ディーン・クーンツ『闇の眼』 1981年の初版オリジナルより
・dacheng1120
私たちは訳のわからないカオスの中に生きている
今日、久々に「ゾッとする感覚」に、ちょっち襲われました(ちょっちかよ)。
話としましては、2月6日ですから 10日ほど前に以下のような記事を書かせていただきました。
40年前のアメリカの小説『闇の眼』に出てきた史上最強の創造上の生物兵器は中国武漢の研究室で作られた。その兵器の名前は「武漢 - 400」
記事では、アメリカのディーン・クーンツという人気作家の 1981年の『闇の眼』という小説の中に、
「武漢-400 (Wuhan-400)」
という名称の、リー・チェンという中国人科学者によって遺伝子を組み換えられて作成されたウイルスによる細菌兵器が登場することを知ったということを記しました。
やや興味もありましたので、私はすぐに、この『闇の眼』の日本語版を購入しました。すると、『闇の眼』日本語版には、「中国」という言葉も「武漢-400」という言葉もどちらも出てこないのです。
出てくるのは「ロシア」という言葉と、生物兵器の名称は「ゴーリキ400」となっていたのです。実際の日本語版は以下のような表現となっていました。
日本語版『闇の眼』より
「ちょうど、そのころ、イリヤ・ポパロボブというソ連の科学者が合衆国に亡命してきたんです。この十年間ソ連で一番重要で危険な細菌兵器のマイクロフィルムのファイルを持って。ロシア人はこれを『ゴーリキー四百』と呼んでいます。開発されたところがゴーリキー市の近郊の RNA と DNA の実験室だったものですから。これはその研究室で作られた四百番目の人工微生物の生存種なのです。」
私はこの時点では、
「オリジナルの小説では、武漢-400 となっていたものが、日本語版では、何らかの理由で、ロシア人科学者が作成したゴーリキー400という名称に変更された」
と思っていました。要するに、もともとは「中国の武漢で作られた生物兵器」だったのが、「ロシア人がゴーリキで作った生物兵器」と書き換えられたと。
ところが。
最近の数日の間に、アメリカや中国を含む複数の SNS や掲示板への投稿により、
1981年のオリジナル版は、「ロシア人科学者が作成したゴーリキー400」だった
ことを知ったのです。
つまり、ブログの記事でご紹介した日本語翻訳版の内容こそが正しいオリジナルだったのです。
さらに知ったことは、「すべての電子書籍において、ゴーリキーから武漢に変更されている」ようなのです。
たとえば、中国「週刊英語ニュース」中のコーナーで、エグゼクティブエディターをされているリウ・ユンユン(LIU Yunyun)さんは、以下のように投稿していました。
リウ・ユンユンさんのツイッターへの投稿より
1981年のディーン・クーンツ氏のスリラー本「闇の眼」は、中国武漢のコロナウイルスを予測していると話題になっていますが、この著作の最初のオリジナルバージョンは、中国ではなくロシアに関するものです。 ところが、すべての電子書籍のプラットフォームで、ロシアから中国に変更されているのです!
どうしてこんなことが?
