2019年1月26日のアメリカの科学メディア記事より
私たち人間の中にあるさまざまなエネルギー源
今日、アメリカのバッファロー大学という大学の研究者たちが発表した研究についての科学記事を読みました。
それは、
「人体の静電気で電子機器を充電できるようにする研究」
というもので、私たちは静電気を、特にこういう冬などはいろいろなところで遭遇するわけですけれど、それを、スマートフォンやスマートウォッチ、あるいは携帯音楽プレーヤーなどの「充電用の電気」として使うことができるかもしれないという話なのです。
この研究の意義はいろいろとあると思いますが、一番すごいと思ったのは、
「私たち人間自身が発電の主体となる」
という発想でした。
原子力発電所ならぬ「人間力発電所」という概念が可能になるかもしれないのです。
あと、この研究によって、静電気がなぜ起きることについての正確なメカニズムがわかったという意義もあります。
実は科学では、静電気についてわからない部分が多く、ナノテクノロジーの時代となった今、はじめてその仕組みがわかったようです。
静電気は「静」という文字があらわしてますように、動かない電気ということで、その動かない電気が、正と負のそれぞれに帯電して発生するのだそう。
それはわかっていても、その根本的な部分は以下のようになっています。
冬になると静電気が起こるのはなぜか? いまだ解明されない謎も
我々は「摩擦帯電現象」により電気ショックを受けるのをどのように止めることができるかについてはほとんど理解できていますが、なぜこの現象が起こるのかという根本的な点について、その多くは解明されていません。
1つわかっていることは、電子は互いにはねつけ合う性質があるため、余分な電子が表面に積み重なるのは困難です。
それでも電子は重なり合います。科学者がこの問題を解決するのに何十年もの歳月を要しました。それにもかかわらず、いまだにその詳細については研究中です。
意外に思われるかもしれないですが、これまで、科学の世界では静電気について、いろいろとわかっていなかったようなのです。
そして、今回の科学者たちは、そのプロセスのひとつを解明したということのようなのですが、そのプロセスはともかく、研究者たちによれば、
すでに、「静電気をコントロールして、そこから電気を収穫する装置」が作られた
のだそうです。
ですので、まあ、機器の大きさの問題とかいろいろとあるでしょうけれど、もしかすると、「私たちは自分の体を使って、電子機器に充電することができる」ようになるのかもしれません。「自分の体を使って」というより、正確には、静電気は周囲の物質の働きと関係するわけですから、「人間が周囲の物質と協調して発電する」ということになりますかね。
なお、私が今回この記事を読みまして、これをご紹介しようと思いましたのは、前々回の以下のような記事と関係しています。
唯物論支配のこの地球で「人類の滅亡あるいは消滅」は数十年以内だと知り、むしろ安堵の中にいる私…。そして、その中で思い出すタラビッチの言葉
この中に、19世紀のセルビアの予言者であるミタール・タラビッチの予言を参考までに載せさせていただいています。
その中に以下のようにくだりがありました。赤い字はこちらで施しています。
ミタール・タラビッチの19世紀の予言より抜粋
人間は地中深くに井戸を堀り、彼らに光とスピードと動力を与える黄金を掘り出す。そして、地球は悲しみの涙を流すのだ。
なぜなら、地中ではなく地球の表面にこそ光と黄金が存在するからだ。
地球は、自らに開けられたこの傷口のために苦しむだろう。
だが、本物のエネルギー源は地中ではなく自らの周囲にあるのだ。
そのエネルギー源は人間に話しかけてくれるわけではないので、人間がこのエネルギー源の存在を思い出し、地中に多くの穴を開けたことがいかに馬鹿げていたのか後悔するようになるまでには大変な時間がかかる。
そして実はこのエネルギー源は人間の中にも存在しているのだ。
しかし、人間がそれを発見し取り出す術を獲得するには長い歳月がかかる。なので人間は自分自身の本来の姿を知ることなく長い年月を生きることになる。
タラビッチが言っていたこのエネルギーが、どのようなエネルギーなのかはわからないですが、最近の科学は、「人間(あるいは哺乳類)は、身体からさまざまなエネルギーを放っている」ことを明らかにしています。
たとえば、バイオフォトンというものがあります。日本語では「生物発光」と呼ばれるこの「光」が人間の身体のあらゆるところに存在していることがわかっていて、それは赤外線や紫外線などに近い波長であるとも言われています。
下の写真は、東北工業大学のバイオフォトン・イメージング研究室にあるものですが、これは「人の表面」です。
