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2020年からの世界 人類の未来

地球全体に広がる「永久に分解されない」フッ素化合物がアメリカで法規制されることに。しかし、これを環境から完全に除外するテクノロジーは未だに存在しない

投稿日:2020年1月19日 更新日:


WIRED




 

地球環境全体に拡大している「毒」は永久に分解されない

フッ素とその化合物については、過去にも何度か取り上げたことがあります。

今では、このフッ素化合物は、さまざまな家庭用のインテリアから台所用品から歯磨き粉まで広く使われているものなので、アメリカなどでは水道の飲料水にも添加されていることについてなどは知っていましたが、数日前の米 WIRED の記事を見まして、

「こんなに大変なことになっているのか…」

というような事態を初めて知りました。

これは、とりあえずその記事をお読みいただいたほうがいいと思いますので、まずはご紹介します。記事の中では「 PFAS 」という単語が使われていますが、これは、フッ素化合物の総称です。現時点で 4700種類もの化学的に作られたフッ素化合物が存在するのだそうです。

ここからです。


Scientists Fight Back Against Toxic ‘Forever’ Chemicals
WIRED 2020/01/15

科学者たちは有毒な「永遠に消えない」化学物質に立ち向かっている

PFASとして知られるフッ素化合物はほとんど分解されない。しかし、科学者たちはこの超強力なフッ素結合を分解しようと研究を続けている。

かつてアメリカの創意工夫の象徴であった PFAS は当初、汚れに耐え、水をはじき、恐ろしい油性の火を消し、肉や卵がフライパンにくっつかないようにする、便利で不思議な化学物質と考えられていた。

しかし今日、私たちはこのようなフッ素化合物を「死なないゾンビ的な化学物質」として認識するようになっている。

化学者たちは、炭素を化学鎖のフッ素に結合することにより、これまでに発見された同様の結合の中で最も強力な結合の 1つを作り出し、このようなフッ素化合物を数多く作成した。現在までに作られたフッ素化合物の種類は 4700に及ぶ。

このフッ素化合物が、地球全体の環境に広がっていることがわかっており、今では、ホッキョクギツネやホッキョクグマの血中からさえ、このフッ素化合物が発見されているのだ。

公衆衛生研究では、アメリカ人の約 95パーセントの血液中に PFAS が見つかっている。フッ素化合物の低レベルの曝露による健康への影響はそれほど明確にはなっていないが、この化学物質は、肝臓、甲状腺、免疫効果の低下、ガン、赤ちゃんの低体重での出生と関連していることがわかっている。

飲料水と環境から PFAS を除去するには、数十億ドル(数千億円)の費用がかかるが、費用以上に現在以上のテクノロジーが必要となる。

アメリカ国防総省が、自らの基地から PFAS を浄化するために 20億ドル(2000億円)以上を費やす用意をしているにもかかわらず、その方法は難しいようだ。

2020年1月17日、米国下院は PFAS 行動法を可決した。これにより、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)は 2つの PFAS ( PFOA と PFOS )の飲料水への添加の制限を設定し、同時に、 PFAS 化学物質を有害物質として指定する必要がある。

ただ、その先への道のりは不確実だ。仮に、上院が法案を可決したとしても、トランプ政権はその規定を「問題があり不合理」と呼び、拒否権をちらつかせている。

しかし、楽観的な事実もある。

いくつかの新しいテクノロジーは、これらの超強力な炭素フッ素結合の破壊(結合の分解)に有望であることが示され始めている。つまり、「永久」の化学物質として知られるこのフッ素化合物は、少なくとも、一部の地下水からは除去できる。

最も有望なアプローチは、落雷のように見える電気反応を伴う。

フッ素で汚染された水はプラズマ反応器を通過し、そこでアルゴンガスが PFAS 化合物を表面に押し出す。表面の上下の電極は、 PFAS と相互作用して炭素 - フッ素結合を切断するプラズマを生成する。プラズマとは、正イオンと自由電子で構成される反応性の高いガスだ。

現在、化学者たちは、化合物をある段階から別の段階に移行するだけでなく、完全に破壊することを目指している。

米ニューヨーク・クラークソン大学の環境エンジニアであるミシェル・クリミ氏は、現在、超音波を使用して水中に空洞(基本的には穴)を作成しすることによる破壊テクノロジーを作成している。

それらが崩壊すると、PFAS チェーンをばらばらにする物理的および化学的反応を引き起こす。他の研究者たちも、電気化学的手法に取り組んでおり、PFAS を代謝する可能性のある土壌細菌にも取り組んでいる。

PFAS を完全に分解できるテクノロジーが生まれれば、それは環境上の偉業といえるだろう。

フッ素化合物を除去して環境を修復する典型的な手法には、水をろ過することが含まれる。これにより、PFAS 残留物が安全にそして永久に除去される。しかし、水をろ過する方法では、水からはフッ素化合物が除去されても、土壌からはフッ素化合物を除去できない。

クリミ氏は、「今や PFAS 化合物は、環境のどこにでもあります」と言う。

「水滴、砂粒、大気のすべてにこの化合物は含まれていますが、その地球環境すべてから、フッ素化合物の分子をすべて除去できるかというと、それは現実的な響きには聞こえないことも事実です」

このフッ素化合物は、まさにどこにでもあり、たとえば、カーペットや室内装飾品に耐汚染性を追加するためにこの化合物が長い間使用されてきたこともあり、子どもの寝室の床の塵やほこりにも PFAS は確実に含まれている。

