処方薬と共に生きたジャンクライフからの曖昧な脱却
この 7、8年間くらいは、ずいぶんと「処方薬」の話を書くことが多かった気がします。
最近では「ベンゾジアゼピンの使用と断薬が、自殺念慮と関連している」ということを記事にさせていただいています。
なぜ薬に関して、報道やデータに興味があるかといますと、その 7、8年くらい前まで、私自身が大層な処方薬漬けの人生だったからですね。
小児ぜんそくなどから始まり、ほぼ生まれて以来、ずっと体が弱かったために、幼少期から非常に多くの種類の処方薬を服用していた上に、青年期からはベンゾジアゼピン系の抗不安剤というような精神神経系の薬も加わり、処方薬ワンダーランドの様相の中で生きたのでした。
もちろん、処方薬には恨みも非難の思いもまったくありません。ぜんそくの頓服があったからこそ呼吸が止まらずにいたわけですし、二十代から三十代に表現活動をできていたのも、ベンゾジアゼピンでパニック障害を抑えていたからこそであり、感謝こそすれ、恨みなどありません。
ベンゾジアゼピンで脳は萎縮してしまいましたけれど(今の大脳の大きさは草食恐竜程度)、全体として、いい人生を過ごすことができました。
しかし、2015年くらいからでしたか、このブログを書くために読んだいくつかの著作や論文などで、
「なーんか全体的にだまされていた感じがする (^0^) ← なぜ笑う」
ということに、やっと気づいたのですね。
もちろん大事な薬はあるでしょうが、処方薬の多くはスカムでありジャンクであることに、数十年かかって気づいたようです。
最近、米ナチュラルニュースで、「アメリカのうつ病率の急上昇は処方薬の使用増加と関連している」という内容の記事があり、引用されている資料もわりと的確なものでしたので、読みましたが、うつ病を誘発するという可能性のある処方薬の多さにも多少は驚きはしましたが、
「自殺念慮を引き起こす処方薬がものすごくたくさんある」
ことに驚きました。
そこに、アメリカ薬剤師協会の公式ジャーナルである「米国薬剤師協会雑誌」に 2016年に発表された論文が引用されており、それによれば、
「アメリカで処方されている処方薬のうち 125 種に自殺念慮や自殺行動を引き起こす可能性があると FDA からラベル付けされている」
ことが記されているということでした。
ラベル付けされているというのは、警告として正式に記載されているということですが、それが 125種類もあるようです。
それとともに、「自殺念慮は伴わないが、うつ状態を引き起こす可能性がある処方薬」が、同じ程度あります。
「こんなにあるのかよ」
と思わざるを得ないですが、問題は「多くは日本でも処方されている」ものだということです。
ナチュラルニュースの記事には、FDA がラベル付けした処方薬の商品名の一覧がリストされているのですが、最初はそこから抜粋してご紹介しようかと思ったのですが、
「すべてを引用」
します。
アメリカでの販売名になっているものは、日本での販売名もできる限り併記します。
その理由は、日本も、アメリカ同様に、大変な数、率の方々が、病院の処方薬を服用されていると思うからです。
それらの中には、
「自殺行動という副作用」
があるものが、ほんの少しだとしても「ある」のです。
ちなみに、アメリカの場合は、以下のような率で人々が処方薬を服用しています。ナチュラルニュースの記事の冒頭です。
「これらの処方薬はうつ病のリスクを高める可能性がある」より
米ジョージタウン大学医療政策研究所によれば、非常に多くのアメリカ人(1億3,100万人以上)が処方薬を使用している。
これは、2021年時点で、米国の全成人の約 66%が、関節炎、がん、糖尿病、心臓病、高血圧の 5つの一般的な慢性疾患のいずれかを患っていることと関係している。データによると、関節炎患者の 89%と糖尿病患者の 98%が処方薬に大きく依存していることが示されている。
実際、糖尿病を患う成人は、一般人口の約 4倍の処方薬を必要とする。
2020年の時点で、アメリカ食品医薬品局 (FDA)は 20,000を超える処方薬の販売を承認しており、主な薬剤クラスは降圧薬、鎮痛薬、精神科薬だ。
処方薬は非常に普及しているにもかかわらず、それらの使用にはいくつかの欠点があり、その主なものはコストの上昇と深刻な副作用だ。
アメリカの研究者たちによる 2014年の研究では、2009年から 2011年にかけて、処方薬、特に精神科薬の使用による有害事象により、89,000人以上が救急外来を受診し、そのうち 19.3%が入院となったことが判明した。
うつ病や自殺行動も、処方薬の使用に伴う最も一般的な副作用の一つだ。