あるいは、アメリカ在住の中国の方だと思われるデチェンさんという方は、冒頭の写真のページを提示して以下のように述べています。
デチェンさんのツイッターへの投稿より
ディーン・クーンツの「闇の眼」を、友人が図書館からオリジナル版を借りてきたので読んでみた。すると、オリジナル版に出てくるのはすべてロシア人科学者たちで、ウイルス名はロシアの地名であるゴーリキ-400 (Gorki-400)だった。
ところが奇妙なことに、Amazon 電子書籍、Google 電子書籍、オーディオ小説を含めて、ネットワーク全体の電子書籍版は「中国武漢」と改ざんされているのだ。
これは、アメリカのニュース投稿サイト Reddit でも討論されていました。
Reddit での意見としては、
「電子書籍版の内容は、ものの数分もあれば改編できるので、時勢に合わせて武漢に変更したのでは?」
というようなものでした。
時勢に合わせて、というのは、つまり、中国武漢からコロナウイルスが広がっているから、「話題作りのために内容を変更した」と。
あるいは、
「 1991年に冷戦が終結したので、ソ連から中国に変更したのではないか」
という意見も論じられていました。
しかし、このクーンツという方はアメリカではとても人気のある作家ですが、人気作家が自分の過去の作品にそんなことをするでしょうか。あるいは、そんな改ざんを許すでしょうか。
それとも、アメリカでは、作家に許可なく、こんな大規模な変更をすることができるのでしょうか(ディーン・クーンツさんは現役の作家です)。アメリカの出版業界は、そういう勝手な改編を許されているということなのでしょうか。
しかし、調べていくうちに、この改編は「電子書籍版だけではない」こともわかっています。
というのも、先ほどリンクしましたブログ記事では、ポーランド語版の「闇の眼」でも、中国人科学者が作成した「武漢-400」と記載されていることを示しましたが、このポーランド語版は、2009年に単行本として出版されたものなのです。
「闇の眼」ポーランド語版
・nczas.com
あるいは、この「闇の眼」の話題が出た後、この本を持つ多くの人たちが、「自分が持っているのにも武漢-400とある」と、次々と本のページを撮影して投稿していました。
これも電子書籍ではないですが、こういう投稿がたくさんあるのです。
ですので、電子書籍だけではなく、どこかの時点で(少なくとも 2009年頃までには)、
「イリヤ・ポパロボブというソ連の科学者が作成したゴーリキ400」
から
「リー・チェンという中国人科学者が作成した武漢-400」
に内容が変更されていたということになります。
時勢に合わせて変更したものではないと思われます。
誤植とかそういうものでもなさそうです。「武漢-400」という言葉は何度も出てくるのですから。
このディーン・クーンツさんという方は、アメリカでは大変に人気作家だということで、たとえば、電子書籍にする際など、出版に当たってのチェックがあるはずなのですが、オリジナルと照らし合わせたりはしなかったのですかね。
前に記事にした時にも謎の部分をたくさん感じていたこの件ですが、変更が「中国 → ロシア」ではなく、「ロシア → 中国」で、そして、そこに「武漢ウイルス」というものが登場する・・・。
うーん。
書籍関係に詳しい方なら、この件をどうお考えになりますかね。やはり、単に時勢に合わせた変更なんでしょうか。
ちなみに、オリジナルのソ連のゴーリキーという都市に関して調べてみますと、現在は、ニジニ・ノヴゴロドという名称の都市となっています。
英語版 Wikipedia によれば、ソ連時代のゴーリキーは、ソビエト軍の研究が行われていたために、外国人の立ち入りが禁止された「閉鎖都市」でした。
その閉鎖ぶりは徹底していて、
> このような大きさのソビエトの都市では珍しく、1970年代半ばまでストリートマップでさえ販売することができなかった。
とあり、外国人に対してだけではなく、ソ連の人たちに対しても、かなり秘密性を持った都市だったようです。
ただ、調べてみますと、ゴーリキーでは生物兵器は研究されてはいなかったようで、主に、核兵器と、あとは「気象兵器」を研究していたようです。
スラ電離層加熱施設という施設がゴーリキーにあったようで、この目的は、
「高層上空にある電離層に介入する」
ことだったようで、要するに、アメリカの HAARP と同じものです。
ニジニノヴゴロド地域(ソ連時代はゴーリキー)にあるスラ電離層加熱施設は、電離層に介入する軍事目的で設計された。1977年に国連の決議で、そのような気象の操作に関する研究が禁止されるまで、気候に対する軍事的影響の新しい方法がこの施設で研究された。その後、スラは電離層の調査にのみ使用された。(rbth.com)
目的がほぼ同じということもあり、ソ連のスラとアメリカの HAARP の施設の外観はほぼ同じです。
ソ連のスラ電離層加熱施設
・Sura Ionospheric Heating Facility
アメリカのHAARP施設
・Google
ソ連も、ずいぶんと昔から「電離層」に目をつけていたのですね。
