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人類の覚醒と真実 健康の真実

コロナ患者の大多数がビタミンD欠乏症であることがわかっている中、何と「サプリメントの服用や日光だけではビタミンDの健康作用はなく」特定の「腸内細菌の存在」が必要であることが判明

投稿日:2020年12月2日 更新日:


myhealthyclick.com




 

腸内細菌群の多様性がない場合、どれだけビタミンDを摂取してもそれは機能しない

アメリカの医学系のニュースを見ていましたら、個人的に「わりとショック」な記事が掲載されていました。

科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された米カリフォルニア大学サンディエゴ校による新しい研究の内容で、それは、

「ビタミンD は、サプリメントで摂取しても太陽光から体内で産生されても、特定の腸内細菌の多様性が不足している場合、健康に対して機能しない」

という可能性を示したものでした。

ビタミンDは、今のご時世では、新型コロナウイルスに有効だということで話題となることがありますが、コロナ云々というより、ビタミンDがさまざまな感染症やガンなどの疾患に対して有効性があることは医学的には確実なこととされています。

実際、10月に発表されたスペインでの新型コロナウイルスでの入院患者を調査した論文では、実に、

「新型コロナウイルス患者の 80%以上がビタミンD欠乏症だった」

という事実が判明したことが報じられています。

コロナということではなく、とにかく、今のような「病気の時代」には、このビタミンD というものは大変に重要な要素であり、積極的に取り入れたいとは、誰もが考えているはずです。

一般的に、ビタミンDを摂取する方法としては、

・太陽光を浴びることにより自然に体内で生成される

・食物から摂取する

・サプリメントで摂取する

というようなことになると思うのですが、今回の研究が示した結果は、人によっては、

「これがすべて感染症対策として機能しない」

という可能性があるのです。

ビタミンD というのは、摂取しても、あるいは体内で作られたとしても、その時点では「前駆体」と呼ばれるもので、身体に機能するものではないようで、その体内のビタミンD が「蓄積、あるいは代謝されて有効な活性型ビタミンD 」になっていくことが必要なようなのです。

今回のカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究では、ビタミンD の蓄積や活性化をさまざまな点から分析したのですが、

「サプリメントなどの摂取量や、太陽光への曝露量での、有意な差異が見出せなかった」

という結論となっています。

そして、最も関係している数値を示したのが「特定の腸内細菌群があるかないか」ということだったのでした。

「また腸内細菌の話かいね」

とも思いますが、今回の研究がさらに立証されるとすれば、「腸内細菌環境の悪い人は、どれだけビタミンD を摂取しても、感染症対策になり得ないかもしれない」と言えるものかもしれないのです。

私も、コロナ以降にビタミンDのことを知り、コロナ対策ではなく、一般的な意味での感染症対策として、その摂取には意識的にはなっていまして、積極的に太陽光にあたる生活をしたり(夏なんて肌の色が変わりましたからね)、それができない日が続いた場合は、サプリメントを飲むこともあります。

しかし、以前から書くこともありますが、私なんかはもともと腸内細菌環境が悪い人間ですから、

「ああ・・・無駄なことをしていたんだろうか」

と、うなだれながらも、しかし考えてみれば、今年はまだ一度もいわゆる風邪も引いてないですし、「やっぱり効いていてるのでは…」と自分を叱咤激励しながら、その記事を読んでいました。

まずは、その論文を報じていました米医学メディアの記事をご紹介します。

なお、ネイチャーの論文のタイトルは、

・年配の男性におけるビタミンD代謝物と腸内細菌叢
Vitamin D metabolites and the gut microbiome in older men

というものです。

ここから報道です。

 


ビタミンDレベルと腸内細菌の状態が密接に関連しているという研究結果

新しい研究は腸内細菌とビタミンDレベルの関係を明らかに

Study reveals connection between gut bacteria and vitamin D levels
medicalxpress.com 2020/12/01

私たちの腸内マイクロバイオーム(消化管に生息する多くの細菌、ウイルス、その他の微生物)は、医学界においては認識され始めたばかりともいえるが、さまざまな方法で、私たち人間の健康と病気のリスクに重要な役割を果たしていることがわかってきている。

米カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者と共同研究者たちは最近、年配の男性の調査で、人の腸内細菌叢の構成が、骨の健康と免疫に重要なホルモンである「活性型ビタミンD」のレベルに関連していることを示した。

ビタミンDはいくつかの異なる形態をとることができるが、標準的な血液検査では、体が貯蔵できる不活性な前駆体を 1つだけ検出する。しかし、ビタミンDを(身体が)使用するためには、ビタミンDの前駆体を「活性型」に代謝する必要があるのだ。

米カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者であり、骨粗鬆症クリニックのディレクターでもある論文の上級著者、デボラ・カド医学博士 (Deborah Kado, MD)は次のように述べている。「腸内細菌叢の多様性が増すと、一般的に健康状態が改善すると考えられています」

カド博士は、西暦 2000年に開始された大規模な取り組みである米国立老化研究所(MrOS)の研究を主導した。

これまでの複数の研究により、ビタミンDレベルが低い人たちは、ガン、心臓病、新型コロナウイルス感染症、あるいは、その他の病気のリスクが高いことが示唆されている。それでも、2万5,000人以上の成人を対象としたこれまでで最大のランダム化臨床試験は、「単なるビタミンDサプリメントの摂取」は、心臓病、ガン、さらには骨の健康を含む健康の状態に影響を及ぼさないと結論付けている。

カド博士は、以下のように述べる。

「私たちの研究は、これらの(以前の)研究が、活性ホルモンではなく、ビタミンDの前駆体のみを測定したためかもしれないことを示唆しています」

チームは、国立老化研究所の研究に参加している 567人の男性によって提供された便と血液サンプルを分析した。

参加者たちはアメリカ中の 6つの都市に住んでいる人たちで、平均年齢は 84歳。ほとんどの人たちが健康状態が良好または優れていると報告されている。研究者たちは、16s rRNAシーケンスと呼ばれる手法を使用し、遺伝子識別子に基づいて各便サンプル中の細菌の種類を識別および定量化した。

さらに、LC-MSMS (液体クロマトグラフィー質量分析法)と呼ばれる方法を使用し、各参加者の血清中のビタミンD代謝物(前駆体、活性ホルモン、分解生成物)を定量した。

その中で研究者たちは、活性型ビタミンDと全体的な腸内マイクロバイオームの多様性との関連を見出した。それに加えて、12種類の特定の腸内細菌が多くの活性型ビタミンDを含む男性の腸内微生物叢に頻繁に出現することを突き止めた。

参加者たちはアメリカのさまざまな地域に住んでいる人たちで、ビタミンDの供給源である太陽光に曝露する量は、男性たちによって異なっていた。日光を最も多く浴びていたのは、カリフォルニア州サンディエゴに住んでいた男性たちだった。そして、予想どおり、その人たちはビタミンDの「前駆体」を最も多く保持していた。

しかし、予想外に、研究チームはそれらの男性たちが住んでいた場所と彼らの活性ビタミンDホルモンのレベルとの間に相関関係を見出すことができなかった。

太陽光と比例していたのはビタミンDの前駆体だけで、(実際に身体に作用する)活性ビタミンDホルモンの差異はなかった。

カド博士は、は以下のように言う。

「日光やビタミンDのサプリメントからどれだけ多くのビタミンDを摂取しても、体がそれをどれだけ貯蔵できるかとは関係しないようです。私たちの体が、ビタミンDの前駆体を活性型ビタミンDにどれだけうまく代謝できるかが重要であり、健康におけるビタミンの役割をより正確に把握するために、臨床試験で測定する必要があるのかもしれません」

カド博士は、この研究は参加者たちの血液と便に含まれる腸内微生物とビタミンDの単一の調査に依存しており、これらの要因は、生活環境、食事、睡眠習慣、投薬状況などに応じて時間と共に変動する可能性があると指摘した。


 

ここまでです。

要するに、太陽光からでもサプリや食事からでも、その時点で獲得しているのは「ビタミンDの前駆体」であり、それは健康には影響を与えないもののようです。それをいくら大量に摂取しても、健康に影響を与える「活性ビタミンDホルモン」というものに代謝されなれければ、ビタミンDの健康効果は生じない。

