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日本はもうじき「毎年100万人ほどが消滅する国へ」:海外でショッキングに報じられる日本の世界最速となる異常な「自然の」人口減

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日本の世界最速の人口減少を報じる米国報道より


FT




 

実際は相当衝撃的な自然人口減の中に生きている

4月12日に、総務省が最新の日本の人口推計を発表しまして、予測通りとはいえ、劇的な人口減少が続いています。

発表内容は以下のような感じでした。

人口が過去最大の減少 70歳以上が初めて2割超え

朝日新聞デジタル 2019/04/13

総務省は12日、昨年10月1日現在の人口推計を発表した。

総人口は前年より約26万3千人減の1億2644万3千人で、8年連続の減少。減少率は0・21%となり、減少数、減少率ともに比較可能な1950年以来、過去最大となった。また70歳以上が総人口比で初めて2割を超えた。

日本人だけで見ると、前年より約43万人減の1億2421万8千人。減少率は0・35%で、総人口同様に減少数、減少率ともに過去最大となった。

一方で外国人は222万5千人(前年比約17万人増)。年々増える外国人が日本の総人口の減少を緩和している形だ。

日本でのこの件に関しての報道は淡々としたものですが、むしろ、海外で相当大きな衝撃として伝えられています。

なぜなら、今の日本で起きている人口減少は、人類史で例を見ない、

「自然の人口減」

だからです。

自然というのは、戦争や内戦、明らかな経済破綻、壊滅的な自然災害などによるものではないという意味です。

冒頭に載せましたファイナンシャル・タイムズの日本の人口減少に関しての報道は、さまざまな海外のブログやニュースサイトで紹介され、まあ、私もそれで知ったのですが(このように、日本人は呑気)、実際には「大変な事態の中で私たちは生きている」ということが、それらの記事でわかります。

そのファイナンシャル・タイムズの記事をご紹介したいと思いますけれど、先ほど、「自然の人口減」と書きましたが、このファイナンシャル・タイムズの記事にあるグラフで、最初にそれを示しておこうと思います。

まず、現在の世界で「最も人口減少が著しい三カ国」は、減少率の順に以下の国となります。

・ウクライナ
・日本
・ベネズエラ

その三カ国(+ルーマニア)の 2013年から現在 2018年までの人口減少の推移と、「 2018年からの減少率」の推計を示したものが以下のグラフとなります。

最大の人口減が起きている国の人口の推移


・FT

このグラフを見ますと、日本は、「実は、これからが人口減少の本番」であることもわかります。

そして、他のふたつの国、ウクライナとベネズエラは、「自然の減少」ではないということがあります。

ウクライナは、2014年にかけて一気に人口が減っていますが、これは、2014年にはじまった「クリミア危機・ウクライナ東部紛争」による大量の人口の流出が関係していると思われます。また、ベネズエラは、2017年から急激な人口減少が起きていますが、これは、現在も続く経済破綻やハイパーインフレーションによる国外への人口の大規模な流失が起きているためだと考えられます。

その中で、

「日本は特に何もない」

中での突出した人口減少ということになっているわけです。

「何もない」というのは、つまりウクライナのような紛争や内戦が起きたわけではないし、ベネズエラのような壊滅的な経済破綻が(今のところは)起きているわけではないということですが、つまり「自然減」なのです。

人類史の中で、たとえ国家が壊滅していく中であっても、「先に自然の人口減があった」国家というものはおそらく存在せず、普通なら「国が衰退したから、人口が減っていく」というものであり、その理由が、戦争であろうと自然災害であろうと、まずは環境や体制が衰退・崩壊してから人口は減っていくものです。

