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10月11日にメルマガ悪魔の精神操作。ついでに、77年前の米軍によるハリケーン操作実験も思い出すを発行させていただきました。

人類の未来 健康の真実 日本の未来

多大なテレビ視聴が高齢者の認知症を増加させている可能性がロンドン大学の研究により判明。そして、脳はいつでも「静かな状態」を望んでいる

投稿日:2019年3月7日 更新日:

2019年3月5日の英国の報道より


Watching TV for this many hours a day could increase risk of condition




 

1日3.5時間以上のテレビ視聴は「認知症になる確率」を上昇させる

今回は、「認知症」と関係した報道をふたつご紹介します。

最近は表だって報じられることはあまりないですけれど、認知症の増加というのは、多くが少子高齢化の状態である主要国ではどこでも大きな問題となっていくものですけれど、日本は特別にものすごい状態となることが考えられます。

下のグラフは、厚生労働省の推計をもとに三菱UFJ信託銀行が作成した「 2060年までの日本の認知症の人の数の推移」です。

2060年までの日本における認知症の人の将来推計


三菱UFJ信託銀行

2050年頃には、認知症の人の数が「 1000万人」を超えるというように厚生労働省は推計していますが、過去の厚生労働省の推計に関しては、「現実の数値は、すべてそれを上回って推移している」ということが続いていますので、2060年に(まだ日本や地球があれば)このグラフ以上に認知症の人の割合は多くなっていると思われます。

しかし、それでも、上のグラフの推移は比較的穏やかにも見えますけれど、実は、

「現在にいたるまでが急ピッチ」

だったのです。

上の推計グラフは、2012年からのものですが、その前年の 2011年まで、日本の認知症の人の数はどのように移行していたかといいますと、次のようになります。

こちらは推計ではなく、確定数です。

1996年から2011年までの認知症の人の数の推移


厚生労働省

これを見ますと、

「日本の認知症の人の数は、20世紀の終わりから急激に増えた」

ことがわかります。

特に注目すべきなのは、「アルツハイマー病」の率のものすごい増加です。

1996年のアルツハイマー病患者の数が 2万人だったのに対して、2011年には、36万6000人に増えているのです。

率にして 18倍以上。

ここまでとなりますと、社会の高齢化の進行だけで説明できるものではなく、この推移そのものが、

アルツハイマー病が増加する原因が《現代の生活のどこかにある》

ことを示しているものだとも思います。

何より私自身、そこそこの年齢でもありますし、やっぱり「要因」を知りたいなとは思うのですよね。

そのようなこともあり、海外の認知症の原因関係の記事は、わりとよく読むほうです。

過去にも、認知症やアルツハイマー病関係のことはよく記事にしていました。

次のような記事で取りあげましたものは、関与の程度はともかくとして、それぞれが「原因のひとつ」であるとは考えられます。

認知症の原因についての In Deep 過去記事

松果体の石灰化を防げ : 認知症を避けるための最低限の準備のひとつは松果体を守ること

カルシウムサプリメントは「たとえ少量の摂取でも」脳の病変やアルツハイマー型の認知症を引き起こす可能性が極めて高くなることが判明

「PM2.5を含む大気汚染が認知症のトリガーとなる」ことがアメリカの研究でさらに明白に。しかし発症が物質からの影響だけではない事実もある中、私たちはどのように「防御」できるのか

アルツハイマー病の最大の原因が「ストレス」である可能性がアイルランドの大学の研究により突き止められる

人工甘味料入りドリンクが「脳卒中とアルツハイマー病の発症率を3倍にする」というアメリカの調査結果からふと思う、そういう飲み物が「糖質を極端に嫌う今の日本」には数十億本以上流通して……

上の記事に出てきた「認知症の原因になる可能性があるもの」を並べてみますと、

・PM2.5など微細粒子による大気汚染

・脳の松果体の石灰化(フッ素や化学物質等による)

・カルシウムのサプリメント

・ストレス

・人工甘味料入りドリンク

このどれもが、たとえわずかであるにしても、認知症の発症や進行に関与していることは間違いないと思われます。

・・・とはいっても、現代社会に住んでいますと、「これらすべてにさらされる」というような状況はいくらでも出てきます。

むしろ、今のアジアでは、PM2.5 とか人工甘味料やストレスから完全に逃れられる人のほうが少ないと思われます。

それでも、「避けられることのできるものもないではない」かもしれないですので、そういう意味では、本当に少し先の未来の日本のことを考えますと、ひとりひとりが少しでも要因を避けていくことも、ある程度は大事となのかなと。

 

そして、今回ご紹介させていただきますのは、英国の大学の研究でわかった

 50歳以上の人がテレビを見過ぎると、言語の記憶の消失の度合いが激しくなる

ということをご紹介させていただきます。

具体的には、1日 3.5時間以上テレビを見ていた 50歳以上の人たちは、6年間の調査期間の中で、見ていない人たちと比べて、最大で 2倍ほども言語の記憶の減少が進行していたというものです。

