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地球最期のニュースと資料

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スベンマルク博士の異常な愛情が今ここに結実 :「雲の生成は宇宙線によるもの」という説が25年にわたる観測の末に「結論」づけられる。そして、太陽活動が長期の地球の気温のコントロールに関与していることも

   

2016年8月25日の科学メディアPHYS.ORGより

solar-cloud-2016PHYS.ORG

デンマーク工科大学の物理学者ヘンリク・スベンマルク博士
Henrik-Svensmarking.dk

25年目の結論

私が、

「雲は宇宙線によって作られている」

という説があることを知ったのは、今から5年ほど前の 2011年のことでした。

そして、その結果がネイチャーに掲載されたものを記事にしたものが、今、日付けを見てみますと、まさにほぼ5年前の 2011年8月26日のことでした。

「宇宙線が雲を作るメカニズム」の一部を欧州原子核研究機構 CERN が解明
 2011/08/26

これは CERN によるクラウド(CLOUD)という大規模なプロジェクトによるものなのですが、なぜそんな大がかりな実験が行われ続けていたかというと、

「どうして雲が作られるのか、まったくわかっていないから」

ということです。

私はこの時に、やはり初めて、

「人類は、いまだに雲がどうして作られるのか知っていなかった」

ことを知ります。

その頃から、私は、雲や気温や天候というものが「根本的には非常に謎が多い」ことを知り、むしろ、私は気温や気候に非常に興味を持つことになるのですが、それはともかく、上のような CERN の科学者たちを、大規模実験に突き動かすほどの動機をもたらした「最初の主張」を起こした人物が、「孤高の宇宙物理学者」とでも呼びたいデンマーク工科大学のヘンリク・スベンマルク教授でした。

いまだに、スベンマルク教授については、日本語の Wikipedia の項目もないほど科学界から疎んじられているようですが、日本語でも英語でも、検索すると、おびただしいほど彼を取り上げているページが表示されることに驚かれると思います。

これは、おそらくですが、スベンマルク教授の、「雲は宇宙線によって作られている」という主張が「正しいのではないか」と、少なくとも心の中ではそう考える人たちがとても多いからだと思います。

そして、まだ最終過程ではないでしょうけれど、スベンマルク博士は、このたび、自らの説を 25年にわたる観測でほぼ実証し、「雲は宇宙線から作られる」と結論付けたのです。

そして、さらに、

「雲は宇宙線によって作られ、その宇宙線をコントロールしているのは太陽活動」

だということも。

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これからの地球の状態を太陽と宇宙線の関係から見てみますと

スベンマルク博士の主張は、「スベンマルク効果」として、ずいぶんと以前から知られていたもので、以下のようなものです。

スベンスマルク効果 – Wikipedia

スベンスマルク効果とは、宇宙空間から飛来する銀河宇宙線が地球の雲の形成を誘起しているという仮説である。

気候変動への影響についても仮説に留まっており、主要な科学的報告において採用されておらず、影響があったとしても、その影響量は最大でも観測されている気温上昇量の数パーセント程度だとする考証もある。

というものでしたが、今回、デンマーク工科大学とイスラエルのヘブライ大学の 25年にわたる観測の結論として、この「宇宙線と雲の関係」が「ある」として、結論付けたのです。

理由はよくわからないのですが、現在の多くの科学者たちは、一般的に、「宇宙線が地球の様々な事象に影響を与えている」とする仮説に、否定的な姿勢を取りたがります

しかし、科学などわからない私でも、宇宙線の持つ大きな性質、

・地球を完全に貫く貫通力を持っているので地球全体に干渉できる

・他に類を見ないほどの高エネルギー体である

・原子核と核反応を起こすことができる

ことなどから、地球に多大な影響を与えていても不思議ではないとは思っていました。

宇宙線量と雲の関係については、もともと、計測の上では非常にはっきりしていたものでもあります。

たとえば、下は、1978年から 1998年までの「雲の量の変化」と「宇宙線の量の増減」をあらわしたグラフですが、「完全に一致」しています。

1978年から1998年までの雲量と宇宙線量の関係
cosmic-rays-clouds-1978-1998・Solar Terr Phys

下のグラフは、1983年から 2006年までのもの。

cosmic-ray-clouds3Climate Change Controversies

この一致は偶然という範疇で片付けられるものではありません。

また、宇宙線が地球の天候に与える長期的な影響についても、2013年頃には確実視されていて、

「銀河からの宇宙線が直接地球の天候を変化させている」 : デンマーク工科大学での実験で確定しつつある宇宙線と雲の関係
 2013/09/05

という記事でも、やはりスベンマルク博士の「宇宙線は、地球の天気と気候に直接影響を与える」という説をご紹介したことがあります。

その内容は、ややわかりにくいものでしたが、翻訳記事の出だしは以下のように始まります。

デンマーク工科大学のヘンリク・スヴェンスマルク教授は、長年の実験から魅力的な新しい説を発表した。

それは、私たちの天の川銀河からやって来る宇宙線が、直接、地球の天気や気候に関与していることを示すという理論だ。

そして、今回のスベンマルク博士の発表は、単に宇宙線が雲の増減に関係するということだけをあらわしているのではなく、

「太陽活動(太陽フレアなど)は地球の宇宙線の量をコントロールするため、太陽活動の状態によって長期間の地球の気温と天候は影響を受ける

ということも強く示唆しています。

過去記事の、

歴史的に弱い太陽活動だったサイクル24の次の「新しい時代の新しい太陽活動」はどんな方向に?
 2016/03/28

など、ここ数年何度も取り上げたことがありましたが、太陽活動はとても弱くなり続けていて、NASA の予測では、次の太陽活動周期である「サイクル 25」は、歴史的に弱い太陽活動となるとされています。

