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地球最期のニュースと資料

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なぜ私たち現代人は0157や花粉やダニ程度のものに対して、こんなに弱くなってしまったのか冷静に考えてみませんか …… その答えは過度な清潔社会の進行以外にはないのですが

      2017/11/06

シカゴ大学の微生物学者の研究を取り上げた米国の記事より

‘Dirt Is Good’: Why Kids Need Exposure To Germs

日本におけるアレルギー疾患の患者の異常な増加

・日本健康増進支援機構

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世界の無菌室化が止まらないのなら

最近、0157 などの報道を目にすることがあるのですが、今朝、偶然ついていたテレビのワイドショーみたいなのをチラッとみると、「殺菌」とか「防御」とか、ほとんどオカルトに近い話を専門家を交えて語っておりました。

いつまでこんなことを言い続けるのだろう・・・と、やや暗澹ともしますが、しかし、まあ、それぞれの方のお立場もあるのでしょうし、今のこの「消滅菌に向かう風潮」はそう簡単に終わる事はないのだろうなとも思います。

何となくオカルト的な概念に巻き込まれてしまった現代人たち・・・。

このあたりに関しての私の考えは、昨年の終わり頃に書いた

数百万の「無菌室」が導く崩壊 : 「微生物との共生を拒否した日本人」たちが創り出す未来の社会は
 2016/12/13

の中で書かせていただきました通りで、

「過度な清潔の実現と、殺菌を過剰に行う現在の住環境が、今のアレルギー蔓延と、病原菌への弱体化を作った」 

と思っていますし、今でも、これは 100%間違っていないと確信しています。

そんな中、最近、アメリカで出版された著作が話題となっていて、それは冒頭に示しました『汚れは良い(原題:Dirt Is Good)』という本で、米国シカゴ大学の微生物専門者たちの研究がまとめられたものです。

これは簡単にいえば、先ほど書いていたことと同じように、

「住環境の過度の消毒や滅菌が、子どもたちから免疫力を奪っている」

ことがわかってきたというもので、つまり、

「子どもたちをもっと土や動物などで汚れさせたほうがいい」

というものです。

あるいは、

「現代の生活の中では、ばい菌を気にして生活するべきではない」

とも。むしろ、ばい菌とふれ合う機会が多いほうが免疫の発達に役立つと。

ペストやコレラやエボラが床にウヨウヨしているような住環境なら、床に落としたものは食べないほうがいいでしょうが、そんな家庭は今はありません。落としたものなどは、食べてもいいし、それが主要国なら、外の土の上でも同じだと思います。

今回は、この本のことを簡単に取り上げていた米国の記事をご紹介したいと思います。

 

確かに今の社会は「意図しない」でも、住環境や「自分自身」を殺菌し続けています。

それは先ほどリンクしました過去記事にも書きましたけれど、「○○除去 99%」だとか、そういう表記が生活に使う多くのものに記載されているのですから。

単なる洗剤だって、見れば、ほとんどが「除菌」となっていて、お皿が除菌されるのはともかく、お皿を洗うたびに「自分の手も常に除菌されている」のです。

手の常在菌は、1度殺されると復活に丸1日とか、結構時間がかかるものらしいですが、普通は1日に何度も皿を洗いますしね。常在菌が復活する時間がないのですよ。

私は皿洗いが好きなので、1日に何度もしますけれど、殺菌剤の入っていないものと使いわけています。自然の成分のものは油汚れが落ちないので、使い分けるしかないのですね。

ここでテレビ通販なら、

「さて、そんな奥様方に朗報です」

と来るのでしょうけれど、私にはそんな朗報はどこからも来ず、「油汚れが落ちて、殺菌成分の入っていない洗剤がほしいなあ」と願うばかりであります。

それはともかく、現代の生活では、本当にエアコンから掃除機から洗剤から、「何もかも殺菌ワールド」ということになっていて、これでアレルギーの人たちが減るわけがないし、病原菌に感染して症状が重い人たちもさらに増えると思います。