 

まあ、自主的に、1日 3.5時間以上もテレビを見ている 50歳以上がそんなにいるとは思わないですが、しかし、私の田舎などでよくある風景として、

「ずっとテレビがつけっぱなしになっている」

というような家庭も、それなりにあるかもしれません。

 

それでは、そのことについて報じていた科学メディアの記事をご紹介します。

そのあと、特別関係があるわけではないのですが、

「静寂は脳の機能を高める」

ということについての記事を短くご紹介します。

テレビは基本的に「騒音」を発していますので、先ほどのような「ずっとテレビがつけっぱなしになっている」という状態は、「ずっと騒音を流し続けている」ということにもなり、これもまた脳に悪影響を与えそうです。

まずは、テレビの視聴の研究についての記事です。


Too Much TV Linked to Verbal Memory Decline in Older People
sci-news.com 2019/03/05

過剰なテレビの視聴が、高齢者の言語と記憶の衰退と関係している

イギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(ロンドン大学)の研究者たちが、科学誌サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)に掲載した研究では、50歳以上の成人 3662人のデータを分析し、その後 6年間、追跡調査をした結果、1日 3.5時間以上のテレビ視聴が、単語と言語の記憶の喪失と関連していることが見出された。

研究を主導したロンドン大学 行動科学健康研究部の主任研究員であるデイジー・ファンコート博士(Dr. Daisy Fancourt)は以下のように述べる。

「テレビを見ることについては、たとえば、ドキュメンタリー等を見ることからの教育や知識的な恩恵や、あるいはテレビを見ることによりストレスが軽減されるといようなラクゼーション的効果の利益もあるかもしれません。しかし、全体的な調査では、50歳以上の成人は、テレビの視聴と共に、それ以外の行動とのバランスをとるようにしたほうが良いと思われます」

ファンコート博士と同僚のアンドリュー・ステットゥー(Andrew Steptoe)教授は、50歳以上の成人を対象とした英国を代表する縦方向パネル研究である「英国 老化の縦方向調査(ELSA)」のデータを分析した。

参加者たちは、2008年から 2009年、2014年から 2015年にかけて、毎日どれだけの時間テレビを見ているかを質問された。また、言語の記憶と、会話の流暢さについての試験を受けた。

参加者たちは、全員、最初の調査の際には認知症ではなく、平均年齢は 67.1歳( 52歳から 90歳以上)だった。

43.7%が男性で、72.3%が既婚者または同居者、そして 98.5%が白人だった。

調査の期間の中で、科学者たちは、1日に 3.5時間以上テレビを見ていた成人は、言語の記憶が、平均 8%から 10%減少したことを見出した。

一方で 1日にテレビを見た時間が 3.5時間未満だった人は、同じ期間で、平均して、言語の記憶の減少は約 4%から 5%だった。

チームはまた、テレビを見ることで、読書などの認知保護に貢献する可能性のある活動に人々が費やす時間が減ってしまうことも見出している。

ビデオゲームやインターネットの使用などの対話型スクリーンベースのアクティビティに関しては、問題解決スキルの向上などの認知的利点をもたらすことができる可能性があるが、テレビ視聴の問題は、それが受動的なものであるために、認知的ストレスが生じる可能性がある。

ファンコート博士は、「私たちの調査結果は、他にもいくつかの研究上の疑問を引き起こしました」と言う。

「たとえば、テレビ番組には、さまざまな種類のコンテンツがありますが、そのコンテンツの違いによって、認知機能低下に及ぼす影響は異なるのかどうか」

「あるいは、今回の研究が示したテレビ視聴と認知機能の低下との関連を考えると、テレビ視聴ということそのものが認知症発症の危険因子なのかどうか、等の疑問が生じるのです」


 

ここまでです。

コンテンツ、要するにテレビ番組の内容のことがでてきますが、テレビは「受動的であること」が問題だと思われますので、内容はそれほど関係ないと思われます。

どれだけ知的な番組であろうと、テレビ放映は単なる受動でしかないですので、長く見ていると、やはり認知能力は損なわれていくのではないかと。

逆に、頭の上に下駄を置いたまま八百屋さんのカボチャの上でバレエを踊るために奮闘する老人の生き様を描いたような馬鹿馬鹿しいドラマでも(どんなドラマだ) 5分くらいで終わるドラマなら問題はないのかもしれません。

今回は、もうひとつ海外の記事をご紹介します。

先ほども書きましたけれど、騒音が、いかに人の健康を損なうものか、ということと、同時に、静寂……というか「静かであること」が、どれだけ人の心身を良い方向に導くかということを、過去のいくつかの科学研究を引き合いにして記事にしたものです。

 


