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人類の覚醒と真実 健康の真実

人間の体温は19世紀以来、一貫して「下がり続けている」ことが判明。ついでに「人間の体温を維持しているのは腸内細菌」であることも知る

投稿日:2020年1月9日 更新日:


sciencealert.com




 

初めて行われた「人の平均体温の200年間の推移」の調査

アメリカのスタンフォード大学の医学研究者たちが、1800年代のアメリカ人たちの健康記録と、その後のアメリカ人たちの健康データを比較して、過去と現在の「平均体温を比較する」という研究が行われたことが紹介されていました。

そして、全体で 50万人分におよぶ膨大なデータの比較の中で、

「 1800年代から現在まで、人々の標準体温は下がり続けている」

ことがわかったのでした。

19世紀からは、男性で 0.59℃低くなっていて、その時から現在に至るまで、10年ごとに 0.03℃ずつ体温が下がり続けていることがわかったのでした。これはアメリカ人のデータですが、おそらく、主要国ではどこでも同じことが起きていると思われます。

まずは記事をご紹介します。


Human Bodies Have Steadily Grown Colder Over The Past Century, Evidence Shows
sciencealert.com 2020/01/09

人間の体は数世紀にわたって着実に冷え続けていることを証拠が示した

この 1世紀以上、人間の体温の健康の目安は 37℃とされてきたが(※ 日本では 36.5℃)、この目安の体温は調整されるべきではないのかと疑われることがあったが、最近の新しい調査では、人間の体温に関して驚くべきことがわかった。

この 37℃という体温を基準としたのは、19世紀のドイツの医師カール・ブンダーリッヒ(1815年 - 1877年)だった。

しかし、米スタンフォード大学の医学研究者であるジュリー・パーソネット(Julie Parsonnet)博士は「現在の私たちの体温は、そのようなものとは言えない部分があります」と言う。

「今では、人間の平均体温が 37℃だということは間違いだとわかっています」

しかし、カール・ブンダーリッヒ博士が、19世紀に人々の平均体温が 37℃だと定めた際には、何万人もの人々から、文字通り何百万回もの体温の測定をおこなった。その結果から出された数値なのだ。それだけに、このブンダーリッヒ博士が定めた人間の体温の平均が 37℃だということが今でも基準となっている。

ただ、ブンダーリッヒ博士による体温の測定で使用された体温の測定装置が正しいものだったかどうかには疑問があった。何しろ、19世紀は、まだ体温の測定が始められたばかりの頃だったからだ。

そのこともあり、最近では、ブンダーリッヒ博士が定めた 37℃という標準体温に対して批判的な研究も出ており、それらは、「標準体温を下げるべきだ」と呼びかけている。

パーソネット博士と研究チームは、この 19世紀に定められた標準体温が現代と適合しない理由が、体温測定技術にあるのか、それとも、実際の人間の生理的変化を反映しているのかに興味を持った。

それを調べるために、研究チームは、アメリカ南北戦争(1861-1865年)後の約 2万4000人の北軍の退役軍人の医療記録を掘り下げ、今から 1世紀前のこの時期の人間の体温がどのようなものだったかを調査した。

そして、これらの 19世紀の体温の数値を、1970年代前半のアメリカ国民健康調査の約 1万5000件の記録と比較し、その後さらに、西暦 2000年代前半の米スタンフォード大学の臨床データの 15万件の記録と比較した。

合計で、チームは 50万を超える個別の体温測定の詳細を把握した。

その結果、年代の経過とともに明確で有意な差が見出された。

19世紀の終わりのアメリカ人たちの体温は今より少し高かったのだ。たとえば、西暦 2000年代に生まれた男性の体温の平均値は、1800年代前半に生まれた男性の平均より 0.59℃低かった。

そして、10年ごとに 0.03℃ずつ平均の体温が下がっていたことがわかったのだ。

この低下は、女性でも同様で、1890年代以降 0.32℃低下していた。

それぞれのグループの体温は、ほぼ同じ精度の体温計で測定されていたと仮定すると、南北戦争の退役軍人たちの記録は、その後の数十年にわたり、緩やかに体温が低下していく傾向を見せていた。

