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原発事故から10年の今、放射線で汚染された福島の無人地帯は、チェルノブイリ同様、「以前より豊かな動物の生態系が広がっている」ことが米国の科学者たちによる調査で判明

投稿日:

2020年1月8日のCNNインターナショナルの報道より

CNN




 

チェルノブイリと同様に、福島でも原発事故後に生態系が以前より豊かになっていた

2012年の In Deep で以下のような記事を書かせていただいたことがあります。

チェルノブイリの野生動物は事故後の放射能の影響を「受けていなかった」調査結果が英国の王立協会の学会誌で発表される
 In Deep 2012/04/16

この記事では、英ポーツマス大学の教授であると共に、国際原子力機関「チェルノブイリ・フォーラム」の委員であったジム・スミスさんという科学者が、20年間にわたるチェルノブイリ原発事故現場の調査についての結果を発表したことに関しての報道をご紹介しました。

この報道も後で再度ご紹介しようと思いますが、2012年の報道は以下のような文言で始まります。

もしかすると、チェルノブイリや福島での原発事故による放射能は、これまで考えられているほど野生動物に対して有害ではないのかもしれない。

さらに、ジム・スミス教授は、チェルノブイリの 20年間の調査結果を受けて、福島に対して以下のような意味のことを語ってました。

「原発事故の起きた福島とその周辺の野生生物も、その生体システムが損傷を負うことなく、事故前と変わらずに動物たちは健全に成長し続けるでしょう」

そして、私はその記事の中で、

これは「福島とその周辺は、今後これまで以上に自然環境が繁栄し、豊かな野生環境と、健全な野生生物の個体数の増加の可能性が期待できる」ことを示していると思います。

と書きましたが、この記事から 8年後の今、それが証明されました

アメリカの大学の研究者たちにより、福島の原発事故の周辺は野生動物たちが大繁殖しており、豊かな生態系に恵まれていることがわかったのです。

特に「汚染がひどいとされていた場所ほど、動物たちが繁殖していた」ということも、先ほどのチェルノブイリ周辺の調査とほぼ同じでした。

福島の住民たちは、最も汚染がひどいとされたエリアから長期避難することを余儀なくされたましたが、科学的調査の結果を見る限りは、そのエリアでの「放射能の生体への長期の影響は、ほぼまったくない」ということが言えそうです。

この報道に関しては、欧米からロシアなどにいたるまで海外ではいっせいに報じられていたのですが、それから数日経った今でも、日本語の報道は「ゼロ」です。

報じてはいけない何かがあるのでしょうか。

福島の生態系調査に関する報道の数々。日本語の報道はゼロ

Google ニュース検索

このことについてご紹介したいと思います。

今回は、CNN の記事をご紹介させていただきます。

 


Wildlife flourishing in uninhabited areas around Fukushima
CNN Intwernational 2020/01/08

福島周辺の無人地帯では野生生物たちが大繁栄していた

日本の福島原発事故から約 10年経った現在、放射能汚染にもかかわらず、住民が避難した無人の地域で、野生生物が繁栄していることを研究者たちは見出した。

東日本をマグニチュード 9.0の巨大地震が襲ったのは、2011年3月11日のことだった。この地震と、そして津波により 20,000人以上の方々が死亡あるいは行方不明となり、家を失った人の数は数十万人にのぼった。

この地震により、福島第一原子力発電所の 3つの原子炉がメルトダウンし、それと共に放射性物質が大気中に放出され、10万人以上の住民たちが避難した。


・無人地域を探索するニホンカモシカ

しかし科学者たちは、現在は人がもはや住んでいない、これらの地域に野生生物が豊富に暮らしていることを発見した。

米ジョージア大学の研究者たちは、リモートカメラを使用し、発電所周辺のタヌキやイノシシ、そして、サル、キジ、キツネやノウサギなど 20種類以上の動物が撮影されている写真を 26万7,000枚以上回収した。

