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6月14日にメルマガ宇宙線と太陽活動と雲から見る今後の食糧状況。そしてオーラの行方を発行させていただきました。

2023年からの世界 中国という国 人類の未来 日本の未来 資本主義の終焉

中国もアメリカも不動産セクターはもはや瀬戸際に。世界一位と二位のこの大国の不動産が「同時期に」崩壊した場合、世界は一体どうなる?

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北京で販売されている毛沢東や習近平氏の肖像画が描かれた土産物。rfa.org




 

どちらの大国も瀬戸際に

前回、現在の中国のことについて書きました。

[記事] 「霊的洗礼」の中で中国の文化大革命は続く:ディストピアの末にたどりついた「世界一幸福な国」で進む毛沢東時代への回帰
 In Deep 2023年5月23日

 

こういう毛沢東時代への回帰姿勢を明確にしている習近平主席にとって、

「国内経済ってどういう扱いなのかなあ」

とかは思います。

少なくとも、経済は「最重要事項ではない」ことは確かなようです。

昨年の中国の国会である全人代で、最も重要な事案とされたのは「食料安全保障」でした。

実際、その後、中国はものすごいペースで、海外から穀物を輸入し続けています。中国自らも世界最大の農業生産国のひとつであるにも関わらずです。

それどころか、現在の中国政権は、明らかに「経済を軽視し始めている」ことを示していることを、昨年 11月の米ブルームバーグは伝えていました。

中国、経済発展と改革開放の優先度を引き下げ

ブルームバーグ 2022/11/08

中国は立法における経済発展と改革開放の優先度を引き下げようとしているもようだ。共産党の習近平総書記(国家主席)への権力集中が進む中で、中国政府が成長より安全保障やイデオロギーを一段と重視するとの懸念が強まっている。

全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の立法手続きを定める立法法の改正案は、法律に関する原則のリストを刷新。立法は、経済発展を基軸とし、改革開放を着実に進めるべきだとする冒頭部の文言が削除された

改正案は、「中国の特色ある社会主義法治体制を発展させる」ため、「共産党指導部に厳格に従い、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論」などと共に「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想の導きを順守すべきだ」としている。

習総書記は10月の党大会閉幕式で経済発展が引き続き党の最優先課題だと述べたが、経済成長が軽視されつつあるとの懸念はこうした法改正で強まるばかりだ

 

ここに「懸念は強まるばかりだ」とありますが、中国の経済が極端に衰退していった場合、最も困るのは、おそらく「中国以外の国」だからです。

 

ともかく、主席自身が、

「経済発展より、社会主義思想を推し進める」

と述べているのですから、おそらく、今後、ある程度は素直にそうなるのでしょう。

最近、中国当局が外資系企業への締め付けを強化していることも関係しているかもしれないですし、外資系企業だけではなく、中国の大企業にも、ほとんど「圧力的に」寄付をさせていたりしているのですが、2021年のデータですと、寄付額もなかなかのもののようで、寄付額一位のアリババ創業者ジャック・マー氏の寄付額は、32億元 (約 6300億円)だそうです。

ちなみに、このジャック・マー氏という方は、しばらく中国を離れていたのですが、最近、

「中国に戻った後に行方不明になった」

ことが 5月21日の中国語の報道で伝えられています。

ジャック・マー氏は中国に帰国したが、行方不明
马云回国下落不明

 

そして、経済の拡大を軽視している主席が率いる中国に、かなり迫っているのが、

「不動産と銀行セクターの崩壊」

のようです。

5月24日に米エポックタイムズが、データ共に取り上げていました。

その記事をご紹介したいと思いますが、しかし、実際に、それよりも早い段階で崩壊すると見られているのが、「アメリカの商業用不動産」で、これはもう避けられないようです。

 

アメリカの商業用不動産の崩落は秒読み段階に

モルガンスタンレーの資産運用部門が、「 2023年のアメリカ商業不動産の壊滅的な崩壊」を報告書で警告したのは、今年 4月のことでした。

(翻訳) モルガン・スタンレーが終末論的な不動産警告を発行 (2023/04/09)

 

現時点でも、すでに、アメリカの主要都市のオフィス空室率は、2008年の金融危機時をはるかに超えています

シカゴ、サンフランシスコ、ニューヨークのオフィス空室率の推移

zerohedge.com

直近でこれが改善する理由はまったくなく、さらには、最近の銀行危機で、アメリカの銀行は「お金を貸さなくなっている」ことがあるため(小さな企業などが立ち行かなくなる)、何か特別な展開でもない限り、基本的には今後「さらに悪化していく」と見られます。

アメリカでは、集合住宅の売上高も 2023年の第1四半期に、金融危機以来で最大の減少率を示しました。価格が劇的に下がっている上に、買い手がいなくなっている。

アメリカの集合住宅の販売額の推移 (赤い丸が2023年第1四半期)

wsj.com

このグラフが示されていたウォールストリート・ジャーナルの記事には以下のようにありました。

(ウォールストリート・ジャーナルより)

