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4月26日にメルマガ40兆個による細胞への攻撃が延々と続いていくを発行させていただきました。

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アセトアミノフェン(日本名:カロナール)の妊婦さんと乳幼児の服用は「子どもの自閉症や神経発達の問題の原因になる」エビデンスが示された論文が発表される

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アセトアミノフェンの乳幼児への有害性は想像以上

最近「カロナール」という言葉を報道でよく目にします。

解熱鎮痛薬「カロナール」出荷調整へ 新型コロナで需要急増 NHK 2022/07/29)

新型コロナウイルスの患者の急増に伴って医療機関で処方される解熱鎮痛薬「カロナール」の需要が急速に高まり、安定的な供給に支障が出るとして、製薬会社は当面、出荷量を調整するなどと発表しました。日本薬剤師会は「別の選択肢となる解熱鎮痛薬は他にもあり、心配はない」として冷静な対応を呼びかけています。

このカロナールの一般名は、アセトアミノフェンというもので、私などの場合だと、このアセトアミノフェンという呼び方のほうが馴染みがあるのですが、市販されている一般的な解熱鎮痛剤です。

ちなみに、このカロナールの日本名の由来は、「症状が軽くなる → 軽うなる → カロナール」だと、病院のサイトに書いてありましたが、日本の薬の名前はこの程度のものが多いですよね。

名称はともかく、このアセトアミノフェンは、報道を読む限り、現在コロナの発熱などに多用されているようですが、後述しますが、アセトアミノフェンは、以前から、少なくとも小さな子どもなどへの使用はどんなものなのかなとは思っていました。

いろいろな問題が示される研究や論文が以前からあったのです。

しかし、最近、

 

「アセトアミノフェンが子どもを自閉症あるいは神経発達問題に導く」

 

ことについての論文、しかも「エビデンスを正確に記述している」レビュー論文が、アメリカの研究者たちによって発表されたことが報じられていました。

赤ちゃんや乳幼児、あるいは妊娠中の女性が服用した場合にはお腹の赤ちゃんに影響することがかなり明確にわかったようです。

まずは、そのチルドレン・ヘルス・ディフェンスに掲載された記事をご紹介したいと思います。論文そのものは以下にあります。

(論文) パラセタモール(アセトアミノフェン)の小児使用の安全性:直接的および間接的証拠のナラティブレビュー
The safety of pediatric use of paracetamol (acetaminophen): a narrative review of direct and indirect evidence

 

アセトアミノフェンは、アメリカではパラセタモールと呼ばれますが、ここでは、アセトアミノフェンの名称で統一します。

また、アメリカでは、アセトアミノフェン剤の商品名は、タイレノールなどの名称で販売されていますが、わかりやすいように、日本名のカロナールにしています。

本文中の太字はオリジナルの記事のままですが、本文に数多くある論文やデータのリンクは一部割愛しています。




 


赤ちゃんと子どものアセトアミノフェンの使用は自閉症のリスクを高めることを新しい研究が示した

Tylenol Use in Babies, Children Raises Risk of Autism, New Review Shows
childrenshealthdefense.org 2022/07/29

タイレノールとパナドールというブランド名で販売されているアセトアミノフェン (パラセタモール)の新しい研究の著者たちは、自閉症スペクトラム障害(ASD)との関連性を引き合いに出して、乳児や子どもへのこの薬の使用について警鐘を鳴らしている。

アセトアミノフェンと自閉症に関する今回のレビューを実施した研究チームを率いた WP Lab社のウィリアム・パーカー博士 (Dr. William Parker)は、我々に以下のように語った。

「私たちの研究は、現在の規制基準でのアセトアミノフェンの小児への使用の承認は、決してなされるべきではないことを示しています」

医学誌「ミネルバ小児科医学 (Minerva Pediatrics)」の 7月号に掲載されたこのレビューは、痛みと解熱に一般的に使用されているアセトアミノフェンによる治療法が自閉症の流行に寄与している可能性があるという 17のエビデンスを提供している。

アメリカでは、アセトアミノフェンは幼児に非常に多く使用されているため、今回の発見は自閉症スペクトラム障害の予防に大きな影響を与える可能性があるとレビューは述べる。一部の集団では、子どもの最大 90%が初期にアセトアミノフェンを投与されている。