0157 をはじめとする食中毒なんて、かつては「なんかお腹いたーい」で終わっていたもので、それが証拠に、たとえば、宮崎大学と大阪大学大学院の研究者たちによる 2009年の論文「病原性大腸菌」には、

> O111やO157は100人を超える規模の食中毒をたびたび発生させることがあり先進国で問題となっている。

とあるのですが、このように「先進国で問題となっている」と書かれてあります。

先進国とそうでない国との差はいろいろとあるでしょうが、最も大きな違いは「過度な清潔」です。

実際、0157 自体は人間より以前から地球にあったかもしれないですが、日本でその名前が初めて出てきたのは 1996年です。つまり、つい最近です。最近の細菌なのです。

その頃になって、はじめて「患者になる人が出てきた」と。

これは過度な清潔が日本に少しずつ浸透していった時期でもありそうな気はします。

大体、昔の日本人の生活は、もともと他の国から比べると、非常に清潔だったわけで、「それ以上、清潔の概念など不要」だったはずです。

江戸時代の日本の街並みの清潔さには、当時、日本を訪れた西洋人たちは軒並み驚きの声を上げたことが記録されています(それに対して、当時のヨーロッパでは、人々は道にウンコを捨てていました)

そんなように、ただでさえ、もともと清潔に生きていた日本人が、殺菌・滅菌まで始めたら、もう免疫系など働きませんよ。

今のままでいけぱ、この先とんでもないアレルギー大国、病原菌に弱い大国となっていくことは避けられないですが、当局の人たちや、あるいは専門家の人たちもそのことに目を向けようしていないようですので、各自の自衛しかないのかもしれません。

もちろん、細菌自身も進化しているかもしれないですし、あるいは、今後、抗生物質も効かない時代もやってきますけれど、どんな時代でも、最後に自分を守るのは自分の体の中の免疫系です

それにしても、私を含めた私たちは、たくさんの子どもたちに「こんな社会を作ってしまってごめんね」と何度も何度も謝り続けなければならないのかもしれません。

しかし、いくら謝っても、失われた免疫系は簡単には戻りません。

では、ここから記事です。


‘Dirt Is Good’: Why Kids Need Exposure To Germs
npr.org 2017/07/16

「汚れは良い」 : 子どもが数々の病原菌にさらされる必要がある理由

シカゴ大学で微生物生態系を研究する科学者であるジャック・ギルバート(Jack Gilbert)氏は、子どもを持つアメリカの親たちに、さまざまなアドバイスをおこなっている。

ギルバート氏自身もふたりの子どもの親だが、ふたりめの子どもが生まれた時に、彼は、現代の子どもたちが病原菌(いわゆるばい菌)に接触することについての危険性について、現在の病理学で実際に何がわかっているのかということについて調べてみようと思った。

そして、研究を終えたギルバート氏は現在、以下のように断言する。

「ばい菌への曝露はほとんどの場合で子どもの健康に実に有益でした」

「たとえば、床に落ちて汚れたおしゃぶりを、水で洗わないで、親が口に入れて舐めてから、また小さな赤ちゃんの口に戻すと、実に赤ちゃんの免疫系を刺激します。それによって、赤ちゃんたちの免疫系はより強くなるのです」

ギルバート氏は、『ダート・イズ・ア・グッド(汚れは良い)』という新しい本の共同著者だ。

これは、子どもたちの免疫システムを強くするための病原菌の利点を説明したものだ。

この本は Q&A 形式で記述されており、ギルバート氏が何年にもわたり、アメリカ各地の親たちから提出された多くの質問に答えようと試みた。

以下は、著作からのハイライトだ。一部は短く編集している。

 

Q:親たちの考えや行動で間違っていることは何ですか?

