麻疹流行報道を世界中で聞く中で
このところ、世界中で、「麻疹(はしか)の流行」についての報道をよく目にします。最近では、スイスの大学で麻疹が集団感染が発生したという報道もありました。
そして、どこの国の報道でも必ず出てくるフレーズが、「麻疹のワクチン接種率が下がったため」というものです。
WHO は、2020年から 2022年にかけて、世界的に麻疹のワクチン接種率が大きく下がったと述べていますが、どのくらい下がったのかというと、「 2019年 96% → 2022年 93%」です。
実数にすれば大きいのかもしれないですが、率としては誤差の範囲にも見えます。
しかし、それより問題は、その有効性なのだと思いますが、米エポックタイムズが麻疹に対するワクチンの効果についての記事をリリースしており、そこに注目すべきグラフがありました。
現在何となく確立されている話として、「麻疹はワクチン接種が始まってから、症例が著しく減少した」というものがありますが、エポックタイムズは、アメリカの西暦 1900年からの麻疹による死亡者数の推移のグラフを掲載していました。
以下です。
1900年からの米国の麻疹による死亡数の推移(人口10万人あたり)
Epoch Times
ワクチン接種は「流行が完全に終息した頃に始まった」ことがわかります。
これを見て思い出したのが、イングランドでの、やはり麻疹での死亡率の推移です。イングランドは米国よりはるかに早い時期から医療データが記録されていまして、1838年からの記録が残っています。
以下です。
人口10万人あたりのイングランドの麻疹の死亡数の推移(1838 - 1978年)
England/Wales Measles Mortality Rates
こちらは、「完全に流行が終息してから十数年してから予防接種が始まった」ことが示されています。
他のさまざまな感染症予防ワクチンについても以下の記事で取り上げています。
[記事]調べ続けて知る「ワクチンにより感染症の流行を抑制した歴史はない」ことを示す膨大なデータ。いかなるウイルスも自然の法則で拡大し、そして自然に終息する
In Deep 2021年1月18日
この記事では、ジフテリアや百日咳に関しても取り上げていますが、どちらも「完全に流行が終息してからワクチン接種が始まって」います。
人口10万人あたりのイングランドの百日咳の死亡数の推移(1838 - 1976年)
England/Wales Measles Mortality Rates
有効性を証明しようにも、証明しようのない時期に予防接種が始まっている。
これらの麻疹とか百日咳のワクチンは、日本においては「定期接種」ということになっています。
日本の定期接種は以下のようになっているそうです。ほぼ赤ちゃんや小さな子どもが接種対象です。
日本における定期接種
・Hib ワクチン (細菌性髄膜炎、喉頭蓋炎等)
・小児用肺炎球菌ワクチン (細菌性髄膜炎、敗血症、肺炎等)
・B型肝炎ワクチン (B型肝炎)
・ロタウイルスワクチン (感染性胃腸炎)
・4種混合ワクチン (ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ)
・BCG (結核)
・MR(麻しん風しん混合)ワクチン (麻疹、風しん)
・水痘ワクチン (みずぼうそう)
・日本脳炎ワクチン (日本脳炎)
・HPVワクチン (HPV感染症 / 子宮頸がん等)
仮にこれらのワクチンのほとんどが、先ほどの歴史のグラフに見るように「効果がよくわかっていないもの」だとすれば、現代医療がおこなっている予防医療は、実に形而上的なものだとも思います。
上の一覧のトップに「 Hib ワクチン」とあり、これは、細菌性髄膜炎などを予防するという名目のものですが、これについても、オーストラリアの 1907年からのデータがあります。
オーストラリアの髄膜炎の死亡数の推移 (人口10万人あたり)
England/Wales Measles Mortality Rates
これも先ほどと同じです。ほぼ流行が終息してから数十年後に予防接種が始まっています。
今の世は「免疫抑制下」にあることを考える
気になることとして、今の世の中は以前とはちがうということです。
何が「かつてとちがうか」というと、
「免疫を抑制されている人たちが多数いる社会」
だということです。
そして、全世代の中でも、最もその影響を受けている可能性が高い世代が、前回の以下の記事にも書きましたけれど、この 2年、3年間で生まれた子どもたちだと思います。あるいは、これから生まれる子どもたちも含まれます。
[記事]日本でもフィンランドのようなことが子どもたちに起きているのだろうか…。仮に永続的な免疫抑制の影響だとすると、子どもたちの未来は?
