは高いですけれど、例えば靴下でしたら、三足で 1800円とか、 Tシャツだと、4000円くらいですとか、まあそういう価格でした。
「こんな高い Tシャツ買うのは 30年ぶりくらいだな」と(さびしいこと書くな)ビクつきながらも、Tシャツや絹の靴下などを買いました。ちなみに、先ほどの本では、靴下では、最も良いのは、「五本指つきのシルクの靴下」ということでしたが、私は指のついた靴下は苦手ですので、そちらは買いませんでしたが、アマゾンにあります。
下着のほうはさすがに「シルクのパンツくん」というところまでは踏み切れず、100%木綿の下着(このような完全な天然繊維の下着は実に少ないです)を購入し、そういう生活を始めていました。
で、結論から言いますと、「明らかに違う」ことがわかります。
肌そのものが暖かくなろうとします。
夏木マリさんはかつて「♪ もういや絹の靴下は わたしを駄目にする」と歌われていましたが、その気持ちもわかるような気がします。
この歌ではその後、「ああ抱いて 獣のように」と続きますが、そういう気持ちにはなりませんでした(脱線はいいから)。
とりあえず、地肌にあたる部分に木綿やシルクなどの天然繊維を着ていれば、その上にプラスチックを着てもいいわけですので、この「インナーと靴下だけでも、シルクあるいは木綿にする」ことは、わりとオススメできることだと思います。
絹の靴下は薄いですので、その上に他の靴下を重ね履きしています。
ちなみに、プラスチックと天然繊維の差を実感したい場合は、これは先日気付いたことなんですけれど、スーパーでも小売店でも、たとえば、マフラーなどが売られている場所で、
・ポリエステルなどのプラスチック 100%のマフラーなど
・木綿など天然繊維 100%のマフラーなど
がどちらも売られている場所で、両方の製品を「同時に」手で少しの間握ってみてください(すまんね、店員さん)。
ほんの数秒で、天然繊維を握っている手そのものの体感の温かさと、プラスチックを握っている手そのものの体感の温かさに差があることがわかるはずです。
数秒でわかります。
単に肌触りの良さでしたら、最近のフカフカあるいはモコモコしたもの(そういうのはほぼすべてプラスチック)のほうが暖まる感じがしますが、それらのプラスチックはいくらさわり続けていても、肌そのものからの発熱が起きないことに気づかれると思います。
表面的には暖かく感じるプラスチックのフワモコ製品も、それらは体を温めないことを最近になって初めて知ったのでした。
もっとも、部屋着すべてや外着まで天然繊維にすることは今の社会では現実的に無理ですので、直接体に当たっている部分だけでも、できればシルク 100%、あるいは木綿 100%というのを1度経験されるのもいいかなと思います。
体感はすぐにできると思います。
考えてみれば、当たり前のことではあるのでしょうけれども。
自然の中に生まれてきた人間なのですから、自然の製品と肌にふれていたほうが状態が良いことなど当然のことなんですけれど、いつのまにか、
「プラスチックを着て過ごす日常が当たり前になってしまった」
という世界にいる中で、私自身、そんなこともわからなくなっていたようです。
なお、たとえばインテリアというか、量販店などの毛布やマットやシーツなども、成分を見てみれば、非常に多くのものがプラスチックであり、冬の「暖かグッズ」のほぼすべてもプラスチックです。もちろん高価なものはともかく、手軽に売られているものはほぼすべてがそうです。
このような日常では、人々の身体は冷えていく一方なのかもしれません。
そういえば、ちょうど1年くらい前に、以下のような記事を書かせていただいたことがありました。
人間の体温は19世紀以来、一貫して「下がり続けている」ことが判明。ついでに「人間の体温を維持しているのは腸内細菌」であることも知る
投稿日:2020年1月9日
もちろん原因はさまざまにあるでしょうけれど、21世紀に関しては、プラスチックを着すぎていることも少し関係あるかもしれません。
以下の「地球の記録」の記事に書きましたけれど、現在の地球は、前例のない寒波に包まれています。
いよいよミニ氷河期時代も本番へ: 2020年の年末、世界各地が前例のない寒さと大雪に包まれている
投稿日:2020年12月30日
日本も今後数カ月さらに寒くなるかもしれませんので、冷え取りという話ではなくとも、自衛策として、肌にふれるものにほんの少し天然素材を増やすのもよろしいかと思います。
というわけで、前半と後半はつながりがあるようで全然つながりのない話となってしまいましたけれど、今年も読者の皆様方には本当にお世話になりました。
来年もいい展望は期待できないですが、サバイバルモードの過渡期としてお互い頑張りましょう。
>> In Deep メルマガのご案内
In Deepではメルマガも発行しています。ブログではあまりふれにくいことなどを含めて、毎週金曜日に配信させていたただいています。お試し月は無料で、その期間中におやめになることもできますので、お試し下されば幸いです。こちらをクリックされるか以下からご登録できます。
▶ ご登録へ進む