現代医学を構成する医者、病院、薬品、医療機器の9割がこの世から消えてなくなれば、人々の体調はたちどころによくなるはずだ。これは私の確信である。 - ロバート・メンデルソン医師
[前記事] ワクチン禍の時代が教えてくれた「これからの医療受診への心構え」[その1]
あまりにも一般的な抗コリン薬が生み出す悲劇
前半の記事では、週刊現代のウェブサイトに掲載されていた記事にある松本光正医師の以下の言葉から始めさせていただいていました。
(松本光正医師の言葉より)
「今の医者たちは、 …『血圧は下げるものだ』と教えられるし、研修医の時も先輩教授から同じように指導されます。それを何の疑いもなく、知識として取り入れてしまっているのが問題なのです。…長年の惰性で製薬業界に飼いならされた医者たちは、もはや疑問を抱くことすらしない」
それで、この高血圧の薬というもの以外にも、
「医師たちが、もはや疑問を抱くことすらしなくなっている」
という薬のジャンルが多数あることを書き始めたのですけれど、非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)からの項目で長くなり過ぎまして、前編、後編にわけさせていただいています。
なお、ここで挙げている薬のジャンルの要点は、「非常に一般的に処方、購入される薬」ということです。
特殊な薬の中にも「利点より有害性のほうが高い」というものは非常に多くあると思いますけれど、「あまりにも一般的な薬」の場合、その一般性により、
「その薬を疑う余地を与えない」
という面があることは否定できません。
具体的にいえば、たとえば、
「たまに飲んでいる市販の風邪薬が、将来的な認知症に結びつく」
とは考えにくいというようなことです。
2019年に、以下の記事で、「一般的に処方されている薬が認知症のリスクを大幅に高める」可能性があることについて突きとめた英国ノッティンガム大学の専門家たちによって実施された研究について取り上げています。
[記事] 花粉症の薬や風邪薬、胃薬にパーキンソン病の薬、そして抗うつ剤や抗不安剤……多くの「抗コリン」一般薬が、認知症発症のリスクを著しく増加させていることが判明
In Deep 2019年6月27日
(研究を紹介していた医学記事より)
> 英国国立健康研究所によって資金提供され、英ノッティンガム大学の専門家たちによって実施された研究は、55歳以上で、毎日、強力な抗コリン薬を使用していた患者たちは、認知症のリスクがほぼ 50%増加したことが見出された。
>
> 抗コリン薬は、筋肉の収縮と弛緩に役立つ。それらは、神経系でメッセージを伝達する化学物質であるアセチルコリンを遮断することによって作用する。 medicalxpress.com
しかし、「抗コリン薬」と言われても、ピンと来ないのが現状です。
では、どのようなジャンルの薬が、抗コリン薬 (抗コリン作用を持つ薬)であるのかというと、おおむね以下のようになります。もちろん、それぞれのジャンルのすべての薬がそうだということではなく、「おおむね」です。
抗コリン作用を持つ成分が入れられている薬
・かぜ薬の一部 (PL顆粒など)
・花粉症などの薬の一部
・睡眠薬の一部
・乗り物酔いの薬の一部
・抗うつ剤(三環系抗うつ剤、SSRI)
・ベンゾジアゼピン系の抗不安剤
・胃腸鎮痙薬
・胃薬に含まれる成分(ロートエキス)
・抗精神病薬
・パーキンソン病の薬
こちらの「薬の相互作用としくみ」という PDF にもっと詳細に抗コリン薬が含まれる薬剤についてふれられています。
抗コリン作用を持つ薬剤一覧の一部
takanohara-ch.or.jp
かぜ薬については、ある病院の記事に以下のようなものがありました。
(ある病院のサイトより)
> 風邪薬でおしっこが出なくなる
> 風邪薬を飲んだためにおしっこが出なくなってしまう高齢男性の方がいます。そうなると膀胱がパンパンに張って苦しいために、救急外来に駆け込むことも珍しくありません。
>
> こういった状態を「尿閉(にょうへい)」といいます。
> なぜそんなことが起こるのでしょうか?
