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3月22日にメルマガ悪魔に乾杯を発行させていただきました。

2020年からの世界 健康の真実 日本の未来

治療薬として有望なクロロキン等より「緑茶に含まれるエピガロカテキンガレートのほうが新型コロナウイルスへの抗ウイルス作用がはるかに高い」ことが公開された論文で判明。そして思う日本人の日常食のすごさ

投稿日:2020年4月3日 更新日:


・公開された論文(査読前)より。 researchsquare.com




 

緑茶と海藻の威力をパンデミック下に想う

 

今回の記事の内容を一言で書きますと、

「緑茶は新型コロナウイルス対策にものすごくいいかもしれません」

という内容です。もうそれだけです。

これは関係のない話ですが、先日、ニューズウィークの「日本で新型コロナの死亡率が低いのは、なぜなのか?」という記事に、「新型コロナウイルでの人口に対する死亡率の比較」が掲載されていました。

感染者数からの致死率は、感染者の実数が明らかではない現状では、やや意味がない面もありますが、人口比ですと、わりと確実で、以下は「人口10万人当たりの死亡者数」の比較です。

・イタリア 人口10万人当たりの死亡者数 10.03人
・スペイン 人口10万人当たりの死亡者数 5.68人
・米ニューヨーク州 人口10万人当たりの死亡者数 0.61人
・韓国 人口10万人当たりの死亡者数 0.21人
・日本 人口10万人当たりの死亡者数 0.03人

3月24日時点までのもので、現在までも比較としては、あまり変わっていません。

日本の人口比の死亡率は、「イタリアの 330分の1であり、スペインの190分の1」となっています。かなり死亡率の低い韓国と比較しても「 7分の 1」となっていて、日本の死亡率の差がかなり明確になっています。

この新型コロナウイルスに関しては、先日の記事でもふれましたけれど、数多くの種類の「株」があるため、そのためということもあるでしょうけれど、それにしても、同じコロナウイルスでこの差はちょっとすごい。

以前、以下の記事で、「なぜ 1918年のスペインかぜで、日本人は死亡しにくかったのだろうか」ということにふれたことがあります。

1918年のスペインかぜで日本の致死率が著しく低かった理由を探っているうちに突き当たった「抗ウイルス策あるいはサイトカインストーム防御策」。それは海藻とフコイダンに
投稿日:2020年2月16日

もちろん実際のところはわからないにしても、数々の医学論文を検証していく中で、

・海藻に含まれるフコイダンは、サイトカインの発現パターンを変化させ、重症化を防ぐ

・岩海苔などに含まれるグリフィスシンという成分にSARS ウイルスのウイルス感染を抑制する効果がある

ことがあることを知ったのです。

下のほうの岩海苔の成分に関しては、アメリカ保健福祉省が、岩海苔とかテングサから抽出できるこの物質の「特許」も取得しています。

それでまあ、考えてみれば、「海苔とか海藻って、世界のほとんどの人たちが食べないのだよなあ」ということに思い至り、

「関係あるかもなあ」

と思いまして、先ほどの記事を書きました。

今回の新型コロナウイルスの死亡率の低い国である日本と韓国もまた、日常食として海苔と海藻を食べる数少ない国でもあります。

また、海苔の多糖類を分解できるのは、基本的に「日本人だけ」ということもありまして、食生活として海藻をよく食べるのは理解できることでもあります。以下は、2010年のネイチャーの論文を紹介した AFP の記事からです。

日本人がノリを消化できる理由を発見
AFP 2010/04/08

日本人の腸が海草に含まれる多糖類を分解できるのは、分解酵素を作る遺伝子を腸内に住む細菌が海洋性の微生物から取り込んでいるためだとする論文が、英科学誌ネイチャーに発表された。

フランスの海洋生物学と海洋学の研究・教育機関「ロスコフ生物学研究所」の研究チームは、ゾベリア・ガラクタニボランという海洋性バクテリアが、アマノリ属の海草に含まれる多糖類を分解する酵素を持っていることを発見した。

公開されているDNAのデータベースを調べたところ、ヒトの腸内に住むバクテロイデス・プレビウスという微生物が、同じ酵素を作る遺伝子を持っていることが分かった。このバクテリアはこれまで、日本人の排泄物からしか見つかっていない。

 

そして、最近発表された医学論文のリンクを辿っていましたら、公開されていた論文の中に、新型コロナウイルスの治療薬としての食品成分の抗ウイルス作用の同定に関しての以下のものを見出しました。