A:間違ったことのひとつは、住んでいる環境を過度に消毒、滅菌してしまうことです。これによって、子どもたちは病原菌で汚れてしまうことができなくなってしまうのです。

また、裏庭で外遊びをして泥がついた時に、すぐに汚れを洗い流し、殺菌して、顔からも手からも汚れを排除してしまうことがありますが、それも同じように良くはありません。風邪を引いていたり、インフルエンザにかかっている時には、手荒いをして問題はないですが、そうでなければ、過度の消毒は良くありません。

また、子どもたちを過度に動物から離しておくことも良くありません。犬や猫が子どもの顔を舐めることは悪いことではないのです。それは子どもの健康に非常に有益に働くことがあります。

 

Q:手の消毒剤はどうですか?

A:通常は良くありません。暖かい(殺菌作用のない)石鹸水は大丈夫です。普通の石鹸なら、子どもの健康に与えるダメージはそれほど大きくはありません。

 

Q:5秒ルールはどうお考えですか? 何かが地面に落ちたときに 5秒以内なら、それはきれいだという考え方です。

A:5秒ルールというものは存在しません。たとえば、微生物がジャムを塗ったトーストの粘着性のある部分に付着するのには数ミリ秒しかかからないのです。つまり、0.1秒でも 5秒でも同じことです。

現代のアメリカの家庭では、非常に危険な病原体があるリスクが高いと思われる場所に落としたのでない限り、落ちたものを食べてもリスクはありません。そして、今のアメリカの家庭の中にも深刻な危険のある病原体が存在する可能性はほとんどありません。

 

Q:おしゃぶりが地面に落ちた場合は、洗うのと、親が舐めてから子どもに渡するのとどちらがいいですか?

A:舐めるのが良いです。 30万人以上の子供を対象とした調査では、おしゃぶりを舐めてから戻した親たちの子どもたちはアレルギーが少なく、喘息も少なく、また、湿疹も少なくなっていました。全体的に彼らの健康はより強かった。

 

Q:アレルギーなどの存在は、私たちの子どもをあまりにも保護しようとした結果である可能性があるのでしょうか?

A:まったくそうです。

昔(アメリカ人は)バクテリアを含むより多くの発酵食品を食べていたでしょう。私たちは、今の子どもたちがもっと定期的に動物や植物や土壌、つまりばい菌にさらされるように促したほうがいいと思うのです。

今、私たちは基本的に屋内に住んでいます。そして、私たちは多くの生活では、家庭内の住環境の表面を消毒したり殺菌します。その中で免疫系は過敏になっていく。

私たち人間は、体内に「好中球」と呼ばれる小さな白血球の兵士の細胞を持っています。この好中球が異物を探し回るのに時間がかかり過ぎると、彼らは炎症を起こすようになるのです。

(訳者注) 好中球は白血球の種類で、生体に細菌などが感染すると、感染した炎症部位に集まり、細菌類を食べてくれます。本来は、体に対しての異物だけに反応するのですが、免疫系の異常により、花粉など本来は人体に危険ではないものにまで反応するようになります。

そして、最終的には、花粉のような異物を見ると爆発的に炎症を起こすようになるのです。本来、正常な働きをしている好中球が過剰な殺菌の中で「狂っていく」のです。それが喘息や湿疹を引き起こし、しばしば食物アレルギーなどの症状を引き起こします。

 

Q:私たちは子どもに何をすべきでしょうか

A:子どもたちには、できれば、カラフルな緑黄色野菜が豊富な食事をさせ、砂糖を極力減らすように努力してあげてほしいですが、実際には、そのような健康的な食事を子どもに続けさせることは難しいことも事実です。

それよりも、あなたの子どもには、より多くのこの世界を体験させてあげてください。適切なワクチン接種を受けているのであれば、大地や自然や動物とふれあい続けることでの病原菌は脅威にはなりません。それはむしろ、より強力で有益な免疫を子どもたちに与えてくれるでしょう。



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