Science Says Silence Is Vital For Our Brains
collective-evolution.com 2019/02/16

「静寂」は私たちの脳のために重大であると科学は語る

私たちの健康に対して騒音が悪影響を与えていることを支持する科学的証拠がいくつかある。

世界保健機関(WHO)は、西ヨーロッパに住む 3億4000万人の人々を対象としたヨーロッパの研究に基づいて、その健康上の負担を調査し、定量化した

それによって、ヨーロッパの住民は、騒音のせいで、毎年、累積的に劇的に寿命を減少させていることがわかった。

また、2011年に科学誌サイコロジカル・サイエンス(Psychological Science)に掲載された研究では、ドイツのミュンヘンの空港で、騒音が子どもの健康と認知に及ぼす影響について調べられた。

研究の中で、米コーネル大学のゲイリー・W・エヴァンス(Gary W. Evans)教授は、騒音にさらされた子どもたちは、騒音を無視するようになるストレス反応を起こしたと述べている。

これらの子どもたちは、有害なノイズを無視するだけではなく、たとえば人から話しかけられたり、アナウンスなど重要な通常の音の刺激に対しても無視をした。

エヴァンス教授は以下のように述べている。

「この研究は、たとえ聴覚障害を引き起こさないレベルの音であっても、騒音はストレスを引き起こし、人間に有害であるという、おそらく最も決定的な証拠の1つとなると考えられます」

私たちは、あまりにも多くの音にさらされすぎているのかもしれない。

 

沈黙のメリット

「静寂」が脳に良い影響を与えることがわかった興味深い研究もある。

この研究では、「騒音」と「音楽」、そして「静寂」が、それぞれ脳に及ぼす影響が観察された。

この研究の中では、「リラックスした音楽」を聴いている間にランダムに配置された「 2分間の静寂」のときは、リラックスした音楽を聴いているときよりも、はるかに脳がリラックスしていることがわかった。

静寂の時間が長ければ長いほど、実験の参加者たちは、より多くの恩恵を受けた。

研究者たちは、「騒音」と「音楽」についての洞察を得るために始められたこの実験で、無関係のはずだった「静寂」の存在が、この研究の最も重要な側面であることを発見したのだ。


 

ここまでです。

この中には興味深いことがたくさんありまして、その中でも次のふたつは特に興味深いものです。

・人は騒音にさらされると、騒音を含む「音」を無視するようになる

・リラックスした音楽より「無音」のほうが脳はリラックスする

 

騒音にさらされると、人は音を無視するようになることについては、これも結局、「認知の悪化」と関係することにも思えます。

子どもも高齢者も、騒音にさらされるのは、あまりよくないような感じです。

ふと思い出しましたのは、以前、以下の記事で、カナダでの大規模な調査によって、

「高速道路など幹線道路沿いに住む人たちの認知症リスクが異常に高い(7倍)」

ことが判明したということを取りあげさせていただいたことがありました。

これから全世界の92%の地域で進むこと……。主要道路沿いに住む人たちの認知症リスクが異常に高い理由を考えているうちにわかった「ナノ粒子とPM2.5が脳機能(海馬、松果体)を破壊していくメカニズム」
 In Deep 2017年1月13日

 

この時は、高速道路沿いの環境は、PM2.5などによる大気汚染が激しいからというように考えていまして、それはそれで正しいのでしょうけれど、今回の記事を訳していまして、

「高速道路沿いは騒音も激しいのでは」

というようにも思いました。

騒音と大気汚染がどちらも認知症の増加と関係しているのかもしれないですね。

 

そして、先ほどの記事の「リラックスした音楽より、無音のほうが脳はリラックスする」というのも、いろいろと思いますね。

私たちくらいの五十代前後の世代というのは、「環境に音楽が常にあるような生活が日本で始まった頃」を最初に経験し始めた人たちでした。その頃に小学生とか中学生だったのです。

部屋にラジオやステレオがあり、ずっと音楽を聴いている。

外でも、商業施設などではずっと音楽がかかっている。

それが普通だと思って暮らしてきましたので、リラックスしたいような時には、リラックスするような音楽を聴くということに疑問を感じたことはありませんでした。

しかし、現実には、どんなリラックスする音楽よりも、「無音がリラックスする」のですね。

 

今の私たちの生活には、確かに環境に音がありすぎるとも思います。

とかいって、こんなこと書きながら、今も音楽かけてますからね。

そういうことも含めて、あらゆる現代社会の生活様式が、何から何まで、ひとつひとつ認知症の増加と関係しているのだなあと改めて思います。

 

おそらく、現代の人間の「脳」は、常に静寂を求めているのだと思います。

それに応えて上げるために、一日のうちにほんの短い時間でも「静寂のとき」を生活に取り入れることは、ある程度は正しいことなのではないかという気がします。





  • この記事を書いた人

Oka In Deep

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