Identification of Dietary Molecules as Therapeutic Agents to Combat COVID-19 Using Molecular Docking Studies
分子ドッキング研究を使用してCOVID-19と戦うための治療薬としての食物分子の同定

これは、インドのERA医科大学という医学系大学の研究者たちが、知られている 18種類の食品成分について「分子ドッキング」という方法で探査したものです。

その結果、

「エピガロカテキンガレートという物質に最も高い抗ウイルス作用があった」

というものだったのです。

この「エピガロカテキンガレート」というのは、「カテキン」の一種なんですが、つまり「緑茶」に含まれているものです。

ところが、普通のカテキンは、紅茶とかウーロン茶とか、さまざまなお茶に含まれているのですけれど、「エピガロカテキンガレート」というのは、少なくとも手軽に手に入るものとして、

「緑茶にしか含まれていない」

のです(後に「テトウストレ」というものにも含まれていると知りました)。

この「緑茶」というのも、日本以外では、世界中の人が日常的に飲んでいるとはいえないものでして、2015年9月6日の日本経済新聞の記事に「世界で飲まれ始めた日本の緑茶 」というものもありましたので、以前ほど「日本人オンリー」ではないかもしれないですけれど、でも、海外では緑茶は一般的なお茶とはいえないです。

海外では、缶飲料の「グリーンティー」などは、「緑茶にどっさり砂糖が入れられていること」もあり、驚きの「甘い緑茶」を購入してしまうこともあると思います。

ともかく、そういう「日本人だけが日常的に飲んでいる緑茶」というものが、現在わかっている分には、「この世の食品成分の中で最も新型コロナウイルスに有効」だと知りまして、海藻の存在と共に、何とも感慨深く思った次第です。

先ほどの論文には、18種類の食品成分がすべて数値として比較されているのですが、参考として、新型コロナウイルスの治療薬として期待されている「クロロキン」とか「レムデシビル」との数値を比較しますと、ウイルスの受容体によっては、

「緑茶の成分は、抗ウイルス薬の最高で 2倍ほどの抗ウイルス活性がある」

のです。

副作用が強いとされる抗ウイルス薬より、医薬品関係の方などがいらっしゃいましたら、この緑茶の成分エピガロカテキンガレートをベースにした治療薬なり、他の何かなりの考察を持たれていただければ幸いです。

しかし、私たち一般人としては、とにかく、

「日常で緑茶をたくさん飲んで、海藻類をたくさん食べましょう」

というようなことでよろしいのではないかと思います。

この論文は、まだ査読されていないもので、現在、世界の科学者に公開されている状態ですが、コメントには「エピガロカテキンガレートは、酵素フーリンへのウイルス結合も阻害するので非常に素晴らしい着想だ」とありまして、論文として認められる時が楽しみです。

この論文を読んだ時は、ちゃんと読んでいない段階でしたので、ブログに書くのは無責任だと思いましたが、メルマガの読者の方には号外でお伝えてしていました。

それを編集して公開させていだきます。

この中に、その他の有効な食品成分もすべて記載しています。

その多くが、従来より「健康にいい」と言われているものばかりですが、これを知りますと、やはり食生活というのは大事なものだと思います。

まあ、その食品流通が危うくなってはいるのですけれど、何とかやっていきたいものですね。

ここからです。

2020年3月30日の In Deep メルマガ号外「緑茶の効用」より

みなさま、こんにちは。

相変わらず手を洗っていない岡です。

今日、医学論文のリンクを見ていましたら、
インドのエラ大学という医学系大学の研究者たちによる、

「COVID-19の治療薬としての食物分子の同定」

というタイトルの論文が公開されていました。

この論文の目的は、

「この世界中の健康危機を見て、
SARS-CoV-2を標的とすること
ができる適切な薬剤候補を見つ
けることが私たちの目標だった」

とありまして、新型コロナウイルスの治療約の候補として、
何が、最も、その感染等を阻害するか(防止するか)ということについて、
18の「食品分子」について調査したものです。

