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4月19日にメルマガ私たち現生人類は「鉄の種族」であることから思う生き方を発行させていただきました。

2019年からの世界 人類の未来 軍事的カオス

近代の歴史上初めてとなる「国土全体の停電が6日間以上続いている」ベネズエラのあまりにも奇妙な事象は、これからの地球の何かの予兆的なものなのかどうか

投稿日:2019年3月12日 更新日:

2019年3月8日の英ガーディアンの報道より


Guardian




現代社会ではあり得ないことが起きている今のベネズエラ

今、南米のベネズエラに、おそらくは、

「近代の文明史上、最悪の大停電」

が起きています。

ベネズエラ全土が停電に陥り、すでに 100時間以上そのままとなっています。

報道では、「ベネズエラ史上最悪」とありますが、思い出してみても、「ひとつの国の全土が複数日にわたり、まるごと停電した」という事象は、ハリケーンや地震で小さな島国全体が長く停電したという事例の他は、どんな国であろうと、記憶にないです。

そのことをご紹介したいと思いますが、冒頭の英ガーディアンの記事のように、

「これはアメリカの攻撃による停電だ」

とベネズエラが主張していたりと複雑な事態でもあるのですが、しかし、そんなことより、ただでさえ大変な状況の中で、「完全な停電」というのは、ベネズエラの方々には同情いたします。

ベネズエラに経済的な問題が起きてから、どのくらいになるのでしょうかね。

ほんの数年前まで、社会的統制の中でとはいえ、ほとんどの人々が経済的に苦労することなく生活できていた南米の一種の「亜種パラダイス」だったベネズエラの状況が一転したのは正確にはよくおぼえていないですが、このブログで、以下のような「食糧危機の中、人々が動物園の動物を食べている」というような、真偽のよくわからない報道をご紹介したのは、2016年7月のことでした。

2016年7月31日の米国のメディア記事より


Starving Venezuelans Break Into Zoo And Eat Equally Starving Animals

これの真偽はともかく、ベネズエラの人々が、この 2016年頃から本当に大変な思いで生きてらっしゃることは事実だと思われます。

そして、その後もいろいろとゴタゴタとし続けていて、今年 1月には、

2019年1月のインフレ率が 268万パーセントに

というような報道もされていました。

私はこういう数字をよく理解できないのですが、インフレ率、つまり物価上昇率が 268万パーセントだというのは、物価が 268万倍、すなわち、

「先月 1個 100円で買うことができたリンゴが、今は 2億6800万円」

という理解でよろしいのでしょうか。

違うにしても、そこで暮らしている方々は大変だと思います。

そして、ベネズエラでは、この数カ月ほど、新しい政治問題が出ていまして、現行の大統領ではない人が、「自分が暫定大統領だ」と宣言して、そして、西欧諸国はそちらの人を支持していたりするようなのですね。

私は、国際情勢そのものには、それほど関心もないせいか詳しくないですので、今回の停電の報道の中に、それらの政治情勢を含めているカナダの CBC ニュースの報道を、まずご紹介します。

カナダ政府は、この暫定大統領を支援している国家のひとつです。


We need help': Anger mounts as Venezuela's worst-ever blackout enters day 4
CBC 2019/03/10

「援助が必要」:ベネズエラで史上最悪の停電が4日目に突入し、国民に怒りが広がる

「電気がない状態で50時間以上も耐えることができる国は世界のどこにもない...私たちは人道的危機の渦中にある」

ベネズエラでは、3月7日に発生した全土にわたる停電が 3月10日に 4日目を向かえ、国民の怒りが広がっている。人々は、水と燃料を購入するために、いたるところに並んでいる。

ベネズエラ当局は、3月7日に政権関係など非常に小さな範囲での電気の復旧を行ったが、ニコラス・マドゥロ大統領は「この停電はアメリカ主導の破壊行為に他ならない」と呼びかけ、それ以外の停電の復旧は進んでいない。

大統領に批判的な人々は、この停電は、マドゥロ政権の怠慢と腐敗の結果だと主張している。

3月10日の日曜にベネズエラ政府は、停電の状況を解決するための可能性についての具体的な時間的なスケジュールに関しての情報を発することなく、翌日から学校や事業活動を中断し、そして、これらを無期限に延期する可能性を残しており、人々に不安が広がっている。