自閉症スペクトラム障害の(アメリカでの)割合は過去 40年間で急増し、現在では米国の子供の 40人に 1人が罹患している。

アスピリンがライ症候群 (※ アスピリンなどを服用している小児等に起こる重篤な急性脳症)と関連していることがわかって以来、 アセトアミノフェンは、1980年代初頭に子どもの発熱と痛みを治療するための選択薬となった。

しかし、これまで、乳児や子どもへのアセトアミノフェンの使用が神経発達に対して安全であると証明されたことはない。

パーカー博士は次のように述べる。

「アセトアミノフェンが子どもにとって安全であるという信念は、適切な用量で使用された場合に子どもに肝臓障害を引き起こすことがないことを示しているという多くの研究での事実に基づいたもので、その安全性はあくまで仮定です」

パーカー博士と研究チームは、小児科の医学誌ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ペディアトリクスに掲載された論文のシステマティック・レビューを実施し、そこでは、アセトアミノフェンが子どもにとって安全であると主張する研究は、薬物の治療効果の標的臓器である脳が主要な神経発達の 1つであるにもかかわらず、神経発達に対する薬物の影響を調べられていないことを示した。

彼らの最新のレビューは、アセトアミノフェンが神経発達への影響について評価されなかったことを示す以前の研究と、出生前のアセトアミノフェンへの曝露が神経発達の問題のリスクを高めるという強力な証拠に基づいている。

これまで、出生後のアセトアミノフェンへの曝露の影響に関する研究はほとんどなかった。

しかし、いくつかの研究によると、出生後の薬物への暴露に関する状況証拠は豊富であり、少なくとも 3つの説明されていない時間的関係、実験動物研究からのデータ、いくつかの雑多で説明のつかない相関関係、および適合する代替が存在しないものが含まれている。

これらのエビデンスに基づき、著者たちは、子どもたちの出生後のアセトアミノフェンへの曝露は「ほとんどではないにしても、多くの自閉症スペクトラム障害症例の原因である」と結論付けた。

 

危険因子:酸化ストレス

自閉症スペクトラム障害におけるアセトアミノフェンの役割を理解するための鍵は、このアセトアミノフェンが単独で自閉症スペクトラム障害を引き起こすわけではないということを理解することにある。パーカー博士とチームによると、マイナスの影響は酸化ストレスの存在下で起こる

酸化ストレスは、体内のフリーラジカル(※ 電子は、通常2つの対をなすが、対をなしていない電子のこと)と抗酸化物質の不均衡であり、細胞や組織の損傷につながる可能性がある。

体の細胞は、細胞内でエネルギーを生み出す化学反応である代謝中にフリーラジカルを生成する。これらのフリーラジカルは細胞に損傷を与え、慢性疾患や老化プロセスの一因となる。

多くの薬物とは異なり、個人が摂取するアセトアミノフェンの一部は、体内で非常に毒性の高い代謝物である N-アセチル-p-ベンゾキノンイミン(NAPQI))に変換される。

通常、NAPQI はグルタチオンによって急速に中和 (無害化) されるが、ほとんどの健康な子どもはグルタチオンが多く持つため、NAPQI によって害を受けることはない。

しかし、酸化ストレスの条件下では、グルタチオンが枯渇するため、体は NAPQI を適切に除去できない。NAPQI を除去せずに放置すると、さまざまなタンパク質と反応し、タンパク質と関連細胞に永久的な損傷を与える。

多くの赤ちゃんや子どもは、感染、抗生物質による治療、ワクチン接種、心理的ストレス、重金属、ビタミンB代謝の問題、EMF (※ 電化製品などから発生する低周波の電磁界)への曝露、タバコの煙や空気への曝露、汚染および有機リン酸塩への暴露など、さまざまな環境的および遺伝的要因によって過剰な酸化ストレスにさらされている。

子どもがアセトアミノフェンによってどの程度損傷を受ける可能性があるかは、アセトアミノフェンを服用したときに存在する酸化ストレスの量と、子どもに投与される薬物の量に部分的に依存する。