2016年の研究によると、FDAは 125以上の処方薬に自殺念慮や自殺行動を引き起こす可能性があるとラベルを付けた。
JAMAに掲載された最近の研究で確認されたように、うつ病を引き起こす副作用のある 1つまたは複数の薬剤の使用は米国の成人の間で一般的であり、そして、全体のうつ病の推定有病率は年々増加傾向を示している。
日本も、正確な数値はわからないですけれど、処方薬を服用している人の数はアメリカと同じ程度か、あるいは、アメリカより高いように思います。日本は、一般的な薬に関しては薬価が比較的安価であることや、また、日本での「現代医療の神格化」は、アメリカ以上に進んでいると感じています。
そして、一部の方々を除けば、「医療者たち自身がこの医療宗教を信奉している」ために、その根本的な問題を見つめることはあまりなくなっている。
[記事] 医師から一般の人々まですべてを貫く「医療の宗教化」は、医療教育でのマインドコントロールから始まる。そしてその歴史
In Deep 2022年11月15日
そろそろ「抑うつを引き起こす可能性がある処方薬」と、「自殺念慮を引き起こす可能性がある処方薬」のリストを掲載します。
なお、ブログの過去記事の薬の記事については、以下のようなカテゴリーにそれぞれあります。
ここからリストです。
うつ病と自殺念慮のリスクを高める可能性がある処方薬
naturalnews.com 2023/07/07
うつ病のリスクを高める可能性のある処方薬
以下は、 JAMA研究が抑うつ(自殺念慮を伴わない)症状を引き起こす可能性について調査した薬剤のリストだ。
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鎮痛薬:シクロベンザプリン(日本では非承認)、フェンタニル (オピオイド)、アセトアミノフェン (日本のカロナール)、ヒドロコドン (オピオイド)、イブプロフェン、インドメタシン、モルヒネ(オピオイド)、ナブメトン、オキシコドン (オピオイド)
降圧剤:テノーミン、クロルタリドン(日本では非販売)、ベタキソロール、ベンドロフルメチアジド、ナドロール、ブリモニジン、ブリモニジン (眼圧を下げる薬)、チモロール (眼圧を下げる薬)、ドルゾラミド (眼圧を下げる薬)、エナラプリル、ヒドロクロロチアジド、メトプロロール、ヒドロコドン (オピオイド)、メトラゾン (利尿剤)、ニソルジピン、キナプリル、ミカルディス、
副腎皮質ステロイド薬 (主に抗炎症や免疫抑制薬): ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニン、レダコート
胃腸薬:アトロピン、ジフェノキシレート (オピオイド)、シメチジン (H2ブロッカー)、デクスランソプラゾール、エソメプラゾール、ファモチジン(H2ブロッカー。ガスター10の成分)、オメプラゾール
ホルモン/ホルモン修飾剤: (※ ちょっと多すぎて羅列とさせていただきます) アナストロゾール、ビカルタミド、カベルゴリン、抱合型エストロゲン、メドロキシプロゲステロン、デソゲストレル/エチニルエストラジオール、ジエノゲスト、ドロスピレノン、レボメ葉酸、エステル化エストロゲン、メチルテストステロン、エストラジオール、エストロピペート、エチニルエストラジオール、エトノゲストレル、レボノルゲストレル、ノルゲスチメート、ノルゲストレル、エトノゲストレル、エキセメスタン、ゴセレリン、ヒドロキシプロゲステロン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、ノルエチンドロン、タモキシフェン、テストステロン
呼吸器官: セチリジン (抗ヒスタミン薬)
他の治療薬:
・HIV/エイズ - アバカビル/ラミブジン、エムトリシタビン、マラビロック
・高血圧剤 - アセブトロール、クロニジン (血液脳関門を比較的容易に通過すると書かれています)、
メチルドーパ、メトラゾン、プラゾシン (交感神経遮断薬)、プロプラノロール
・乾癬 - アシトレチン
・注意欠陥多動性障害 / ADHD - アンフェタミン (いわゆる覚せい剤の成分です)、デキストロアンフェタミン、デクスメチルフェニデート
・筋肉の収縮 - バクロフェン、オキシブチニン、ダントロレン、チザニジン
・肥満 - ベンズフェタミン、フェンテルミン
・副甲状腺機能亢進症 - シナカルセット
・免疫抑制剤 - シクロスポリン
・認知症/アルツハイマー病 - ドネペジル、ガランタミン
・食欲不振 (HIV/AIDS および癌誘発性) - ドロナビノール
