ブログ記事の引用・転載はすべて自由です。その際、ページのリンクを示していただけると嬉しいです。以下でキーワード記事検索ができます。

10月11日にメルマガ悪魔の精神操作。ついでに、77年前の米軍によるハリケーン操作実験も思い出すを発行させていただきました。

人類の未来 人類の覚醒と真実 健康の真実

「子どもに抗生物質を使ってはいけない」 : デンマークで行われた世界最大規模の調査により、幼少時の抗生物質の使用は若年時の精神疾患と強く関係することが明確に

投稿日:2019年2月28日 更新日:

2019年2月22日の米メディア「カンバセーション」より


How childhood infections and antibiotics may increase risks of mental illness




 

世界中でパニック障害やうつ病が急増した原因のひとつが「幼少時の抗生物質」かもしれない

ここ1年くらいは、腸内細菌のことについて書くことがわりと多いのですが、腸内環境と、アレルギーなどを含めた身体的な影響については、かなり明らかになってきていますけれど、その後は、

「腸内環境とメンタルヘルスの関係」

が、ますます明らかになってきています。

最近も、以下の記事で、

「統合失調症の患者たちの腸内細菌の構成は、そうでない人たちと違う」

ことが、中国とアメリカの機関の共同研究で判明したことをご紹介いたしました。

ピロリ菌の除菌は、結局「胃ガンの発症リスクを増加」させていることに気づき、そこから「統合失調症の原因は腸内細菌の変化」だという医学研究を思いだすまで
In Deep 2019/02/18

あるいは、昨年の以下の記事では、

「自閉症の子どもが生まれる決定的な要因が、母親の腸内環境の問題であること」

が、米バージニア大学の研究で判明したことを取りあげさせていただきました。

自閉症の子どもが生まれる決定的な要因が米バージニア大学の研究者により特定される。それは「母親の腸内細菌環境」。その予防法も初期段階ながら提起される
In Deep 2018/07/30

このように、腸内環境とメンタルの状態は、非常に密接な関係を持つということがわかり初めているのですが、今回ご紹介することは、デンマークでおこなわれた 100万人規模の極めて大規模な追跡調査によって、

小児期に抗生物質を使用した子どもたちは、17歳までに精神疾患となるリスクがとても高くなる

ということがわかったということが記されている冒頭のアメリカの記事です。

その記事には、最近の他の腸内細菌とうつ病に関しての研究などのことも記されていまして、そのあたりも、特に個人的に興味がある部分があったのですが、まずはその記事をご紹介したいと思います。

ここからです。


How childhood infections and antibiotics may increase risks of mental illness
The Conversation 2019/02/22

小児期の感染症と抗生物質の使用がいかに精神病のリスクを高めるか

医学誌「JAMA サイカイアトゥリィ (JAMA Psychiatry / 精神医学)」に掲載された、17歳までのデンマークの若者たちのデータを調査した最近の研究によると、若年時の感染症による入院は、精神疾患のリスクを高める可能性がある。

さらに、小児期の抗生物質の使用は、その若者たちが精神疾患となるリスクがさらに高まることと関連していることが見出された。これは、抗生物質が腸内微生物叢のバクテリアに影響を与えていることと関係している。

この研究は、感染症、腸内微生物叢(以下、腸内マイクロバイオーム)、精神疾患との機能的相互作用に関する新たな理論を裏付けるものであり、これは、デンマークの医療論文記録である「精神医学中央調査記録 2018年後半」にある 50近くの論文の 1つとなる

この研究では、初めて 100万人を超える人々の臨床データを追跡している。

この研究は、入院あるいは外来患者として、17歳までに精神疾患の治療を受けた 1995年以降のデンマーク人の若者に関するデータを調査した。処方箋や家族歴を含む、精神的健康状態のあらゆる尺度が、個人ごとに記録された。

膨大な量にとなるこの記録調査は、それぞれの生活史と精神的健康状態の間の関連について的を絞った疑問に答えることのできる、世界でも前例のないデータを世界中の研究者たちに提供するものとなる。

 

抗生物質。そして自閉症とうつ病

腸内に広がる非常に多様な細菌群集である腸内のマイクロバイオームは、脳に信号を送り、気分を調節していることが、これまで示されているが、今回の研究では、腸内マイクロバイオームは、精神疾患に対する感受性を調節することが示唆されている。

動物モデルでの研究では、腸内のマイクロバイオームとうつ病の関連をすでに記録している。その研究グループは、抗生物質で処理されたマウスは腸内のマイクロバイオームの多様性に変化を示し、その後の記憶試験で、記憶がより悪くなったことを示した。

広域抗生物質を使用して腸内細菌を枯渇させた動物は、自閉症スペクトラム、アルツハイマー病などの神経変性疾患、そして、うつ病など、さまざまな精神疾患の変化を示した。

別の注目すべき研究では、うつ病を患っているヒトの患者の糞便試料を、ラットに移植した後、そのラットはうつ病の症状に陥った。他の研究では、不安障害のある患者からの糞便を移植されたラットは、不安障害の症状を呈した。

これらの研究はマイクロバイオームと精神的健康状態との間の関連を指摘しているが、この関連の物質や、あるいは分子的根拠は未知のままだ。

 

うつ病の治療のための腸内細菌?

