地球の磁場に生じた亀裂を解説するNASAのウェブページ
・NASA
今回の本題は、現在、「地球の磁場フィールドに亀裂が生じて」それにより異例ともいえる強い磁気嵐に見舞われているということに関してですが、その前に、昨日「関東で起きていたこと」をご紹介したいと思います。
信じられないような光景が見慣れた町の上空に
昨日(8月26日)、夕方の 6時前頃に近所のスーパーで買い物をした後に信号待ちをしていた時、やや後方に何か妙な気配を感じ、そちらを見ますと、スーパーの建物ごしの上空に、個人的には見たことのないような形の巨大で、しかも赤い雲が「そびえ立つように」そこにありました。
私自身は、スマートフォンを持たないこともあって、外で写真を撮影するということがないので、それを見ながら、ただ圧倒されて帰宅したのですが、家に帰り、
「あれほどの雲なら、誰かが撮影して SNS などにアップしているのでは」
と思い、少し SNS を見ていましたら、私の住む所沢民族自治区だけではなく、実に関東の非常に広い範囲で「驚くべき雲」が出現していたのでした。
その中で、方向が違うので、私の見たものとは違うものだと思いますが、下の写真の雲は、私の見たもとの似ていました。
東京スカイツリー(東京都墨田区)から撮影されたものです。
8月26日 東京スカイツリーから撮影された雲と落雷
私の見たものはもっと赤かったですが、イメージとして、こういうようなものが、ありきたりのスーパーの後ろにそびえ立っていると結構驚くものです。
そしてですね……。
昨日 8月26日は、関東の非常に広い範囲で、さらに印象的な形状の雲が「出現しまくっていた」ようなのです。今回は最初にそれらの様子を少しご紹介したいと思います。
範囲が関東の相当広い範囲に広がっていますので、基本的にそれぞれ違う場所の雲だと思われます。
つまり、8月26日の夕刻時の関東は「いっせいにいろいろなところにこんな雲が出た」という珍しい日ということになりそうです。
下は投稿されていたもののうちのほんの一部ですが、ご紹介します。
2018年8月26日の関東の空を一斉にあやどったさまざまな雲
8月26日 東京四谷で撮影されたキノコ雲
8月26日 群馬県伊勢崎市で撮影された動物のようにも見える雲
8月26日 千葉県野田市で撮影された雲
8月26日 東京近郊の雲と落雷
8月26日 栃木県で撮影された雲
8月26日 群馬県館林市に出現した雲と落雷
8月26日 東京都小平市に出現した雲と落雷
このあたりまでとさせていただきますが、これが関東の各地に、大体時間も同じような頃に一斉に出ていたというのは、なかなかすごくないですか?
なお、正確な撮影場所が書かれていないのですが、昨日は日本のどこかに下のような不思議な雲も出ていたようです。
8月26日 場所不明の日本のどこかの空
私は「自然現象からの示唆」というものを少し大事にしているのですけれど、昨日のこの関東全域などで起きていたと考えられる現象からも感銘を受けました。
いろいろ考えた挙げ句に、「じきに関東は滅亡しちゃうのかなあ」と感激しながら(なぜ感激する)、しみじみとこれらの光景の写真を眺めていました。
海外の現象に関しては、こういう激しい雲などを In Deep や、アース・カタストロフ・レビューなどでもご紹介させていただくことはあるのですが、日本で、しかもこんなに「一斉に」というのは、ちょっと驚きました。
それだけ大気の状態が荒れているということでもあるのでしょうけれども、しかし、この夏は大気の状態がわりとずっと荒れていたわけで、それでも、このように激しい雲が一斉に出ることはなかったですので、やはり、関東の運命もあと2、3日というように考えた方が……(だから、やめろって)。
まあ、それは冗談ですが、「理由は何だったのだろうな」というようには思います。
ちなみに、
「雲は宇宙線によって作られる」
ということを前提にして考えますと、何かこう、いろいろと想像力も膨らむ部分もあります。
雲と宇宙線についてはこれまでずいぶんと書いてきましたけれど、最近の記事には以下のようなものがあります。
スベンマルク博士の異常な愛情が今ここに結実 :「雲の生成は宇宙線によるもの」という説が25年にわたる観測の末に「結論」づけられる。そして、太陽活動が長期の地球の気温のコントロールに関与していることも