> 一部の風邪薬には「抗コリン作用」があります。神経伝達物質の働きを妨げるため、膀胱の神経に働いて尿の出が悪くなります。病院からの処方薬や市販薬に含まれます。
抗コリン作用を持つ薬には、上のようなものも含めて、さまざまな直接的な副作用があるのですが、最も懸念されるのは、このような短期的な副作用ではなく、先ほどの英国の研究でわかった、
「認知症を発症する確率が劇的に上昇する」
ことです。
さきほどの研究では、
「毎日、強力な抗コリン薬を服用していた人では認知症のリスクがほぼ 50%増加した」
とあります。
50パーセント増は、微妙な有意差とはいえません。
風邪薬を毎日飲む人はいないでしょうが、花粉症の薬(抗ヒスタミン薬)や、抗うつ剤やベンゾジアゼピン系の抗不安剤は、毎日飲む方々がたくさんいらっしゃると思います。
その行為は、その方の年齢にもよりますでしょうが、「認知症発生率を劇的に増加させることになる」のです。
以前、日本の高木智司医師の文章をご紹介したことがありました。
「西洋薬は、アセチルコリンの作用を阻害するから病気を治せない」
というものでした。
再掲します。今から 8年前のものです。
「なぜ、薬は体に悪いのか? マクロファージとアセチルコリンに注目したら、その理由が判明」より抜粋
西洋薬はアセチルコリンの作用を阻害するから治せない
マクロファージとアセチルコリンに注目してわかったのが、現代医学の根本的な矛盾でした。それも単純明快な話です。西洋薬の大部分が、神経伝達によって最終的にアセチルコリンの作用を阻害するから、病気が治らないのです。
しかも、アセチルコリンの働きは実に多様です。細胞膜の重要な成分として膜の機能を調整しているし、脳では体の日内リズムの形成や記憶、感情などを司る働きもしています。
アメリカには、「抗アセチルコリン剤を継続的に服用している高齢者の8割に、軽度の認知障害が認められる」との報告があります。
これは、弊害のひとつに過ぎません。
抗アセチルコリン剤の常用は老化を促進し、脂肪肝、腎臓の壊死、動脈硬化、脳出血、うつ病、統合失調症、発達障害などの発症リスクを高める事実を知るべきでしょう。
これはネット上の文章ではなく、ムックからの抜粋でした。
以下の 2015年4月の記事にもう少し長く抜粋しています。
[記事] 基本的に「すべての薬」は人間に良くないという理由の理論的なメカニズムがわかったのです
In Deep 2015年04月02日
この記事に私がそのムックを買ったキッカケが書かれていました。まったくの偶然でした。
2015年4月2日の In Deep より
今日は、近所に何本かある桜の木を見ようと歩いていました。
もうこのあたりでは、満開を少し過ぎたくらいの感じで、見事な桜の姿があちこちで見られます。
でも、意外と桜の木を眺めている人っていないもので、そんなこともあり、本当はボケーッと突っ立って見続けたいのですが、それもかなわず、「歩いていたら、こんな所に桜が」というような演技をしながら、桜を見て帰ってきたのですが、近所の本屋さんの外の雑誌が並べてあるコーナーがふと目に入りました。
ふだんは、その本屋の棚を見るということはないのですが、何となく目にしたところにあったのは、健康系の冊子でした。『爽快』とか、あっち系の健康雑誌のムックだと思うのですが、『免疫を高めると病気は勝手に治る』というものでした。
別に立ち読みをするでもなく、しかも、そんなに安い本ではないのですが、何となくそのまま買ってしまったのでした。
「なんでオレはこんなもん買ってるんだろ」
と思っていました。
私は、この頃、人生最大の身体の不調と共に生きていました。日々、マックスの体調の悪さで、それと共に、強いめまいが日々続いていました。
そのために、こんなムックのタイトルに気が引かれたのかもしれないですが、このムックの監修は、安保徹さんでした。
先ほどの記事に、
> これは、新潟大学名誉教授の安保徹さんという方が監修されていて…
という表現がありますように、この時まで、私は安保徹さんを知りませんでした。
しかし、このムックの安保さんの前書きを読んだ瞬間、
「私は覚醒した」
のでした。
まさに、目からウナギ (でかいのが落ちてきたのかよ)。そうです。デカイのが目から落ちてきたのです。
生まれた時から病弱で、比較的、人生を通じて病院あるいは薬との付き合いが多かった私は、西洋薬の「この部分はダメだけど、この部分はいい」というような考えが常にありました。
しかし、この安保さん監修のムックは、
「西洋薬の全面的な否定」
であり、
「西洋医学との全面戦争」
でした。
この一冊で、私が変わるには十分でした。
この 8年前に私が思ったことは、
「まず、不要に病院に行かないこと。不要に薬を飲まないこと」
と自分で決めて、徐々にそうしてきました。
薬に関しては、私の場合、定期的に飲んでいるような薬は、ベンゾジアゼピン系の抗不安剤だけでした。
「これを完全にやめなければダメだ」
と。
