話題そらしの大本営発表
この数日、日本の報道のタイトルを見ると、中国のコロナ関係の報道ばかりが目につきます。
まさに各社いっせいに「中国で火葬場に行列」などの文字列で報じていまして、本当に全メディアといっていいほど同調して報じているのが不気味です。
「今までそんなことを気にしたことあったっけ?」
と思いながら、いっせいの報道というのは、「常に不気味の前兆となり得る」ものですから、データ等を少し見ていましたら、何のことはない、
「火葬場に行列ができているのは、日本」
だと知りました。
まあ、火葬場についての報道があるわけではなく、前回流行波との突き合わせでは、そうなっていると見られます。
以下は、厚生労働省の新型コロナの情報提供ページからです。
2022年12月21日の日本のコロナ死者数
厚生労働省
昨日 12月21日の死者数が「 296人」と示されていますが、日本の 1日のコロナ死者数が 300に近づいていることを知りました。
これは前回の流行波の最大数 (9月2日の 347人)に近づいているわけで、8月下旬から 9月の上旬まで、何日か 1日 300人以上の死亡事例が示されていましたが、「そこに近づいている」ということになり、しかも、感染数のグラフは上を向いたままですので、数日から十数日中にも更新される可能性があります。
これは感染数ではなく、死者数です。
「こんな数字が出ていて中国の死者の報道どころじゃねえだろ」
とは思いましたが、「まあ……だから中国の報道を」とも思いました。
今や、ロシアや中国は報道埋めにはいい存在ですからね。
芸能ニュースと共に、なくてはならないものとなっているはずです。
その他にどんなコロナ報道があるかといいますと、「コロナ致死率 昨夏以降大きく低下 - Yahoo!ニュース」など厚労省と医療当局のこれまでの手柄を讃えるような報道が出たりしていますけれど、「致死率が低ければ、たくさん亡くなってもお構いナシかよ」という話ではあります。
あと早ければ数日、遅くても年明け以降には、
「日本の 1日の新型コロナ死が過去最大になる」
ことは明らかです。
そして、それが「さらに拡大する可能性」があります。
これについては、後半のほうで少しふれますけれど、今回が「死者数として最大の流行波」となる可能性が高いです。
もちろん、その次の流行波はさらに悪化し、その次はさらに大幅に悪化するはずです。理屈では。
なお、以前の 8月から 9月の流行波で、1日の死者数が同程度の 200人-300人程度だった時に、どんなことが日本で起きていたかは、以下の 9月の記事で、英語版の朝日新聞の記事をご紹介しています。
[記事] 大本営発表ばかりの中で : 「日本で実際には何が起きているのか?」という海外の報道で知った日本の「死の波」の現状
In Deep 2022年9月15日
(英語版 朝日新聞の9月5日の記事より)
> 日本の葬儀場は、進行中の第 7波の中で COVID-19 の死者数が増え続けているため、火葬を待つ遺体で圧倒されている。
>
> 関連する死亡者数は 8月に 7,000人を超え、月間最高記録を更新した。
>
> 冷蔵保管施設に収容できなかった遺体が遺体安置所に殺到している。
>
> …ピーク時には公営火葬場は 1週間前から満室、民間火葬場は 10日前から満室だ。
>
> 火葬まで 1週間待たされた神奈川県相模原市は、9月から枠を撤廃することを決めた。横浜市は定員を、8月初旬の7倍以上の最大 22人に拡大した。
asahi.com
この時には、コロナで亡くなった人の火葬を受け付けている葬儀場が少ないという理由もあり、また各種の制限などもありました。
今回も「死の波」が来ることを想定したのでしょうが、厚生労働省は、12月21日に、
「コロナ感染者の火葬の制限を緩和」
したことが報じられています。
通常と同様の火葬ができるようになった他、収骨が可能となり、納体袋を不要とする、などとなったようです 。
それでも火葬場が足りなくなった場合は、「広域火葬計画」という厚生労働省の最後の手段がありますので、火葬については安心です。
[記事] 厚生労働省による広域火葬計画下の日本の「オミクロン後の社会」を、デンマークの国家機関データから考える
In Deep 2022年2月13日
厚生労働省部局から各都道府県への「広域火葬計画」の整備の要望書
厚生労働省, 地球の記録
