2020年の英国でのロックダウン中の街頭ポスター。「家にとどまり、皆の命を守ろう」。 inews.co.uk
日本でも「条件付け」が日常的に続いている
今回は、タイトルに書かれていた記事をご紹介しようと思います。
英国での 2020年からのロックダウン時に、人々の行動規制を主導した英国内閣府の「行動洞察チーム (通称ナッジユニット / Nudge Unit)」の責任者だった人物が語ったものです。
ナッジユニットの責任者で、内閣府顧問のデビッド・ハルパーン教授という人が英テレグラフ紙とのインタビューで、以下のように語っていたというものでした。
(デビッド・ハルパーン教授の意見)
「英国はマスク着用と在宅勤務(ロックダウン)の「訓練」を行ってきた。その結果、人々は言われたことに従うよう条件付けられているため、将来の危機が起こった際には、同じことをやり直すことができる」
さて、このことはこのこととして、
「日本人は条件付けはされていないのだろうか?」
と、ふと考えると、英国以上である想定も出てこないでもありません。
こういうようなことを社会体制がやりたい放題にやるようになるための条件として、
・合理的に考えない国民
・すぐ忘れる国民
というような国民であることが必要なのかもしれません。
たとえば、今、日本では、子どもあるいは大人も含めてさまざまな感染症が流行していますが、どんなメディアの記事を見ても、最後は同じように締められているものが多いです。
最近の典型的なものとしては。以下のような記事があります。太字はこちらでしています。
(「夏の感染対策のポイントは 状況に応じてマスクも」という記事より)
感染対策としては従来どおり、「換気」「手洗い・手指消毒」が有効です。冷房を入れていても換気を心がけ、換気扇も活用してください。ウイルスは手から目や鼻、口に入ることがあるので、流水や石けんによる手洗い、アルコール製剤などでの手指消毒が有効です。
また、高齢者や基礎疾患のある方が感染すれば、重症化リスクが高まります。夏休みやお盆で帰省するなど高齢の方と会う場合や、大人数で集まる場合は、感染予防を心がけ体調を整えるようにしましょう。
医療機関や高齢者施設を訪問するときには、うつさないためにもマスクの着用が効果的です。
ここには、緊急事態宣言などの間にずっと出されていた、以下の「 3つほどの概念」が見事に出されています。
・石鹸による手洗いと消毒
・行動制限
・マスクの着用
先ほどの文章に、仮に多くの方々が「違和感」を感じないのであれば、知らず知らずに「常に条件付けされている」という日本の現実がそこに見えてきます。この「我々は条件付けされている」ということに気づくのなら、それはすでに条件付けから離れられているわけですが、
「気づかない」
場合は、今後もずっと常に条件付けされ続ける日常が続きます。
「やっぱりマスクしなきゃ。石鹸で手を洗わなきゃ。消毒剤でシュッシュッしなきゃ」と。
これは、先ほどの英国政府の顧問の言っていたことと同じで、「いつでも社会を 2020年の状態に戻すことができる」という意味となります。
それにしても…マスクと石鹸の消毒。
どれだけ「忘れて」いることが多いか、振り返ってみましょう。
マスクと手洗い神話
マスクについては、このブログでは、感染症対策としての有効性の問題より「人間の成長に関しての有害性の問題」を取り上げ続けていましたが (マスクに関しての過去記事一覧)、感染症対策としての有効性については、ちょうど 3年前の朝日新聞の以下の記事だけで十分なような気がします。
布マスクの「漏れ率」100% すきまからウイルス侵入
朝日新聞 DIGITAL 2020/07/06
布マスクは空気中のウイルスをどこまで防げるのか。
聖路加国際大学の大西一成准教授(環境疫学)が布マスクと顔面のすきまなどから出入りする空気中の粒子の「漏れ率」を調べたところ、100%だったことがわかった。
フィルターの性能試験を通った不織布マスクも、着け方が悪いと100%だったが、正しく着けると約50%まで下がった。「マスクは選び方と着け方が大事」という。
…その結果、布マスクとガーゼマスクは、漏れ率が100%だった。漏れ率が最も低かったのは防じんマスクを正しく着けた場合で、1%。普通の着け方では6%だった。
不織布マスクは、正しく着けた場合はフィルター部分の濾過性能の試験を通ったタイプだと52%、通っていないタイプだと81%だった。ただ、普通の着け方だと 2種類とも100%だった。
漏れ率 100%です。
工業用・災害用の「防じんマスク」は、漏れ率が低いとありますが、以下のようなものです。
この炎天下をこのようなものをつけて歩くというのも、「鍛錬」という意味ではよろしいかとも思いますが、35℃などの環境だと生命の維持の失敗に直結しそうです(生命の維持の失敗は究極の感染症予防法ではありますが ← ウイルスは宿主が生きていないと生存できない)。
