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太陽黒点数が「0」となった2016年6月からの世界は

   

活動を縮小させている太陽ですが、2016年6月3日、ついに黒点が太陽の表面から完全に消えました。

2016年6月3日の太陽

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少しずつ減ってはいたのですが、6月3日に「消滅」した時には、下のようにわりと一気に消えていきました。

過去10日間の太陽黒点数の推移

sunspot-zero-0603NICT 黒点情報

現在の前に太陽黒点が消えたのは、2014年7月のことでしたので、約2年前ということになります。

2014年7月16日のスペースウェザーより

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太陽周期は活動極小期へと

2014年7月に黒点が消えた時は、太陽周期はまだ本格的に活動縮小期であるわけではなかったもので、多少意外な出来事でしたが、今の時期ですと、太陽活動は完全に縮小していっている時ですので、そろそろ「黒点0」が頻繁に現れるのかなと思っていました。

まだ今後は黒点は出現するでしょうけれど、基本的には今後2〜3年くらいのあいだに完全に「黒点のない太陽」となっていくと思われます。

NOAA (アメリカ海洋大気庁)は、太陽活動の極小期がやって来るのを 2019年から 2020年頃と予測していますが、最近は太陽活動サイクルの時間軸が不安定ですので、どうなるのかはよくわかりません。

ちなみに、今の第 24太陽周期(サイクル 24)は、「過去 200百年でもっとも太陽活動が弱い(黒点の数が少ない)」ものであることが確定しています。

下のグラフは、過去記事「歴史的に弱い太陽活動だったサイクル 24の次の「新しい時代の新しい太陽活動」はどんな方向に? …」に載せました、現在のサイクル 24と「その他の太陽周期の平均値」との黒点数の推移を比較したものです。

サイクル24と、それまでのサイクルの黒点数の比較

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現在のサイクル 24(赤い線)は、過去 253年の平均値よりすべての期間において黒点数が少ないと共に、歴史的に黒点が少なかったサイクル 5( 1798-1810年)と似た動きであることもわかります。

ちなみに、前回の太陽周期だったサイクル 23は、今の太陽周期よりは強い活動だったとはいえ、最近数十年の中では非常に弱い太陽活動でした。

それは、過去 50年くらいの太陽周期の、それぞれの「黒点のなかった日」の日数を見てみればわかります。

太陽活動周期リスト – Wikipedia より

・第19太陽周期 (1954-1964年) 黒点のなかった日数 227日

・第20太陽周期 (1964-1976年) 黒点のなかった日数 272日

・第21太陽周期 (1976-1986年) 黒点のなかった日数 273日

・第22太陽周期 (1986-1996年) 黒点のなかった日数 309日

・第23太陽周期 (1996-2008年) 黒点のなかった日数 821日

・第24太陽周期 (2008-現在)

第 23太陽周期(サイクル 23)の黒点の出なかった日が「 821日」とダントツに多かったことがわかります。

特に、リーマンショックのあった 2007年から 2008年頃は、まったく黒点が出ない日々が続きました。

今の太陽活動はこれよりもさらに弱いわけですから、どのくらい太陽黒点が出ない日が増えるのかわからない部分があります。

そして、次の太陽周期「サイクル 25」からは、「さらに太陽活動が弱くなる」とみられることが、モスクワ国立大学の物理学教授ヘレン・ポポワ博士( Dr. Helen Popova )らの国際研究グループによって昨年発表されています。

このことは、過去記事の、

精度97%の「2030年までのミニ氷河期突入」予測は、その発表の元となったロシア人女性物理学者の「太陽活動の解析予測の実績」から実現確実な状勢に
 2015/07/22

に書いたことがあります。

ヘレン・ポポワ博士
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天が二物を与えたかのような知性と美貌を兼ね備えたポポワ博士の説は、

次の3つの太陽周期(サイクル 25、26、27)に、地球に最も気温が低い状態が訪れるのは、これからの約 30年間。地球の寒冷化の頂点は 2030年頃に訪れる。

というものです。

これは 1645年頃から1700年頃まで続いた「マウンダー極小期」と呼ばれる太陽活動の長期にわたる減少期間と、現在までの3つの太陽周期(サイクル 21からサイクル 23まで)の太陽活動の「磁力の記録」を照らし合わせたもので、おそらくは相当高い精度の予測だと思われます。

そのマウンダー極小期は地球がかなり寒冷化した期間でしたが、ポポワ博士の予測が正しければ、今の太陽周期が極小期をむかえる 2020年頃までには地球は再び寒冷化に入る可能性があり、2030年頃に寒冷化のピークを迎えるということになります。

私はこの、太陽の磁力に焦点を当てたポポワ博士の研究の方法論に惚れ込んでいて、寒冷化の時期もおそらく的中すると考えています。そんなわけで、未来の寒冷化はもはや仕方ないと考えていますが、もうひとつの問題として、私たちは、おそらく長く「黒点のない時代」を生きるわけですが、

「黒点のない社会はどのようなものか」

というものをもう一度振り返っておきます。

 

黒点のない社会の特徴

三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券参与の嶋中雄二さんというエコノミストがいらっしゃいます。島中さんは「景気の循環」について研究されている方なのですが、その島中さんの著作に『太陽活動と景気』という、「太陽活動と人間社会の関係」を統計的、科学的に検分した興味深い著作があります。

私はその中の第6章「太陽活動と人間の生理」というセクションが好きなのですが、そこに 20世紀初頭に活躍したロシアの科学者のアレクサンドル・チジェフスキー博士という人物についてふれられている部分があります。