マイクロバイオームと人間の脳との関連性を定義することを目的とした有望な研究分野は、腸内の細菌によって生産または消費される神経活性化合物の特定に焦点を当てている。

2018年12月に科学誌ネイチャー・マイクロバイオロジー(Nature Microbiology)に発表された研究では、米ノースイースタン大学のフィリップ・ストランドウィッツ(Philip Strandwitz)博士と研究チームが、 KLE1738 という名称の珍しいタイプの腸内細菌を研究した。

この KLE1738 という稀少なバクテリアは、GABA (ギャバ)として知られている γ-アミノ酪酸を食べる。そして、異なる種類のバクテリアである「バクテロイデス (Bacteroides)」という細菌は GABA を産生し、それらを供給することによって KLE1738バクテリア を生存させていることがわかった。

これらの調査結果は、腸内でどのように異なる種類の細菌が作用するかを強く示している。

GABA は中枢神経系を正常な機能に保つために必要な神経活性化合物であるため、これは私たちにとって重要なことだ。

たとえば、大うつ病性障害は GABA のレベルの低下と関連していることがわかっている。

ストランドウィッツ博士は、より多くの GABA を産生するバクテリアを含む腸内のマイクロバイオームを持つ人は、より幸福な感情の宿主であると仮定し、その上でおこなわれた 23人のうつ病患者を対象とした小規模の予備試験では、GABA 産生菌である糞便中のバクテロイデス のレベルが高い方が、比較的軽度のうつ病であることがわかった。

この結果は決定的なものとはいえないが、この傾向はうつ病の重症度を改善する上で腸内細菌が果たす役割の可能性を支持している。

 

腸と精神的健康との関連

この小規模な予備試験は、患者数が少なく、対象が摂取した薬物療法について試験が管理されていなかったため、曖昧であることは事実だ。

たとえば、これらの患者のかなりの数が様々な種類の抗うつ剤を服用していたが、薬の服用の度合いの違いは、結果に影響を与えたはずだ。

薬物使用に加えて、年齢、性別および遺伝的背景のような各患者の他の特徴は、腸と脳との間に生じる対話に影響を与えると予想される。

しかし、今回、デンマークでおこなわれた大規模な精神科の調査記録は、今後すべてを変えていくことになるだろう。

精神疾患のために病院を訪れる百万人という若い人々のすべての臨床的側面を文書化し、それぞれの臨床的変量を分離して研究する機会を提供するものだ。

年齢、性別、精神疾患の種類、薬歴または特定の遺伝的変異などに基づいて分類されている、意味のある比較を可能にするのに十分な数の患者の記録が存在する。

デンマークのこの調査の膨大な量は、腸内環境と精神的健康との関連性をこれまで以上に明確にするためにより多くをなし得ることができるだろう。

このデンマークの調査記録は、腸内細菌の相互作用や精神疾患の患者の遺伝的変異を研究するような他の大規模な取り組みと結びついたときには、さらに明らかになるかもしれない。そして、最終的に患者ケアの改善につながる可能性がある説得力のある結果を生み出す可能性がある。


 

ここまでです。

この中で、個人的な興味を持った部分は以下のくだりでした。

この KLE1738 という稀少なバクテリアは、GABA (ギャバ)として知られているγ-アミノ酪酸を食べる。

そして、異なる種類のバクテリアである「バクテロイデス」という細菌は GABA を産生し、それらを供給することによって KLE1738バクテリア を生存させていることがわかった。

GABA (ギャバ)を食べる細菌のために、他の細菌が GABA を産生して「食べさせてやっている」という連携に驚きますが、この GABA というものは、多くのメンタル疾患の人たちと関係しているのです。

GABA というのは神経伝達物質のことで、興奮した神経を落ち着かせたり、ストレスをやわらげたりする作用を持っていまして、精神系の疾患に広く使われているベンゾジアゼピン系の薬は、この GABA を強引に活性化させるというようなものです。

実際にベンゾジアゼピン系の薬は高い効果があるわけで、強力な依存性は問題ですけれど、確かに不安症やパニック障害にはよく効くものでもあります。

それで、普通の人……という言い方は変ですが、メンタル的な疾患を持っていない方々は、この GABA が、通常に作り出されている。

そのためにメンタル的な疾患になりにくい。

その一方で、メンタル的な疾患になる人は、この GABA の産生がうまくいかなくなっていることがわかっています。

たとえば、私は長くワニワニパニック障害でしたが(要らない部分がある)……ああそうだ、長くワニワニ障害でしたが(そっちじゃない)…ああ、パニック障害でしたが、その原因は、かつてはよくわからなかったのですよね。