In Deep 2024年2月11日
多くの子どもたちに、お母さん由来のスパイクタンパク質による影響があったり、あるいは、IgG4 が誘導されている子どもたちもいるかもしれないこと、など、多くの要素のために、今の最も若い世代の子どもたちの中には、免疫が強く抑制されている子どもたちが一定数でいると見られます。
そういう子たちに…たとえば、麻疹のワクチンは「生ワクチン」です。生ワクチンは「病原体となるウイルスの毒性を弱めて病原性をなくしたもの」です。
毒性を弱めてはいるけれど「病原体そのもの」ともいえます。
極端に免疫が落ちている子どもたちがいるとして、その子たちにこのようなものを接種した場合、これらはどう働くのだろう…と思います。
たとえば、前回の記事でご紹介しましたフィンランドの百日咳の症例数の推移は何か物語っているのではないでしょうか。
フィンランドは、「百日咳のワクチン接種率 100%」の国です(日本も基本的にはこの数値に近いはずです)。
百日咳のワクチン接種率100%のフィンランドの百日咳の症例数の推移
lkka Rauvola
こういう数値を見ていますと、日本の定期接種で「予防される」とされている先ほどのリストの以下のような病気を、まさか「むしろ誘発してしまう」ことはないのだろうかと。
…細菌性髄膜炎、喉頭蓋炎、細菌性髄膜炎、敗血症、肺炎、B型肝炎、感染性胃腸炎、ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、結核、麻疹、風しん、みずぼうそう、日本脳炎、HPV感染症…。
この中で、HPVワクチンは、一応論外としましても、他のワクチンの危険性は、これまであまり言われることはなかったかもしないですが、先ほど書きましたように、
「今は時代は以前の時代とはすでに違う」
のです。
人類の免疫に異変が起きている中で、最も若い世代の人々に、今までとおりに先ほどのようなリストの予防接種をすることはどうなのだろうと思います。
とはいえ、予防接種制度が回避される可能性はゼロです。
自然に任せていれば、人類は生き残っていた
少し前に、「医学という名の悪の輪廻」というタイトルの記事を書きました。
この記事は、あくまで、精神・神経疾患に関してのものでしたが、「悪の輪廻」という表現は、現在の麻疹の流行や、百日咳の流行が十分に示していると思います。
ひとつの医療介入(たとえば mRNAワクチン)が、何らか問題を引き起こす可能性を持ち、そこでさらに別の医療介入 (他の何らかのワクチンなど)が加わった際、その被害は何も介入がない状態とは比較にならない惨状になりやすい、というような概念でしょうか。
さらにいえば…歴史が示していることとして、
「どんな感染症の大流行であっても、放っておけば、いつかは消えていく」
ことが明確に示されていることがあります。
コロナもそうだったでしょうが、全体が自然免疫を獲得して、それで終わり、となったはずです。
対応するワクチンのなかった SARS や MERS がそうでした。比較的短期間で大流行は終わっています。今のコロナのように、何度も何度も何度も流行波を繰り返すようなことはなかった。
…馬鹿げてますよ。
あと、天然痘もそうですが、麻疹や百日咳などの過去のグラフを見ていて気づくのは…まあ、書き方はよくないでしょうが、
「死亡する人はどんどん死亡していった」
ということです。
逆にいえば、
「死亡する人がそれ以上いなくなった頃に感染流行は終息する」
ということです。
強い人が生き残っていく。その遺伝子が継承されていく。
その強い人たちの遺伝子から生まれた子どもたちも、特定の感染症に対して、また同程度の強さを持っているはずです。
麻疹や百日咳やジフテリアの死亡数がワクチン登場前に減少しはじめ、それ以降は流行波を繰り返さなかったのは、そういうことだと思われます (同時に、ワクチン曝露による感染も避けられた)。
感染症に対して強い遺伝子が生き残っていく。
そういう意味では、実は「今生きている人類は、数百年前の人類より感染症に強い」はずです。
遺伝子に介入される 3年前までは。
