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胃潰瘍や逆流性食道炎に幅広く処方される胃薬「プロトンポンプ阻害剤」は胃ガンのリスクを最大で8倍にまで上昇させる可能性。そして腸内細菌環境を破壊する示唆も

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sciencealert.com

プロトンポンプ阻害剤「タケプロン」の効用説明より

タケプロンは国内で2番目のプロトンポンプ阻害薬(PPI)です。この系統は、他のどの薬よりも、強力に胃酸の分泌をおさえます。難治性の潰瘍にも優れた効果を発揮することから、胃潰瘍や逆流性食道炎の治療に第一選択されることが多くなりました。




 

私もかつて長く飲んでいたあの薬たちが

胃の不調に、日本でよく処方される薬に、「プロトンポンプ阻害剤 (PPI)」という薬があります。今日、アメリカの科学サイトを見ていましたら、そのプロトンポンプ阻害剤の長期服用が「胃ガンの発症を倍増させる」という記事が出ていました。

読みますと、これは 2017年の医学専門誌の記事を説明したものでしたが、以前、以下の記事で、「ピロリ菌の除菌後には、逆流性胃腸炎になりやすくなる」ということなどについて書いた記事で、その逆流性胃腸炎には、このプロトンポンプ阻害剤が処方されることが多いということを書きました。

ピロリ菌の除菌は、結局「胃ガンの発症リスクを増加」させていることに気づき、そこから「統合失調症の原因は腸内細菌の変化」だという医学研究を思いだすまで

前回のこの記事を書いた時には忘れていたのですが、冒頭の記事を読みまして、このプロトンポンプ阻害剤は、「ピロリ菌の除菌の際にも使われる」ということを思い出しました。

ピロリ菌の除菌には、一般的に、2種類の強力な抗生物質と、このプロトンポンプ阻害剤が同時に使われます。

私は十数年前に胃潰瘍で入院したことがあり、その際に、ピロリ菌の除菌を行いました。

今回の記事を読んでいまして、

「ああ、そういえば、あの時に、タケプロンという薬が処方されていたなあ」

と思い出したのです。

このタケプロンというのは、プロトンポンプ阻害剤の商品名のひとつで、このプロトンポンプ阻害剤は、冒頭に抜粋しましたように、日本でもアメリカでも、

> 胃潰瘍や逆流性食道炎の治療に第一選択

とされています。

日本には、胃潰瘍の方々も、逆流性胃腸炎の方々も非常に多く、すなわち、非常によく処方されている薬ということになります。

アメリカでは、ジェネリック薬品の売上の上位 10位に入っているのだとか。

そして、このタイプの薬は比較的長期の服用になりやすいのですけれど、今回読んだ記事には、長期服用で、胃ガンの発症率が高くなることが見出されたと書かれていたのです。

具体的には以下のようになります。

・プロトンポンプ阻害剤の長期間の服用で胃ガン発症リスクが 250%増加

・毎日服用していた人たちは、胃ガン発症リスクが 4 .5倍に

・3年以上服用していた人たちは、胃ガン発症リスクが 8倍に

私は、以前まで胃が弱い時期がとても長く、当時は病院でその症状を訴えますと、「 H2ブロッカー 」か、この「プロトンポンプ阻害剤」を出されることが多かったです。

そういうこともあり、私自身が数年前まで、ずいぶんと、このプロトンポンプ阻害剤を服用していたということもあり、何となく見過ごす気になれない記事でしたので、ご紹介したいと思います。

ここからです。

 


A Common Medication Has Been Linked to Double The Risk of Stomach Cancer
sciencealert.com 2019/09/29

一般的な胃の薬が胃ガン発症のリスクを倍増させることが判明した

逆流性食道炎および胸焼けを治療するために一般的に使用される薬の服用での胃ガン発症リスクが2倍を超えることが研究で明らかになった。

逆流性食道炎や胃潰瘍などに処方されるプロトンポンプ阻害剤(PPI)は、胃での胃酸の産生を抑制するために使用される薬剤で、世界で最も広く販売されている薬の 1つだ。ところが、研究では、このプロトンポンプ阻害剤を長期間使用すると、胃ガンを発症するリスクがほぼ 250%増加することが明らかになった。

このリスクは、世界人口の半分以上が保有するヘリコバクター・ピロリと呼ばれる細菌と関連している。ピロリ菌は、ほとんどの場合は無害だが、ごく一部の人々で、このピロリ菌が胃ガンの発症と関係している。