レビューの著者たちによると、アセトアミノフェンと組み合わせた酸化ストレスの役割を理解することは、自閉症スペクトラム障害のさまざまな危険因子を理解するのに役立つ。

ワクチン接種後に子どもが発熱した場合、それは子どもが酸化ストレスを経験していることを示している。パーカー博士によれば、酸化ストレスに苦しんでいる子どもにアセトアミノフェンを与えると、その子どもが自閉症スペクトラム障害を発症するリスクが高まる。

 

アセトアミノフェンが自閉症スペクトラム障害と関連している可能性を示す最初の兆候

パーカー博士は、アセトアミノフェンが神経発達に悪影響を与える可能性があるという最初の兆候は、スティーブン・シュルツ博士の研究からもたらされたと語った。

シュルツ博士は、自分の息子に小児期の定期的な予防接種を投与し、それに続いてアセトアミノフェンを与えた。その後、シュルツ博士の息子は自閉症になった。その後、博士は在籍していた歯科医院を離れ、自分の息子に何が起こったのかを調べる旅に出て、その課程で博士号を取得した。

2008年、シュルツ博士と、当時カリフォルニア大学サンディエゴ校とサンディエゴ州立大学にいた著名な科学者たちが、定期的な小児期ワクチンと、アセトアミノフェンかイブプロフェンを併用したときの 1歳から 5歳までの子どもで自閉症スペクトラム障害のリスクが 6倍に増加することを示す小規模な調査研究を発表した。

「残念ながら、シュルツ博士のこの研究はほぼ 10年間無視されました」とパーカー博士は述べる。この研究は、その規模が小さいと批判された。

パーカー博士は、このような研究を単独で行った場合、説得力がないように思われることを認めたが、しかし、それは自閉症スペクトラム障害の劇的な増加を引き起こしているものの全体像のほんの一部と見なされるべきであるとも述べた。

 

エビデンス

パーカー博士の最新の研究の目標は、全体像をよりよく理解するために、多くのエビデンスをまとめることだった。

この研究は、アセトアミノフェンが自閉症スペクトラム障害に関連していることを示唆する 17のエビデンスを提示している。

レビューのハイライトは次のとおりだ。

 

妊娠中のアセトアミノフェンの使用は、 胎児の IQの低下、自閉症スペクトラム障害の増加、ADHD (注意欠如・多動症)の増加などの長期的な影響を伴い、赤ちゃんに神経毒性をもたらす。著者たちは、胎児が子宮内でアセトアミノフェンによって害を受ける可能性がある場合、出生後もアセトアミノフェンによって害を受けないと考えるのは不合理であると結論付けている。

•ラットとマウスの研究では、アセトアミノフェンが長期的な脳損傷を引き起こすことが示された。この薬物への初期の曝露は、人間の赤ちゃんや子どもが受ける用量と同等か、それよりも少ない用量だった。ラットとマウスの幼体は人間の赤ちゃんよりもアセトアミノフェンに敏感であるという主張もあるが、 しかし、著者たちは、実験動物は重金属鉛や殺虫剤 DDT などの毒素に対して感受性が低いことが多いと指摘している。

• 米国での自閉症スペクトラム障害の発生率は、1980年代初頭に増加し始めた。これは、アスピリンがライ症候群と関連していることが発見され、その結果、子どもへのアスピリンの使用からアセトアミノフェンの使用への切り替えが行われた時期と一致している。著者たちは、これは偶然ではないと主張している。

•米国食品医薬品局(FDA)が 1997年に消費者向け広告の規制を緩和した後、 自閉症スペクトラム障害の発生率は米国で着実に増加した。

男子の割礼は、早発性自閉症スペクトラム障害のリスクの劇的な増加(50%の増加) と関連している。割礼による痛みを和らげるために、アセトアミノフェンがよく使用される。

麻疹・おたふく風邪・風疹ワクチン(MMRワクチン)とアセトアミノフェンの併用は、MMRワクチン単独よりも自閉症スペクトラム障害のリスクが高くなる。しかし、著者たちは、ワクチン接種は、その直接的な原因ではなく、ワクチン接種が酸化ストレスを引き起こし、その後のアセトアミノフェンの投与が自閉症スペクトラム障害の引き金となっていると述べている。