確かに、強い遺伝子だけが生き残っていくという、こういう形のサバイバルの様相は容赦ないようにも見えますが、しかし、人類という単位全体で生き残るには、そのような「一種の進化」しかないはずです。
いずれにしましても、すべて自然に任せれば、どんな感染症でも人類は生き残っていけるはずなのです。あるいは「生き残っていけた」はずです。
しかし、 2021年からはじまった人類史上最大の予防医療介入が「人類が生き残っていけた」はずの自然の状態を破壊してしまった。
これらの医療介入は自然の摂理を「根底から破壊した」と理解しています (遺伝子レベルでの破壊なんですから、人類史で初めてのことです)。
ですので、もはや従来の感染症の流行に対しての自然の摂理も消えていくのだとも思います。
「死亡する人」、「生き残る」人ということに関しては、10年以上前の記事ですが、以下の記事で、6世紀の東ローマ帝国でのペスト禍の記録をご紹介しています。ヨーアンネースは聖人伝を記した宗教家です。
[記事]西暦 541年の東ローマ帝国でのペスト襲来に関してのヨーアンネースの記録
In Deep 2012年09月20日
東ローマ帝国の街々が死者であふれかえっている「凄惨な様相」が記録されています。
その中に、以下のような記述があります。
> コンスタンティノーブル市民で生き残っている人はごく少数になった。死者数は確かに数え上げられていたが、路上から運び去られた遺体が30万を上回ったことは間違いない。役人は23万人まで数えたところで足し算を止めてしまい、それ以降はもう『大勢だ』と言うだけになった。
おびただしい数の死者で街が満ちていることが何度も書かれているのですが、この部分だけでも、よく読めば以下のことに気づきます。
・遺体を運ぶ作業をしている人たちがいる
・遺体の数を数えている役人がいる
・何より、このすべての情景を記録しているヨーアンネースがいる
この人たちは生きているのです。
みんな病死した遺体ときわめて密接な距離関係にある状況です。
遺体を運ぶ人夫さんたちも、遺体のそばで数える役人も、それをすぐ近くで見ているヨーアンネースも、みんな生きている。
その後に亡くなった人たちもいるでしょうが、しかし、ヨーアンネースに関しては、その後も生きています。
死亡する人がいて、死亡しない人がいるというだけの現実です。このような激烈な病気ではなくとも同じはずです。
その生き残った遺伝子は、特定の感染症に対して「進化している」といえるかもしれません。その遺伝子が次の世代を形作る。
ともかく、何もかも自然の経過に任せる以外には何もないというのが現実ですが、100年、200年前から、人為的介入により事態を悪化させる「医学的習慣」が全世界を覆い尽くしてしまいました。
悪の輪廻が常識になってしまった。
以下の記事では、100〜 150年くらい前の天然痘ワクチン接種のこと(多数の人たちが接種後に天然痘で死亡した)などを書いていますが、人為的に行う予防策でうまくいったものはないはずです。
[記事]ワクチン接種が感染状態と社会全体の健康状態を「悪化させる」ことは100年前からの医学的常識だった。そして150年前の惨状から予測する今後の社会
In Deep 2022年2月20日
以下はこの記事でご紹介した、今から 150年ほど前の医学誌ランセットの記事です。
1871年7月15日のランセットより
天然痘による死亡状況が激しくなっている。過去 1年間にイングランドとウェールズで 10,000人以上の命が犠牲となった。ロンドンだけでも、それ以来 5,641人が死亡している。
ロンドンの天然痘病院の 9,392人の患者のうち、6,854人以上がワクチン接種を受けていた。つまり、73%近くの天然痘患者が、天然痘ワクチン接種済みだった。死亡率は 17.5%だった。
今年イギリス全体で、12万2000人以上のワクチン接種を受けた人たちが天然痘に感染している。これは憂慮すべき事態といえる。この重要な問題についてはっきりとする必要があるだろう。
天然痘ということではなく、こんなようなことが今後の社会で起きないことを願っています。
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