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中国という国 拡大する自然災害 日本の未来

いよいよ中国で実行される人工降雨のための「人類史上最大の気象コントロール・プロジェクト」は日本の、そして地球の気候にどんな影響を与え得るか

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2018年3月27日の科学技術系メディアの報道より


interestingengineering.com




ついに近々始動することにになりそうな巨大プロジェクトがもたらすこと

以前、何度か「地球は前例のない水不足に直面する瀬戸際にある」ことについて記事にしたことがあります。

その中でも特に「強烈な水不足の現実化」がほぼ確実である中国において、気象操作でそれに対処する、つまり「人為的に雨を増やすことによって水不足を解消する」プロジェクトが、いよいよ実行の段階にきていることが、冒頭のものも含めて、この数日の報道で取り上げられていました。

「いよいよ」と書きましたのは、このことは過去に何度かふれているからです。少なくとも、ロシアのメディアは2年以上前からこのことを報じていました。その際には、私はこのプロジェクトにを極めて「否定的」に書きました。それは下の記事です。

中国が開始した大規模な気象コントロール・プロジェクト《天河計画》が、さらなる気象のカタストロフを呼び込む可能性は……

この記事のタイトルにある『天河計画』という名称は当時のもので、今も継続して使われているかどうかはわからないですが、中国の「天」という名のつくプロジェクトといえば、最近制御を失った宇宙ステーション計画『天宮計画』がありまして、その第一弾として打ち上げられた宇宙実験モジュール「天宮1号」は、今日(4月2日)、地球の大気圏に突入し、おそらくは燃え落ちました。

これに関しては、先日の記事でも取りあげましたけれど、天宮1号は、民間などの観測データを集約しますと、おそらく、南太平洋の下の位置のあたりで大気圏に突入し、落下して燃え尽きたと思われます。

天宮1号の落下点(データからの推定 2018年4月2日)

Google Map

 

同じ「天」がつく中国の計画として、今回ご紹介する気象コントロールによる降雨計画「天河」も、最終的には天宮1号のように激しく崩壊すると思います。

理由は単純ですが、それは後述するとして、この中国による気象コントロールが成功するにしてもしないにしても、問題は「他の地域への影響」なんです。

特に、中国から見てジェット気流など大きな気流の「風下にある日本」(他のアジアの多くもそうですが)あたりへの影響はどうなのかと考えてしまいます。

まずはその中国の気象コントロールプロジェクトについての冒頭の記事をご紹介します。

その規模(面積)の大きさに驚きますが、逆にいえば、装置の面積が普通の国家の面積の何倍もあるような大規模な気象への介入が周辺地域にまったく影響を与えないわけがないとも思うのです。

まずは、ここから記事です。


China Is Building a Rain-Making System Three Times as Big as Spain
interestingengineering.com 2018/03/27

中国政府は巨大人工降雨システムを建築しており、その広さはスペインの国土面積の3倍にもなる

中国政府は、インドからのモンスーンの雲を遮る「天候修正システム」を導入する計画を進めている

中国は雨による恒久的な水供給を確保するために、大規模な気候変動プロジェクトを実施しようとしている。このシステムは、雲の播種(雲の元になる物質を散布等すること)に使用できる氷とよく似た構造の化合物であるヨウ化銀を生成する固体燃料の燃焼室の大規模な連結構造から作られる。

いったん設置されると、このシステムは、中国の該当地域で降水量を年間 100億立方メートルまで増加させられる可能性がある。

この装置は数万ユニットの燃料室からなり、そのすべてを設置すると、スペインの国土面積の3倍に及ぶ 160万万平方メートルの大地を覆うシステムとなり、これはチベットの高原に設営される。

 

世界最大の単一気象変動プロジェクト

この中国のシステムは、これまでに世界で試みられた中で最大の単一の気象変動プロジェクトでもある。

このシステムは、ヨウ化銀を生成する固体燃料を燃焼させる小くて、比較的低い技術水準で作ることのできる燃料室ユニット群に依存している。設置した地域の山に風が通過すると、雲となり得る粒子が大気中にばらまかれ、雲が形成されるというものだ。このシステムは中国国有の中国航空宇宙科学技術公社によって開発された。

システムに使われている燃焼室は、標高 5,000メートルを超える場所での酸素不足の環境下で高密度の固体燃料を効率的に燃やす方法を見つける必要があったが、この方法は、宇宙科学者によって見出されて設計された。

この燃焼室の設計は非常に正確であるため、メンテナンスなしで何ヶ月も燃焼させ続けることができ、蒸気や二酸化炭素のみを放出し、環境に敏感な地域でも使用することができる。

稼働した場合には、このシステムにより年間 5〜 100億立方メートルの水供給量を増加させることができると試算される。

このシステムはもともとは、中国の防衛プログラムの一環として、中国航空宇宙科学技術公社によって開発されたものだった。このような気象コントロール技術は、戦争の際に敵の侵入等を妨ぐことのできる可能性を作り出すための技術として、すでに中国とアメリカ、そしてロシアでも開発されていると報告されている。