研究者のジェームズ・ビーズリー(James Beasley)准教授は、以下のように声明を出した。

「私たちの調査の結果は、放射能汚染の存在にもかかわらず、福島避難区域の全域に多数の野生生物種が豊富に存在するという最初の証拠を示しました」

ビーズリー准教授は、サバンナ川生態学研究所と、ウォーネル森林自然資源研究所の研究者でもある。

写真のデータは、3つの汚染地域ゾーンに設置された 106台の固定カメラから収集された。

3つのそれぞれのゾーンは、まず、汚染レベルが最も高いために人が住むことが禁じられたエリア。次が、中程度の汚染のために人が入ることを制限された地域。そして、もうひとつが、汚染の程度が軽いために、人々が留まることを許された地域の 3つだ。

120日間で、カメラは 4万6000枚のイノシシの写真を撮影したが、その中の 2万6000枚以上の写真は、汚染が強く、人が住むことを許されなかった最も汚染度が高いエリアで撮影された。

対照的に、人が暮らすことが制限されている中程度の汚染エリアで撮影されたイノシシの写真は 1万3000枚、人が住むことが許されている最も汚染の高い地域ではイノシシが写された写真は 7000枚だった。

放射能汚染度が高く、人が入ることを禁止されている地域が最もイノシシたちが繁栄していたことになる。


・福島原発周辺を歩くサルの親子。

研究者たちはまた、無人地帯または制限されたエリアは、人が暮らしているエリアよりも多くのアライグマやテン、イタチのような動物、およびニホンザルやサルが見られた。

野生のイノシシなど、人間と「対立している」と考えられる種は、主に人間が避難した無人地域で撮影された。

この研究では、野生生物集団全体に対する放射線の影響を監視しているが、個々の動物の健康に関する評価は行っていないと科学者たちは述べている。

この研究は1月6日に、科学誌「フロンティア・イン・エコロジー・アンド・エンバイロメント( Journal of Frontiers in Ecology and the Environment)」で発表され、チェルノブイリに関する調査チームの研究と合わせて内容が公開された。

チェルノブイリでも、原発事故後に野生生物たちが大繁栄している。
 


 

ここまでです。

先ほど記しました 2012年の過去記事で取りあげました、イギリスの科学者たちによるチェルノブイリの原発事故後 20年間にわたる調査結果に関しての報道も、ここから再掲させていただきます。

 


Wildlife Thriving After Nuclear Disaster
Nano Patents and Innovations 2012.04.11

放射能事故後にチェルノブイリで増加し続ける野生生物

もしかすると、チェルノブイリや福島での原発事故による放射能は、これまで考えられているほど野生動物に対して有害ではないのかもしれない。

英国ポーツマス大学のジム・スミス教授と調査チームによる最新の研究は、1986年4月に発生したチェルノブイリの壊滅的な原発事故に対しての初期の調査報告に対しての嫌疑と再確認を含めてのものだった。

チェルノブイリ事故の初期の報告は、放射線が現地の野生の鳥の生体と個体数に大きな悪影響を与えたというものだった。

今回のスミス教授の研究での発見と調査結果は、ロンドン王立協会の『バイオロジー・レター』に発表される。

この内容は、日本の福島で 2011年に発生した原発事故での野生生物への影響についても当てはめて考えることができると思われており、放射能の生物学的影響についての議論について進める中で重要な論文となる可能性がある。

今回の研究を率いたポーツマス大学地球環境科のジム・スミス教授は以下のように述べる。

「私自身は今回の調査結果にそれほど驚いていません。これまで、チェルノブイリ事故の野生生物に対しての放射能の被害についての報告や調査を私たちは数多く見てきましたが、しかし、実際に動物たちからは重大な損傷を見いだすことはできていませんでした。そのため、私たちは以前から、原発事故後の自然環境と野生生物への悪影響について確信を持てなかったのです」

「そして、私たちの今回の調査と研究では、放射能による若干の野生生物への影響はあり得ても、長期的に見れば、チェルノブイリの立ち入り禁止区域(閉鎖地域)での野生生物の生体数は回復し、増大しており、むしろ以前より良くなっていることも見いだされています」

これまで、科学者たちは、チェルノブイリの事故の後、放射能が鳥のアンチオキシダント防衛メカニズム(抗酸化防御システム)に損傷を与えたことにより鳥の個体数に大きな影響を及ぼしたと考えていた。

しかし、スミス教授と研究チームは、今回、この影響についてを定量化した。放射線からの遊離基(対になっていない電子のこと。フリーラジカルとも呼ぶ)の産出をモデル化したのだ。