ヒト体表のバイオフォトン(15分露光)
人間はこうやって「いつも光を発している」のです。
もちろん、これは肉眼で見えるものではなく、このための機器で撮影されているわけですけれど、それが弱いものであっても「光は光」です。
光はエネルギーですので、そのようなエネルギーが「人から常に放出されている」。
ちなみに、脳からもたくさんのバイオフォトンが常に放出されています。
あと、磁場もですね。人間は磁場も発している。
人間の頭部が発する磁場
京都大学名誉教授の前田坦さんの名著『生物は磁気を感じるか』(1985年)で、「人体はそのすべてから磁気を放っている」ということを知って以来、私は人体に対しての考え方が変わりました。
磁場もやはりエネルギーそのものです。
こうやって見ていきますと、人間はいろいろなエネルギーを放出している。
結局これまで、それを利用するということに至っていなかったということだけなのかもしれません。
たとえぱ、以前の記事、
・オランダの女性たちが発見した奇跡のエネルギー生成 : 生きた植物と生きた微生物と水のコラボレーションが生み出した驚異の発電法 - Plant-MFC
In Deep 2015年07月04日
では、オランダの女性による企業が、「植物での発電」を実用化しましたが、その発電法はオランダで外灯に使用されたりもしている極めて実用的なものでした。
これは植物の根に集まる微生物の発電メカニズムを利用したのでしたが、人間も、そのように「自らが発電できるようになる」可能性もあるのかもしれません。
ただ、今の時代はビジネスとして成立しなければ、表に出て来るのは難しいと思われますので、そういうあたりがどうなりますかね。
それでは、静電気の研究を取りあげていた記事をご紹介します。
ここからです。
Static Electricity Could Charge Our Electronics in the Future
ineffableisland.com 2019/01/26
将来的に、静電気で電子機器を充電できるようになる可能性がある
静電気は、日常生活では一般的に発生する現象だが、実際は、静電気の背後にあるメカニズムは、今なお科学的によく理解されていない。
米国バッファロー大学工学部応用科学部機械・宇宙工学科の助教授であるジェームズ・チェン博士(James Chen, PhD)は、誰でも経験する静電気による起毛現象の原因が、互いに接触したときに材料の表面で発生する小さな構造変化であることを示唆した研究を科学誌ジャーナル・オブ・エレクトロカタティクス(Journal of Electrostatics)に発表した。
この研究結果は、最終的には、テクノロジー企業が小型電子機器用のより持続可能で長寿命の電源を生み出すのに役立つものとなる可能性がある。
以下の画像は、マグネシア(上部ブロック)とチタン酸バリウム(下部ブロック)の表面が互いに接触したときにどのように反応するかを示している。
各物体において結果として生じる格子変形は、摩擦中の電荷移動の背後にある駆動力に寄与する。
Credit: James Chen, University at Buffalo.
米カンザス州立大学の機械工学および原子力工学の准教授であるチェン博士と、ザイド・レセマン(Zayd Leseman)博士は、アメリカ国立科学財団から 40万ドル(4400万円)の助成金の支援を受けて摩擦帯電効果について研究を進めている。
摩擦電気効果は古くから知られていたが、それを理解し適用するためのツールは、ナノテクノロジーの出現のお陰で今にして利用が可能となった。
「私たちの研究が提示する考え方は、この静電気という古代からの謎に直接答え、そしてそれは静電気に関する既存の理論を統一することができる可能性を秘めています」とチェン博士は言う。
チェン博士とレセマン博士が行っている研究は、接触力学、固体力学、材料科学、電気工学、製造などの分野が混在している。
コンピュータモデルと物理実験で彼らは、静電気をコントロールし、そこから電気を収穫することができる「摩擦電気ナノ発電機(TENG)」を設計した。
チェン博士は以下のように述べる。
「指とスマートフォンの画面の間の摩擦。手首とスマートウォッチの間の摩擦。これらの摩擦電気をコントロールして電気を取ることができるのです。または、あなたの靴と地面の間の摩擦さえも電気にすることができます」
「これらは私たち人間が利用できる大きな潜在的エネルギー源なのです。最終的に、この研究は、私たちの経済的安全性を高め、私たちの社会の伝統的な動力源の必要性を減らすことによって社会に貢献できると考えています」