最近しばしば出現する「黒点ゼロ」の太陽
現実を向き始めている方法論の脅威
先日の記事、
・火の夢で目覚めた現実の世の中は「イスラエルが同時多発火災テロの炎に包まれて3日目の朝」だった…
2016/11/28
は、イスラエルが「テロ」と見られる放火により大変な火災に包まれていることをご紹介したものでした。
火災そのものは、その後かなり鎮火されたようで、また、CNN には下のようにありました。
大規模山林火災、放火容疑で23人拘束 イスラエル
CNN 2016/11/27
イスラエルの警察は27日までに、同国北部や中部で先週前半から多発した大規模な森林火災に関連し放火の容疑で計23人を拘束したことを明らかにした。
火災は北部ハイファ市やエルサレム郊外などで発生。
同国消防当局の捜査担当責任者は報告があった火災件数は総数で1500を超えるとしていた。このうち大規模火災は250件以上。
ただ、先週末になって大部分の火災は鎮火したと報告されていた。
この中でエルダン警察相は、火災の相当な部分は放火が原因とし、「放火テロの新たな兆候がある」との見方を示していた。
ということで、仮にこの火災が全体的に放火だとした場合、そのような方法で、
> 火災件数は総数で1500を超えるとしていた。このうち大規模火災は250件以上
という大惨事となってしまったのですが、さて・・・。
これがテロだとすると、この「放火」というテロの方法はどのようなタイプのものかということを考えるのです。
つまり、「放火」というテロ行為が、
「ものすごく高度な技術や、銃や火器類のような特殊な装置や武器が必要なテロかどうか」
ということです。
私は専門家ではないですので、断言はできないですが、おそらく、放火というのは「特殊な武器も訓練も必要のない誰にでもできるタイプ」のテロだと思われます。
厳戒態勢の中に自動小銃を持ち込んで乱射するとか、何ヶ月も準備した爆発装置を使っての爆弾テロなどと比べて、
・その方法は難しくない
・基本的には誰でも実行できる
と少なくとも私は思います。
では、その結果は、「手軽にできる」方法論と準じるほどに「手軽な結果」だったかどうか・・・というと、各国の援助によってようやく鎮火するという、国家の非常事態にも近い状態にまでなっていたことを考えますと、方法は簡単でも、結果は重大だといえるものだと思います。
この世にはいろいろなテロがあり、ここ2、3年は、テロとみられる犯罪のようなものが多い時期でしたが、銃の乱射にしても、爆発やハイジャックなどにしても、どうもそれらは物々しい上に、ある程度の訓練や武器が必要だったりするものが多いように思います。
そこに今回のイスラエルで示された「放火」。
その結果、つまりダメージの度合いは、これだけ大きな報道となっていることからもわかりますし、火災でダメージを受けた写真でも、決して「些細な出来事」では済まないものがあると思います。
ヨルダン川西域に近いナタフの消失したレストラン 11月26日
そして、CNN の記事では、23名の人たちが放火の容疑で拘束されたということですが、先ほどの、
・基本的には誰でも実行できる
という点から(これから先も、他の誰にでもできると考えれば)今回の放火に関与した人間を拘束したこと事態には、ほとんど意味がないと思います。
しかし、「数十人程度が火を放つという原始的な行為を行うだけで、国家非常事態にまでの状況をその国にもたらすことができる」ということに、イスラエルに敵対する人たちも含めて「気づいてしまった」という可能性は高いように思います。
今年の夏に、フランスのニースで「トラックによるテロ」があったことをご記憶でしょうか。
2016年ニーストラックテロ事件 - Wikipedia
2016年ニーストラックテロ事件は、2016年7月14日にフランスの南部・ニースの遊歩道プロムナード・デ・ザングレにおいて、花火の見物をしていた人々の列にトラックが突っ込んだ事件である。フランスの検察当局はテロ事件として捜査。
この事件により少なくとも84人が死亡し、202人の負傷者が出た。
私はこの事件が起きた時にも、少し似たようなことを書いています。
それは、
・車に滅ぼされた日本 : 認識されなくなった光景の中に広がる復活の目処のない果てしない廃墟に囲まれた国で
2016/07/15
という記事の中で記したものです。
この記事そのものは、日本が、車社会、あるいはアメリカや韓国などからやって来た文化で滅ぼされていっていることを書いたもので、ニースのテロについては余談として書いたものですが、そこに以下のように書いています。
過去記事「車に滅ぼされた日本…」より抜粋