今気づいたんですけれど、この連絡日の令和4年2月7日というのも印象的ですね。427……「死にな」と(やめろよ)。
「打てば打つほど…」を示す論文
最初、日本でのコロナ死者数が急激に増えていることは、以下の海外メディアの報道で知りました。
> COVID-19 による死亡者数は過去 2週間にわたって日本で驚くべき速度で増加しており、毎日の平均的な COVID-19 による死亡者数は、公式報告数値で 220 人から 240 人の間で推移している。実際には、全国のさまざまな火葬場の待ち行列を考慮すると、実際の数値はこれよりはるかに高いと考えられている。 (thailandmedical.news)
実際、グラフを見れば、現在の日本は「コロナ死でほぼナンバー1」です。
日本と各大陸の人口100万人あたりのコロナ死者数の推移
ourworldindata.org
なお、この順位は、おおむね「ブースター接種率の高さ」と比例します。
日本と各大陸のブースター接種数の推移 (日本は127%)
ourworldindata.org
日本の率が 100%を超えているのは、4回、5回と打つ方々が(他の国ではほとんどいないのに)たくさんいらっしゃるからです。
このふたつのグラフは、ブースター接種の「本当の効果」をよく示していると思います。
が、しかし、こんなもので終わるはずもなく、これから長い「ツケの時代」が始まります。
ところで、このブースター接種と「コロナ死亡数」の各国の比較を見ていまして、最近の2つの論文を取りあげていた米エポックタイムズの記事を思い出しました。
その記事をご紹介させていただいて締めたいと思います。
「打てば打つほど…」
ということが示された論文です。
ここからです。
ワクチン接種が COVID-19感染のリスクを高めるふたつの研究
Vaccinated at Higher Risk of COVID-19 Infection: Studies
Epoch Times 2022/12/21
最近の 2つの新しい研究は、 COVID-19ワクチンを接種した人たちは、未接種者よりも感染する可能性が高くなることを示している。
米クリーブランド・クリニックの研究者たちによる論文では、追加投与 (ブースター接種)をするたびに感染の発生率が高くなっていることを示した。 COVID感染率が最も低かったのは、予防接種を受けていない人々だった。
別の研究では、米インディアナ州の研究者たちが、感染して自然免疫を持っている未接種者よりも、接種した人たちのほうが感染の発生率が高いことを発見した。
これらの研究は、ワクチン接種者の感染に対する有効性が低い、あるいは否定的でさえあることを発見した最新のものだ。
ますます多くの専門家たちが、免疫の刷り込みを指摘したり、それが原因である可能性を示唆したりしている。
この「免疫の刷り込み」という概念は、ウイルスの初期バージョンにさらされることによって免疫システムがどのようにロックインされ、変異バージョンへの応答が妨げられるかを指す。
最新のブースターは、武漢株とオミクロン亜種の BA.4/BA.5 変異株の両方をターゲットとにしているが、最初の COVID-19 ワクチンは、元の武漢株のみをターゲットにしていた。
古いワクチンは、特定の狭い変異オミクロン攻撃を予期するように免疫応答を訓練した可能性がある。
カタールの研究者たちは最近の論文で、「感染の攻撃が免疫回避型のオミクロン亜変種である場合、反応は劣っていた」と述べ、ブースター用量が感染に対する保護を低下させることを発見している。
ここまでです。
エポックタイムズの記事は、この後、それぞれの論文を詳しく概説しますが、それは繰り返しになるという以上に、むしろ理解が複雑になってしまうように思い、割愛しました。
また、これらの論文は、あくまでも「感染のしやすさ」に焦点を当てたものですが、先ほどの「コロナ死者数」と「ブースター接種率」の各国の比較でわかる通り、ブースターは、
「重症化にも関係する」
ことが明白となっていると個人的には思います(そこにマスクによる低酸素で効果は二倍三倍と)。
かかりやすくなり重症化しやすくなるという現実を否定することは難しくなっています。
それ以外の理解や回答はいっさい存在しません。
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