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2019年からの世界 人類の未来 拡大する自然災害

気象の異常が定着していく中、世界各地で春を飛ばして「冬から夏へ」。中国では、気象コントロールを行い続けているにも関わらず世紀の干ばつが拡大中

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2019年5月21日の中国の報道より


china.huanqiu.com




 

日常となった異常

この数日、東日本などでとても気温が高かったことが報じられていまして、北海道では、39.5℃として 5月としての日本での最高気温の記録が更新されていました。

気温自体も大変なものなのですけれど、「気温の動きがもはや異常だよなあ」と、つくづく思いましたのは、その気温の急激な変化の様子でした。

これは、5月28日の報道の「タイトル」だけを見てもわかります。

2019年5月28日の tenki.jp の報道タイトルより

今朝 わずか4時間で20度近く上昇 北海道佐呂間

正午の気温 帯広など前日より15度以上ダウン

4時間で 20℃気温が上がるというのは、尋常な現象ではないと思いますが、これよりも、今回の北海道の高温の報道で、ちょっと気になったのは、以下のものでした。

テレビ報道が文字にされたものですので、ややわかりにくいですが、北海道の帯広でこの高温により「チューリップ 10万本が枯れる」ということが起きたのです。

チューリップ10万本枯れる 「31年で初めて」 帯広の観光ガーデン

UHB 北海道文化放送 2019/05/27

5月26日に、39.5度と史上最高の気温を観測した道内は27日も気温が上がり、帯広市ではチューリップが枯れるなど影響も出ています。

26日、オホーツクの佐呂間町で39.5度の観測史上最高の気温を更新した北海道。27日も午前11時までに帯広で33.4度、北見で32.1度など真夏並みの気温となっています。

この影響で、帯広市の観光ガーデンでは。

八木隆太郎キャスター:「暑さの影響で花びらが枯れてしまってる。触るとぱりぱり音を立てて粉々に」

紫竹ガーデン 隈本和葉専務:「31年間で初めてです」

例年の見ごろは6月10日ごろまでですが、40万本中約10万本が枯れる被害が出て、27日朝から球根を抜く作業が始まりました。

北海道がこの異様な高温に見舞われたのは、たかたが 2日間ですが、その中で、

> 40万本中約10万本が枯れる被害

ということになったようです。

さすがにこのような気温には、短期間であったとしても、チューリップたちは耐えられなかったようです。

そして、枯れていないチューリップたちの中にも相当弱っているものがいると思われますが、問題は、

「影響を受けた植物がチューリップだけのはずがない」

ということです。

この帯広は、十勝(とかち)地区という場所で、広大な農業地となっています。

ご記憶の方もいらっしゃると思いますが、2016年8月に 4つの台風が北海道を襲いまして、特にこの十勝が甚大な被害を受けました。

その際に、ジャガイモの生産が壊滅的になり、翌 2017年春には、

「日本の店頭からポテトチップスが消えた」

という出来事が起きました。

十勝への台風の直撃で翌年ポテトチップスが消えたとき


chubu.env.go.jp

このあたりは、カルビー社の「気象災害への対応について」という資料に詳しく書かれています。

今回、チューリップが大量に暑さのために枯れた場所が、まさにこの十勝なんですけれど、農業作物とかは影響は受けなかったのですかねえ・・・。

ジャガイモは暑さにはある程度強いだろうとはいえ、北海道の地で「ほぼ 40℃」という気温は、多くの植物や作物にとって想定外だったと思え、多くの植物種にある程度のダメージがあったのではないかという気はします。

そして今、このような「唐突な高温」が、東アジアの各地に出現しています。

それにしても、今の世界の気象のアンバランスさはものすごいものでして、ヨーロッパやアメリカのこの春は、つい数日前まで、以下のような記事にあります通り、「春が訪れない異様に寒い春」となっていました。

ヨーロッパで過激化する「真冬のような春」の状態。スウェーデンでは5月としては異例の -10℃以下の気温が記録される

ところが、ヨーロッパにも、一昨日あたりから「熱波に近い大気」が流れてきていまして、以下の気象図のように、スペインやフランスでは、

「春を飛ばして、いきなり冬から夏になった」

ような気温の状態となっています。

これは、平年の気温との差異で、赤が濃くなればなるほど「平年より気温が高い」ことを示します。ドス黒い赤だと、平年より 10℃以上高いことを示します。

2019年5月27日のヨーロッパの気温の平年との差異


MetDesk

スペインとかウクライナ、そしてロシアの一部は、深刻なほどの気温の急上昇を見せていますが、スペインとウクライナは、これもまたどちらも農業大国でありまして、ロシアとウクライナについては、2010年にやはり異常な高温に見舞われて、小麦粉の生産が大幅に落ち、

「ロシア政府が小麦の輸出を禁止した」

という出来事がありました。

その際のことは以下の記事の報道にあります。

食糧援助小麦の95パーセントをロシアから購入していた国連世界食糧計画が陥った小麦不足
 In Deep 2010年08月11日

今年のヨーロッパ、そしてロシアとウクライナなども気象と気温は不安定なままで進行していくことは確定的っぽいですね。

それをあらわす例としては、たとえば下の写真は、イタリアのガヴィア峠という場所ですが、普通ならそろそろ夏の風景になってきているものが、つい 2日ほど前の 5月26日には、こんな大雪の中の光景だったのですよ。

