ブログ記事の引用・転載はすべて自由です。その際、ページのリンクを示していただけると嬉しいです。以下でキーワード記事検索ができます。

10月4日にメルマガ太陽の50年ぶりの目覚めの中でを発行させていただきました。

2023年からの世界 ディストピアへようこそ 人類の覚醒と真実 健康の真実 日本の未来

ベンゾジアゼピンの使用と「断薬」が、脳損傷、自殺念慮と関連していることが過去最大の調査研究で判明

投稿日:




ベンゾジアゼピンの影響についての過去最大の調査

抗不安薬や睡眠導入剤として非常に多く処方されているベンゾジアゼピンは、確かにある種の症状に対して強い効果、場合によっては抜群の効果があることは確かですが、強い薬物耐性と重篤な離脱症が問題とされ続けているものでした。

最近、このベンゾジアゼピン系が、

「脳損傷や神経機能障害、あるいは自殺念慮と関係していることが明らかになった」

という論文が発表されていました。

これは、ベンゾジアゼピン系を服用している状態より、むしろ「断薬、減薬した後の長期の離脱症状」について調査したものですが、論文の結果には、以下のようにありました。

論文「ベンゾジアゼピン誘発性神経機能障害の長期的な影響: 調査」より

結果

調査では 23の具体的な症状について質問し、活力低下、注意力散漫、記憶喪失、神経過敏、不安などの症状を経験した回答者の半数以上が、これらの症状が 1年以上続いたと回答した。

これらの症状は新たに報告されることが多く、ベンゾジアゼピンが最初に処方された症状とは異なる。回答者の一部は、ベンゾジアゼピンを 1年以上中止した後でも症状が続いたと述べた。人生への悪影響も多くの回答者によって報告された。

PLOS One

この、

> これらの症状は新たに報告されることが多く…

というのは、「服用が長期化、慢性化するに従って、さまざまな新たな症状が出始める」という理解でいいのだと思います。

 

私自身…二十代のはじめ頃から 30年くらい、毎日というわけではないですが、調子の悪い時にはベンゾジアゼピンを服用し続けていました。

そしてまあ、自分でこのようなブログを書いている中で、「良くないのだなあ」と知り、やめていく方向になったのは 8年くらい前でしたかね。急に断薬することは不可能であると共に「危険」ですので、5年くらいかけたでしょうか。コロナのちょっと前です、完全に断薬に至ることができたのは。

徐々に断薬を始めて 1年くらいは経っている頃だと思いますけれど、2016年のひとつの記事などでは、以下のように私はボロボロだったようですね。

(2016年12月15日の In Deep より)

> …たまに書くこともあります「時間の空白」が増えたり(記憶が飛ぶ)、ナルコレプシー的な悪魔の睡魔にも相変わらず襲われます(失神的に倒れる感じになってしまうこともあります)。

> ナルコレプシー的な件に関しては、飛び飛びとはいえ、私は通算で 30年近く「ベンゾジアゼピン系」の抗不安剤を飲んでいましたので、いろいろな脳神経が「ジャンク」になっている可能性が強いですので、仕方ない面もありそうです。 indeep.jp

 

アメリカでは特にオーバードーズの問題が大きくなっていて、抗不安剤のザナックス(日本でのソラナックス)での死亡数が急増しています。以下は、コロナのちょっと前の頃の記事です。

[記事] 日本では数百万人が服用しているあまりにも一般的な処方薬であるベンゾジアゼピン系の薬がアメリカで殺人ドラッグになり始めている
 In Deep 2019年12月9日

 

以下は、2019年までのアメリカの「薬剤による過剰摂取死」の推移です。黄色いラインが「ベンゾジアゼピンとオピオイドの併用」です。

米国の薬剤過剰摂取死の推移

psychiatrictimes.com

 

ロックダウンなどが世界中で続いたコロナの期間中には、新たにメンタルの不調を抱えた人が多くなったと思われ、ベンゾジアゼピンの服用者はさらに増えていると考えるのが妥当です。現在の神経内科や精神科には「代替の治療が、ほぼ存在しない」のです。

また、一部のベンゾジアゼピンは「抗コリン薬」というものでもあり、これはこれで長期連用は「認知機能」に相当の影響が出ることがわかっています。

抗コリン作用については最近の以下の記事で書かせていただいています。

[記事] ワクチン禍の時代が教えてくれた「これからの医療受診への心構え」[その2]
 In Deep 2023年6月4日

 

ベンゾジアゼピンには、個人的にもいろいろな意味で思い入れがありますが、最近になって、悪い影響が研究で具体的に見出されるようになってきています。

論文を取り上げていた科学メディアの記事をご紹介します。

なお、回答者の半数以上、あるいはそれに近い人たちが、1年以上にわたって続いたことが訴えられていた症状は以下です。

・エネルギーの低下
・集中力の難しさ
・記憶喪失
・不安
・不眠
・光や音に対する過敏
・消化器系の問題
・食べ物や飲み物によって引き起こされる症状
・筋力低下
・体の痛み

 

私は、これほとんどあったかもしれません。しかも何年も続きました。

研究を主導したコロラド大学の助教授ご本人が、ベンゾジアゼピンの影響が長く続いていて (断薬して 4年続いているとのこと)悩まされていることを述べています。

それが研究の原動力になったのかしれません。




 


ベンゾジアゼピンの使用は脳損傷、失業、自殺と関連している

Benzodiazepine use associated with brain injury, job loss and suicide
eurekalert.org 2023/06/28