調達が難しくい上に警察に目をつけられやすい武器(銃とか爆薬とか)などで目立つよりも、どこででも手に入り目立たないものを用いて、「冷静に目的に専念」した場合、銃よりも爆薬よりも「ひとりで簡単にできること」があることに気づいてしまう人々がきっと出てくると誰も口にはしませんでしたが、そう思っていたような気がします。
今回のトラックの行為の死亡者数の悲惨さを考えると、攻撃を考えている他の人たちに「攻撃とは何か」ということを気づかせてしまった感じもあり、次第に厄介さも増しているような気もします。
元アメリカ軍人で、VIP 身辺警護のコンサルタントをしていたジョン・ミネリーという人は、『ザ・殺人術』という本の中で、「身近にあるものを何でも武器にするのがプロ」と記していましたが、車はそれこそどこにでもある上に、誰でも調達できるものです。
そんなありふれたものの結果が、ニースでたった2分間程度のあいだに、どれほどの惨状を作りだしてしまったか。
攻撃者たちが「街の中にあるものは何でも使える」と悟った時、街の風景はそれまでのものとは変わったものになるかもしれません。
戦争的な戦いというのは、それがどんなものであろうと、本来は「ポーズ」ではなく、勝利を目指すものですが、テロの攻撃者たちが、ポーズ(神の名を叫んだり、それらしい儀式や思考にとらわれることなど)を気にしているうちはいいですが、そうではないような、たとえば、トラックで無差別に突っ込み出すとか、無差別に火を放ち始めるとか、そういうような異常だけれども「誰でもいつでもできる」タイプの攻撃が「無計画なまま」増加し始めると、この世は厄介だと思います。
ただ今後、「増える」とは基本的には思ってはいません。
その理由は後半に記そうと思いますが、現在、太陽活動がどんどん弱くなっていて、人々の「激情」が駆られやすい状況だとは思えないからです。
しかし・・・どうも、現在の太陽活動の縮小期はこれまでの記録と違うような気がしてならないのも事実ですが・・・。
たとえば、火災に見舞われたイスラエルですが、イスラエルを標的にしたテロの件数は、2015年にかけて激増しているのです。2015年は、すでに太陽活動が弱くなっていった時期です。
イスラエルへのテロの件数
それはともかく、そういうタイプのテロが「増える」とは思わないにしても、今回のイスラエルの放火テロで、最も大規模な攻撃があった町の「場所」を見ていて、拡大していく可能性もないではないのかなと思ったりもしました。
というのも、その放火で最も激しい被害を受けたイスラエルの町は「ハイファ」という町で、場所は「北緯 33度線」なのです。
イスラエル・ハイファ(北緯 32.49)の場所
・Google Map
IS が、太陽活動が活溌な時期に北緯 33度線を中心に活動範囲を広げていったことも含めて、中東の北緯 33度線は、あくまで個人的な感覚ですが、特に大きな意味を思わせる場所です。
この厄介に見えなくもない「新たなテロの方法論」の阻止の命綱になるかもしれない「太陽活動と社会」について、少しふれておきます。
これまで人間社会の歴史は太陽活動とシンクロしてきたけれど
太陽活動と社会の関係は、In Deep では、ずいぶんと昔から書いていたことでもありまして、テーマのようなもののひとつでもあったと思います。
最近では、今年の夏に、
・気温や気候変動と「社会の暴力性」の間に存在する強い相関関係から見える未来
2016/07/28
という記事で、今まで書いてきたことを簡単にまとめていたりもしますので、ご参考いただければ幸いです。
基本的には、太陽活動と人間社会への関係は、
「人間の血液(鉄とタンパク質からなる)は、大きく磁気の影響を受ける」
というところが基本にあるということではないかと考えられますが、ただし、その磁気と人間の精神状態の関係が何らかの科学的見地で証明されたことはないです。
しかし、感情から健康状態まで、非常に多くのことに太陽活動が関与するという事実に関してのデータがおびただしくあることについては過去書いていまして、こちらのリンクに過去記事のリストがあります。
そして、太陽活動と社会の動きとの関係としては、簡単に書けば、今までも歴史の中で、
・太陽活動が激しい時期は動乱、戦争、暴動、革命、暴力が多くなる
ということになり、太陽活動が弱い時は「その逆の傾向」ということになります。
そして、現在はどういう時期かといいますと、
「太陽活動が非常に弱い」
時期です。
ということは、動乱、戦争、暴動、革命、暴力等が「起きにくい」というのが、今までの社会の流れで、これは少なくとも過去 300年くらいは、完全なシンクロを見せていたことが、ロシアのチジェフスキー博士の研究他などでわかります。
そんなわけで、本来なら、これから・・・あるいは現在は、「暴力が起きづらい世の中」であるはずです。
しかし・・・どうなんでしょうか。
どう思われるでしょうか。