電離層への軍事的介入はトレンド傾向にありまして、何度か記事にしたことがありますが、以下の 2018年の記事はその現状がわかりやすいように思います。
電離層とは上空の以下の部分です。
アメリカの HAARP の実際の影響力はよくわかっていませんが、カナダのグローバルリサーチは、1990年代のカナダ CBC ニュースのドキュメンタリーの内容を伝えていまして、そこには以下のようにありました。
カナダのグローバルリサーチの HAARP に関する記事より
CBC テレビの報道によると、米アラスカ州にある HAARP 施設は、台風、地震、洪水、干ばつを誘発する能力を持っていた。
この指向エネルギーは、電離層を加熱して気象を戦争の武器として使用できる強力な技術といえる。洪水で都市を破壊し、あるいは、砂漠に近づいている軍隊を竜巻で壊滅させることが可能となる。
そんなわけで、武漢-400からゴーリキーまで、訳のわからない展開となってしまいましたが、そういえば、武漢コロナウイルスが、
「いよいよ研究室から漏洩した可能性が高くなった」
ことについて、昨日から今日にかけて、香港や韓国のメディアが一斉に報じていました。
ウイルスの発生源についての最有力の情報が
・NTD
報じていたのは、アメリカの中国語報道局の新唐人電視台(NTD)や韓国中央日報など複数のメジャー報道媒体です。どの記事も長いですので、興味のある方はリンクから読まれていただければよろしいかと思いますが、中央日報の記事の冒頭部分は以下のようなものです。
中国の教授「コロナ、武漢市場近くの実験室から流出」
中央日報 2020/02/17
中国だけで1660人以上の死亡者を出している新型コロナウイルス感染症が中国の実験室から流出した可能性を提起した論文を中国の学者が発表した。
16日の香港メディアによると、中国広東省広州の華南理工大学生物科学と工程学院の肖波涛教授は今月6日にグローバル学術サイト「リサーチゲート」に論文を発表した。
論文は新型コロナウイルスがコウモリから中間宿主を経て人に伝染した可能性よりも、湖北省武漢の実験室2カ所から流出した可能性を提起した。
肖教授は武漢ウイルス研究所より、武漢疾病予防管理センターが震源地である可能性が高いとみられると主張した。武漢ウイルス研究所は新型コロナが集中的に検出された華南水産市場から12キロメートル程度離れているのに対し、武漢疾病対策予防管理センターはわずか280メートルの距離にあるためだ。
肖教授が実験室からの流出とみている理由について、新型コロナの天然宿主である「キクガシラコウモリ」は武漢から900キロメートル離れた雲南省・浙江省などに棲息していて、食用としては特に使われていない点を挙げた。
また、武漢市政府の報告書や武漢市民の証言を総合すると、華南水産市場でこのようなコウモリは扱われていなかったという。
一方、武漢疾病予防管理センターは2017年と2019年、実験用に多くのコウモリを捕まえた。
2017年には湖北省・浙江省などで約600匹のコウモリを捕まえたが、この中には重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスを持つキクガシラコウモリも含まれていた。
当時、同センターの研究員は、勤務中にコウモリに噛まれたり尿をかけられたりしたと話した。同センターはコウモリの細胞組織を分離させてDNAとRNA配列などの研究を行ったが、ここで出た汚染されたゴミがウイルスの温床になったというのが肖教授の主張だ。
このような感じです。
この中に、
> 勤務中にコウモリに噛まれたり尿をかけられたりしたと話した。
という、非常にうかつなことをしてしまっていることが判明したくだりがありますが、新唐人電視台の報道にはさらに以下のようにありまして、この武漢疾病予防管理センターの研究員たちが「自主的に自分を隔離した」ことが論文に記されているとあります。
2月16日の米 NTD の報道より抜粋
この論文の報告では、2017年と2019年の研究員への聞き取りで研究者が言及した 2つの事故についても具体的に説明されている。
聞き取りを受けた研究者は、彼自身がコウモリに襲われ、血液が皮膚にこぼれたことを述べていたことが明らかにされた。その研究者は自分がウイルスに感染する可能性があることを知っており、14日間自分自身を隔離した。他にも、コウモリの尿が皮膚にかかり、14日間自分自身を隔離した研究者もいた。
さらに、この研究室近くの病院は、現在の流行で、医師が新型コロナウイルスに感染した最初の地元の病院でもあった。
いろいろと明らかになってきているようですが、仮にこれが原因であるならば、以前予測していたように「注意不足からミスを起こした人たち」が現在のような世界的カオスを引き起こしたということになってしまいそうです。
心配なのは、この論文を発表した中国の科学者は、
現在、肖教授とは連絡が取れず、該当論文はサイトから削除された状態だ。(中央日報)
となっていることです。
真実や本心を語るというのは今の状態ではなかなか難しいのかもしれません。
今回は内容が混沌としていまいました。
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