私の場合、実際には原因は、いわゆる PTSD (心的外傷後ストレス障害)なんですけれど、PTSD もまた誰でもなるものではない。

事故に遭った人の中に PTSD になる人もいますが、ならない人のほうが多い。

性被害を受けた女性で、PTSD になる人も多いですが、ならない人もたくさんいます。

あるいは、うつ病などでも、同じような環境や、苦しみやストレスの中で、うつ病になる人もいれば、ならない人もいる。

これまでの精神医学では、こういうことの理由がわかりませんでした。

あるいは、自死の問題もそうです。同じような厳しい環境に生きて、一方に「精神的に耐えることができず」に自死する人たちがいて、しない人がいる。

これまではこういう「人の差」については、性格的なこととか社会的な様々なことなどを原因と考えてきた部分があるのですけれど、そういうものの「差」のひとつに、この GABA がどれくらい正常に脳内で作られているかということがあることが現実としてあります

そして、最近わかったことは、今挙げましたような「差」を作っているのは、この GABA の産生力の差であり、そして、今回ご紹介した記事でわかるのは、

 

「その差を作りだしているのは腸内の環境の差」

 

だということです。

 

特に、これまでご紹介したことや、今回のものを含めて、

「幼少時に服用した抗生物質」

が、場合によっては、その人の一生にかなり大きな影響を与える可能性があると言わざるを得ません。

 

私自身に関していえば、ちっちゃな頃から悪ガキで、15で不良と呼ばれたよ。

ではなく、ちっちゃな頃から体が弱く、正直じいさんを筆頭に……ああ違った、小児ぜんそくを筆頭に、さまざまな病気を持っていた幼児で、基本的に免疫が弱かったと思われ、熱を出す疾患や、感染症にも多くかかっていました。

ですので、おそらく抗生物質や、それに準じる薬を幼少期にかなり飲んでいたのではないかと思われます。

そういう状況の中で、幼児期までには、すでに私の腸内環境は、相当崩壊していたのだと今になって、やっと理解しました。

もちろん、お医者様は、当時の医療の見識の中で、私を助けようと一生懸命にしてくれたことなのですから、それに対して文句などなく、感謝するばかりです。

 

そしてその後は、今にいたるまで、頭がラリホーラリホーラリルレロのままであるだけではなく、メンタル的なさまざまな疾患を抱え続けてきたのも、そのせいだったんだな、と 20歳になって初めて知りました(ここで年齢を偽ってどうする)。

中学の頃からタチの悪いダジャレを言っていたのも腸内環境の崩壊のせいかもしれません。あまり女性にモテなかったのも腸内環境の崩壊のせいかもしれません。

そうだ、こうやって都合の悪いことは全部、腸内環境の崩壊のせいにして、あとは楽に生きよう…………というような、ご都合主義の人間になってしまったのも、腸内環境の崩壊のせいかもしれません(もう適当やな)。

 

・・・というように、腸内環境の崩壊のせいで、またひとつ楽な生き方の指針を得ることができまして、まことに世の中というのはありがたいものだと、抗生物質に感謝しつつ、この記事を締めたいと思います・・・としたいのですが・・・。

 

ただ、非常に真面目に書かせていただきますと、すでに大人である方々はともかくとして、小さなお子様がご自分にいらっしゃったり、周囲にいらっしゃるのなら、

抗生物質の投与にだけは、最大限気をつける

ことはご記憶いただきたいと思います。

 

抗生物質を使うなと書いているのではないです。

 

子どもたちの命に関わるような病気や症状の場合で、抗生物質で助かるのなら、迷わず使うべきです。

しかし、鼻や耳の軽い病気や、歯の治療の関係や、あるいは、それこそ「風邪で抗生物質を処方された」とか、そういう場合は、なるべくなら避けたほうがいいです。

特に小さな子どもでは、少量の抗生物質の摂取が、場合によっては腸内環境を取り返しのつかない状態にしてしまう可能性もあるからです。

 

そして、現代社会で、子どもの精神疾患も、大人の精神疾患も、共に異常な増え方をしている理由がわかってきました。そのことが始まった時期は、医療において、抗生物質の濫用が始まった頃とリンクしています。

他の社会的な理由をすべて上回って、この世に精神疾患の人たちを数多く排出したのは、抗生物質だったと断言していいと思います。

それについての、具体的なデータは、また機会がありましたら、軽快なダジャレと共にご紹介したいと思っています。





  • この記事を書いた人

Oka In Deep

世界で起き続ける様々なことをお伝えさせていただいています。

-人類の未来, 人類の覚醒と真実, 健康の真実
-, , , , , ,

Copyright© In Deep , 2024 All Rights Reserved.