アレクサンドル・チジェフスキー
chizhevsky

少し抜粋します。

チジェフスキーと太陽生物学

嶋中雄二著『太陽活動と景気』 第6章「太陽活動と人間の生理」より

1915年から24年にかけて、ロシアの科学者で歴史家でもあったA・L・チジェフスキーは、紀元前 600年にまで遡り、戦争、民族大移動、革命、流行病のような社会的大変動に及ぶ資料を75の国から集め、これら地球上の人間活動と太陽活動との関係を徹底的に調べた。

彼は、1764年から1900年に至るペテンブルグ、1800年から1900年にかけてのロシアの総死亡率を分析し、それらが太陽黒点周期と一致していることを見いだした。また彼は、ペストをはじめ、コレラ、インフルエンザ、回帰熱、脳脊髄膜炎、ジフテリアその他の伝染病、それに病害虫といったものが、いずれも太陽活動と驚くほど対応していることを発見した。

チジェフスキーは、ペストの流行は6世紀以来、太陽黒点が最小のときに比べて最多のときには、約二倍も多く生じていると主張し、この原因を太陽からの有害な放射線(たとえば紫外線)の増減に求めた。

太陽の影響力は、彼によれば、個体から集団、群生に至る生物系のすべての組織レベルにおよんでいるとされた。

そして彼は、動物の血液、リンパ液、原形物質等のコロイド電気変化が、太陽活動の変化やバクテリアの成長と平行関係にあることを突きとめた。こうした研究の延長線上で、後に、太陽活動の最盛期の年には、ジフテリア菌の毒性が減少し、あたかも無害なバクテリアのようになってしまうことも発見された。

こうして、チジェフスキーは、地球上のあらゆる生物の発達は、太陽宇宙因子の直接的影響下に進んだものであり、人類もその例外ではないと考えた。彼は、戦争や革命など人間の不穏状態に関する徴候、あるいは「大衆の興奮も太陽の周期に従っている」とした。

チジェフスキーによって先鞭をつけられたこの「太陽生物学」は、その後ロシアの科学者の間で支持され、研究が盛んとなっていったのだが、西欧やアメリカではあまり受け入れられず、今日に至ってもなお、受け入れられていない。とはいえ、あまりにも斬新で意表をつくような彼の研究は、当時のソ連でも反発を買い、彼自身はスターリンによりシベリアへ送られ、フルシチョフの時代にやっと釈放されている。

一言で書きますと、チジェフスキー博士は、執念ともいえるデータ解析によって、太陽活動は、

・戦争
・民族大移動
・革命
・感染症
・事故など

すべてに関係するということを見出したのでした。

ごく簡単にいえば、太陽活動が大きい時は上のものがすべて「増える」ということになりますので、今後は太陽活動は著しく低くなるわけですから、チジェフスキー博士の分析通りに進めば、戦争、革命、病気の流行などはすべて減っていくということになりますが、それはどうなりますでしょうかね。

ちなみに、この分析と関係ある概念ではないですけれど、チジェフスキー博士は、19世紀の終わり頃からあった「ロシア宇宙主義」という学者グループの一員でした。そのロシア宇宙主義という学派の主張はおよそ以下のようなものでした。

  • 人間の意識の進化と世界の霊化には関係がある
  • 宇宙現象、あるいは自然災害など破壊的な地球の現象と人間の意識には相関関係がある
  • 学問の目標は、人間が肉体的な自然性を変容することで死を克服することと、宇宙の中で不死の生命を作り出していくこと

このような壮大な目標があったのですが、第二次大戦後の世界の科学は西側諸国の主張が主流となり、このような科学の方向は、ほぼ消えてしまいました。

それでも、今でも、たとえば先ほどのポポワ博士など、優れた科学的主張がロシアから数多く出てくるのは、今でもロシア人の根の部分には、何かこう人間の根源性について今の主流科学とは視点が違うようなものもあるのかもしれません。

ちなみに、チジェフスキー博士は、太陽活動を、

1. 黒点最小期
2. 黒点増加期
3. 黒点最大期
4. 黒点減少期

の4つに分類し、過去のデータから、それぞれどのような傾向があるかをまとめていますが、あと数年で訪れる「1. 黒点最小期」は、データではどのような社会だったのかを記しておきます。

第1期(黒点最小期)

この時期の特徴:

・大衆の統合性の欠如
・大衆は政治的、軍事的な問題に関心を示さない
・穏やかで平和的な大衆
・寛容で忍耐強い大衆

こうした特徴のもたらす結果:正しい思想を守るために戦うことの情熱の欠如。闘争を放棄し簡単に断念してしまう。

この時期に現れる社会的な現象:平和条約の締結、降伏、占領、問題解決の場としての議会の活発化、独裁や専制の強化、少数エリートによる統治の強化。

このうちの、

> 独裁や専制の強化
> 少数エリートによる統治の強化

というのは、チジェフスキー博士がデータをまとめた 1920年代以降にも繰り返し起きていて、そこで成長していった「専制化」が、後の太陽活動最大期に訪れる戦争などで大きな衝突となって終結を向かえる……ということを現世人類は繰り返してきました。

今度の場合はどうなのかわからないですが、太陽活動と社会の状態については、ずいぶんと調べ続けてきまして、今では、チジェフスキー博士の主張は、ほぼ完ぺきなものだと思っています。ですので、おそらく今後もその傾向通りに進むのでしょうけれど、ただ、それ以前の問題として、自然を含めて環境がこう荒れてくると、それらの問題のほうも大きくなってきそうです。

2020年くらいまでの4〜5年というのは、いろいろな意味でちょっとした修羅場にはなるとは思いますが、その頃、人々の心はあまりカッカとしていない時期である可能性が高いことは幸いかもしれません。

静かにひとり、またひとりと消えていく。

そんな時代なのですかね。



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