•アセトアミノフェンの代謝が異常に効率的な嚢胞性線維症の人は、自閉症スペクトラム障害の発生率が低い。

韓国では、アセトアミノフェン含有製品にパッケージ ラベルを超える量の薬物が含まれていることが繰り返し発見されたが、その後、研究者たちは予想外に韓国の自閉症スペクトラム障害の有病率が高いことを発見した

 

アセトアミノフェンの代わりに親は何ができるだろうか

子どものためのアセトアミノフェンの承認を変更したり、少なくともアセトアミノフェンに関しての警告文を商品に添付させるには何が必要だろうか。

パーカー博士は FDA に連絡しているが、「アスピリンとライ症候群で流れが変わったのは、草の根の努力によるものだった」と述べた。

子どもへのアセトアミノフェンの害が認められていくまでの間は、 パーカー博士とチームによるこのレビューは、そのエビデンスから、アセトアミノフェンが乳児や幼児にとってリスクに見合う価値があるかどうかを自分で判断したい親や介護者のために存在する。

「私の経験では、非常にまれな例外を除いて、利用可能なエビデンスを知った親たちは、自分の赤ちゃんや子どもたちにアセトアミノフェンを与えることを避けるた思われます」とパーカー博士は言う。

自閉症のいくつかの潜在的な原因とは異なり、アセトアミノフェンは、親、介護者、および医師がしばしば簡単に排除できる危険因子の 1つだ。

子どもの熱を治療するための代替手段を探している親たちのために、パーカー博士は、アメリカ小児科学会の「薬を使わずに熱を治療する」ページを推奨した。

ジェニファー・マルグリス博士もまた、子どもの痛みや熱を治療するためのさまざまな自然療法を提案している。


 

ここまでです。

記事にリンクされている過去の論文の内容を含めて、「アセトアミノフェンがこんなに悪いもの」だったとは知りませんでした。

 

解熱鎮痛剤をめぐる最近のさまざまな問題

この「解熱鎮痛剤」というのは、このブログにも過去にずいぶんと出てきているもので、最近では、

「炎症を解熱鎮痛剤で止めると痛みが慢性化する」

という科学誌サイエンスに掲載されたカナダのマギル大学の研究者たちによる研究をご紹介したこともあり、どうも最近は、「痛みや熱を薬でやわらげるという現代医療の根幹が崩れてきている」という気配さえ漂ってきています。

以下の記事にあります。

 

[記事] 炎症を止めると痛みが永続化する… : ごく普通の市販の鎮痛剤を含むすべての抗炎症薬が「痛みを慢性化させてしまっている」ことがサイエンスに発表された研究で判明
 In Deep 2022年5月12日

 

また、以前、「妊娠中の女性がアセトアミノフェンを服用すると、生まれた子どもが、ADHD(注意欠陥/多動性症)となる可能性が高くなる」という論文を、2017年の記事で取りあげたことがあります。

 

[記事] 単なる市販のかぜ薬や頭痛薬の服用がADHDの子どもたちを作り出しているかもしれない : 相次ぐ「アセトアミノフェンと胎児の脳損傷」に関しての医学論文
 In Deep 2017年12月27日

 

この記事でご紹介した研究は、出産後、子どもが 11歳になるまでを追跡調査したもので、影響がかなり後になってからも現れる可能性が高いことが示されています。

他にも、解熱鎮痛剤については、いろいろな種類にいろいろな問題がわかってきていまして、難しい問題になってきているかもしれません。

以下のようなことを過去に取りあげたことがあります。

 

・イブプロフェンは「急性の心停止」のリスクをかなり高くするという研究 (過去記事

・イブプロフェンで男性の不妊が起きる可能性があることが判明 (過去記事

 

などがあります。

このイブプロフェンは、非ステロイド性抗炎症薬の解熱鎮痛剤で、この論文は、米科学アカデミー紀要(PNAS)に発表されたものですが、「アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェンの3薬品について、妊婦が服用した場合の影響を調べた」ものでした。

それを取りあげていた 2018年1月の CNN の報道には、以下のようにあります。

 

「アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェンの3薬品とも男の赤ちゃんの睾丸に影響を及ぼすことが判明した」

「イブプロフェンでは、睾丸機能不全の兆候が確認された」

 

男子の生殖機能に関していえば、乳幼児に対してや、妊娠した女性に対しての「解熱鎮痛剤の服用は、全部ダメ」のようなんです。

しかし、難しいところですよね。

 