マドゥロ政権が超インフレの経済崩壊と前例のない政治的危機に直面している中で同国史上最悪の停電が発生した形となる。

10日には、チャカオ市の怒れる住民たちが、停電が解消されないことに抗議するために主要な通りに沿ってバリケードを設置した。

ベネズエラの各地で、運転手たちがガソリンを手にいれるために行列している。

そして、多くの人々が家族の飲料水を購入するために並んでいる。そのほとんどの人たちの家では電気はまったく復旧していない。

ベネズエラ国営の石油会社 PDVSA は 3月10日、「燃料供給は保証されている」と述べた。しかし、ガソリンスタンドの業界筋によると、この停電の中で運営されているのは国内 1,800のサービスステーションのうちの約 100だけだ。

商店を経営している人々は、冷蔵庫が使えない状況で、保存が利かないチーズや、野菜、肉などを顧客たちに配り始めている。

あるいは、窃盗と略奪も相次いでおり、その被害に遭う商店主も多い。

 

「原因の調査がなされていない」

反政権派リーダーで、暫定大統領就任を宣言しているグアイド国会議長は、3月10日の記者会見で、この停電に関して、何が原因なのかを説明しないマドゥロ政権を批判した。

「ベネズエラにおいて前例のない停電から数日経っているというのに、この政権は、原因の調査もまったくしていない」とグアイド国会議長は言った。

ロドリゲス情報相は、ベネズエラ政府は、大規模停電の原因について継続的な調査をしており、状況に対処していることを保証した。

そして、情報相は以下のように述べた。

「ベネズエラで憎しみと死、暴力を促進している反政権支持者たちが、国の不安定化計画を喜んでいる中で、マドゥロ大統領は、ベネズエラの人々が確実に生活に復帰できるように努力し、大臣を派遣しています」

グアイド国会議長は、今年 1月に暫定大統領に就任することを政界に呼びかけ、マドゥロ大統領が当選した 2018年の再選挙は不正であると主張した。

グアイド国会議長は、カナダとほとんどの西欧諸国によってベネズエラの正当な指導者として認められてきた。しかし、マドゥロ大統領は、現在もなお、軍隊と国家機能の支配権を保持している。

病院では、停電と、そして発電機が不足しているか、あるいは発電機の脆弱な性能が相まって、全国で 17人の患者が死亡したと非政府組織は述べている。

3月7日に、首都カラカスや他の都市の一部に電気が一時的に戻ったが、翌日の正午頃に再び停電した。

ベネズエラの原油生産に対する停電の影響はいまだ不明だ。ベネズエラは国家の収入のほぼすべてが、石油の輸出によってなされている。

電力を担当する国営企業の元会長は、次のように述べている。

「石油会社 PDVSA と、ベネズエラの主要原油生産地域であるオリノコベルトの外国のパートナー企業との間の主要な合弁事業のほとんどは、それぞれが持つ発電機で運営されています。しかし、ベネズエラ西部の多くでは石油生産に既存の電力網を使用しています」

ベネズエラ国営の石油会社 PDVSA はコメント要請に応じていない。


 

ここまでです。

この記事は、3月10日のものですが、今日(3月12日)も停電は続いていて、この記事には、

「電気がない状態で50時間以上も耐えることができる国は世界のどこにもない」

とありますが、停電の継続時間は、すでに「 100時間」を超えたことが報じられています。

そして、ベネズエラの政権は、この大規模な停電を「アメリカの攻撃だ」として、アメリカを非難しています。

以下は冒頭に載せました英ガーディアンの記事の前半です。記事の後半は、先ほどのカナダ CBC などが報じています停電の中での人々の状況などですので、割愛させていただきます。

ここからです。


Venezuela blackout caused by 'US attack', defence minister claims
Guardian 2019/03/08

ベネズエラの大規模停電は「アメリカの攻撃」によるものだとベネズエラ国防大臣は主張する

ベネズエラで、同国の歴史の中で最悪の大規模停電が発生しているが、国防相は、南アメリカ全土の国に電力を供給せずに、危機的な停電を首謀したのは実質的にアメリカだとして非難し、ベネズエラ危機が新たな不安定な局面に入る可能性があるとの懸念を呼び起こしている。

3月7日の停電後、カラカスの大統領宮殿からのテレビでの演説で、パドリーノ・ロペス国防相は、「北アメリカ帝国」が、マドゥロ大統領の団結された政権を「混乱させ攻撃する」ために計画された「犯罪的な攻撃」が、大規模停電の背後にあったと主張した。