冗談はともかく、人間の日常生活で、病原体を完全にシャットアウトするという発想はすべてオカルトです。微生物は常にどこにでもいます。
何らかの感染症が流行しているときには、環境にある壁も机もドアも、場合によっては大気も、何もかもその病原体で覆われているのですから、身体の一部をどうこうしたってどうしようもない。
なお、先ほどのような防塵マスクは、たとえば、富士山の噴火とか、そういう噴火等の局面には大いに役に立つものではあります。
火山噴火の粉塵とかガスはとにかく体に悪いもので、たとえば、1783年にアイスランドで「ラキ火山」という火山が大噴火を起こしたのですが、この噴火により、アイスランドの全人口の3分の1が亡くなり、そして、この煙は、イギリスにまで到達し、イギリスでも 2万人以上が亡くなったと推定されています。
もう 12年前の記事ですが、以下に書いています。
[記事] 英国史上最大の自然災害はアイスランドからやってきた: 1783年のラキ火山の噴火
In Deep 2011年09月07日
> 噴煙と共に、何百万トンもの有毒な火山ガスがスカンジナビア半島の果てまでも流れ、そしてついに風によって英国にまで運ばれた。
>
> 噴煙と火山ガスは、二酸化硫黄(亜硫酸ガス)と硫化水素などを含み、これらが老若男女を問わず、また、裕福な者や貧しい者を問わずに無差別に英国の人々を襲い、そして死に至らしめた。 BBC
あああ、話がムチャクチャに逸れてしまいました。
戻します。
そして、「手洗い」なんですけど、先ほどの記事には、
> ウイルスは手から目や鼻、口に入ることがあるので、流水や石けんによる手洗い、アルコール製剤などでの手指消毒が有効です。
とありますが、「有効ではない」のですよ。
そういえば、最近、2011年の論文を見つけまして、その調査によれば、
「消毒剤を日常的に使っていた集団は、使っていない集団より、ノロウイルスの感染が 6倍多くなっていた」
というものでした。以下に翻訳しています。
・「手指消毒剤はノロウイルス感染発生のリスクを高める可能性がある」という2011年の論文 (2023/07/09)
「なぜ、消毒したり石鹸で手を洗うことが、感染症対策としてマイナスになるのか」ということについては、非常に簡単なことで、
「手の表面の、ウイルスから私たちを保護している皮膚の常在菌まで殺してしまうから」
です。
医学博士の故藤田紘一郎さんが、2018年1月のプレジデント誌でのインタビューで以下のように述べています。コロナ前のことで、これは「インフルエンザや風邪などの対策」としての話です。
2018年1月18日のプレジデントより藤田紘一郎さんの言葉
人間の皮膚には、表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌をはじめとする約10種類以上の「皮膚常在菌」という細菌がいて、私たちの皮膚を守ってくれています。
彼らは私たちの健康において、非常に重要な役目を担っています。皮膚常在菌は皮膚から出る脂肪をエサにして、脂肪酸の皮脂膜をつくり出してくれているのです。
この皮脂膜は、弱酸性です。病原体のほとんどは、酸性の場所で生きることができません。つまり、常在菌がつくり出す弱酸性の脂肪酸は、病原体が付着するのを防ぐバリアとして働いているのです。
皮膚を覆う弱酸性のバリアは、感染症から体を守る第一の砦です。
このプレジデントの記事のタイトルは、「"手を洗いすぎる"と風邪を引きやすくなる」というものでした。その通りなんです。
ちなみに、藤田紘一郎さんが推奨する「感染症予防対策」は以下です。
「両手を軽くこすりながら、流水で10秒間流す」
石鹸は決して使ってはいけません。消毒剤は論外です。
流水だけで洗い流す。
この理屈は、たとえば、まあ…実際には、石鹸はウイルスを殺さないですが、一応殺すとして、「石鹸や消毒剤で消毒して、ウイルスと常在菌が同時に死ぬとする」とした場合、何らかの感染症が流行している時には、環境中にいくらでもその病原体はあるわけであり、あるいは、エクソソーム経由でいくらでもやってきます(エクソソームについては最近のこちらの記事をご参照下さい)。
つまり、「病原菌は、またすぐに手や体に付着する」のです。
ウイルスなどの病原体は、いくら消毒しても、すぐに付着が始まるのですが、
「石鹸の使用後や消毒した後は、守ってくれる皮膚の常在菌が手の平にいない」
のです。
藤田博士は、
> 病原体のほとんどは、酸性の場所で生きることができません。
と述べていますが、この「バリアが消える」のです。手の皮膚がウイルスの自由活動エリアとなってしまう。消毒剤を含むうがいをすると、喉がウイルスの自由活動エリアになる。