そして、離脱症状と付き合いつつ、ベンゾジアゼピン系を完全にやめることができたのは…その 3年後だったか、4年後だったか。時間がかかるのですよ。
さらに、めまいに関しても、徐々によくなっていったのですが、それでも、日常的なめまいを感じなくなるまで数ヶ月から 1年くらいでしたかね。そして、やはり 3年、4年かかって、やっと完全にめまいを感じなくなったと記憶しています。
眼振は残りましたが。
(((( ;゚д゚))) (いいから)
めまいの治療(?)に関しては、以下の記事に書いています。
[記事] めまいワールド。そして、それは必ず治る
In Deep 2022年6月18日
めまいはともかく、いろいろな意味で、あのムックに偶然に出会って購入した日のことを今でも思い出します。
あれがなかったら……とさえ思います。
安保さんの健康と病気の理論自体は、すべてをその理論で説明することにはやや難しい部分もありますが (腸内細菌の健康への関与が大きくなっていることがわかってきているため)、それでも、私が人生で一度も考えたことがない
「薬の全否定」
という概念を一瞬で私にもたらしたという点で、感謝しかありません。
このことはともかくとして、前回と今回の記事での結論は、非常に単純で、
「不要に薬を飲まない」
ことに尽きると思います。
生命にかかわるような薬の服用は仕方ないにしても、たとえば、風邪薬なんていうものは、何のために飲むのかわからないものであり、そういう「何のために飲むのかわからない薬」はたくさんあります。
なお、先ほどの抗コリン薬もそうですが、薬のジャンルには、
・抗〇〇薬
・〇〇阻害薬
・〇〇遮断薬
などが数多くあり、つまり、「身体のメカニズム上の何らかの機能を止めてしまうことによって症状に対抗する薬」が大変多いのですが、
「その機能メカニズムは、もともと人間に自然に備わっているもの」
だということに注意していただきたいと思います。
「何かの機能を阻害する薬」には特に注意が必要
人間のそれぞれの自然の機能の役割は、多くの場合、「ひとつではない」わけで、それを薬などで強制的に遮断した場合、
「何かの症状の状態は良くなるかもしれなくとも、何かが悪くなる可能性が高い」
ということです。
たとえば、前回の記事の高血圧の薬では、いろいろと種類があるとはいえ、現在の日本の処方で最もメジャーなのは、
「ACE 阻害薬」
というものです。
ACE とは、コロナ感染の受容体部位としてお馴染みになった「アンジオテンシン変換酵素」というものですが、高血圧の薬の作用機序は以下のようなものです。
(血圧を下げる「ACE 阻害薬」の作用機序)
> 血圧を上げる作用のあるホルモンを作るのに必要なアンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害することによって血圧を下げる薬。アンジオテンシンはアンジオテンシンⅠとⅡに変換されて血管を収縮させる。この変換を阻害することにより、血管拡張効果を得る薬である。
アンジオテンシン変換酵素を阻害する薬、ということですが、コロナの時代に知りましたが、
「アンジオテンシン変換酵素は、生殖機能と深く関係している」
ものです。
2年前の以下の記事でふれています。
[記事] コロナが、あるいはそのスパイクタンパク質が「もともと生殖不全を引き起こす可能性のあるメカニズムを持っている」ことを知る
In Deep 2021年6月1日
若い人たちで血圧を下げる薬を飲む人はほぼいないでしょうから、実際には生殖機能の阻害とは関係ないことかもしれないですが、言いたいことは、この ACE 阻害薬というものには、
・血圧を下げるという作用がある
と共に、
・男性と女性の生殖機能の維持に介入する
という複数の機能への影響を持っているということです。
つまり、「血圧を下げる」という主目的で処方される薬が、「生殖機能の阻害」という別の作用を起こすわけです。
もちろん、ACE が持っている機能はこれだけではなく、重要な機能を多く持っているはずです。
そのような重要な機能を薬で「阻害」する。
これで体がおかしくならなかったら、おかしいですよ。
抗コリン薬の服用が認知症の増加に結びつくのも同じです。
『何かの作用を阻害することによって、何かの重要な機能も阻害される」
ことが起きているという図式です。
人間の機能はどんなものでも「阻害してはいけない」ということが、これらの事例で示されていると思います。
しかし。
2019年などに、「抗コリン薬が認知症のリスクを大幅に高める」という複数の研究が出された後、
「薬をめぐる状況に何か変化がありましたか?」
という話です。
その後も、まったく変化ないまま風邪薬も抗うつ剤も製造され、広告や CM が出され、人々はそれらを飲み続けています。
これが今後も続くのだと思います。
自覚できない限りは、ずっと薬の影響のループにはまり続けます。
あるいは、自覚できない限りは、次のワクチンのループにもはまり続けます。
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