1749年から2040年の黒点数の推移

solar-cycle-2040wattsupwiththat.com

次にやってくる太陽活動周期「サイクル 25」が本当に上のグラフのようなものとなってしまった場合、まあ、どうなるのかはよくわからないですが、以前記事にした、太陽活動そのものの予測から地球の気温をシミュレートしたロシア人女性科学者のことをご紹介しました、

精度97%の「2030年までのミニ氷河期突入」予測は、その発表の元となったロシア人女性物理学者の「太陽活動の解析予測の実績」から実現確実な状勢に
 2015/07/22

などの内容と共に今回のスベンマルク博士の研究と重ねますと、これから 10年単位の未来は相当厳しい気候にさらされる可能性もあります。

しかし、そういう懸念は感じるかもしれないですけれど、それと同時に、私たちの地球の環境は、「人為的などうだこうだ」とか、そういう小さなものに左右されているのではなく、「宇宙由来の条件」のもとで、地球はその気温も大きく変化するし、気候も環境も変化していくのだと考えれば、何とダイナミックな渦中に生きているのだろうか、と思うこともできるのではないかとも思います。

というわけで、ここから PHYS.ORG の記事です。


Solar activity has a direct impact on Earth’s cloud cover
PHYS.ORG 2016/08/25

太陽活動は地球の雲の被覆に直接影響を与える

デンマーク工科大学国立宇宙研究所(DTU Space)とイスラエルのヘブライ大学・物理学ラカー研究所の科学者たちのチームの研究は、地球が雲で覆われる事象と、太陽の爆発活動(太陽フレアなど)とが直接関係していることを示した。

これは 25年以上の衛星による観測に基づいて導き出された結論だ。

太陽の爆発現象が、地球の大気から宇宙線を遮断することはよく知られている。

しかし、今回、地球物理学会誌(Journal of Geophysical Research)に発表された新しい研究では、太陽の爆発現象があった際(つまり、地球の大気中に宇宙線が少ない場合)には、同時に、雲に覆われる事象が世界的に減少していることを見出した。

これは、雲の形成に宇宙線が重要な役割を果たしているという説を支持するものとなる。

太陽の噴火は、雲の質量を約2パーセント減少させる原因となることがわかったが、これは、その際に、大気中から約 10億トンの液体の水が消失していることを意味する。

雲の出現は、長い時間的スケールで地球の気温に影響を与えることが知られているため、今回の調査は、雲と気候変動の理解の重要なステップを示している。

論文の筆頭著者であるデンマーク工科大学国立宇宙研究所のスベンツマルク博士は、以下のように述べる。

「地球は銀河宇宙線と呼ばれる空間からの粒子による一定の衝撃の下にあります。太陽の表面で発生する暴力的な爆発(太陽フレアなど)は、約1週間、地球から宇宙線を吹き飛ばす力があります。今回の我々の研究は、宇宙線がそのような太陽活動によって減少しているときに、地球の雲の被覆(覆われること)も、太陽活動と対応して減少していることを示しています」

「雲は、私たちの研究では、地球上の気温を制御する上で重要な要素であるため、これらの関係は、地球の気候変動に影響を与える可能性があるのです」

 

非常に高エネルギーの粒子である宇宙線

宇宙線の粒子は、地球の大気中の分子イオンを帯電して生成する。イオンは、エアロゾルの形成を促進することが実験室の研究では示されており、エアロゾルが雲を構成する「雲の滴」を形成するための種として機能する可能性がある。

この実験室でのメカニズムが現実の大気中で実際に起こるのか、あるいは、これは実験室でだけ再現できるものなのかということについては、長い間、議論されてきたテーマだった。

太陽表面の爆発が銀河宇宙線を吹き飛ばした際には、地球の大気中では 20%〜 30%のイオンの低下を引き起こす。

イオンの存在が雲の形成に影響を与えるのであるならば、太陽の爆発が宇宙線を吹き飛ばす事象の中で雲量の減少を観察することが可能であるはずだ。

かつて、宇宙線と地球の雲の量の変化について、週単位での関係(これは「フォーブッシュ・ディクリーゼズ(Forbush decreases / 刷新のための減少)」と呼ばれている)は観察されていたが、その影響は科学文献の中で議論され続けてきた。

しかし、新しい研究では、この「フォーブッシュ・ディクリーゼズ」が現実的に雲の増減に影響していると結論づけた。この結果は、「イオンが雲の生成過程において重要な役割を果たしている」という提案を支持する。

しかし、チームがこの結論に到着するには、大きな努力が必要だった。フォーブッシュ・ディクリーゼズは、ほとんど発生するものではなく、その雲に及ぼす影響は、人工衛星や陸上からの地球大気観測を使用して、やっと検出できる程度のものだった。

フォーブッシュ・ディクリーゼズの強さを決定するために、大気モデリングとの組み合わせで約 130局からのデータを組み合わせる必要があった。この新しい方法により、イオン化に従ってランク付けられた 1987年から 2007年までの期間の 26の事象のリストが得られた。

 

長期的な影響の可能性

この短期的な雲の増減は、明らかに長期的な地球の気温の変化への影響を持つ。

雲は、常に銀河宇宙線での短期的変動の影響を受けているが、それらはまた、年間〜数十年〜数百年のスケールで起こるゆったりとした太陽活動の変化の影響を受ける可能性があるのだ。したがって、銀河宇宙線は、地球の気温を決定する役割を果たしている。

過去と将来の地球の気候変動への太陽の貢献は、単にその太陽放射(太陽光線の熱など)による影響だけではなく、むしろ、太陽活動の中で発生する爆発現象に左右される宇宙線の変化によるところが大きいという可能性があるという結論に達する。



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