以前の研究では、ヘリコバクター・ピロリ感染が進行している人の中で、プロトンポンプ阻害剤を服用している人たちは、萎縮性胃炎と呼ばれる胃ガンの前駆体状態を発症する可能性が高いことがわかっている。

萎縮性胃炎を起こすメカニズムは不明だったが、これまでは、プロトンポンプ阻害剤を服用する前に、さまざまな副作用をもたらす可能性があるピロリ菌を除菌することで、胃ガンになる可能性は減ると考えられていた。

ところが、最近の研究では、そうではないかもしれないことが示されている。

ロンドン大学のイアン・ウォン (Ian Wong)氏は、以下のように言う。

「プロトンポンプ阻害剤は、ヘリコバクター・ピロリ感染に対しての重要な治療薬であり、短期使用に関しては安全である証拠があります。しかし、プロトンポンプ阻害剤の不必要な長期使用は避けるべきです」

ウォン氏と研究者たちは、香港の住民の健康データベースを分析した。そして、ヘリコバクターピロリ菌を除菌するために、プロトンポンプ阻害剤と 2種類の抗生物質を使用して治療された 63,397人の成人を追跡調査した。

ピロリ菌が完全に除菌された後、被験者たちは、平均 7.5年間モニタリングされ、その機関中、3,271人がプロトンポンプ阻害剤を服用し続け(平均 3年間近く)、 21,729人は、代替薬である H2ブロッカーを服用した。

その後、プロトンポンプ阻害剤と 2種類の抗生物質により、ピロリ菌の除菌治療を受けた 63,397人のうち、153人が胃ガンを発症した。

そのうち、毎日、プロトンポンプ阻害剤を服用していた被験者は、他の人たちより 4.55倍の胃ガンの発症リスクが見られ、3年以上、プロトンポンプ阻害剤を服用し続けた場合の発症リスクは、8倍となった。

ここからは、プロトンポンプ阻害剤の服用の頻度と長期服用が、胃ガンの発症と関係している可能性が高くなっていると考えられた。

もちん、この研究は、単なる観察研究であるため、このデータからは、プロトンポンプ阻害剤が胃ガンの原因であると推測することはできないが、それでもなお、医学者たちがそれまで認識していた以上の事態を示す驚くべき発見だ。

オーストラリアのハドソン医学研究所の胃腸感染症研究者であるリチャード・フェレロ (Richard Ferrero)博士は、以下のように述べた。

「興味深いことに、他の胃酸の抑制剤(H2ブロッカーなど)の長期使用では、このような胃ガンとの関係性は見られないのです。ここからは、胃酸抑制剤という存在そのものが胃ガンと関係しているというわけではないことを示しています」

「プロトンポンプ阻害剤は、アメリカで販売されているジェネリック医薬品の上位 10に入る薬であり、胸焼けの治療に広く一般的に処方されています。そのために、今回の研究の結果は、臨床的に重要な意味を持つと思われます」

ただ、リスクが増加していることと同じ重要性として、全体的なリスク度としては高いものではないことに留意する必要がある。

この研究では、プロトンポンプ阻害剤の長期使用による胃ガンとの関係性のある事例は、10,000人当たり年間約 4例の事例と関係しているだけであり、プロトンポンプ阻害剤の処方については、現在の見通しを維持できる数値でもある。

今後、プロトンポンプ阻害剤の長期的な影響については、より多くの研究により、胃ガンの増加がなぜ起きるのかを理解する必要があり、また、長期使用だけではなく、短期使用での影響を検証する必要があるかもしれない。

ロンドン大学衛生医学部の薬剤疫学者ステファン・エヴァンス (Stephen Evans)博士は、以下のように述べる。

「多くの観察研究により、プロトンポンプ阻害剤と関連する悪い影響が発見されています。これに関するエビデンスの全体としての最もわかり良い説明は、プロトンポンプ阻害剤を処方された人、特に長期間服用し続ける人たちは、処方されていない人たちより、さまざまな点で疾患になる傾向があるということです」


 

ここまでです。

以前の記事でも書きましたけれど、「胃の治療をするために飲む薬が胃ガンを引き起こす」というのは、笑えないパラドックスであり、仮に、プロトンポンプ阻害剤を長期連用されている場合などは、お医者様とご相談するのもいいかと思います。

私自身、これまでの人生で、胃薬を相当飲んできました。

もともと胃は弱かったですが、ピロリ菌を除菌した 12、13年くらい前から加速度的に胃の調子が悪くなっていきまして、常習的に、胃の痛みと吐き気に苛まれていました。数年前には、何度か胃カメラで検査をしてもらったことがあるほどです。