投稿日:2016年8月29日
そして、この雲たちとは関係がないことだとは思いますが、今、地球は、
「異例ともいえる磁気嵐の直撃を受けている」
のです。
その地磁気が最大値に達した頃、関東に異様な雲たちが多数出現していたということには、もちろん相関関係はないでしょうが、興味深くはありました。
現在の磁気嵐について、短くご紹介します。
太陽活動が弱い期間に異例の磁気嵐が出現した理由は「地球の磁場フィールドに亀裂が生じた」ため
冒頭に載せました NASA の「地球の磁場フィールドに亀裂が生じた」という記事は、2003年12月3日のもので、今から 15年前の記事なのですが、なぜそれを冒頭に示したかといいますと、今日のスペースウェザーの磁気嵐に関する報道で、このページが直接リンクされていたからです。
つまり、2003年に NASA が「地球の磁場フィールドに亀裂が生じた」と説明していたことと同じことが今起きているということになりそうです。
もう少し説明させていただきますと、これは、
地球を太陽の磁気から守っている磁場フィールドに亀裂が生じたため、そこから大量の磁気嵐が地球に侵入している状態
ということのようです。
スペースウェザーの記事をご紹介しておきます。
驚くべき磁気嵐
8月26日、地球の磁場に亀裂が生じた。そのため地球は、太陽風による G3クラスの強い地磁気嵐に襲われた。下の写真は、カナダの写真家ジョン・マッキノン氏がカナダ・アルバータ州のフォーマイル湖で撮影したオーロラの写真だ。
磁気嵐のピーク時には、オーロラはカナダの国境を越え、米国のニューヨーク州、モンタナ州、ミシガン州、インディアナ州でさえもオーロラが観測された。
なお、NOAA (アメリカ海洋大気庁)の宇宙天気予報官は、今回のこの磁気嵐を予測することができなかった。
磁気嵐の 24時間前に小さな CME (コロナ質量放出)が発生したが、その程度の磁気の流れは、通常なら地球の磁場フィールドに接触して、それ以上は侵入できないのだが、強力な南向きの磁場が地球の磁気圏に亀裂を生じさせたのだ。
そして、驚くべき地磁気の嵐の発生につながった。
G3クラスのピークは過ぎたが、磁気嵐は終わっていない。 G1 と G2 クラスの磁気嵐は依然継続している。
このような感じで、太陽活動の弱い今のような時には、通常なら地球を直撃することがない G3クラスの磁気嵐に見舞われたようです。
磁気嵐のレベルは、G1から G5まで分類されていて、G5が最大です。つまり、昨日の G3クラスの磁気嵐は、上から3番目となりますが、このような強い磁気嵐を「予測することができなかった」ということは、それだけ「唐突に発生した」ということが言えそうです。
下は NOAA の磁気嵐の観測グラフですが、8月26日に一気に上昇しています。
8月24日からの磁気嵐の観測グラフ
・W7VOA
昨日は、ニューヨークで地下鉄が停電で止まったり(その様子)といったような影響が出ていましたが、磁気嵐のピークは終わっていますので、今後、何か大きな影響が出ることはないとは思います。
ただ、今回のように、
「事前にまったく予測されない状態で、突然強い磁気嵐に見舞われることがある」
ということを初めて知りました。
そして、同時に知ったことが、
「太陽からの磁気は、地球の磁場フィールドに亀裂を生じさせることができる」
ということでした。
「太陽は何でもできるのだなあ」という思いを新たにした次第です。
太陽活動は、今後もさら弱くなっていきますけれど、だからといって、「太陽からの巨大な磁気の直撃リスクがなくなるわけではない」ということを今回のことで知ったということになります。
そして、昨日の関東の空のあの雲たちを思い出しますと、やはり 8月26日は何かとても意味のある日だったのかもしれないなというようにも思いました。
>> In Deep メルマガのご案内
In Deepではメルマガも発行しています。ブログではあまりふれにくいことなどを含めて、毎週金曜日に配信させていたただいています。お試し月は無料で、その期間中におやめになることもできますので、お試し下されば幸いです。こちらをクリックされるか以下からご登録できます。
▶ ご登録へ進む