しかし、今の日本は、そういうことではなく、先んじて激しい人口減少が起きている。

人類史からも、とても珍しい状況だと思います。

もちろん、これは日本だけの問題ではなく、主要国の多くが同じ状況となっていることも事実です。

なお、最近 5年間の世界の人口減少の多い国ランキングは以下のようになります。


・FT

これを見る限りは、紛争のあったウクライナが最も激しく人口が減少(人口流出)していますが、日本やルーマニア、ギリシャなど、ヨーロッパでも、各国で「自然減」が起きていることがわかります。

冒頭のファイナンシャルタイムズの記事をご紹介します。

 


Japan’s population decline accelerates despite record immigration
FT 2019/04/19

記録的な移民の流入があったにもかかわらず、日本の人口減少が加速している

日本は近い将来、毎年、中規模の都市に相当する人口を失い続けることになる

日本で人口減少のペースが加速しており、この国は近い将来、中程度の規模の都市に相当する人口を毎年失うことになる。

総務省が発表した新しい数字によると、日本の人口は昨年より 43万人以上も減少した。

これでも、 16万1,000人以上の移民による、日本としては記録的な純流入によって部分的に相殺されているが、全体的な減少のペースは、マイナス 0.21パーセントの新たな最高値を記録した。

日本の総人口は、2010年の 1億2800万人のピークから減少し、1億2640万人となった。

ルーマニアやブルガリアなど、移民の多い一部のヨーロッパ諸国でも、急速に人口が減少しているが、移民の少ない日本においての人口減少は自然のもので、これは世界最速の減少のペースだ。

人口減少のペースが速いほど、より恒久的な移民の流入を許可するかどうか、および国内消費に依存している日本企業に厳しい状況があらわれるかどうかというようなことについての日本でのジレンマは高まっていくことになるだろう。

政策研究大学院大学名誉教授の松谷明彦氏は、「日本の人口が急減している理由は、少子化ではなく、むしろ死亡者数の増加です」と述べている。

松谷教授は、以下のように付け加えた。

「日本は、第二次世界大戦前に、出生率を上げるという軍事的圧力のためにベビーブームを起こしましたが、これらの人々が亡くなる時代に近づいているのです」

日本では、急速な高齢化に加えて、都市への移住のペースが速いため、人口の減少は特に農村部や日本の地方都市で深刻になっている。

青森県や秋田県などの東北の地域では、人口が毎年 1パーセント以上減少し続けている。一部の市町村では、人口を構成する人々に 70歳未満がまったくいない場所も出てきており、それらの場所では、日本で「シャッター街」と呼ばれる、開くことはない商店街が連なる。

松谷教授によると、日本の死亡数は 2030年頃にピークに達するまでは着実に増加すると見込まれており、その結果、人口の減少が加速しているという。その後、少子高齢化により、人口の減少は続くだろうが、減少のペースの加速は止まるだろうと述べる。

厚生労働省の機関である「国立社会保障・人口問題研究所」は、今世紀半ばまでに日本は、毎年約 90万人の人口を失うと予測している。この数は、スコットランドのグラスゴーや米テキサス州のオースティン市と同じくらいの人口だ。

日本では、2018年 10月までの 1年間に、94万4,146人の出生があった。それに対して、同じ期間に 136万8,632人が死亡した。

2011年には、出生数が 107万3,663人で、死亡数は 125万6,387人だった。

東京大学名誉教授であり、立正大学教授の吉川洋氏は、長期予測によると、日本の人口は 100年後にはわずか 5000万人に減少することが示されていると述べる。

吉川教授は、「大きな問題の 1つは、人口減少に伴って人口が高齢化することです」とも述べた。

また、教授は、多くの人々が高齢者の世話をするのに苦労しており、これは公的財政と地域社会に深刻な負担をかけるであろうと付け加えた。しかし、吉川教授は、それでも日本はまだ一人当たりの経済成長を期待することができるだろうと言う。

2018年には、日本で外国籍を持つ居住者人口は 220万人と過去最高数を更新した。安倍晋三首相による経済政策と移民改革が、海外からの労働者の流入を後押した。


 