しかし、どれだけ検査しても、いつも何の問題もないと言われ続けました。

そうしているうちに、昨年あたりから「腸内環境改善」というのを始めてまして、それ以来、少しずつ胃の調子はどんどん良くなり、今は胃薬を飲むこともほとんどありません。

だからといって、腸内環境と胃の状態に関連があるのかどうかはわからないのですが、調べてみますと、「プロトンポンプ阻害剤が腸内細菌に影響を与える」ことはわかっているようですね。

日本医事新報社というメディアに、2017年10月の滋賀医科大学消化器内科の医師たちによる論文が掲載されていましたが、そこには、

> 酸分泌抑制薬であるプロトンポンプ阻害剤の長期使用が腸内細菌叢に影響し,クロストリジウム・ディフィシレ菌感染症が発症しやすい環境になるとされている。

とありました。

プロトンポンプ阻害剤の長期服用は、腸内環境を悪くする可能性があるようです。

 

個人的な話に戻りますが、結局、この 10年くらいの私というのは、

胃の調子が悪い → 病院に行く → H2ブロッカーかプロトンポンプ阻害剤が処方される

ということを繰り返していた時期で、先ほどの医学論文のように、「プロトンポンプ阻害剤のような胃薬が腸内細菌環境を悪くする」のなら、このような生活が長引けば長引くほど、腸内の状態は悪くなっていっていたと考えられます。

そして、そのような日々の中で、さまざまな不調が起きるようになり、治るのに数カ月以上かかった「めまい」とか、あるいは、パニック障害的なものも再び調子が悪くなったりと、本当に心身の状態が悪い時が多かったです。

おそらく、幼い頃から比較的「壊れていた腸内環境」が、この頃、プロトンポンプ阻害剤の長期服用などにより、

「完全に崩壊した」

のではないかと私は思っています。

そこから、全身のあらゆる不調が噴出し始めたのかもしれません。

 

そして、4年くらい前に、このブログで記事を書く中で、

「薬ってよくないんだ」

と知ったのです。こちらの 2015年4月の記事が、そのことにふれた最初です。

 

遅すぎた知見ではありました。

しかし、遅すぎたとはいえ、「知るのと知らないのでは雲泥の差」でもあり、それ以来、出来うる限り、やめられるものはやめていこうとしていったのでした。

まずは、パニック障害に対してのベンゾジアゼピン系の抗不安剤ですが、これは、減らすことはわりと簡単にできたのですけれど、「完全にやめる」には結局、3年ほどかかりました。

どなたでも、完全にやめるには同じくらいの期間がかかるのではないかという気がします。ベンゾジアゼピン系をやめるのは、多くの人にとって簡単ではないです。

そして、いろいろと薬を飲まなくなっていったのですが、胃の不調は収まらず、耐えられない時には、胃の薬を飲みました。

本格的な胃の不調には、もはや市販の胃薬など効かないのですね。

 

胃の不調から解放されたのは、本当にわりと最近です。

おそらく、腸内と胃の関係というのもあるのだろうなとは思います。

そういえば、今回、少し検索していましたら、6月の日経メディカルに、「プロトンポンプ阻害剤の長期使用は死亡リスクを上昇させる」という記事がありました。

以下は冒頭部分からの抜粋です。

PPIの長期使用は死亡リスク上昇に関係する

日経メディカル 2019/06/20

米国 Veterans Research and Education Foundation of St Louis の Yan Xie 氏らは、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期間の使用が総死亡率と原因特異的死亡率に及ぼす影響を明らかにするために、米国の退役軍人の医療記録を対象にコホート研究を行い、同じ制酸薬であるH2ブロッカーを長期間使用していた患者に比べ、PPI使用者の死亡リスクが高かったと報告した。結果はBMJ誌電子版に2019年5月30日に掲載された。

PPIの使用は、心血管疾患、急性腎障害、慢性腎臓病、認知症、肺炎、胃癌、クロストリジウム・ディフィシル感染症、骨粗鬆症性骨折といった有害事象と関連すると報告した研究がいくつかある。

あるいは、2016年には、プロトンポンプ阻害薬で認知症の危険性が、非服用者の 1.4倍になっていたことがわかったと報じられていたこともあります。

もちろん、プロトンポンプ阻害薬に対しての統一した見解が出ているわけではないですが、この十数年の個人的な体験からは、プロトンポンプ阻害薬も、あるいは、もしかすると、「胃酸を抑制する多くの薬」に関しても、

「たかが胃薬と侮らないほうがいい」

のかもしれないと思います。





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