・がん - エルロチニブ、ソラフェニブ
・不整脈 - フレカイニド、プロパフェノン
・統合失調症 - フルフェナジン (フルメジン)、ハロペリドール (セレネースなど)
・細菌感染症 - メトロニダゾール
・トゥレット症候群、抵抗性チック - ピモジド
・パーキンソン病 - ラサギリン、ロチゴチン
自殺行動のリスクを高める可能性のある処方薬
鎮痛薬:アセトアミノフェン (日本のカロナール)、トラマドール (オピオイド)、ヒドロモルホン (オピオイド)、タペンタ (オピオイド)、トラマドール (オピオイド)
抗けいれん薬:カルバマゼピン、クロナゼパム (ベンゾジアゼピン系)、ジアゼパム (ベンゾジアゼピン系)、エトスクシミド、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、ロラゼパム (ベンゾジアゼピン系)、メトスクシミド、オクスカルバゼピン、フェニトイン、プレガバリン、トピラメート、バルプロ酸、ゾニサミド
抗うつ薬: アミトリプチリン (三環系)、アミトリプチリン (三環系)、クロルジアゼポキシド (ベンゾジアゼピン系)、アミトリプチリン、ペルフェナジン、ブプロピオン、シタロプラム (SSRI)、クロミプラミン、デシプラミン (三環系)、デスベンラファクシン、ドキセピン、デュロキセチン (SNRI)、エスシタロプラム (SSRI)、フルオキセチン (SSRI)、オランザピン、フルボキサミン (SSRI)、イミプラミン(三環系)、ミルナシプラン (SNRI)、ミルタザピン、ネファゾドン、ノルトリプチリン (SNRI)、パロキセチン (SSRI)、フェネルジン、プロトリプチリン (三環系)、セレギリン、セルトラリン (SSRI)、トラゾドン、ベンラファキシン (SNRI)、ビラゾドン
抗不安薬、睡眠薬:アルプラゾラム (ベンゾジアゼピン系。商品としてソラナックス、コンスタンなど。参考記事)、ブタバルビタール、クロルジアゼポキシド (ベンゾジアゼピン系。コントール、バランスなど)、クロナゼパム (ベンゾジアゼピン系。リボトリールなど ← 私が処方されていました)、クロラゼプ酸(ベンゾジアゼピン系。メンドンなど)、ジアゼパム(ベンゾジアゼピン系。セルシン、ホリゾンなど)、ドキセピン (日本は非発売)、エスゾピクロン(ベンゾジアゼピン系。ルネスタなど)、フルラゼパム(ベンゾジアゼピン系。ダルメート、ベノジールなど)、ペントバルビタール、ラメルテオン、トリアゾラム (ハルシオン)、ザレプロン、ゾルピデム(ベンゾジアゼピン系の睡眠薬)
胃腸薬:メトクロプラミド
ホルモン/ホルモン調整剤: フィナステリド、ロイプロリド、レボノルゲストレル、オキサンドロロン、プロゲステロン
呼吸器系薬剤: モンテルカスト、リバビリン、ロフルミラスト、ザフィルルカスト
他の治療薬:
・アルコール依存症治療薬 - アカンプロサート、ナルトレキソン
・パーキンソン病 - アマンタジン、カルビドパ/レボドパ、カルビドパ/エンタカポン/レボドパ
・ナルコレプシー/睡眠障害 - アルモダフィニル、モダフィニル
・統合失調症、躁病、双極性障害 - アリピプラゾール、アセナピン、イロペリドン、ルラシドン、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン
・注意欠陥多動性障害 / ADHD - アトモキセチン、メチルフェニデート (リタリン、コンサータなど)
・細菌感染症 - シプロフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシン
・ハンセン病 - ダプソン
・HIV/エイズ - エファビレンツ、エファビレンツ/エムトリシタビン/テノホビル、ラルテグラビル
・多発性硬化症 - インターフェロン ベータ-1a、インターフェロン ベータ-1b、ナタリズマブ
・重度のニキビ - イソトレチノイン、
・認知症、アルツハイマー病 - メマンチン、リバスチグミン
・マラリア - メフロキン
・C 型および B 型肝炎 - ペグインターフェロン アルファ-2a
・肥満治療 - シブトラミン、
・禁煙補助薬 - バレニクリン
ここまでです。
抗うつ薬と抗不安薬に出てくる処方薬は、どれも非常に一般的なものであり、日本でもかなりの数の人々が服用していると思われます。
副作用ですから、率や頻度は低いとはいえ、自殺念慮を引き起こす可能性のある処方薬がこんなにもあるようです。
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