ここまでです。

なお、日本がこういうことになった理由は一言で書けば、以前、過去記事でご紹介しましたヨーロッパの政治統計サイトの中の以下部分が大きいはずです。

この日本の異様な高齢化現象の理由は何なのか?  答えは単純で、それは子どもの不足だ。日本社会が、自分たちの子孫を作り出すことを重視するのではなく、物や財産の生産に集中することを選び続けてきた結果だ。

過去記事は、以下のものです。

日の本の国が消えるとき : 1時間に 51人ずつ人口が減っている日本についての「存在し得ない未来」についての論文

この記事はヨーロッパのものであるのですけれど、日本の状況をわりと的確に記していまして、たとえば以下のような部分は、それぞれがそのまま「自然の人口減少」と関係していることかもしれません。

「300年後には日本人は300人しかいない」より抜粋

日本人は快適な人生を過ごすことに慣れており、家族よりもキャリアを選ぶことがよくある。現在の日本人にとって結婚は最も重要なことではなく、その存在位置も低い。それは数字でもわかる。今の日本では、男性の4人に1人、女性の7人に1人が未婚のままだ。これは離婚を含まない生涯未婚率だ。

多くの若者たちは社会的な便益や給与の低い一時的なアルバイトをしており、彼らは結婚して子どもを扶養することができない。

日本の雇用主は子どもの母親をサポートしない。子どものいる女性や妊婦の雇用は避けられることが多い。また、幼児の保育環境が不十分で、保育園や幼稚園が不足しているために、最初の子どもを持った女性の 70%が少なくとも 10年間働いていないという現状がある。日本での子育てはそのコストも高い。

そして、今の日本では、子どもたちが大きな声を出して遊んでいることに対して快く思わなくなる高齢者が増え、子どもたちが老人たちから良く扱われることもなくなってきている。高齢者は今の日本の大部分の人口を占めている。この理由のために、子どもたちの遊び場の建設や幼稚園の建設が、高齢者からの苦情によって中止させられた事例もある。

西側社会でもこの問題は似てはいる。女性にプロのキャリアが奨励され、それにより、国家の労働力と生産性は向上する。しかしその一方で、人口の減少と高齢化は、労働力の減少と消費の減少、経済成長の減速と GDP の縮小につながる。

要するに、どこの国でも、「生産率向上」とか「合理的な生産性」などを追い求めていった結果として、今の「人口減少国家」の誕生に至ったという部分はあるのかもしれません。

上の記事の最後の文章は以下のようなものでした。

世界の先進国は、日本のようになっていくシナリオに向けて地球規模で備える必要がある。

いずれにしましても、早ければ、あと十数年ほどで、日本は、「毎年、100万人近くの人口が消滅していく時代になる」ことは避けられなくなっています。

そもそも、今の時点で、1年間で 40万人以上の人口が消滅しているのですから、 1年間で 100万人減の時代もそんなに遠くないかもしれません。

その十数年の時代の流れの中では、先ほどのファイナンシャルタイムズにも出てきた「高齢者しかいない市町村」は消えていき、現状で多くの農家の方々が高齢者だという中で、そのような食糧の生産性も消えていき、都市部でも人材不足により優秀な技術を持つ小さな企業が消えていき……つまり、いろいろなものがどんどん消えていく。

何が残るのでしょうかね。

なお、今後の世界の壊滅的な人口動向予測については、以下の記事でも取り上げています。

地球老年期の終わりを越えて : 人類史上初めてとなる壊滅的な「世界の人口統計的時限爆弾」をグラフで見てみる

これからの日本を生きていく態度と価値観は、これまでとは異なったものが必要になる可能性も高く、たとえば、現時点で存在するセーフティネットが機能しなくなる可能性なども含めて、いろいろな方面から今後を考えることも悪くないと思います。

何しろ、あと十数年もすれば、日本は「毎年 100万人ほどの人口が消えていく」という、誰も経験したことのない状態に突入するのですから。





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