コロラド大学の研究者たちは、ベンゾの使用を長期的な神経学的合併症と結びつけた

査読済み論文

コロラド大学アンシュッツメディカルキャンパスの研究者たちによる新たな研究によると、ベンゾジアゼピンの使用と中止は、中止後も続く神経系損傷や生命への悪影響と関連している。

研究は、ジャーナル「PLOS One」に掲載された。

コロラド大学の精神医学助教授アレクシス・リトボ医学博士は、以下のように述べる。

「ベンゾジアゼピンは数十年にわたって広く処方されてきたという事実にもかかわらず、今回の調査は、一部の患者たちが長期にわたる神経学的合併症を経験しているという重要な新たな証拠を示しています」

「この調査により、ベンゾジアゼピンとその処方方法についての医学での考え方が変わるはずだと確信しています」

「患者たちは 60年以上にわたってベンゾジアゼピンによる長期的な影響を報告してきました。私自身もその患者の一人です。処方通りに薬を服用していたにもかかわらず、ベンゾジアゼピンを断薬して 4年が経った今でも、毎日症状が続いています

論文の共著者の一人であり、ベンゾジアゼピン情報連合のディレクターで心臓専門医のクリスティ・ハフ医学博士は以下のように述べた。

「私たちのこの調査と新しい用語 BIND (ベンゾジアゼピン誘発性神経機能障害)は、患者たちの経験に声を与え、さらなる調査の必要性を指摘しています」

この調査は、アンシュッツ大学、ヴァンダービルト大学医療センター、およびベンゾジアゼピンの害について教育するいくつかの患者主導の擁護団体との共同作業で行われた。

研究チームの何人かのメンバーは、ベンゾジアゼピンの実際の経験があり、それが調査の質問に影響を与えた。

多くの場合、症状は長期間続き、症状の質問に対して「ある」と答えたうちの 76.6% が、その期間が数か月または 1年以上であると報告した。

次の 10の症状は、回答者の半数以上で 1年以上続いた:
・エネルギーの低下
・集中力の難しさ
・記憶喪失
・不安
・不眠
・光や音に対する過敏
・消化器系の問題
・食べ物や飲み物によって引き起こされる症状
・筋力低下
・体の痛み

特に憂慮すべきは、これらの症状は、ベンゾジアゼピンが最初に処方された症状とは異なる新たな症状として報告されることが多いことだ。

さらに、回答者の大多数は、著しく損なわれた人間関係、失業、医療費の増加など、あらゆる分野で長期にわたる生活への悪影響を報告している。

注目すべきことに、回答者の 54.4%が自殺念慮または自殺未遂を報告した

BIND (ベンゾジアゼピン誘発性神経機能障害)は、ベンゾジアゼピン曝露による脳の変化の結果であると考えられている。文献を総合的に検討すると、長期服用者のおよそ 5人に 1人にこの症状が発生していることが示唆されている。BIND の危険因子は不明であり、この状態と治療法をさらに定義するにはさらなる研究が必要だ。

以前の研究では、この損傷をさまざまな用語で説明していたが、おそらく最もよく知られているのは「長期離脱」だ。研究の一環として、科学審査委員会は、この状態をより正確に説明するために、これらの名称をベンゾジアゼピン誘発性神経機能障害(BIND)という用語に統一した。

BIND をより詳しく特徴付けるために、研究者たちは、 現在および元ベンゾジアゼピン使用者を対象とした以前に発表された、ベンゾジアゼピン使用に起因する症状や生活への悪影響について尋ねた調査のデータを分析した。

ベンゾジアゼピン支持団体と健康・ウェルネスサイトからのベンゾジアゼピン使用者 1,207人を対象としたこの調査は、この種の調査としては過去最大規模だ。

回答者には、ベンゾジアゼピンを服用している人(63.2%)、減量中(24.4%)または完全に中止している人(11.3%)が含まれていた。

ほぼすべての回答者がベンゾジアゼピンの処方箋を持っており (98.6%)、91% がほぼ処方箋どおりにベンゾジアゼピンを服用していた。


 

ここまでです。

睡眠導入剤も抗不安剤も含めて、ベンゾジアゼピンは本当にやめにくい薬であることは、服用されている方々自身がよくご理解されていると思います。「これなしで日常生活などできるわけがない」と思われている方もかなりいると思われます。

しかし、断薬しても影響が長く残るという今回の調査結果、あるいは私自身の経験も含めまして、何とか代替を見つけながら、そして「時間をかけて (重要です)」減薬する試みは大事だと思います。

今、断薬を開始したとしても、やめられるのは数年後で、物質的に脳と脳神経そのものがベンゾジアゼピンにより影響を受けている可能性が高いですので、その後の心身への影響はさらに長く続く可能性があるかもしれません。

それでも、やめるか少なくとも減らすべきです。

>> In Deep メルマガのご案内
In Deepではメルマガも発行しています。ブログではあまりふれにくいことなどを含めて、毎週金曜日に配信させていたただいています。お試し月は無料で、その期間中におやめになることもできますので、お試し下されば幸いです。こちらをクリックされるか以下からご登録できます。
ご登録へ進む





  • この記事を書いた人

Oka In Deep

世界で起き続ける様々なことをお伝えさせていただいています。

-2023年からの世界, ディストピアへようこそ, 人類の覚醒と真実, 健康の真実, 日本の未来
-

Copyright© In Deep , 2024 All Rights Reserved.