このような着実な体温の低下の傾向は、体温測定技術の精度によって現れた可能性は低いために、実際に私たちの体温は毎年下がり続けてきたと考えられる。

私たちの環境の何が体温を低下させ続けているのだろう。

パーソネット博士は以下のように言う。

「私たち人間の生活は、生理学的に過去とまったく異なります」

「室内の温度、微生物との接触の度合い、食物の種類など、私たちが生活している環境は大きく変わりました。これらすべてのことは、私たち人間は、進化においては単相型だったかもしれないですが、環境はそれを変える可能性があります。実際に、今回の研究が示すように、人間は生理学的に変化しています」

ブンダーリッヒ博士が19世紀に定めた標準体温は調整が必要かもしれないが、今回の研究は、それが当時の体温計測器機の問題ではなく、私たち人間の体温が下がり続けていることによるものだと多くの医師たちに知らせることになりそうだ。


ここまでです。

なお、この研究を主導したジュリー・パーソネット博士は女性医学者です。

パーソネット博士自身は、体温が下がり続けていることについて、それが悪いことだとは述べていないですが、まあしかし、最近は、「低体温が病気を作る」というようなことも言われる部分も多いです。

平熱が低いことが病気につながるのかどうかは、学説的に私には何ともいえないですが、ただ、たとえば、日本での平熱は 36.5℃とされていますが、この体温に届いている人は今ではかなり少ないのではないかという気はします。

私自身は、「体温は低いより高いほうがいい」とは思っています。というのも、個人的な話なんですが、私は子どもの頃から体が弱かったのですが、幼少から、ずっと体温が平均より低かったのです。

36.5℃など夢の世界でして、子どもの頃からある程度の大人になるまで、いつ測っても、36℃に届くことはなく、ひどい時には、

「 35℃」

なんてこともあったのです。

そういう子どもはどういうことになるかというと「病気だらけ」ですよ。

特に感染症に弱かったです。

風邪のようなものや、喉でも皮膚でもなんでも感染症にかかりまくっていた少年時代でした。それはずっと続きましたからね。

そのあたりは、以下の過去記事で記したことがあります。

人間にとって最も日常的で慈悲深い治療者は「風邪ウイルス」かもしれないこと。そして、薬漬け幼児だった私がその後の十数年経験した「免疫回復戦争」の地獄体験記
 In Deep 2015年04月21日

感染症にかかることが多いということは、「抗生物質を飲む機会が増える」という悪循環につながります。抗生物質が腸内細菌を殺すことは、ブログでも何度も書かせていただいています。

「子どもに抗生物質を使ってはいけない」 : デンマークで行われた世界最大規模の調査により、幼少時の抗生物質の使用は若年時の精神疾患と強く関係することが明確に (In Deep 2019年2月28日)

後に、お医者様に「低体温は良くない」という人々がわりと多くいらっしゃることを知り、初めて、

「あー、やっぱり低体温ダメなのね」

と思いましたが、しかし同時に、最近では、腸内細菌環境に興味を持ち続けていることから、「自分の免疫が弱かったのは、幼少時に腸内細菌環境が薬で破壊されたからかな」とも思ったりしていて、何が自分の体が弱かった主要な原因かわからなかったのですが、先ほどの記事を書いている時に、ふと、

「そもそも人間の体温って、何がコントロールしてる?」

と思いました。

それはある意味では、「自律神経」なんですけれど、そう思うと、ふいに、「自律神経を支配してるのって腸内細菌じゃなかったっけ」というように思ったのです。

「ま・さ・か」

と、過去の医学記事や医学論文を調べてみましたら、以下のような中国アカデミーの研究を見つけたのです。

「人間の体温をコントロールしているのは腸内細菌である可能性」を示したものです。

 


Gut microbiota helps maintain body temperature in cold condition: study
xinhuanet.com 2019/03/07

腸内細菌叢は寒い中で体温を維持する役割を持つことが研究で判明

近の研究で、腸内微生物叢は、低い気温の条件下において動物の体温を調節する上で重要な役割を果たしていることがわかった。

腸内微生物叢は、人間と動物の生理学と健康にさまざまな影響を及ぼすことがわかっているが、中国科学アカデミーの遺伝学および発生生物学研究所の研究者たちは、体温調節における動物の役割、すなわち動物が寒冷暴露に反応する方法(寒さの中での体の反応)の研究に焦点を合わせている。