干ばつや洪水などの自然災害の可能性を高める方法の開発に対しても、各国の調査が行われている。

中国の航空宇宙科学技術公社は、最近、中国清華大学、そして中国青海省と大規模な天候修正システムを導入する契約を結んだ。

この共同研究により、2016年には、インドのモンスーン雨雲を傍受する方法を模索する大学の研究と共に、研究者たちは、降雨システムで使う燃焼室の知見を得た。

航空宇宙科学技術公社のレイ・ファンペイ(Lei Fanpei)社長は、以下のように語っている。

「チベットの天候を変えることは、中国の水不足問題を解決するための重要な革新です。それは、中国の発展と世界の繁栄のみならず、人類全体の幸福にも大きく貢献できるはずです」

中国は様々な理由で気象変更テクノロジーを利用してきた。たとえば、2008年の北京オリンピック大会の開会式では、大会期間中に雨が降らないように気象をコントロールするために、ヨウ素銀が充填されたロケットを雲に発射して、北京に雲が到着する前に降水量を確実に落とした。

今回のチベットでのプロジェクトでは比較的低い技術が用いられているが、これは正確なデータを得ることができながらも、コストが抑えられていることを意味する。このシステムのすべての通信および他の電子機器は、太陽エネルギーによって駆動される。装置の各部は、スマートフォンアプリによって監視および制御することができる。

なお、このプロジェクトの詳細の多くは、高度なセキュリティ監視下にあり、開始される日付けはまだわかっていない。


 

ここまでです。

この「スペインの国土よりも広い」というような超巨大装置を設置し、稼働させる場所はどのあたりかというと、完全に正確なところはわかりようがないですが、「青海省(要するにチベット)」と契約を結んだということは、その位置のあたりになると思われます。

中国・青海省と周辺の地図

Google Map

このあたりは、チベット文化やモンゴル文化の伝統が強く見られ、重要な仏教僧院等もある場所ですが、結局、その広い高原が「装置で埋められる」ことになってしまうのかもしれないですが、そのことはさておき、

「このあたりの気候に関与する大きな大気の流れはどうなっているか」

といいますと、これは一定したものではないとはいえ、たとえば大ざっぱに下のような図を見ますと、中国の青海省あたりは、日本などにとって、「大きな大気の流れのストライクゾーン」だということがわかります。

ジェット気流の流れ


quora.com

このように、思いっきり日本への直接的な大気の流れのルートの途中で、「故意に気候が荒らされる」ということになりそうなのですね。

「荒らされる」という表現は適切ではないかもしれないですが、雨が降るというのは、晴天の逆であり、そういうように記しました。

ところで、最初のほうに、

> 気象コントロールによる降雨計画「天河」も、最終的には天宮1号のように激しく崩壊する

というようなことを書きましたけれど、その理由は、「現在、地球の大きな大気の流れのバターンが崩壊しつつあっるから」ということが中心です。

このような科学的な巨大プロジェクトの前提には、過去の気象データを含む膨大な数々のデータがあると思いますが、そんなデータも、数値として具体的なものが集まるのは、中国でもどこの国でもせいぜい数百年前くらいまでのものであって、今起きようとしている変化は、そういうものではない可能性があるからです。

特に、

「ジェット気流の変化、あるいは崩壊」

は、今後も頻発する可能性があるように思います。

ジェット気流の崩壊については、以下のふたつの過去記事などをご参照いただければ幸いです。

《特報》地球の気流が壊れた : ジェット気流が赤道を通過して北極から南極に進むという異常すぎる事態。このことにより、この先の気象と気温はこれまでに考えていた以上のカオスとなる可能性が極めて濃厚に

地球の気流の崩壊がまたしても… : ヨーロッパ上空のジェット気流の速度がカテゴリー5のハリケーン以上の時速300キロにまで加速していたことが判明

しかし、それでも、中国が、ひとつの国家ほどの面積を消費して、これほど巨大な水獲得プロジェクトを行わなければならないという事実そのものが、「驚異的な水不足」が、もはや遠いことではないことを示しているのかもしれません。

一昨年ですが、ウィキリークスが、「あと 25年で 30億人分の水が足りなくなる」という機密文書をリークしたことがあり、その原因は「世界的な過剰な肉食」にあるそうなのですけれど、報告書には以下のようにあります。

「もし、全世界の食肉消費量がこのレベル(圧倒的な肉食の現在のアメリカの食事のレベル)に移行していった場合、60億人分の人口分の水資源しかなくなる。今世紀半ばには人口が 90億人を超えると予測されている中、60億人以外は水を利用できない可能性がある」

ということで、特に、現時点で水不足をかかえているような国や地域は、今後 10〜20年くらいの間に、想像を絶する水不足に陥る可能性があるそうなのです。

これについては、以下の記事に記していますので、ご参照下れば幸いです。

あと25年で「30億人分の水が足りない」状況になることを報告したウィキリークスがリリースした機密文書 : 原因は世界中で進行し続ける過度な肉食

今後やってくる可能性のある世界的な水不足は、これまで人類が経験したことのないようなレベルになるかもしれません。

そういう意味では、確かに、中国は「来たるべき時」に備えて、このような巨大なプロジェクトを実行に移そうとしているわけですが、現在の地球の環境は、そのような人為的な気象介入を安々と許すようなものではないはずです。

結局はうまくいかないでしょうけれど、うまくいかないのはともかくとして、このプロジェクトによる「副作用」の巨大さが気になります。ただでさえ荒れている気象状況が、さらにムチャクチャになったりしなければいいのですけれど。





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