> 変動金利ローンの残りの残高は、その多くが今年中に期限が到来し、購入した建物が毎月十分な現金をもたらしていない借り手たちは、借金を返済するために建物を売却しなければならない可能性がある

> ノースマーク証券会社の集合住宅部門の代表であるトレバー・コスコビッチ氏は以下のように述べる。

「始まったばかりです」

 

銀行が貸してくれなくなった上に、望んでいたような額の家賃ではなくなっており、結局、この夏以降、「多くの集合住宅が、資金繰りに行き詰まり売られていく」という可能性が書かれていました。

以下に記事の翻訳があります。

(翻訳) アパートの売上高は74%減少、14年間で最大 (wsj 2023/04/04)

 

この、アメリカの商業用不動産(場合によっては、不動産全体)の崩壊は、現在までのデータでは「起きることはほぼ確実」と思われ、その時期と規模がはっきりしていないだけだと見られます。

 

ここまでのことで言いたかったことは、

 

「中国の不動産とアメリカの商業用不動産が同時に崩壊した場合、日本を含めた他の国への影響は?」

 

ということです。

その影響は、私にはわからないですが、中国とアメリカの不動産の崩壊の「時期」は重なる可能性もあり (早ければ今年)、この超巨大不動産市場が崩壊したとなれば、パーフェクトストーム級のようにも思えるのですが、どうなんでしょう。

ちなみに、世界の不動産規模は以下となっています。

主要国の不動産時価総額

・中国   9400兆円
・アメリカ 4744兆円
・日本   1535兆円

 

そして、イギリス、フランス、ドイツを合わせた不動産時価総額が、4400兆円となっています。中国とアメリカはダントツなのですよね。

アメリカの商業用不動産が壊滅的な崩壊に陥ることはほぼ間違いないとしても、中国の不動産に何か起こるのかどうかは、何ともいえませんが、エポックタイムは「中国の不動産の崩壊が迫っている」と述べています。中国とアメリカと同時に崩壊したら、もう大変なんでしょうねえ。

ここからエポックタイムズの記事です。




 


専門家たちは、世界最大の不動産市場が崩壊の危機にあるという

World’s Largest Real Estate Market on the Brink of Collapse: Experts
Epoch Times 2023/05/24

中国人民銀行の最近の統計によると、中国の住宅購入者たちの熱意が大幅に低下している。

価格引き下げや奨励金にもかかわらず、世界最大の住宅市場は低迷が続いており、中国の銀行セクターは債務不履行と期限前返済の両方が増加することで 2つの面で打撃を受けている。一方、中国の開発業者たちは緊張感を示し始めており、今週は不動産大手の万達集団がドル建て債券の価値急落で話題になった。

不動産調査機関チャイナ・インデックス・アカデミーによると、2023年初頭、全国の地方政府が経営不振の不動産セクターを救済する政策を打ち出し、中国の不動産市場は一時的な回復を見せた。4月末までに、40以上の都市で最初の住宅購入者向けの住宅ローン金利が 4%未満に引き下げられた。

3月には楽観的な見通しを示していたが、しかし、4月の売上高はアナリストたちの予想に届かなかった。

中国人民銀行が 5月11日に発表した 2023年 4月の金融統計報告によると、4月の住宅ローンは 2411億元(4兆7000億円)減少した。

このうち、住宅ローンを中心とする中長期の家計融資は 1156億元(2兆2600億円)減少し、短期住宅ローンは 1255億元(2兆4700億円)減少した。

公的統計によると、中国最大都市の中古住宅販売額はいずれも 4月に 2桁の減少を示した。このうち北京は 37.3%下落した。杭州は 32.7%下落した。上海は 26.71%下落した。南京は 13%下落した。最も落ち込みが大きかったのは合肥市で 40%下落した。

 

中国共産党が値下げにブレーキをかけている

住宅市場の低迷により、開発業者たちは価格引き下げを余儀なくされた。

しかし、中国昆山市の不動産開発業者 2社は、価格を大幅に引き下げたとして中国の規制当局から罰則を科せられた。規制当局によれば、「不動産市場の正常な秩序を乱し、社会不安を引き起こした」という。

日本を拠点とする時事評論家の屈凱氏は 5月13日、エポックタイムズに次のように語った。

「中国の政権が不動産開発業者に価格引き下げを許さない理由は非常に単純です。 価格引き下げによって引き起こされる連鎖反応は、中国の不動産市場のバブルを即座に崩壊させ、中国共産党にとって管理が困難な一連の経済危機を引き起こすと見られるからです」

中国共産党は不動産市場を通じて収益を維持できなくなるため、現在の不動産危機は遅かれ早かれ銀行に影響を及ぼし、最終的には政権全体に影響を与えるだろうと屈凱氏は考えている。