動物は、褐色脂肪組織として知られる特殊な組織からの熱産生を活性化することにより、体温を維持している。

褐色脂肪組織の活性化における腸内細菌叢の機能を評価するために、研究者たちはマウスで実験を行い、マウスの腸内細菌叢を根絶するために異なる抗生物質処方を使用した。

研究者たちは、腸内細菌叢がなくなったマウスたちは、体温調節の機能に障害を起こしていることを発見した。彼らはまた、腸内微生物叢が抗生物質によって破壊されたマウスの場合、腸内細菌を補充することで、熱産生能力が部分的に回復することを発見した。

実験はマウスで行われたが、この結果は人間の健康研究に重要な意味を持つと研究者たちは言う。

高齢者の多くは、寒い環境での体温調節に多くの問題を抱えていることが多い。

加齢に伴う人間のマイクロバイオーム(腸内細菌環境)の変化が高齢者の体温調節機能の問題と関係しているかどうか、また、体内のマイクロバイオームを調整することで高齢者が寒冷暴露に対処しやすくなるかどうかを調べるには、さらなる研究を行う必要がある。


 

ここまでです。

この研究は、「寒い中で体温を調節して、対応できているのは腸内細菌のおかげ」だということを示すものです。

ということは、おそらく、ほぼ確実に「体温調整全般を腸内細菌がコントロールしている」ということであるはずです。

寒い中でも暑い中でも、人間が気温に対応して生きていられる理由が腸内細菌にある可能性があるということなのですね。

確かに、人それぞれの身体や精神の丈夫さと「気温に対しての強さ」は、ある程度比例しているような気もします。身体や精神の丈夫さが腸内環境で作られるとすれば、これは納得できることです。

冷え性なんかも腸内環境が関係しているかもしれないですね。

そういえば、幼少から二十代くらいまでの私はひどい冷え性で、足先など氷のようになっていたことが多かったです。冷え性や寒がりは年齢と共に良くなりましたけれど。

そんなわけで、私が体温が低かった原因は、腸内細菌環境にあったのかもしれないと気づいたりもできました。

 

なお、「体温が高いほうが良い」としても、通常の平熱を上げることは容易なことではないことを私は知っています。

よく本やインターネット上などで、「こうすれば体温は上がる」みたいなものを目にすることがありますが、それをおこなった場合、確かにその時だけは上がるかもしれないですが、お風呂にしても「一生お風呂にはいってはいられない」とか、食べ物や飲み物にしてもそうです。

少なくとも、常日頃の平熱はそう簡単には上がりません。

しかし「今、私の平熱は」というと、今は、36.5℃に近いのですね。

今の私は、ふだんは自分に関する「数値」というものを測らないようにしています。体重と血圧とかは、何年も測っていないです。

体温もふだんは測らないのですが、体温に関しては、たまに測るような状況の時がありまして、わりと普通の体温が多いです。 36.7℃というときもありました。

いつのまにか、体温が上がっていた理由はよくわからないのですが、ただ、先ほど書きました「腸内細菌」との関係があるのだとすれば、またもご紹介しますが、以下のような記事で書きました「酪酸菌」が関係している可能性もないではないかもしれないなとは少し思います。

腸内細菌環境が老化プロセスを変化させること、そして 「酪酸菌」が身体の若返りの要因となることが国際研究により突き止められる (In Deep 2019年11月16日)

少なくとも、私自身は効果があると思っている(思い込んでいるだけかもしれないですが)酪酸菌のサプリを、私は 1年以上飲んでいます。

下の製品です。

もちろん、酪酸菌を飲めば体温が上がるなどとは決して言えないわけで、「どうしたら体温が上がるか」というのは、いろいろな専門家の方々の方法論を参考にして下さったほうがいいとは思います。

ただ、自分自身の経験では、「生活習慣を変えるだけで体温を上げるのは難しい」ということがあったことは事実です。瞬間的な体温ではなく、恒常的に上げるには、もっと根本的なものが必要だと実感していました。

もちろん「体温は低いほうがいい」という医学者の方々もいらっしゃるわけで、体温に関して、どちらが良いということは言わないですが、私自身が、幼少時から特別に体温が低く、そして、特別に免疫力が弱かった経験がありますので、自分としては体温を上げる方向でいきたかったということです。

それにしても、19世紀から一貫して人々の体温が下がり続けているということは、これからも下がり続けるのでしょうかね。

現在の生活には腸内細菌環境を破壊する要因がたくさんありますから、やはり人間の体温は下がり続けていくのかもしれないと思わざるを得ない部分はあります。

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