2019年5月26日のイタリア・ガヴィア峠の様子


Gavia Pass, Alps, Lombardy, Italy, 05/26/2019

人々の身長と比べますと、少なくとも 4メートルくらいは雪が積もっています。

雪が溶けるような気温がなかなか到来しなかったのです。

こんな気象だったヨーロッパに一気に夏がやってきた……ということになるようですけれど、「自然というものは唐突な変化に弱い」ものですので、どんなものでしょうね。

暖かかろうが寒かろうが「季節外れ」という状態が続いていくことが、自然にも植物にも一番良くない状況になるのだと思われます。

ところで先ほど、この高温は「東アジア各地に広がっている」というようなことを書きましたけれど、Yahoo! の気象ニュース「アジア異常高温 北朝鮮は100年来の干ばつ」という気象報道には以下のようにありました。

この暑さは日本だけの話ではありません。

中国

23日(木)には北京で36.9℃、河南省安陽で39.9℃、ピョンヤンで31.4℃まで気温が上昇しました。いずれも平年を10℃ほど上回る真夏のような陽気です。

北朝鮮

こうした暑さや、記録的な少雨の影響で、北朝鮮では100年来の干ばつが発生しています。

北朝鮮の労働新聞によると、今年初めから今月15日までに降った降水量は56.3ミリで、1917年以来の少雨となっているとのことです。国連は、北朝鮮で1,000万人が深刻な食糧危機に陥っていると発表しました。

韓国

韓国でも少雨の傾向が続いています。ソウルの5月の降水量はこれまで30ミリしかなく、これは5月の月間平均降水量の3分の1にしかすぎません。

中国も、5月にして 39.9℃というのは、何ともいえないですけれど、記録的な気温なのではないでしょうかね。

北朝鮮の干ばつも、最近までは「 30年ぶりの」というような形容となっていましたけれど、現在は「 100年来」ということになっているようで、しかも国連の予測では、これからさらに状態がわるくなる可能性があるとされています。

現在の世界は「大洪水」に繰り返し見舞われていると同時に、世紀の干ばつにも世界各地が襲われているというアンバランスな状態で、以下の記事でふれましたように、すでにいくつかの農業大国で、致命的な影響が出始めています。

それぞれの原因は、大雨や寒波、あるいは干ばつと、いろいろですが、「人類の食べる物」のフィールドが大きく荒らされ始めていることがわかります。

世界的な食糧危機がやってくる : フランス、アメリカ、オーストラリアなど農業輸出大国で記録にないような甚大な被害が進行していることが明らかに

まだ大きな被害が報告されていない他のいくつかの国々が、今後、農作物に影響を受けるような異常気象に見舞われ始めると、「食糧価格」あるいは「供給そのもの」に本格的に問題が出てきそうだというようなことを書かせていただいたのですが、5月中旬まで大きな農業被害が報告されていなかった中国でも深刻な干ばつが広がりつつあります。

中国は農作物の輸出国という側面というより、「何しろ人が多い」、つまり「どこの国より食糧がたくさん必要な国」であるわけです。

まして、今、豚コレラで豚肉の値段が今後急上昇することが避けられなくなっていて、そこに野菜や穀物も影響を受け始めますと、いろいろと周囲の国への影響も大きくなりそうです。というか、現時点で中国の食糧価格はすでにかなり上昇しているようです。

5月17日時点の中国食糧価格の推移


zerohedge.com

そして、この中国で、深刻な干ばつが拡大しつつあるようです。雲南省の干ばつについて、中国の英字メディアの報道をご紹介して、今回の締めさせていただこうと思います。

ちなみに、報道にも出ていますが、中国政府は「人工降雨」の試みも続けているようですが、今のところ大きな成果は出ていないようです。

以前、以下の記事で、中国が大規模な気象コントロール技術を始めたことを書きましたけれど、これが現在どの程度稼働しているのかどうかわからないですけれど、今のところ効果は見られないようです。

いよいよ中国で実行される人工降雨のための「人類史上最大の気象コントロール・プロジェクト」は日本の、そして地球の気候にどんな影響を与え得るか

では、ここから報道です。


Severe drought continues to rage in Yunnan Province
CGTN 2019/05/24

雲南省で深刻な干ばつが悪化し続けている

中国南西部の雲南省における深刻な干ばつは、農業生産の大きな損失と、地元住民の日常生活の混乱を引き起こしている。

中国気象局のデータによると、雲南省での 4月1日から 5月17日までの平均降水量は 35.3ミリメートルで、これは前年同期の平均降水量より約 63パーセント少なく、1961年以降で最低の降水量の記録となる。気温は平年より 1.9℃高く、1961年以来最高の平均気温となっている。

この極端な気象は、雲南省の大部分を襲った。中国防災委員会の予備調査によると、36の郡の都市で 116万人以上が被災したと推測される。

被害を受けた作物は、コメ、トウモロコシ、ジャガイモ、ゴム、タバコ、そして他の様々な野菜を含めて、広い面積で作物が枯れた。

状況がますます厳しくなっている中で、当局は、絶え間ないひどい干ばつを軽減するための行動を取っている。

5月19日から22日にかけ、雲南省の気象局は、条件が許されている地域で、大気中および地上からの人工降雨作業を行った。このような努力は今後も続く。

また、5月上旬以来、消防士は、干ばつの激しい地域に 6,000トンの水を届けるキャンペーンを実施してきた。

中国国立気候センターの主任予報官は、雲南省では平年の場合、5月中旬から後半にかけて雨季が訪れるが、今年は雨季がやってくるのが遅くなると予測しているため、この干ばつ状態はまだしばらく続くと見られると語った。





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