 

瀬戸際

中国は世界最大の住宅市場だ。著名な経済学者で、中国開発研究センターの元エコノミストのレン・ゼピン氏の「中国住宅市場価値レポート 2021」の推計によると、2020年の中国の住宅市場価値は 62.6兆ドル (約9400兆円)だったのに対し、米国は 33.6兆ドル (約4744兆円兆円)、日本は 10.8兆ドル (約1535兆円)、イギリス、フランス、ドイツを合わせた不動産時価総額が 31.5兆ドル (約4400兆円)だった。

レン氏の「チャイナ・ウェルス・レポート 2022」によると、2021年の中国の住宅市場の時価総額は 476兆元(約 1京300兆円)に達した。これは、2020年と比較して時価総額が 17.9%増加したことになる。

GDP に対する住宅市場価値の比率を考慮すると、2020年の中国の住宅市場価値はすでに 414%に達しており、1990年代に住宅バブルが崩壊する前の日本の 391%を上回っている。

中国経済の低迷と住宅市場の縮小により、中国で差し押さえられた住宅の数は 2022年に 60万6,000戸に増加し、前年比 35.7%増加した。

同時に、中国の多くの都市で、販売される中古不動産の数が大幅に増加している。

 

リスクが銀行に転嫁される可能性

英国在住のベテラン中国人金融専門家であるファン・シ氏は 5月13日、エポックタイムズに対し、「中国の不動産の下落と住宅ローンの債務不履行の影響は、最終的には銀行に転嫁されるだろう」と説明した。

ファン氏は、銀行にとって住宅ローンには 2つのリスクがあると述べた。どちらの状況でも損失が発生し、銀行の資産が直接的に弱体化する。

最初の状況は、住宅所有者が住宅ローンの支払いを怠ったときに発生する。

中国でデフォルトが増加している理由の一つに、住宅ローンのボイコットが続いており、多くの住宅所有者が未完成の住宅の支払いを拒否していることが挙げられる。

2022年8月のニューヨーク・タイムズ紙の記事では、ボイコットが住宅ローン残高の最大 4パーセントに影響を与える可能性があると推定している。

2つ目は、住宅所有者が住宅ローンを早期に完済する場合であり、より高い金利を課されている多くの中国人住宅所有者がそうしている。住宅ローン保有者は、消費者の高額購入や新規事業の立ち上げを目的とした景気刺激策の下、個人貯蓄を取り崩したり、低額のローンを組んだりしている。

アナリストたちは、銀行が借入金利を引き下げ始めた 2022年初頭以来、中国の住宅ローン残高の 8分の 1に近い 7000億ドル (約 97兆円)近くが前払いされていると推定している。

通常の状況であれば、これにより銀行は他の融資に資金を供給できるようになる。

しかし、消費者が支出に対して非常に慎重になっている現在の状況を考えると、銀行にとってはむしろ悪いニュースだ。既存の住宅ローンで損失を被っているだけでなく、新たな融資も不足している。

その結果、不動産会社への融資が厳しくなる、とファン氏は警告する。

「銀行による不動産セクターへの融資強化は銀行をさらに混乱に陥らせ、銀行の資産の質と収益性に影響を与える悪循環を引き起こすだろう。 ある程度リスクが分散すれば、銀行は大量の不良債権を抱え、破綻に至るだろう」

 

不動産開発業者たちは負担を感じている

中国の住宅市場低迷の中、多くの不動産開発業者が混乱に陥っている。

中国の不動産大手である合景泰富集団は 4月28日、同日に支払うべき元本 2億1,200万元(約 43億円)を支払わなかったと発表した

この滞納により、さらに 312億元(約 6200億円)の債務が要求に応じて支払われるようになった。2 週間後、合景泰富集団は 1億 1,900 万ドル (約 167億円)の償還支払いを怠った。

中国最古にして最大の不動産大手の一つである万達集団ですら、債務メルトダウンの危険にさらされていると噂されている。

子会社ワンダ・プロパティーズ・グローバルが販売した 2米ドル債券の利回りは 4月に 35%を超えた。市場アナリストたちは、この急増は借り手が新たな資金調達に困難を抱え、債務危機や債務不履行(デフォルト)のリスクを悪化させている兆候だと指摘した。

4月下旬、格付け会社フィッチ・レーティングスはワンダ・コマーシャルとワンダ・コマーシャル・プロパティーズ(香港)を、ネガティブウォッチリストに加えた

ワンダ・コマーシャルは 5月23日、7月に返済期限を迎える 4億ドル(約 560億円)の債券が、約 70セント (約 70円)に下落し、「窮地に瀕している」として、より憂慮すべきニュースで見出しを飾ったと、ブルームバーグは「中国で不動産苦境が再び深刻化」という見出しで報じた。

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