 

本来、熱は無理に下げないほうが治癒には有効

赤ちゃんや小さな子どもが発熱した場合は、やはり親は不安です。

私の子どもが赤ちゃんのときも、突発性発疹とかを含めて、たまに40℃くらいの熱を出すことがありましたけれど、やっぱりオロオロしましたもの。

ただ、私は赤ちゃんに解熱剤を飲ませたことはなかったです。

当時は薬のことなんて何も知らなかったですが、「高熱を薬効で下げるような刺激物質が赤ちゃんの体に入っていいのだろうか」とは漠然と思っていました。

自分の赤ちゃんが発熱し、当時住んでいた東京西荻窪にある近所の小児科のおじいちゃん先生のところに行った時に、

「熱が出ててもこんなに元気なら問題ないし、そもそも熱は無理に下げてはダメ」

と先生はおっしゃっていまして、ぐったりしていないのなら自然に下がるのを待つほうがいいと。

 

考えてみれば、私自身が小さな時から体が弱く、40℃なんて日常でしたが(高校くらいまで、下手すれば週に 1度くらい 40℃出してました)、それだけに「熱が出たから薬を飲む」という習慣が自分自身にないことを思い出したりしていました。

それでも、自分の子どもとなると、やはり 40℃などになると心配で「冷やす」ということはやっていました。首筋や脇とか太もものつけ根などの動脈の走っているところをタオルなどで冷やすというものです。

ただ、この「冷やす」ということ自体も、場合によってはよくないのかもしれないということは、以前、発熱に関しての記事を書いたことがありまして、

 

「人間の体は 38.5℃以上になって初めて治癒のために免疫細胞が活性化されるシステムが発動する」

 

ということが、中国科学院・上海生化学細胞生物学研究所の研究でわかったことを以下の記事でご紹介したことがあります。

 

[記事] 熱を下げてはいけない : 感染症の治癒メカニズムが人体で発動するのは「体温が《38.5℃以上》に上がったときのみ」であることが中国科学院の研究で判明
 In Deep 2019年1月19日

 

これは、38.5℃以上の発熱が Tリンパ球における「熱ショックタンパク質 90」というものの発現を増加させることにより、リンパ球の血管への接着を促進させ、そこではじめて病気が治癒に向かう、ということがわかったのです。つまり、38.5℃を超えないと、発熱に対抗する免疫システムが作動しないのです。

マウスの実験では、このメカニズムを阻害させたマウスたちは「急速に死亡していった」とあります。発熱が伴わないと助からない場合もあるということのようです。

 

ですので、39℃くらいまでの発熱は「その病気を治すためには必要な熱」だとも言えるのかもしれまません。

人間は、基本的には、生き残るために発熱しています。

さきほどの記事にルドルフ・シュタイナーの 1908年の講義を載せていますが、シュタイナーは、

 

> 熱は、人間のなかの治癒力の呼び声なのです。熱は病気ではありません。損傷を直すために、人間が自分の生体全体から力を呼び集めているのです。病気において、熱は最も慈善的で、最も治療的です。

 

とさえ述べています。

他にも、ヒポクラテスとかナイチンゲールさんとか、ノグッチ(野口晴哉さん)なども同じようなことを言っていたことを書いています。

ヒッポーなんて、「患者に発熱するチャンスを与えよ。そうすればどんな病気でも治してみせる」とまで言っていますからね。

それだけに、「発熱を薬などで無理に止める」ということは、どこかに悪い跡を残してしまうものなのかもしれません。

最近の研究で次々と明らかになってきた解熱鎮痛剤の功罪、特に「罪」については、こういう人間の本来の治癒システムを「邪魔している」ことにより起きるものであるのかもしれません

今は、アセトアミノフェンの使用は、まあ多くがコロナということになっているようですが、他にも、すでに乳幼児の RSウイルスだとかインフルエンザなどが時期外れの流行を見せていると報じられていて、今後、秋冬に向かえば、さらにそのような発熱を伴う子どもの病気は増えていくと思います。

その際どうするべきかについて専門家ではない私には何も言うことはできないですが、カロナールに人々が殺到しているような状況は冷静になって眺めたほうがいいとは思います。

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