そして、チェルノブイリと福島で見られる類似した放射能の密度レベルでは、鳥のアンチオキシダント防衛メカニズムは、放射線に簡単に対処できることができると結論づけた。これは、放射線が鳥の抗酸化防御メカニズムを損傷したというこれまでの考えとは相反するものだ。

スミス教授は以下のように述べる。

「チェルノブイリの鳥の抗酸化防御レベルの変化は、放射能からの直接的な影響ではないことを、私たちの発見は示しました。鳥以外の野生生物の持つ抗酸化防御のシステムも、鳥と同様に放射線に抵抗する力を持っていると考えています。つまり、福島の放射線濃度でも、野生生物に、生体システムへの酸化性の損傷を与えることにはならないはずです」

また、教授はこう続ける。

「チェルノブイリの事故直後には、とても高い放射線のレベルが生物たちに深刻な影響と損害を与えたことは有名です。しかし、その後の、野生動物に対しての長期間の悪影響は見出せません」

「原発事故後もチェルノブイリの閉鎖区域にとどまり続けて調査を続けているベラルーシとウクライナの科学者たちによれば、事故以降、チェルノブイリの閉鎖地域では事故前よりも野生生物の個体数が大きく増加したことが報告されています」

スミス教授は 20年以上、チェルノブイリで放射能汚染を調査し続けており、調査のために定期的にチェルノブイリの事故現場を訪ねる。


 

ここまでです。

当時、この記事で妙に納得したのは、以下の部分でした。

> チェルノブイリの閉鎖地域では事故前よりも野生生物の個体数が大きく増加した

あくまで「長期的な意味」ですけれど、放射能は生体に悪い影響を与えておらず、むしろ良い影響を与えているとしか思えないような事実です。

また、上の記事に「原発事故後に閉鎖区域にとどまり続けて調査を続けているベラルーシとウクライナの科学者たち」とありますが、以前、NHK か何かのドキュメントで偶然、この科学者たちの活動を見たことがありますが、「事故前より明らかに自然環境が豊かになった」と言っていました。

そもそも、この科学者たち自体が事故現場に 10年も 20年も止まり続けて(そこで生活している)、健康をまったく損なっていなかったですしね。

いずれにしても、こういう科学的見識がもう少しだけ浸透していれば、福島から他の地域の学校に転校した子どもがいじめられるというような馬鹿げたことは起き得なかったわけですし、風評被害なども起きなかったとは思います。

なお、先ほどのふたつの記事は「動物」に関してのものですが、人間に関しても、ずいぶん以前から「放射能の長期被曝による遺伝子の損傷はない」ことも確定されています。

2012年6月の以下の記事でご紹介しています。

放射線の長期被爆によっての遺伝子への損傷は「ない」ことがマサチューセッツ工科大学の実験で判明
 In Deep 2012年06月27日

この研究により「放射能による DNA の損傷はまったく起きない」ことが判明したのです。あまり起きないのではなく、「まったく起きない」のです。

ご興味のある方は、上の記事に、マサチューセッツ工科大学 MIT News の記事を翻訳したものを載せてありますので、ご参考下されば幸いです。

あるいは、2018年3月には、以下のような記事を書いたこともあります。

福島で見つかった「原子炉の水中で繁茂し続ける多数の生き物たち」:そして思い出す数々の「放射能での生物や遺伝子の損傷が見出されない科学的研究論文」

今後も「生体と放射能」の関係性については、もっと研究されるべきだとは思っています。

というのも、日本では、という意味ではなくても、

「原子力発電所の事故はいつかは必ず起きる」

からです。

その時にもまた第二の福島のようなところが出てきて、また子どもたちがいじめられるのなら、わけがわからないです。科学研究の意味がない。

もちろん、日本のような地震大国に原子力発電所がたくさんあるということについては良いことだとは思わないですが、それと「放射能と生体の関係の真実を突き止める」ことは別のことだと思います。

いずれにしても、現在福島に住んでらっしゃる方々には放射能による健康上の懸念はまったくないこと、そして福島の土地でとれる食糧にもまったく問題がないということだけは断言できると思います。

そのことを書きたいために今回の記事をご紹介させていただきました。





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