ベネズエラの 23の州のほぼすべてが、同国の近年の歴史における最も深刻な停電の後、全土にわたりブラックアウトした。

何百万人ものベネズエラ国民は、暗闇の中で 2日目の夜のために準備をした。

その中で当局は、「この停電はベネズエラの人々とベネズエラの国を不安定にするために計画された攻撃だ」と述べている。

ロペス国防相は、ベネズエラの電力の多くを供給しているとされるベネズエラ南部のグリ(Guri)水力発電所にアメリカの「攻撃」が「準備、計画、明確に定義されていた」と主張し、それが「我が国の困難」を引き起こしたと述べた。


 

ここまでです。

この記事のちょっとしたところは、

> 3月7日の停電後、カラカスの大統領宮殿からのテレビでの演説で

というように「国民の誰もがテレビが見られない状況で、テレビ演説をした」という部分にも、ややあります。

それはともかくとして、以前から、

「今の文明は、電気を奪われた時にはまったく無力になる」

ということをよく書かせていただきました。

たとえば、いわゆる EMP 攻撃(電磁パルス攻撃)という核攻撃は、「ひとつの国や地域の電力網を一掃する」というもので、これは特に、兵力が乏しい国家に望ましいものであるために、ここ数年いろいろと懸念のあったものです。

たとえば、下は、2017年8月の産経新聞の記事からですが、技術的には、小規模な核爆弾ひとつがあれば、「国家を機能不全にできる可能性」があるのです。

「電磁パルス攻撃」の脅威 上空の核爆発で日本全土が機能不全に

産経新聞 2017/08/27

北朝鮮が核兵器や弾道ミサイルで挑発を続けるなか、もう一つの深刻な脅威として「電磁パルス攻撃」の可能性が指摘されている。上空で核爆発を起こし、広範囲で都市機能を破壊するものだ。

北朝鮮は既に攻撃能力を持つとみられるが、日本の対策はほぼ手つかずで、専門家からは懸念の声が上がる。

電磁パルス攻撃は地上への核攻撃と違い、ミサイルの弾頭部分を大気圏再突入時の高熱から守る技術は必要ない。小型の核弾頭を搭載したミサイルを発射し、目標上空で起爆するだけだ。

EMP については何度か記事にさせていただいていますが、最近では、以下のようなものがありました。

電磁パルス(EMP)攻撃の懸念がかつてないほど高まる中で、アメリカではFEMA主導による「全米ブラックアウト・シミュレーション演習」が進行中。日本では…

上の記事のタイトルにありますように、アメリカでは、「全米すべての規模の大規模停電のシミュレーション」が実施されているのですね。

アメリカの連邦緊急事態管理庁(FEMA)が総括した訓練で、現実性をともなったものだと思われます。

 

まあ・・・・・いずれにしましても、今回のベネズエラの「全土的な停電」が、どういう理由によるものなのかは何ともいえないですが、普通、ベネズエラほどの国土面積がある国で、

「全土が停電」

というのは、ちょっと考えられないことです。

地図で見ても、ベネズエラは日本などよりはるかに広大な国土面積があります。

日本とベネズエラの面積の比較

Google Map

数字で比べると、ベネズエラは、日本の3倍の面積がありまして、面的的な見解から見ますと「大国」です。

日本とベネズエラの面積の比較

日本の面積    37万8000 平方キロメートル
ベネズエラの面積 91万6400 平方キロメートル

日本で、北海道から沖縄まですべて「同時に停電」ということが考えられないように、ベネズエラのような国で、それはちょっと……。

経済の破綻だけで、このような事態になるとも思えないし、あるいは仮にベネズエラの政権が言うように、アメリカの攻撃だとしても、ベネズエラだけをピンポイントでターゲットにする方法があるのかどうか。

先ほど記しました EMP は核を使うものなので、条約上、少なくとも平時には現実として使用できないものです。

ですので、何らかの外からの力があったとしても、それはどんな手段なのか。

 

奇妙なことが続きます。

そういえば、ベネズエラといえば、以下の記事で、「キリスト教のミサの会場の空にイエス・キリストのような姿があらわれた」ことを取り上げさせていただいたことがあります。

南米に出現しまくるイエス・キリスト的な曖昧な偶像の連続の中で、「夢で告げられた北緯33度線に位置するイスラエルの山」が意味することは何?

現在起きているベネズエラの奇妙な「全土一斉の停電」は、何だかこう、これからいろいろなことが起きる予兆なのですかね。





  • この記事を書いた人

Oka In Deep

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