インテリア小売りチェーンのザ・ホーム・デポは、2019年9月に、PFAS を含むカーペットとラグを段階的に廃止すると発表した。アメリカのいくつかの州では、消防用 PFAS フォームの使用を実際の緊急事態に制限する法律を可決し、訓練演習での使用を禁止した。

一方で、航空機からペースメーカーまであらゆるものに耐久性のあるとされる、このフッ素化合物は、今では 4700を超えるさまざまな PFAS 化学物質が作成され、さらに多くが開発中であるのが現実だ。

現代社会では、家庭、オフィス、そして場合によっては食品からのフッ素化合物への曝露はいたる所で見られる。それは低容量の曝露ではあるとはいえ、この化学物質が「永遠」である限り、私たち全員にとって問題のままだ。

 


 

ここまでです。

アメリカで、このフッ素化合物に関しての使用の制限などが法律で定められることになったようなのですが、しかし、記事を読んでわかるのは、

「すでに環境中にあるフッ素化合物を完全に除去するのは不可能に近い」

ということです。

いったん、河川などに入れば、それはあらゆる土壌へと入りこみ、海へと入りこみ、そこから雨や大気中に含まれるようになり、時間の経過と共に「地球全体に広がる」ことになるものと思われます。これについては、他のさまざまな有毒な物質(抗生物質など)についても同じであることは、以下の記事等で取り上げたことがあります。

地球の水は人間の薬により、もはや死につつある。そして、この大洪水の時代に次は大地が浸食され、完全絶滅への道程はさらに進行するはずで
投稿日:2019年5月16日

今では、世界中のどこにでもこの化合物は広がっていて、そして、私たちの日常にも、どこにでもフッ素化合物を使った製品があり、粒子となったものも含めて、今では「環境全体に常にある」という形となっていると思われます。

おそらく多くの私たちの体内にも、すでにこのフッ素化合物が入りこんでいるわけで、「肺や血液などに入りこんだ場合、永久に体内から消えない可能性がある」ということになりそうです。

たとえば、2019年10月のナショナルジオグラフィックの「ファストフードで体内に「永遠の化学物質」の危険」という記事には、以下のような記述があります。

ファストフードを食べた人と手作りの料理を食べた人の血中PFAS(フッ素化合物)濃度について調べた新たな論文が発表された。

2003年~2014年に1万人以上から採取した血液サンプル中のPFASを調べたところ、約70%の血液から広く使われている5種類のPFASが検出されたという。

私たち日本人も、かなりの割合でフッ素化合物が体内の血液中に入りこんでいると考えられます。

そもそも「販売されているほとんどの歯磨き粉にフッ素が入っている」という現実もあります。フッ素が添加されていないものを探すほうが大変なのです。

ちなみに、アメリカでは昨年、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)などが、「アメリカでは、4人に 1人(25.1%)が中度以上の歯フッ素症」であるとして、フッ素入り歯磨き剤の使用に注意喚起をしています(Link)。

フッ素の人体への影響は、発ガンや甲状腺疾患、ホルモンの変化、体重増加などがあるとされていますが、過去記事で問題としたことは、

「脳と神経への影響」

です。

以下の記事では、カナダの大学の研究で、「フッ素化合物は、妊娠中の赤ちゃんに悪影響を及ぼす」とした論文をご紹介したものです。

赤ちゃんの IQ が大幅に低下することがわかったのだそうです。

妊娠中の女性の「フッ素の摂取」は、お腹の赤ちゃんの「大幅な知能指数の低下」と関係することがカナダの大学の研究で判明
投稿日:2019年8月20日

また、以下の記事も妊娠中のフッ素化合物の摂取についてですが、妊婦さんのフッ素化合物の摂取と「注意欠陥・多動性障害の赤ちゃんが生まれるリスク」に大きな関係性があることがわかったというものです。

妊娠中の女性の体内のフッ素濃度と、生まれる子どものADHD (注意欠陥・多動性障害)のリスクの関係が明らかに
投稿日:2018年10月16日

他に、学術論文として存在するフッ素と人体の関係については、以下のようなものがあります。

フッ素化合物の人体への影響が示された過去の論文

・フッ化物は脳の松果体の石灰化を引き起こす(論文

・フッ化物は関節炎を引き起こす要因となる(論文

・フッ化物は腎臓病を引き起こす要因となる(論文

・フッ化物は IQ を低下させ、脳の損傷を引き起こす(論文

・フッ化物は男性と女性両方の生殖能力を弱める(論文

・フッ化物は骨格の健康を弱める(骨格フッ素症)(論文

・フッ化物は心血管炎症およびアテローム性動脈硬化症を引き起こす(論文

・フッ化物は鉛の吸収を増加させる(論文

こういうもの見てみましても、いろいろと影響はありそうなのですけれど、現実問題としては、現在の日常生活で、フッ素化合物と関わらずに生きることは、ほぼ不可能でもあります。食品の包装などに使われるものなどを含めて、フッ素化合物は、ありとあらゆる日常品に使われています。

記事にありましたように、今の地球は、水にも空気にも土壌にもどこにでもフッ素化合物が拡大しているようで、生活しているだけで必ずフッ化物と接することになっている日常となっていると言えると思われます。

しかも今のところ、部分的に除去する技術は作られつつあっても、環境全体からフッ素化合物を除去する方法は存在せず、また近い将来にそれが考えられるとも思いにくい部分はあります。

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