死んでしまった皮膚常在菌が復活するには、時間がかかります。
結局、このメカニズムからは、ひとつのことしか言えません。
「石鹸や消毒剤を使えば使うほど、ウイルスの攻撃にさらされやすくなる」
ということです。
これは、感染症と共に「傷」にもいえることで、「傷口を殺菌すると、傷を治す常在菌までも殺してしまう」のです。
ずいぶん以前の記事ですが、以下は「傷を消毒してはいけない」ということを知った時のものです。
[記事] 怪我の功名から得た「傷と止血の対処の真実」について。今までの傷治療に対しての医学常識は根本が間違っていることに気づき
In Deep 2016年6月16日
以下はある病院のウェブサイトですが、このようにちゃんと考えて下さっているお医者さまたちもたくさんいます。
(ある医院のウェブサイトより)
> 消毒液は悪い菌を殺しますが、創を治す細胞まで殺してしまうため創自体を消毒するのは間違いで、創の周りだけを消毒するのが正解ですが、菌やウイルスは至る所に居て無菌にできるはずが無いので消毒自体が無意味で、水道水で洗浄するだけで十分ですが、いまだに大学病院などでも不勉強な医師達が創を消毒しています。
>
> ポビドンヨードうがいは、喉に炎症がある時は同じ理由で逆効果で、予防的にも口内の善玉菌まで殺されて免疫が下がり、逆に風邪に引きやすくなりますので使用してはいけません。
人間の身体というのは、
・有害な病原体から各部位を守るシステム
・損傷した部位を自己修復するシステム
を共に備えています。
しかし、実際には現代医療は、「その自然のシステムに逆らった方法」でおこなわれており、だから、状況が改善しない。
現世人類の歴史は 16万年程度でしかないにしても、その中で絶滅しないで増え続けてきたのは、この「最強の身体システム」のお陰です。本来であれば、人類という存在は、地球の生物の中で究極的な進化の形を持つものだったのです。
現代医療とその概念が、それを破壊し続けている気がします。
ともかく、以上のような「条件付け」に気づかなければ、いつまでもいつまでも同じ繰り返し(の中で事態はさらに悪化していく)だけです。
マスクと石鹸、消毒剤は感染症予防の敵であると共に、人体を弱くします。
いろいろと長くなりましたが、英国についての記事をご紹介します。
犬のように訓練されている:英国人は今後のロックダウンやマスク着用義務に容易に従うだろうと「ナッジユニット」の責任者は語る
Trained like DOGS: Britons will readily comply with future lockdowns and mask mandates, “Nudge Unit” chief says
naturalnews.com 2023/07/09
英国政府顧問によれば、英国はすでに新しい行動を学ぶために「洗脳」されているため、英国人は将来のパンデミックによるロックダウンにすぐに従うだろうと述べた。
内閣府から独立している行動洞察チーム (ナッジユニット)の責任者であるデビッド・ハルパーン教授は、「原則として、行動のスイッチをオンに戻すだけでよい」と英国デイリー・テレグラフに語った。
ハルパーン教授は、英国はマスクの着用や、社会的距離の確保や在宅勤務などの健康プロトコルの遵守など、パンデミックによる制限的な政府の義務を「訓練」してきたため、将来的に「やり直す」のは簡単だと指摘した。
なぜなら、人々は今や「言われたことをやるように条件づけられている」からだという。
ハルパーン氏はポッドキャスト「ロックダウン・ファイル」で、恐怖を煽ることに基づくメッセージは一般的に効果がないと指摘した。同氏は、2020年3月に規制が始まった後に全米で広がった大規模な抗議活動には言及せず、極端な状況での (ロックダウンの)使用を擁護した。
「人々が間違って調整されていると思う場合には、突破口を開く必要がある場合もある」と彼は語った。
ハルパーン氏はまた、ポスターのメッセージがいかに強力であるかを強調した。これらはパンデミックの制限期間中に使用され、視覚的なプロンプトを強制して、人々が店や他の場所に行くときに思い出させ、自動的に合図して「学習した行動」を引き起こすことができた。
人々は制限や義務に慣れてしまっていて、それらを「忘れる」のが難しいと感じている。ハルパーン氏はマスク着用を例に挙げた。
「人々はマスクを着用していないときでも、何かが欠けている、または裸でいる気がすると感じるでしょう」と氏は述べる。
「大規模な災害は社会にこの永続的な痕跡を残します」とハルパーン氏はさらに説明した。この「準進化的」影響は将来の行動の強力な指標であると彼は主張した。
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