動乱、戦争、暴動、革命、暴力等が「とても少ない時期」だとお感じになられるでしょうか。
私は感じないのです。
なので、もしかすると、もうこれからは、今までの太陽活動とのリンクは少し違ったものになるのだろうかなどとも考えることもあります。
参考までに、今の太陽活動がどれくらい弱いかを示しておこうと思います。ほんの2〜3年くらい前とはまったく違った活動となっています。
非常に弱い太陽活動の現在
まず、現在の太陽黒点数の状況です。
下は 2016年10月29日から 11月27日までの 30日間の太陽黒点数です。
全体として少ないですが、「黒点0」の日が散見されるようになっています。
これだけ見ますと、少し前との比較がわかりづらいですので、もう少しわかりやすい比較をのせますと、1日にどのくらいの黒点が出現したかを色分けしたものが NICT にあります。
下は、2014年中頃までの1年半ほどの日々の黒点数を示したものです。
2014年6月17日までの約1年半の間の毎日の太陽黒点数の分布状況
色分けは、
■(赤) = 太陽黒点数が120個以上の日
■(黄) = 太陽黒点数が80個から120個の間の日
■(緑) = 太陽黒点数が40個から80個の間の日
■(青) = 太陽黒点数が40個以下の日
□(白) = 太陽黒点0の日
となり、つまり、赤や黄色が多ければ多いほど黒点が多いこと(太陽活動が活溌なこと)を示し、青や緑や白が多いほど太陽活動が弱いことを示すものです。
それを踏まえて、2014年の頃と、今年を比べてみると、色の分布でひとめでわかります。
下は今年 2016年の現在の 11月28日までの状況です。
2016年(1/10〜11/27)の太陽黒点数の分布状況
2016年は、赤(黒点 120個以上)の日は1日もなく、白(0)の日が頻発しています。
そして、通常通りならば、さらに「これからどんどん白の日(黒点のない日)が増えていく」ということになり、最終的には、
「毎日真っ白」
ということになっていくと思われます。
場合によっては、何年もの間、「ずーっと真っ白」となっていく可能性もそれなりに高いです。
黒点数はそのように少なくなっていますが、「太陽フレアの発生」となると、さらに、現在の太陽活動の弱さがさらにはっきりします。
下は、10月29日から 11月27日までの 30日間の太陽フレアの発生数です。
太陽フレアは、弱いほうから、B クラス、Cクラス、Mクラスと分類され、そして、最も強力なフレアの一群を「Xクラス」と分類しています。下の表にある「 C M X 」は、それを示しています。示すといっても、「全部0」なのですが。
・NICT
最後に、Cクラスの太陽フレアが発生したのは、10月17日のことで、もう1ヶ月以上まともに太陽フレアは発生していないことになります。
今後大きな太陽フレアの発生がないとは必ずしもいえないですが(黒点から放出されるタイプではないハイダーフレアというフレアもあるため)、基本的には、そのような大きな太陽活動はもう起こらない可能性のほうが高そうです。
それでも、そんな全体として黒点が少ない現状でも、「黒点が 0個から増えていく時」には、いろいろなことが起きやすいことが、最近個人的な観測でわかってきているような感じです。
大ざっぱですが、ニュースなどを細かく見ていますと「太陽黒点 0 から増えていく時」は、いろいろと起きます。
先ほどもリンクしました「太陽と暴力 2016 …」という記事に、今年 7月に 12日間、黒点0の日が続いた後に、また増え始めた頃に起きたことを表にして載せたことがあります。
2016年7月5日に太陽黒点が急速に増え始めた頃からの出来事
全体としては、現在の太陽活動はとても弱いですが、このような「 0 から増える時」に何か起きやすい傾向は実は今も続いています。
最近、黒点が0だったのは、11月22日で、それからはほとんど増えていませんが、これがまた急に 30、50 と増えていくようでしたら、ざわつくことが起きるような感じの可能性もあるのかもしれません(細かく見れば必ずあります)。
太陽黒点の数は右サイドに毎日更新していますので、ご参考下さい。
そんなわけで、何百年(あるいは何万年)続いてきたであろう太陽活動と人間社会の相関さえも危うくなっているのが今の世の中なのかなあ・・・というような感覚を最近もちます。
太陽と人間の関係が壊れたのだとすれば、それが一番の終末的事象かもしれません。
>> In Deep メルマガのご案内
In Deepではメルマガも発行しています。ブログではあまりふれにくいことなどを含めて、毎週金曜日に配信させていたただいています。お試し月は無料で、その期間中におやめになることもできますので、お試し下されば幸いです。こちらをクリックされるか以下からご登録できます。
▶ 登録へ進む