そして、その「代謝」は、12種類の特定の腸内細菌と関係している可能性が高いことがわかったというものです。

前駆体のビタミンDに「機能を与える」特定の腸内細菌が存在しているようなのです。

単にビタミンDをサプリメントで摂取しても意味がないことは、ネイチャーの論文でもふれられていまして、以下のようにあります。

2万5,000人以上の成人のビタミンD 補充の最近の大規模な無作為化比較試験では、心血管事象またはガンを予防する上で何の利益も示さなかった。nature.com

どうやら、日光でもサプリでも、それだけではダメのようなのです。

なお、この記事の後半に、

> これらの要因は、生活環境、食事、睡眠習慣、投薬状況などに応じて時間と共に変動する

とありますが、この中の「投薬」については、ネイチャーの論文には、かなり明確に書かれていまして、今回ご紹介した医学記事では、その部分にはふれなかったようですが、

「抗生物質を服用した後には、活性ビタミンDへの代謝が《悪くなる》」

こと、というか、その特定の腸内細菌の多様性が減少していることが示されています。

論文そのものは、数多くの専門用語と私の苦手な数字の羅列となっていまして、正確にご紹介することは避けますが、「腸内細菌環境の多様性」と関係した生活上のさまざまな習慣の中で、有意に差が見られたのは、以下のようなものです。

これは、「多様性が悪化する」ことを意味し、つまり腸内細菌に対しては、あるいは、ビタミンD を活性化させるためにはあまり良くない可能性のあるものです。

腸内細菌の多様性に有意な差異が見られたもの(強い差異が見出された順)

・人種
・デンプン摂取量
・抗生物質の使用
・抗うつ剤の使用
・スタチンの使用
・アルコール摂取量
・プロトンポンプ阻害薬の使用

 nature.com

人種(の違い)と、デンプン摂取量などという意表をつく項目が上位で、その後は、抗生物質、抗うつ剤など薬剤が続きますが、お酒も良くないようですね。特に大量の飲酒は良くないかもしれないですね。……ああもうダメだ俺は(まあまあ)。

なお、プロトンポンプ阻害薬(PPI)とは、胃潰瘍や逆流性食道炎に使われる胃酸分泌抑制薬で、スタチンとは、高コレステロール血症の治療薬です。

プロトンポンプ阻害薬(PPI)については、以下の 2019年の記事でご紹介しましたが、「腸内細菌環境を破壊する作用」がある強い影響のある薬です。

胃潰瘍や逆流性食道炎に幅広く処方される胃薬「プロトンポンプ阻害剤」は胃ガンのリスクを最大で8倍にまで上昇させる可能性。そして腸内細菌環境を破壊する示唆も
投稿日:2019年9月30日

私は 15年くらい前に胃潰瘍で入院した時とその後しばらく、病院から処方されたプロトンポンプ阻害剤「タケプロン」を長く服用していました。その後も胃の悪い時にはよく制酸剤を服用していました。……ああもうダメだ俺は(まあまあ)。

 

さて、結論として、新型コロナ感染症患者の多くが、ビタミンD欠乏症だという報告などを含めて、「ビタミンDが感染症や多くの疾患予防に有効であることは間違いない」と言えそうなのですけれど、

「腸内細菌環境が何らかの要因で悪化してる場合、単にビタミンDを摂取しても効果がない」

という可能性が示されたことになりそうです。

ですので、陳腐な表現となりますが、「腸内環境の改善は、感染症の予防にも大きな効果が望める」ものなのかもしれません。

私の腸内細菌環境対策は、日本産のミヤリサン(過去記事です)と、アーユルヴェーダのトリファラ(過去記事です)くらいなんですが、ミヤリサンに関しては、今でもおすすめしたいものです。以下のアマゾンの 1300以上のレビューでも効果はおわかりになると思います。特に花粉症や食物不耐性などを含めたアレルギーの方は試してみる価値があると思います。

強ミヤリサン錠 330錠

まあ、新型コロナウイルスはともかく、今後さらにどのような感染症が流行するのかわからない面もありますので、いろいろな意味で「真に正しい感染症予防」に努めたいですね。

さまざまな事情で、その「真に正しい感染症予防」の方法が書きづらい世の中になってしまったのはさびしいですけれども。

それでも、あらゆる感染症に対しての人間の防御のメカニズムの真実というのは、ブレることも変わることもなく、未来永劫同じだと信じています。

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