これは、ウイルスの「スパイクタンパク質」
をターゲットにしたものでして、平たくいいますと、

「食物に含まれている成分で何が新型コロナウイルスに最も有効か」

というものを同定したものです。

論文は、以下の URL にあります。

https://www.researchsquare.com/article/rs-19560/v1

その成分は以下のようになっていました。

論文には、すべての数値が書かれていますが、
名称だけを書かせていただきます。

新型コロナウイルスに有効な成分(効果の高い順)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1. エピガロカテキンガレート
2. クルクミン
3. アピゲニン
4. ベータグルカン
5. ミリセチン
6. ケルセチン
7. ピペリン
8. ゲニステイン
9. ジアゼイン
10. フェルラ酸

11. アリイン
12. リポ酸
13. レスベラトロール
14. グルコサミン
15. ジンゲロール
16. スルフォラフリン
17. アリシン

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(ここまで)

 

「エピガロカテキンガレート」というのが、ダントツの一位ですが、
これだと何だかわからないと思われますので、
成分の後ろに「主にどんな食品に含まれているか」を加えます。

 

新型コロナウイルスに有効な成分(効果の高い順)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1. エピガロカテキンガレート (緑茶)
2. クルクミン (ウコン)
3. アピゲニン (パセリ、セロリ、グァバ)
4. ベータグルカン (きのこ類、最も多いのは、ハナビラタケ)
5. ミリセチン (クルミ、ブドウ、ベリー類)
6. ケルセチン (たまねぎ、そば、りんご)
7. ピペリン (黒コショウ)
8. ゲニステイン (大豆)
9. ジアゼイン (大豆)
10. フェルラ酸 (コメ、大麦、小麦)

11. アリイン (ニンニク)
12. リポ酸 (牛・豚のレバー、腎臓、心臓)
13. レスベラトロール (ぶどう、赤ワイン)
14. グルコサミン (カニ、エビ)
15. ジンゲロール (生姜)
16. スルフォラフリン (ブロッコリー)
17. アリシン (ニンニク、玉ネギ)

(参考までに)

18. レムデシビル (抗ウイルス薬)
19. クロロキン (抗ウイルス薬)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(ここまで)

 

こうなるのでした。

新型コロナウイルスに対して、最も高い薬理活性を示したのは、

「エピガロカテキンガレート」

という緑茶の成分だったのです。

それはもう破格の数値を示していまして、
つまり、このメールは、

「緑茶をたくさん飲みましょう」

というメールだと思っていただいてよろしいです。

最近、抗ウイルス薬などの、
レムデシビルという薬や、クロロキンという薬が、
新型コロナウイルスの治療薬として効果についてが報じられることがありますが、
論文には以下のようにありました。
(論文より)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
EGCG(エピガロカテキンガレート)
の計算された活性は、両方の参照薬で
あるレンデシビルとクロロキンよりも
高いことが判明した。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(ここまで)

つまり、緑茶に含まれている、
このエピガロカテキンガレートという物質は、

「抗ウイルス薬より新型コロナウイルスに有効である可能性」

があるのです。

そして、重要なことは、

「このエピガロカテキンガレートは、この世で緑茶にしか含まれていない」

のです。

紅茶にもウーロン茶にも含まれてはおらず、「緑茶だけ」なのです。

カテキンそのものは、他のお茶類にも含まれますが、
エピガロカテキンガレートは、緑茶だけにしか見出されていないのだそうです。

ちなみに、緑茶のカテキンは、以下の化学構造の違いから、
以下の4つに分類されています。

1.エピガロカテキンガレート(EGCG)
2.エピガロカテキン(EGC)
3.エピカテキンガレート(ECG)
4.エピカテキン(EC)

すべて体にいいのだと思いますが、
この中の「エピガロカテキンガレート」が、
新型コロナウイルスに対して、特に良いようなのですね。

エピガロカテキンガレートには、
もともと、抗炎症作用など免疫抑制作用があるとされていましたが、
今回の新型コロナウイルスに対しての研究でも、
それが示されたと思われます。

なお、エピガロカテキンガレートを最もよく抽出するには、
80℃ほどのお湯でお茶をいれるのがいいようです。
こちらのサイトにそう書かれてありました。

まあしかし、先ほどの一覧を見ますと、緑茶以外にも、
ウコン(ターメリック)、きのこ、たまねぎ、大豆、コメなどから、
ニンニク、ブドウ、生姜など、一般的に体に良いと言われているものが多く、
これらは、抗ウイルス作用も保持している食べ物のようです。

取り急ぎ、メルマガの号外でご紹介させていただきました。
ご参考になれば幸いです。

何とかいろいろと免疫をつけて、乗り切りたいですね。

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Oka In Deep

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