今日は、他のテーマで記事を書いていたのですけれど、10月11日に、アメリカのフロリダ州に接近し、そして上陸した「マイケル」という名のハリケーンの被害が(まだ被害の最初期の段階なのに)すさまじく、それを少しご紹介したく思いました。
英国 BBC の日本語版でも「地獄のような」という BBC では珍しい表現を使うというような本当に凄まじいもので、少なくともアメリカが現代社会になってからは最大規模で最大級の破壊的被害を生み出すハリケーンとなりそうです。
10月11日の BBC 日本語版より
・BBC
ちなみに、このハリケーンは、今(10月11日の夜)の時点では、先ほどアメリカに上陸したばかりで、被害の拡大はこれからでしょうが、上でご紹介した BBC には以下のようにあります。
10月11日の BBC 「ハリケーン「マイケル」米上陸 「地獄のような」規模で被害拡大」より
ハリケーン・マイケルは一時、勢力が5段階中2番目に強い「カテゴリー4」まで発達。10日午後、米フロリダ州北西部のパンハンドルと呼ばれる地域に上陸した。
予想を裏切る速さで発達したマイケルはハリケーンとして勢力を保ったまま陸上を移動しており、アラバマ州やジョージア州にも被害を及ぼす見込み。
フロリダ州のリック・スコット知事は、マイケルが過去100年で最悪の嵐になるだろうと述べ、「想像を絶する破壊」を警告した。
フロリダ州パナマシティビーチの自宅で、妻と共に嵐を乗り切ったティモシー・トーマスさんはAP通信に対し、「地獄のような目に遭っている」と話した。
このハリケーンによる倒木で送電網が破壊され、既に25万戸の家や企業が停電になっている。
マイアミに拠点を置く米国立ハリケーンセンターの気象学者デニス・フェルトゲン氏はフェイスブックに、「これは新しい領域だ」と書いた。
「歴史的な記録を1851年までさかのぼっても、フロリダのパンハンドルをカテゴリー4のハリケーンが襲った例はない」
フロリダ州、アラバマ州、ジョージア州、ノースカロライナ州の全域に、非常事態宣言が発令されている。
このハリケーンは、とにかく「風」がものすごいようです。
時速 200キロほどの暴風が吹きまくっているようで、そこに出現したフロリダの街の様子は BBC の言うように「地獄のよう」でもあります。
写真をいくつかご紹介します。
2018年10月11日 ハリケーン「マイケル」が通過した後のフロリダ沿岸
地獄というより「廃墟」のイメージとなっているフロリダなのですけれど、今後、勢力が弱まるにしても、アメリカの複数の州を通過していくとみられていまして、「かつてアメリカで見られたことのないような破壊の光景」が現出する可能性があります。
アメリカは、昨年 2017年は、ハリケーン「ハービー」による壊滅的な洪水で記録的な被害が出ましたが、今回のハリケーンは、かつてない暴風が顕著となっています。
こういうハリケーンが、現実としてアメリカに上陸していることを見ますと、2015年に書きました以下の「瞬間最大風速200メートルの台風やハリケーンが現実化する?」というような話も、あながち「いつかは、ないとはいえないのかもしれない」と、つくづく思います。
瞬間最大風速200メートルの台風やハリケーンが現実化する?:モンスター・ストームと、海底火山、小惑星の衝突の関係が MIT の研究により明らかに
あるいは、アメリカで「カテゴリー 6」を新しく作ることが論じられていることをご紹介した以下の記事のようなことも現実化していくのかもしれません。
「カテゴリー5ではもはや足りない」スーパーストームの時代に生きている : 世界中の気象専門家が台風やハリケーンの強さの基準にカテゴリー6を加えることを提言
ちなみに、上の記事に掲載したグラフですが、1980年から 2016年までに、「カテゴリー 5に相当する暴風雨(台風、サイクロン。ハリケーン等)は 700%増加している」ことが発表されています。
このグラフの期間である 1980年から 2016年というのは「たった 36年」の期間です。
有史数千年と比べても、わずかな期間ですし、現世人類の歴史である十数万年と比較すると、まったく瞬間的な時間軸ですが、
「こんな短い期間の間に、こんなに地球は荒れるようになった」
ことがよくわかります。
廃墟といえば、9月28日に地震と津波で壊滅的な被害を受けたインドネシア・スラウェシ島で大きな被害が出たパルという街の「震災 10日後」の様子が、おそらくドローンで撮影されていました。
下がその様子です。
https://youtu.be/pw41kD9L0g0
もの悲しくなるほどの廃墟が広がっています。
このインドネシアの震災では、当局による行方不明者の捜索はすでに打ち切られており、最終的に発表された「死者 1600人以上」というところで、人的被害に関しての報道は終わっています。
ただ、海外の報道では、捜索が打ち切られる少し前に、「瓦礫の下にまだ 15万人が取り残されている可能性」についての「当局の談話」が報じられていました。
10月6日の報道より
・More than 150 thousand people can remain under the rubble in Indonesia
捜索が打ち切られ、その後の人的被害件数についてどういうことになっているのかは、もはやわからないですけれど、インドネシアにしても、フロリダにしても、こんなに早いサイクルで、世界各地に「巨大な廃墟」が次々と現れる。
あるいは、「アース・カタストロフ・レビュー」でもご紹介していますが、現在、中東やヨーロッパでは、絶えず(誇張ではなく「絶えることなく」というままの意味です)どこかで大洪水が発生しており、それらの被災地にも日々廃墟が広がっています。
よく書かせていただくフレーズですが、「そういう時代なのだ」と、つくづく感じます。
今は「構築の局面」ではなく、「破壊の局面」の時代なのだと。
そういえば、今日、日本の気象庁が、「秋の間にエルニーニョ現象が発生する可能性が高い(70%)」と発表していました。詳細は下のリンクにあります。
・気象庁 エルニーニョ監視速報 2018年9月の実況と2018年10月〜2019年4月の見通し
エルニーニョ現象が発生したからといって、具体的にどうなると予測できるものではないですけれど、しかし「この秋から冬も世界のどこかで異常気象が継続する」という可能性が高くなったとはいえそうです。
そして、この「地球の破壊の局面」は、まだまだずっと続くはずです。