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「ミニ氷河期へようこそ」:気象学者たちが「狂気じみている」と表現する超絶な寒波に包まれたヨーロッパの光景は、この先の世界の光景でもあるのか、ないのか

投稿日:2018年3月1日 更新日:

2月28日のヨーロッパ各地の気温。ほぼすべて氷点下


pogodaonline.ru

2月27日にロンドンに悪天候をもたらした巨大な雲


businessinsider.com

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いわゆる「ミニ氷河期的」光景に完全に覆われた3月間近のヨーロッパ

現在、ヨーロッパを中心にとんでもない寒波というのか、異常な天候が広い範囲を覆い尽くしていまして、これについて、その一部を、

北極からの大気の影響による信じがたい寒波がヨーロッパに到来。ナポリでは60年ぶりに雪が降り、ジュネーブでは湖が凍結、ドイツでは117年ぶりの低温記録
 地球の記録 2018/03/01

で取りあげたりもしました。

しかし、その後さらに現地の報道などを見ていると、この状況は「ただの寒波ではない」ことがわかります。

この現象の原因のおおもとは、先日の記事、

私たちはまた気温と天候のカオスを見ている:分断した極渦と偏向する大気の流れが北極から北半球に起こしている「異常事態」の現実
 In Deep 2018/02/26

で取りあげました「北極上空の気温の異常」です。

2月中旬に、北極上空の気温が「突然、40℃ほども上昇した」のです。おそらく3日間ほどでそのような気温の変化となったと思われます。

そして下は少し前の北極の気温です。現在北極はこのようなことになっているのです。

2月21日の北半球の気温の平年の差異(赤いほど高い。青いほど低い)


Climate Reanalyzer

北極の中心部のあたりなどは「平年より 30℃くらい気温が高い」のです。

低いのではなく「高い」のです。

そして、この「北極の気温の異常な高さ」が、「ヨーロッパに異常な低温」を導いているというのは、パラドックスというのか、これが正論ということでいいのかわからないですが、いずれにしましても、今の状態は、

・北極 → 異常なほど気温が高い

・ヨーロッパ → 異常に気温が低い

ということになっていて、こういうようにカオスなことになってきますと、もはや全体に通じる「温暖化」とか「寒冷化」とか、そういうような概念が入り込む余地はないです。

気候と気温のカオス化とでもいうのか、少なくと通常での暑いとか寒いとかいうような気温の変化とは違います。

なお、この現在の天候状況を欧米のメディアの多くは、「東からの獣( Beast from the East )」という名前で呼んでいます。

2月28日の米国CNNより


'Beast from the East' brings snow and chaos to Britain

カタカナでは「ビースト・フロム・ザ・イースト」ということで、ビーストとイーストで韻を踏んでいる響きであるのだろうとは思いますが、どのようにつけられた名称なのか、よくわかりませんし、何だか奇妙な響きでもあります。というのも、今、ヨーロッパを襲っている気候は、由来が北極であるならば「西から来ている」からです。

地図で示すとはっきりするのですが・・・まあ、このことにはあまり深く立ち入っても仕方ないですけれど、「西からの寒気」が「東からの獣」と置き換わっているものは不思議な感じです。

 

このヨーロッパの異常な寒波に関して、数日先といったような意味での今後に関しては、まだこの寒さは継続しそうですが、ただ、もう少し大きなスパンでの「先」はよくわかりません。

仮に、この「北極の異常」が今後さらに繰り返されるようですと、なかなか厄介そうです。

あるいは、もし、そういう状態が「続いた」場合、「ヨーロッパは寒いのに、北極の氷はどんどんと溶ける」というような奇妙な現象も伴うかもしれませんので、海面上昇を含む他のいろいろな影響も出てくるかもしれません。

今の状況は、もはや一部の科学者たちによる「地球温暖化により」という説明によるものでは厳しくなっているものでして、そのメカニズムを根底から理解することを努力しなければ翻弄されるばかりだと思います。

なお、今起きていることからは、2015年の記事、

海の巨大な変化とミニ氷河期の関係(2):「温暖化が招く寒冷期」からの気温の回復に40年から100年かかるという気候モデルが提示される地球の海で成長する「モンスター・エルニーニョ」
 In Deep 2015/10/16

でご紹介した英国サウサンプトン大学の研究者の以下の言葉を思い出させます。

「大気の放射強制力(地球に出入りするエネルギーが地球の気候に対して持つ放射の大きさのこと)と、地球の海洋循環プロセスでのエネルギーの流れ、という、全く異なる性質を持つこのふたつのエネルギーの流れが、気候活動休止期間を作り出す原因となる可能性があるのです」

何となく「海流」も「大気の流れ」もどちらもややおかしい最近は、その相乗効果として過剰な天候が起きやすくなっているのかもしれません。

 

そんなわけで、ヨーロッパ各地のこの2、3日の驚くべき光景、あるいは報道の見出しをいくつかご紹させていただいて締めたいと思います。

もう3月ですので、これらの光景がもう少し持続すれば、これが「春の光景」ということにもなり、そう考えると迫力のある話となります。
 

「東からの獣」に見舞われた2月27日から28日のヨーロッパの光景

ドイツで117年ぶりに最低気温の新記録が樹立されたことに関する報道


abendzeitung-muenchen.de

英国コルチェスターの凍結した象の噴水 2月27日


theatlantic.com

スイス・ジュネーブのレマン湖のほとりは何もかも凍結 2月27日


facebook.com

 

寒波でのヨーロッパの死者が2日間で40名を越えたことに関するギリシャの報道


iefimerida.gr

オーストリア・アッター湖のほとり 2月28日


theatlantic.com

62年ぶりの雪となったイタリア・ナポリのプレビシート広場 2月27日


nypost.com

「スノーマゲドン」の文字がトップの英国の大衆紙デイリースターの表紙 2月27日


Allie Hodgkins-Brown‏

雪の交じった海岸で遊ぶ親子 2月27日 フランス・ボルドー近郊


La Teste-de-Buch, near Bordeaux in southwestern France, February 28, 2018

珍しい雪に覆われたバチカンのサン・ピエトロ広場 2月26日


Rare Snow Blankets Rome

 
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